パニックびとのつぶやき
住所
埼玉県
出身
埼玉県
ハンドル名
kumabeさん
ブログタイトル
パニックびとのつぶやき
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/skypaniroom
ブログ紹介文
昨年、「僕とパニック障害の20年戦争」を出版しました。それを土台とし、大幅に加筆して掲載しています。
自由文
高校3年の時にパニック障害を発症し、今年で22年目です。1980年代の終わりからこれまでに至る過程を描いています。パニック障害を抱えながら生きるということはどういうことなのかを出来るだけ具体的に書いていこうと思います。
更新頻度(1年)

142回 / 307日(平均3.2回/週)

ブログ村参加:2010/10/17

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kumabeさんのブログ記事

  • 若い罪(9)

    「よく眠れましたか?」「そうですね。前回とあまり変わらないんですけど、なかなか眠れそうもない時は、いただいた睡眠薬を2、3回飲みました」「まあ、そのくらいなら問題ないでしょう。睡眠以外に何か変化はありましたか?」町田は本題に話を移そうとしていた。「1か月前と大きく変わった所はありません。婦人科や美容整形外科も頭には浮かびましたが、結局、行動には移せませんでした」「それで正解だと思いますよ。婦人科はともかく、美容整形はちょっと違うと思うんです」町田は穏やかに言った。「それでまたこちらにお世話になろうと思いまして」佐世子はすでに注がれている紅茶のカップに口をつけた。「1か月前と大きく変わってないという事なので、こちらから薬をお出しする必要はないと思います。睡眠薬もまだほとんど残っているでしょうし」「はい。大丈夫です...若い罪(9)

  • 谷川、ひふみんに並ぶ 藤井聡太と対局濃厚

    谷川浩司九段が高見泰地七段に勝利し、プロ通算1324勝として、加藤一二三九段に並び歴代3位タイになりました。中原誠永世名人に並んだ時は棋士としての実績は名人15期の中原さんには及ばないけれど、兎に角、谷川さんがあの絶対王者・中原さんと同じだけ勝ったという感慨がありました。今回は逆に棋士としての実績はすでに谷川さんが上でしたが、ようやくひふみんに勝ち星で追いつけたなという思いです。逆に70代後半まで将棋への情熱を失わず、ここまで勝ち星を積み重ねた加藤さんの体力は驚異的です。こないだの対局で年上の田中寅彦九段に敗れたのは衰えを隠せないとは思いましたが、今回の若手のホープのひとりである高見七段に谷川さんらしい華麗な将棋で勝てたことはまだもう少しいけるかなとも感じました。それでも年齢的に脳や体力のコンディションをベスト...谷川、ひふみんに並ぶ藤井聡太と対局濃厚

  • 若い罪(22)

    「今のは姉じゃないよ」彩乃は俯き呟いた。「えっ?姉じゃなければ誰?従姉妹がたまたま来てたとか?」小川の顔は明らかに困惑していた。「私の母」彩乃は勇気を振り絞った。自分のために。そして佐世子のために。「またまた。川奈は真顔で面白いこと言うよなあ。だってあれじゃ、うちの母親の娘って言っても誰も疑わないぜ」小川が素直に受け取ってくれないのは仕方のないところだろう。しかし、彩乃は彼を許せなかった。「帰って」「いや、だって今お姉さんがケーキを買ってきてくれるって」「いいから帰って」彩乃のただならぬ剣幕に押され「わかったよ」とだけ言い残し、小川は姿を消した。程なく彩乃の目は潤んだ。自転車で帰ってきた佐世子の姿もぼやけていた。この日以来、彩乃は佐世子とほとんど口を利かなくなった。蝉の鳴く声の力が弱まり始めた8月末の午後、佐世...若い罪(22)

  • 若い罪(21)

    高校2年の夏、彩乃に恋人が出来た。相手は同級生のバスケット部に所属していた小川という男子生徒だった。初めて人前で手を繋いだ時は、汗が体の内側から湧き出てきた。それは相手も同じで、お互いが暑さを言い訳にしていた。そんな小さなデートを繰り返した後、小川は言った。「川奈の家に行きたい」と。「もう少ししたらね」と何回かやんわりと断っていたが、何か事情があるのではと思われるのも嫌で、自宅の前までならと妥協した。小川も顔に少し不満の色を浮かべていたが、一歩前進と前向きにとらえたのか「それでもいいよ」と応じた。すでに二学期、つまり季節は秋に変わっていた。自宅前の歩道で二人並んで背にもたれ、時々話す。「暇だね。どっか行こうよ」彩乃は一刻も早くこの場を離れたかった。しかし、小川も引かない。「いや、もう少しここにいよう」「約束通り...若い罪(21)

  • 若い罪(20)

    小学5年の時だった。休み時間の廊下でクラスメートの女子が話しかけてきた。「彩乃ちゃん。昨日、駅前の交差点を渡ってるの見たんだけど、隣にいた若い女の人ってお姉さん?」クラスメートは屈託のない笑みを浮かべている。彩乃の手のひらに汗が浮かんできた。「ああ、うん。そうだよ」「美人なお姉さんだね。私もああいうお姉ちゃんがほしかったなあ」クラスメートは友達に声をかけられて小走りに去っていった。彩乃はショックだった。漠然とは感じていた母親の若さに戸惑う自分を。親しくしている友人はともかく、初めて母を見たクラスメートが姉と認識したこと。そして正直に姉ではなく母だと否定できなかった彩乃自身を。それ以来、彩乃は当時高校生だった麻美を外出に誘うようになった。彩乃は姉が好きだった。優しくて外見は母をそのまま少女にしたようだった。何より...若い罪(20)

  • ニュース・甲子園

    今年の8月15日は西日本で大型の台風直撃という大変な状況になりました。温暖化は世界的な問題ですが、日本は気象の変動が特に激しく感じます。何とか被害が最小限に済めばと思います。自分の病気も多分に関係があるんでしょうけど、中国、四国はこないだ大雨の災害にあったばかりで「今度、また同じような被害になったらもう立ち直れない」と男性が話していたのが印象に残ります。終戦記念日ですが、74年前となると戦争体験者もわずかになりました。戦後からこれまで亡くなった方々の戦争体験を戦後以降の世代に伝えてきた言葉は無駄ではなかったのではないでしょうか。それ以降日本は戦争をしていない事に大きく貢献されたと思います。日韓関係が国交正常化後最悪と言われていますが、個人的には無理に修復する必要はないと考えます。徴用工問題にしても、また慰安婦へ...ニュース・甲子園

  • 若い罪(19)

    「ねえ、さっきのウエイトレス、私たちの事、絶対親子だと思ってるよ」和枝はいたずらっぽく笑った。「随分、自信持ってるんだね。仕事先の先輩、後輩もあり得るんじゃないの?」「服装がカジュアルだし、そうは思わないよ。別に親子と思われても全然気にしない。でも10年位前かな。最初に間違えられた時はちょっとショックだった。私だってまだ40前後だったしね」和枝とはランチの後、カラオケボックスで懐かしい曲を歌いあって別れた。しかし、頭では解っていても、若く見える辛さを親友の和枝でさえ理解できない現実を確認すると、少し寂しくはなる。彼女には町田クリニックの町田朋子についても話した。和枝は「話で聞いただけだから何とも言えないけど、私はその先生、嫌いじゃないな。佐世子もそうなんじゃないの?」と迷っている背中を押されるような言葉を並べて...若い罪(19)

  • 藤井聡太の試練

    昨日は一日中自宅にいたので、もう1つはブログに乗せる予定でしたが、意外に普段より怠さが強く何もできませんでした。藤井聡太七段の調子がいま一つ良くない気がします。NHK杯は勝利したものの、JT杯は三浦九段に敗れました。早指し棋戦のため、藤井君優位かと思ったのですが、三浦さんが研究通りの形に持っていけたようです。デビュー以来、初めての試練ではないでしょうか?久保九段、佐藤康光九段を激戦で破り、A級中位の力はあると見ているのですが、竜王戦で豊島名人に敗れ、力の違いを見せつけられました。個人的に豊島さんは渡辺三冠に次ぐ、ナンバー2だと思っていました。名人位を獲得してもその評価は変わりませんでした。しかし棋聖戦で両雄が激突して結果は渡辺さんが3勝1敗で棋聖位を奪取したものの、他棋戦での対決も含めて豊島さんが渡辺さんと肩を...藤井聡太の試練

  • 転がる蝉

    アスファルトの真ん中で仰向けで動かない蝉それは真夏の死の表現者美しい人はいる美しい人間はいるだろう美しい人生はあるのだろうか真夏の死の表現者よ、教えてほしいこの世に幸せはあるだろうかおそらくないと僕は思う探せば探すほど絶望するだけそして最後に訪れる死の苦しみその後の話だろう幸せは仰向けに転がる蝉はあの世で幸せを手に入れこの世で真夏の死の表現者となった君は偉大だ転がる蝉

  • 若い罪(18)

    そして個人経営を始めて約5年後、佐世子が現れたのだ。診察の途中からは半分、若くして亡くなった姉の育海と話している気分で、それを抑えるのに大変だった。敢えて予約も勧めなかった。せいぜい軽い睡眠障害くらいにしか診断できない患者と予約しないのは珍しくもないし、佐世子は再び町田クリニックを訪ねてくるという確信に似たものが町田にはあった。川奈佐世子は迷っていた。婦人科や美容整形などに問い合わせようとも考えたが、未だに行動には移せず、結局、短大時代からの親友である牧野和枝に「近いうちに会いたい」とメールするのが限界だった。「何かあった?」ファミレスのテーブルを挟み、和枝は少し心配顔で問う。高々と舞い上がった日の光が、カーテン越しにも十分伝わってくる。「うん、こないだメンタルの病院へ行ってきた。多少抵抗はあったけど,どこへ行...若い罪(18)

  • 若い罪(17)

    母の頼子によれば、その日も仕事から帰宅後も特に変わった様子はなかったという。しばらくして「少し眠る」と寝室に向かった。数時間後、頼子が異変に気付き、救急車を呼んだ時にはすでに心肺停止状態で、病院で死亡が確認された。58歳だった。すでに安いアパートを借り、一人で生活していた町田は父の死に立ち会えなかった。若い頃、父は無給医だったらしい。以前、同僚の意志が自宅を訪れた時、そう話していた。卒業した大学系列の病院に勤務していた父は、上司から「誰のおかげで医者になれたんだ」、手術に立ち会っても「ただで勉強させてやってんだから感謝しろよ」という言葉が日常だったらしい。姉の育海は「私が小さい頃は母も外で働いていた」と話していた。結婚後も世間がイメージする報酬とはかけ離れていて、それを埋めるために無理を重ねて働いていたのだろう...若い罪(17)

  • 若い罪(16)

    姉は高校の途中まで精神科医を目指していたが、学年が進むにつれ成績が伸びなくなり、医師を諦めざるを得なくなり、文系に転向した。その後、一流大学に合格し、商社への就職も決まったのだが、ほぼ同時期に体調を崩し、白血病の診断が下された。それから半年後、育海は息を引き取った。姉からの最後の言葉は「楽しく生きてね」。高校1年だった町田は耐え切れず、病室を出てうす暗い廊下で涙した。姉の育海が亡くなるまで、町田は遊んでばかりいた。当然、通っている高校も進学校とは程遠い。姉の「楽しく生きてね」の意味も考えた。確かにこれまでも楽しく生きてきたつもりだった。しかし、それが通り過ぎると満たされていたはずの心に空洞が生まれ、虚しさに変わった。姉の最後の言葉はこれまでのような楽しさも含まれているのだろうと思う。しかし、それだけではないよう...若い罪(16)

  • 若い罪(15)

    町田朋子は自らが経営するメンタルクリニックの仕事を終え、近くのレストランで少し遅めの夕食をとっていた。本当ならその後、居酒屋やバーで酒を飲みたいところだが、車を運転しなければならず、そうもいかない。窓から小さな夜景を眺めながら、町田はある人のことを考えていた。川奈佐世子。半月ほど前に一度だけ顔を合わせた患者である。まず強く印象に残ったのは、実年齢50歳とはかけ離れた外見の若さである。話し方の落ち着きやしぐさなどを含めれば20代後半には見えるが、純粋に見栄えだけで判断すれば、20代前半にしか見えない。これまでの半生、様々な人間と接してきたはずである。友人、知人、患者。それに一方的にではあるが、有名人、芸能人。確かに実年齢より若い人は多くいるが、その中でも彼女は飛び抜けている。診察の間、川奈佐世子と話しながら、彼女...若い罪(15)

  • 藤井聡太苦戦・渋野日向子快挙

    折角の休みだというのに朝食だけとって、1時過ぎまで横になってました。昔から水曜定休だけは変わってません。いろいろと一体いつまで持ちますか?昨日の順位戦C級1組、藤井聡太七段VS金井恒太六段の対局は92手までで藤井七段の勝ちとなりました。終盤の入り口で藤井七段が3六飛と疑問手を放って混戦に。まあ、藤井君だからより厳しい手を放ったに違いないと思っていたのですが、ここから流れがおかしくなりました。自分の目では大丈夫かなと不安に感じたのはこの手しかなかったのですが、ソフトで見るとまだ間違いがあったんですかね。勿論、金井六段が質の高い手を重ねていったともいえるのですが、一時はかなり危なかったようです。最後はギリギリ藤井君が余して、金井さんが投了となりました。藤井君は手が見えすぎるが故に深く読みすぎて、時間を使ってしまうと...藤井聡太苦戦・渋野日向子快挙

  • 若い罪(14)

    「正志はともかく、彩乃は自分の部屋にいるんじゃないのか?」「いや、今日はまだ」「塾で勉強か。受験生はたいへんだな」「塾はとっくに終わってるはずだけど」「ああ、そうなんだ」孝はさらに疲れが増したような顔をしていた。彩乃はここのところ、孝にはぶっきらぼうな顔しか見せていないはずだが、そうした事はあまり関係ないのかもしれない。長女の麻美には見せなかった彩乃への甘さに孝は気づいているのだろうか?孝は風呂もシャワーで済ませ、普段よりずいぶん早く寝室に入った。一人で眠るには広すぎるダブルベッドに体を横たえる。そして時に佐世子と向き合っていた日々を思い出す。本当は今でも女性として彼女を好きな気持ちに変わりはないのだ。しかし、お互いが40を過ぎたあたりから他人や近所の目が気になりだし、子供たちの目も気になりだした。それでも孝の...若い罪(14)

  • 若い罪(13)

    そして妙な噂が立ち始めた。「川奈さんは女性と浮気している」さらに「前の奥さんと別れ、若い女性と再婚した」というものだ。こうした疑惑が広まってしまうと、それを鎮めるのは難しい。人事課長としては致命的である。役所を出て3か所の横断歩道を渡れば、すぐ駅である。ネオンが映え始めた流れてゆく夕景を眺めながら、「あと2年か」と孝は心で呟いた。50才を過ぎ、そうした噂が耳に入った頃、55歳位で役所を辞めようかという思いが浮かび始めた。そして今ではそれが決まり事のようになっている。55歳で役所を辞める。ここまでは決まった。問題は第2の人生だ。最近よく耳にする「人生100年」というのは大げさとしても、もし自分が健康に恵まれれば、80代半ばまで生きるかもしれない。とてもそこまでは働けないだろうが、70歳までは現役でいたい。役所退職...若い罪(13)

  • 名倉潤、うつ病公表

    ネプチューンの名倉潤さんがうつ病を発症し、2カ月の休養が所属事務所から発表されました。約1年前にヘルニアの手術を受けたそうですが、その手術後の侵襲によるストレスが原因のようです。名倉さんとうつ病は結び付きませんが、強いて言えばネプチューンのリーダーであり、責任感の強いイメージがあります。今回のようなヘルニアでの侵襲が原因とされるのは非常に珍しいことだと聞きました。おそらく責任感の強い名倉さんは腰の状態が万全でないまま仕事に復帰し、そうした無理がたたって心にダメージを追ってしまったのだと思います。うつ病になる前の状態としては自律神経には交感神経と副交感神経があって、交感神経優位の状態が続くと、この状態が危険と判断され一気に副交感神経が支配してしまうようです。そのため、朝、起きる気力もなく、様々なことに興味を失って...名倉潤、うつ病公表

  • 若い罪(12)

    「勉強や運動はどうでした?」「体を動かすのは好きでした。子供の頃から泳ぎが得意で中学では水泳部でした。勉強はあまり出来が良くなかったです」このようなつたない想像力を働かしても何も変わらない。悟った佐世子は目を閉じた。睡眠薬が少し頭をよぎったが、今夜は眠れそうな気がした。川奈孝は区役所の人事部の課長である。人事の経験は浅いため、実務は自分より10歳以上年下の山上課長代理に任せ、最終的に彼と相談し、自分が責任を持つことにしている。山上を見ていると、自分の考え方は古いのではないかと思わされることが多い。孝は部下を評価する際、人柄に重きを置いていた。勿論、仕事ぶりも評価する。しかし、それに対しては比較的おおらかで、まずまず出来ればといったアバウトなものだった。しかし、山上は逆である。部下の仕事ぶりに細かく目を光らせてい...若い罪(12)

  • 若い罪(11)

    「確かにそんな感じです」佐世子は少しだけ刑事に取り調べられている容疑者のような心地がした。このまま町田は核心にまで迫れるのだろうか?期待と不安が入り交じった。しかし取り調べは打ち切りのようだ。「川奈さんをうつ病と判断するのは少し難しいですね。よって抗うつ薬も抗不安薬もお出ししません。ただ、不眠の症状は出ているようなので、睡眠薬は出せますがどうします?」「一応、お願いします」「わかりました。ただし、薬を毎日飲むというのではなく、出来るだけ朝の光を浴びて、あとはよく運動してしっかり食べることが大事です」「はい、わかりました」町田はやや思案顔になり、話し始めた。「次回の予約ですけど、とりあえずは取らないという事で、何か心に変化がみられた時は遠慮なくご連絡ください」「わかりました」その言葉しか見当たらず町田に礼を言い、...若い罪(11)

  • 若い罪(10)

    「外見以外、つまり体の内側はどうなのでしょう。若いままなのか、それなりに老いているのか?」「疲れやすくはなった気がします。血圧も薬を飲むほどではないですけど少し高めです。血糖値も年相応だと思います。目も近くのものが少し見にくくなってきている気がします」時に白い天井に目をやりながら、佐世子は慎重に答えた。「生理はありますか?」「はい。それはあります」「なるほど。体の内側はそれなりに年齢を重ねているようですね」町田は頷いて佐世子に正対した。「少し手を見せてくれませんか?」「はい」佐世子は手のひらを差し出し、次に手の甲を差し出した。町田は触れながら興味深そうに見つめた。指の先から二の腕まで丁寧に診ている。「うん。若い子の手にしか見えません。きめが細やかで色白で、それほど肌が強そうには見えないですけど綺麗です。顔だけで...若い罪(10)

  • 重たい海岸

    砂の矢印は向こう側僕は疑いもせず従った埋もれて引き返すのは無理なようでそのまま眩しい海を横目に進むだけ周りには夏を満喫する音があちこちで聞かれ背伸びして見渡せば水着姿で楽しみの栄華重く柔らかい砂浜に足を取られそれを引っこ抜いて前へ進むしかないしだいに波も荒くなってしぶきの音を立て僕はそれを被る足はすっかり重くなった太陽も届かなくなってきた騒めきがかすかに聞こえるだけこのまま海に飲まれようかそれとも砂に埋もれ白骨となり昔の日本人として未来の学者の研究対象となろうか重たい海岸

  • 若い罪(9)

    「お父様、お母様はご健在ですか?」「はい」「ご両親の見た目の印象はどうですか?」「最近は会ってませんが、写真で見る限りはそれなりに年を取った気がします」「年相応ということですか?」「そうですね」「ご両親がいまの川奈さんと同じ年頃の時期はどうでしたか?親戚にまで広げても構いません」町田はやや困惑の面持ちでさらに探りを入れる「両親は普通だったと思います。親戚も思い当たりません、3つ下の妹がいるのですが、年相応に見えます」「そうですか。どうやら家系的なものではないようですね」「少なくとも私の親戚で知る限り、特別若く見える人はいません」町田も困惑顔だ。テーブルを挟み、少し沈黙が続いた。佐世子は診察の終わりを予測した。その時、町田は口を開いた。「これは医学的には懐疑的ですが、ハイランダー症候群という話は噂レベルであります...若い罪(9)

  • 大船渡監督は佐々木朗希をどうすべきだったか

    163キロの剛腕、今大会最大のスターといっていい大船渡・佐々木朗希投手の登板回避が波紋を呼んでいます。「決勝なんだから投げさせるべきだった」「将来を考えれば登板回避は正解」真っ二つと言っていいでしょう。しかし、僕には第三の道があったように思います。岩手県大会決勝戦の大船渡の相手は花巻東。くしくもこの10年で菊池雄星・大谷翔平という日本を代表する投手を2人も輩出した強豪です。佐々木君を先発させなければ厳しい戦いになることは、国保監督もわかっていたでしょう。出せば壊れるかもしれない。出さなければ大変な批判を浴びることになる。特に一緒に戦い続けたナインたちは甲子園に出るために、苦しい練習にも耐えてきたのだと思います。どちらにしても苦渋の決断をしなければなりませんでした。実は投げさせるべき派、登板回避派どちらも納得させ...大船渡監督は佐々木朗希をどうすべきだったか

  • 若い罪(8)

    「こんにちは。よろしくおねがいします」佐世子が顔を上げると、テーブル越しに40代くらいの白衣を着た女性が椅子に座っていた。おそらく佐世子よりいくつか年下だろう。そして女医が口を開いた。「こんにちは。あれ、お母さんは?あなた付き添いですよね?」佐世子はある程度、覚悟していた。こうした扱いには慣れてはいるが、相手の驚いた顔にはいつになっても慣れない。「母が突然、帰ってしまいました」で片づけてしまおうか。迷った末に発した言葉は「川奈佐世子は私です」だった。「ああ、そうでしたか。それは大変失礼しました。どうぞお掛けください」町田は驚きと困惑を隠すように、冷静を装ったトーンで話した。「それで、どうされましたか?」町田が質問を始めた。「最近、よく眠れなくて」「大体1日何時間ぐらいですか?」「3~4時間だと思います」「いつ頃...若い罪(8)

  • 若い罪(7)

    8月に入り、暑さはますます激しさを増したようだ。最寄り駅から電車で3駅。東口を5分ほど歩いたところに町田メンタルクリニックの看板が目に入った。少し前から、長女の麻美に相談していた。「それほど大病院ではなく、医者と患者がゆっくり話せて、出来れば医師は女性の方がいいのでは」といった会話から町田メンタルクリニックが浮かび上がった。精神を深く病んでいるとは思わない。しかしここ数年、外出が減り、不眠の症状に悩まされているのも事実である。そして何よりもこの苦しみを誰かに打ち明けたい。公園の角を左に折れ、向かって左にあるらしい。数十秒歩くと、町田メンタルクリニックの看板があった。白壁のこじんまりとした建物だが、清潔感はある。駐車スペースが建物のサイズの割にそれなりにあり、車もぽつぽつと置いてある。佐世子が自動ドアに足を乗せ、...若い罪(7)

  • 参議院選挙ふりかえり

    参議院選挙の翌日、テレビをつけたら民放各局はすべて吉本興業の内紛を取り上げていて、違和感を覚えました。関心の高さはわかるのですが、昨日の今日だったので流石に選挙結果を流している局もあると思ったのですが。加藤の乱といえば、加藤紘一氏が起こした自民党内の反乱のはずですが。あの時の永田町のガッキーこと谷垣禎一氏の「加藤先生は大将なんだから」と加藤氏を身を挺して止める名演技(笑)忘れません。投票率48.8%。低投票率は予想されていました。一応、私は行ってきました。右でも左でもない私のような有権者は棄権した人も多かったと思います。しかし、半分義務感で投票しました。日米安保堅持の立場なので、その中で存在感の薄い党に入れました。安保堅持などというと左の人からは右判定をされてしまいそうです。またベーシックインカムの導入を考える...参議院選挙ふりかえり

  • 藤井聡太、名人に屈す

    昨日、竜王戦決勝トーナメント、豊島将之名人対藤井聡太七段の対局が行われ、146手で豊島名人が藤井七段を下しました。期待にたがわぬ熱戦でした。藤井先手で予想通りの角換わり。終盤まで形勢不明の将棋でしたが、藤井七段が右隅にあった1九飛車を1七に浮いた手で形勢が豊島名人に傾いた気はしているのですが、どうだったのでしょうね。これで藤井七段は竜王戦敗退。タイトル挑戦の夢は叶いませんでした。もともと可能性は低かったのですが、もし豊島名人に勝ち、次戦の渡辺三冠を倒すようなことがあれば藤井君に大天才、不世出の天才宣言をしても可笑しくないと思っていたのですが、やはり現実は厳しかったですね。もちろん、藤井君が天才であるのは間違いないのですが、大天才であるか、早熟の天才であるかの結論は持ち越されたようです。藤井君が最強の中学生棋士、...藤井聡太、名人に屈す

  • 若い罪(6)

    静岡に住む両親にも孝を紹介し、賛成してくれた。普段は口の重い父は孝や佐世子の家族の前ではほとんど何も話さなかったが「なかなか真面目そうな青年じゃないか」と佐世子だけにポツリと呟いた。孝の岡山の両親も佐世子を大変気に入ったようで「孝、この人を一生守るんだぞ」「娘が一人増えたようで嬉しい」などとありきたりな言葉ながら、孝の両親の喜びようが伝わってきた。あの出会いの場に参加していた同僚たちは、素直に喜んでくれなかった記憶がある。「ええ、あの人と」「背が低くて顔も地味。まあ、公務員だから安定はしていると思うけど」「佐世子ならもっと素敵な人がいくらでもいるよ」。やっかみ半分もあるのかもしれないが、今にして思うと、理由は違えども孝との結婚は間違いだったという意味では、あの無責任な論評は少し当たったのかもしれない。いや、佐世...若い罪(6)

  • 若い罪(5)

    少なくとも5年程前までは夫の孝には必要とされていた。彼は佐世子の体を求めていた。しかし突然「しばらくの間、リビングで寝る」と孝は言い出した。「どうして?」と問い返すと「仕事が忙しくてね」と力なく笑った。納得がいくような、いかないような理由だった。「しばらくの間」は佐世子の思考では1週間か10日、長くて1か月程度だと判断していた。それが2か月たっても3か月たっても孝はリビングで寝続けている。そして5年が経過した。佐世子の閉じられている瞼から少しだけ涙が滲んだ。どうして私は家族からも社会からも不要な人間になったのか。東京の短期大学を卒業後、都内の病院で事務の仕事をしていた。「今度合コンがあるんだけど、たまには佐世子も参加してみない?間違いなくモテモテだから」と同僚に誘われ、渋々ながら参加した。気取ったところのない庶...若い罪(5)

  • 藤井聡太の喧嘩将棋

    7月18日、王将戦二次予選で佐藤康光九段対藤井聡太の対局が行われ、藤井七段が佐藤九段を141手で破りました。それにしても凄い将棋でした。立ち上がりは角換わり模様で、藤井七段はそれに備えました。しかしそこは力戦系の佐藤九段、簡単には角の交換はしてくれず角道をふさぎました。藤井七段は飛車先の歩を交換し、その後横歩も取りました。飛車が2筋からそれたため、佐藤九段は藤井陣の桂頭に歩を打ちました。飛車を2筋に戻した藤井七段は2四歩と角頭近くに歩を打ち、佐藤九段は藤井七段から奪った桂を打ち、弱い角頭を守ります。ここからは大乱戦になりました。一手指すごとに形勢が入れ替わった決闘は最後の最後に藤井七段に傾き、熱戦に幕を下ろしました。野球でいえば8対7のルーズブェルトゲーム。逆転、また逆転の最も面白いとされる大熱戦でした。やはり...藤井聡太の喧嘩将棋