ケジメ9

ケジメ9

ユールと別れ、上の村への暗い道をカンテラの灯りを頼りに登りながらシオは、一歩進めるごとにこれからの雑事が身近なこととしてこの身に降りかかってくるのを実感していた。結婚に関わる雑事。そのどれらも具体的に予定立てていけば、非常に面倒なものだわ、と思う。実は自分は、結婚ではなくその先にある面倒さから目を逸らしていたのでは無いかと考えてしまうほどだ。日常の雑事はさほど苦ではないのは、それが当然と身についているからで、元来の自分は実は母と同じ気性で、めんどくさいことから逃げたい人間なのでは無いか。(あり得なくもないわ)だってあの母の血を引いているんだもの、と考え、随分おおらかな答えを導き出せるようになったものだ、とここ数日の身の回りに起こったことに一人、苦笑する。そんなはずはない、私は几帳面な人間だ!と頑なにあった...ケジメ9