生き物の「死にざま」から学ぶべきこと―『生き物の死にざま』

生き物の「死にざま」から学ぶべきこと―『生き物の死にざま』

☆『生き物の死にざま』(稲垣栄洋・著、草思社文庫、2021年)☆少し前に買った本。タイトルは「死にざま」となっているが、生き物の宿命ともいえる「死」に向かって歩む、生き物のさまざまな「生きざま」が描かれている。それは「生」「繁殖」「死」のサイクルでもある。取り上げられている生き物は30種。項目数は29だが、シマウマとライオンで1項目になっているので30種になる。ひとまず種類別(厳密な生物学的分類ではなく)でいえばプランクトンから哺乳類まで多様だが、いわゆる昆虫の類いがもっとも多く、次いで哺乳類が多い印象。生き物の名前は、多くの人たちがどこかで聞いたことのあるものがほとんどだろう。個人的にまったく知らなかった名前は有袋類の「アンテキヌス」だけだった。「兵隊アブラムシ」と「ワタアブラムシ」は別項目として取り上...生き物の「死にざま」から学ぶべきこと―『生き物の死にざま』