どんぐり
跳び越えて団栗踏まず通りけりひよどり一平(とびこえてどんぐりふまずとおりけり)・・・・・・・団栗を踏まなかったからと言って、自慢したいわけではない。ほんのちょっとの気遣いをしただけのこと。何のために、誰に気遣ったのか?団栗に気遣ったのかもしれない。・・・・・・・はからずも団栗五個と向き合へり一平片方の足を下ろす段になって、落ちたばかりの団栗が眼に入った。「あつつ、いけねえ!」踏む足を少しずらして、どんぐりを跨いだ。団栗は、それぞれつるんとした顔で、私を見上げた。喜んでくれたのかどうか、私にはわからない。どんぐり
2022/10/31 12:01