イギリス王室が発表したキャサリン妃と子どもたちの家族写真に加工疑惑が持ちあがり、通信社が配信を取りやめる騒ぎになったが、その後、皇太子妃自身が修正したことを認め、とりあえず決着した。
上級者をめざす中で出会った表現、辞書に載っていない単語、文化的背景などをメモしていきます。
日本企業の平凡なサラリーマンです。海外関係の部署にいたこともありますが、現在では英語は時たま必要になる程度。プライベートではペーパーバックや雑誌を読んだりネットラジオやビデオを視聴したりと肩の力を抜いて日常的に英語に接しています。英検1級、国連英検特A級保有。
kill notification ~"ボツ"になったキャサリン皇太子妃の家族写真
イギリス王室が発表したキャサリン妃と子どもたちの家族写真に加工疑惑が持ちあがり、通信社が配信を取りやめる騒ぎになったが、その後、皇太子妃自身が修正したことを認め、とりあえず決着した。
「ハグ」としてもう日本語になっている hug は、相手が人やモノなら「抱く、抱きかかえる」、また対象が考えや信念なら「抱(いだ)く」という意味だが、いずれも主語は人ということになるだろう。では、モノがモノに hug するとしたら、どういうことだろうか。
inflection point 「転換点」(ウクライナが力を入れるFPVドローン兵器)
ウクライナでの戦争を契機にドローン兵器が大きな変貌を遂げているという。英誌「エコノミスト」の最近の号が、巻頭の leader (イギリス英語、editorial のこと)と科学技術のページでこのテーマを取り上げていた。
英語の”ほめ殺し”と文末焦点 ~バイデン氏の記憶力をめぐって
前回に続いて、アメリカの大統領にからんで箸休め的なことを書いてみたい。バイデン氏が副大統領だった時の機密文書が自宅から見つかった問題で、特別検察官は氏を訴追しないことを決めた。
dredge 「どぶさらい」と drudgery 「苦行」の不思議な縁
前回は、アメリカの選挙戦に「どぶ板選挙」という日本的な言葉を使っていた日本マスメディアの記事について取り上げたが、それにからんで箸休め的なことを書いてみたい。
前回は民主党のバイデン氏にからめて書いたので、今度は共和党をネタにしたい。米大統領選挙の予備選で共和党の候補者たちが展開している選挙戦について、複数の日本メディアが「どぶ板選挙」とか「どぶ板作戦」と表現している記事を目にした。
Write-in Biden! ~候補者登録のないバイデン氏が予備選で勝利
アメリカ大統領選挙のニューハンプシャー州民主党予備選で現職バイデン氏が快勝した。トランプ対ヘイリーという共和党の争いに比べると扱いは小さかったが、それを報じる記事を眺めていて、write-in candidate とか write-in campaign などといった表現が目についた。
前回取り上げた exurb は suburb の sub- が ex- に入れ替わった形となっているが、連想で surtitle という単語を短く取り上げておきたい。
ある記事で目にとまった exurb という言葉を取り上げたい。一見難しそうな単語だが、記事の内容から suburb と縁がありそうだと見当がつく。
数十年前、日本についての報告書の中でヨーロッパ共同体(当時)が日本人の住居を「ウサギ小屋」と呼び、「失礼な言い方だ」「しかし的を得ている」などと話題となったことがあった。rabbit warren という表現をペーパーバックで拾って、そんな昔のことを思い出した。
今回も、すきま時間に再読を続けている短編シリーズ「黒後家蜘蛛の会」の原書に出てきた言葉を紹介したい。ersatz は字面から受ける印象の通りドイツ語由来の単語で、英和辞典には「代用の」「模造の」「間にあわせの」「にせの」といった訳語が並んでいる。名詞としても使われる。
paint the lily 「余計なことをしてかえってアダになる」
何度かここで取り上げている連作推理短編集「黒後家蜘蛛の会」の原書から、今回は paint the lily という表現をメモしておきたい。
クリスマスの時期になると、思い出したように聞きたくなることがあるのが、サイモン&ガーファンクルの「7時のニュース/きよしこの夜」という曲である。もう50年以上前に発表された作品だ。
選挙戦を競馬にたとえるのは洋の東西を問わないのか、来年のアメリカ大統領選挙について最近の英誌「エコノミスト」がそんな形の記事を書いており、その中に dead cert という単語が出てきたので、取りあげてみたい。
年末を迎え、英語圏の諸団体が選ぶ恒例の「今年の英単語」の時期がやってきた。これまで発表された結果の中でもっとも興味深いと思ったのは、イギリスのオックスフォード大学出版が選定した rizz である。
カーター元米大統領のロザリン夫人が亡くなった。日本メディアの扱いがごく小さかったのは仕方ないが、カーター政権は私の高校時代と重なる。海外の事物に興味を持ち始め、英語学習にも熱を入れるようになった頃だ。当時を思い出し、時の移ろいを感じさせられた。 CNN の訃報記事で読んでいたら、steel magnolia という表現が目にとまった。知識としては持っていたが、実際に触れたのは初めてではないかと思う。
このところニューヨークに関わる言葉を取り上げている流れでもうひとつ。NY市といえばマンハッタンに焦点が当たりがちだが、最北端にある地区の名前を冠した Bronx cheer という言葉がある。いったい何を指すのだろうか。
前回、ニューヨークに見られる建物 brownstone を取り上げた流れで、箸休め的なことを書いてみたい。 「ニューヨーク・ニューヨーク」という曲がある。原題の The Theme from "New York, New York" からうかがえるように、同名の映画のテーマ曲である。
一見何でもない単語と捉えたつもりでも、非ネイティブには気づかない背景が隠れていることがある。少し前から、アイザック・アシモフ作の短編推理小説集「黒後家蜘蛛の会」の原書をすき間時間に再読しており、ここでも何度か取り上げているが、そんな例といえそうな単語があったので、少し書いてみたい。
前回取り上げた dense は、ひとつの単語が正反対にも取れる別々の意味を持っているといえそうだが、そうした言葉を指す正式な単語がちゃんとある。 contronym というが、いかにも専門用語という響きがある。だが、こうした単語を指すもっと平易な言い方もある。Janus word がそれである。
You're so dense! 「あんたって本当にニブいんだから!」(高橋留美子「めぞん一刻」)
高橋留美子の傑作コミック「めぞん一刻」の英語版を見返していたら、dense のおもしろい意味が使われてたので、備忘としてメモしておきたい。
前回取り上げた run-of-the-mill 「ありふれた」からの連想で cookie-cutter について短く書いておきたい。 文字通りには、クッキーの生地を一定の形にくり抜く「抜き型」のことだが、ここから転じたのだろう、「型にはまった」「どれも同じような」「似たりよったりの」「ありきたりな」という意味を表す形容詞としても使われる。
前回は pedestrian に「ありふれた」という意外な意味があることに触れたが、同じ意味を表す、もっと”ありふれている”と思われる表現が run-of-the mill である。
最近は「ペデストリアン・デッキ」などと日本語になりつつある感もある pedestrian には、「歩行者(の)」とは違う意外な意味がある。
前回取り上げたアシモフの短編推理小説「黒後家蜘蛛の会」シリーズの原書から、表現をもうひとつ。writer's block は内容・文脈から想像できそうだが、物書きがアイデアが出なくなったりして著述に行き詰まり、書けなくなることを指す。
「エピソード」ではない episode(アシモフ「黒後家蜘蛛の会」)
諸事情でまとまった時間を使い英語に接するのが難しい状態が続いているが、以前はこうした時、せめて通勤時間に英書を読むようにしていた。しかしトシをとって電車内の読書は目に厳しいと感じるようになり、それも見合わせるようになっていた。
priced out of 「カネが追いつかなくなり締め出される」
前回取り上げた Tinseltown (ハリウッド)やカリフォルニアの”斜陽”についての記事には、priced out of という表現も出てきて、おもしろいと思ったので短く触れてみたい。
「夢の国」といわれてきたカリフォルニアだが、近年はかげりが出てきているようだ。それに関係する記事に Tinseltown という言葉が出てきたので、メモしておきたい。
多忙続きで久しぶりの更新となる。「秘密に」「内緒で」を表す英語は、これまでもこのブログでいくつか取り上げたことがあるが、先日読んだ記事に on the sly という表現があったのでメモしておきたい。
英誌「エコノミスト」の最近号を読んでいたら、ロシアでの”プリゴジンの乱”について scot-free という単語が使われていたので、タイムリーな実例としてメモしておきたい。
fratricide ~ロシアあわや内戦?「同胞同士の流血」「兄弟殺し」
ロシアで起きた今回の”内乱”についての英文記事をいくつか読んだら、fratricide という単語に何度かお目にかかった。
大谷翔平選手の快進撃が続いている。ホームランを打った時のアメリカでの中継が先日見たニュースで使われていたが、"to the moon" というアナウンサーの叫びが耳に入った。以前このブログで取り上げた単語 moonshot に、「ホームラン」という意味もあるというコメントをいただいたことも思い出した(→こちら)。
上司や上官、客などに対するていねいな返事として "Yes, sir." と sir をつけて答えるが、映画やテレビを見ていると、そのような返答として使われているとは思えない場合があることに以前から気づいていた。
少し前の英文記事を読んでいたら、「ディアスポラ」として日本語にもなっている diaspora が、「こんな意味でも使われるんだ」ということに気づかされた文があったので、メモしておきたい。
相反する意味を持つ2つの単語が並んでいる形容詞が stop-start である。止まったと思ったら進んだりと、とぎれとぎれに進む状態を指すが、まさにそのままという感じのシンプルさがおもしろいと思ったので短くメモしておきたい。
先日、ある私的な英文を読む機会があったが、そこに "I amok with ~" と書かれた文があるのを見てビックリした。
坂本龍一氏逝去~ Ars longa, vita brevis #2
坂本龍一氏が亡くなった。万全な形ではなくても、何らかの形で活動を続けていけるようになってほしいと思っていたが、残念である。
先日読んだ英誌「エコノミスト」に、次のアメリカ大統領選挙で共和党の有力候補になるとの見方が出ているデサンティス・フロリダ州知事についての記事があり、そこに出てきた sincere の使われ方が目にとまった。
Say it ain't so と 動詞の intimate
今回は、先日読んだ英誌「エコノミスト」の記事で目にとまった2つの単語表現についてをメモしておきたい。冊子版では3月11日号に載っていた、アメリカのバイデン大統領についての記事である。
先日、CNNのウェブサイトを眺めていたら、トップページに載っていた別々の記事に同じ未知の単語が使われているのに気づいた。まったくの偶然だが、難しい単語を知るきっかけになったということで、短く取り上げたい。
a rump Ukraine 「土地を奪われた後のウクライナ」
たった一語の英単語なのに、日本語で簡潔・的確に表現するのに手こずる場合がある。先日 a rump Ukraine という言い回しを目にしたが、ここでの rump もそんな例と言えそうだ。
漫画家の松本零士氏が亡くなった。氏の作品やアニメとともに育った世代として、何とも残念である。国内だけでなく、海外のメディアも訃報を載せていた。
at pocket change prices 「安い値段で」
賃金が上がらないなか海外に働き口を求める日本人が増えている現状を最近の The Economist 誌が取り上げていた。その記事に pocket change という言い回しが使われていたので取り上げてみよう。
前回取り上げた「相当する人・もの」を意味する answer は、counterpart と言い換えられる場合もあると思うが、そこからの連想で one's opposite number という表現に触れておこう。「対応するもの」「対等の立場にある人」ということだ。
英語上級者をめざすうえでは、知らない単語の増強と並んで、すでに知っている単語が持つ”意外な意味”に気づくことも重要だと思っている。
いま世間を騒がせている連続強盗事件はまるで小説かドラマのようだが、関連する英文記事を読んでいたら、robbery spree という表現が目に留まった。
「10年に一度」という最強寒波が日本を襲っているが、世界のあちこちも強い寒気に見舞われている。そうした英文記事を読むと wallop という単語にちょくちょくお目にかかるので、短くメモしておこう。
no longer have enough in the tank 「気力が尽きた」(アーダーン首相が辞任表明)
ニュージーランドのアーダーン首相が辞任する意向を表明した。理由としてあげたのは失政やスキャンダルではなく、首相を続けるためのエネルギーが底をついた、というものだった。
quiet quitting ~がんばりすぎる働き方はやめよう!
年始に American Dialect Society が発表する「今年の英単語」について例年取り上げている。しかし今回の選定は、非ネイティブ・非英語圏生活者の私にはよく理解できない結果だった。今年は見送ろうかとも思ったが、それでは寂しいので、次点となった quiet quitting をメモしておきたい。
goblin mode ~他人の目なんか気にしない(Oxford版「2022年の英単語」)
ウェブスター社選定の”今年の英単語”について先日書いたが、辞書の老舗オックスフォードが選んだのは goblin mode という言葉だった。
前回 slice and dice を取り上げた際に引用したAP通信の記事に thusly が出てきた。thus に -ly をつけたものだろうと想像はつくが、どちらも副詞だ。なにか違いがあるのだろうか、少し調べてみた。
ウェブスター辞典が選んだ”今年の英単語”の gaslighting について前回書いたが、これを報じたAP通信の記事に slice and dice という表現が出てきたので、取り上げてみよう。
gaslighting~ウェブスター版「2022年の英単語」
毎年恒例の Word of the Year の時期が今年もやってきた。選定をしている団体のうち、アメリカの代表的な辞書「メリアム・ウェブスター」が先ごろ発表した「今年の英単語」は gaslighting だった。
sportswashing 「スポーツを利用して国内問題を覆い隠す」
サッカーのワールドカップは熱戦が続き、日本チームを応援しているが、スポーツにちなんで sportswashing という単語を紹介しよう。「ごまかし」や「糊塗」「粉飾」を意味する whitewashing から作られたものだろうとあたりがつく。
double entendre 「キワドい意味を含んだ言葉」
以前取り上げたオリヴィア・ニュートン=ジョンの自叙伝から、double entendre という表現について書いてみたい。フランス語から来ているらしいという感じはするが、いったいどういう意味なのか、想像がつかない。
前回の eureka moment に似た aha moment という表現を取り上げたい。aha は「ははあ、わかった」「へえ、そうなんだ」という意味の間投詞で、こうした声を上げるような瞬間、ということになるだろう。
前回の lightbulb moment から連想したのが、同様の意味を持つ eureka moment である。"Eureka!" は、アルキメデスが難題の回答を思いついた時に叫んだとされる言葉だ。
先日、オリヴィア・ニュートン=ジョンが亡くなったことについて書いたが、追悼の気持ちから彼女の自叙伝を手に取った。英語はそれほどむずかしくなく、そう苦労せずに読み終えることができた。 Don't Stop Believin'作者: Newton-John, Olivia出版社/メーカー: Gallery Books発売日: 2021/01/26メディア: ペーパーバック
前回引用した、過去形と過去分詞の使用についての「ニューヨーク・タイムズ」紙の記事から、infra dig という表現を紹介したい。辞書には「体面にかかわる」「品格を下げる」といった訳語が載っている。
"I have sang" ・・・過去分詞の代わりに過去形の使用が増えているらしい
完了形では動詞の過去分詞を使い、過去形にすれば試験でバツを食らう。当たり前のことだと思いきや、こうした使い方が英語のネイティブの間に見られるようになっている。そんな興味深い記事が先日の「ニューヨーク・タイムズ」紙に載っていた。
high-water mark 「最高潮」「絶頂」(オリヴィア・ニュートン=ジョン死去)
オリヴィア・ニュートン=ジョンが亡くなった。同じ日に三宅一生の訃報も伝えられ海外のメディアが大きく扱っていたので、世界的に活躍した同胞の逝去を悼むべきなのかもしれないが、ファッションとは無縁の私だけに、オリヴィアの死の方が衝撃だったというのが正直なところだ。
This conversation never took place. 「ここだけの話」「他言無用」
今回もアメリカのTVドラマで使われていた言い回しについて短く取り上げよう。いくつかある「内緒の話」「他人には言わないで」という表現の一つと言えるが、使われる単語自体はごく平易ながら、日本語であまり見られない発想のようなのがおもしろい。
週末に観たアメリカのTVドラマ「刑事コロンボ」に、アフリカ・マリ中部の町ティンブクトゥ Timbuktu の名前を使ったおもしろい表現が出てきた。「遠隔の地」という比喩的な意味で使われている。
前回取り上げた bully pulpit に出てくる pulpit 「演壇」をなじみのある単語で言いかえれば platform になるだろう。この単語も前回の表現に似て、比喩的に「発言の機会」「意見表明の機会」という意味で使うことができるので、短く触れておきたい。
アメリカの大統領について bully pulpit という言葉を目にしたことがあるが、銃撃され死亡した安倍元総理について取り上げた「タイム」誌のオンライン記事にも出てきた。別に大統領に限って使うということではないらしい。
コロナ禍で目にする機会が増えたと感じる英単語が draconian である。すでにこのブログで書いたように思っていたが、見直したら違ったので取り上げてみたい。
lick your wound 「痛手から立ち直ろうとする」「再起を図る」
前回の lick からの連想で、lick one's wound という表現を取り上げよう。文字通りには「傷をなめる」だが、イディオムとしてはさらにその先の状態を指して使われる。
lick は「なめる」として覚えた人が多いと思うが、このほか「打つ、なぐる」とか「負かす、打ち勝つ」というハードな意味もあるのがおもしろい。
スヌーピーと"小説のマズい書き出し" (reverse-engineer)
多忙続きで英語との接触もままならない状態なので、学習ノートにメモしていた reverse-engineer という言葉を紹介して久しぶりの更新とするが、その関連で偶然にも前回も取り上げたマンガ「ピーナッツ」にかかわるトリビアを知ったので、あわせて書いてみたい。
without tears 「難なく」「やすやすと」(マンガ「ピーナッツ」より)
少し前の新聞に掲載されていたマンガ「ピーナッツ」で目にとまった without tears についてメモしておきたい。辞書を見たら、意外とこの表現が載っていなかったからでもある。
前回、芭蕉の「五月雨の~」の英訳を題材に spare について書いた流れで、この句が載っている「おくのほそ道」の章を英訳で読んだところ、ちょっとおもしろいことに気づいたのでメモしておきたい。
動詞 spare と芭蕉の「五月雨の降りのこしてや光堂」の英訳
アメリカ人翻訳家による芭蕉の俳句英訳署を読んでいたら、日本人にはわかりづらいと思われる動詞 spare を使って俳聖の名句が英語にされていたので、ちょっとメモしておきたい。
前々回の cold case から cold つながりで、cold call という表現を取り上げたい。「売り込みのための勧誘電話」ということで、この場合の cold は「前置きのない」といったような意味に取ればよさそうだ。
前回の cold case が犯罪・事件がらみの言葉だった流れで、police blotter という表現を取り上げたい。発生した事件など毎日の出来事を綴る警察署の記録簿を指す。
悲劇の少女アンネ・フランクをめぐるニュース記事を読んでいたら cold case という表現が使われていたので、取り上げてみたい。
there is a lot to be said for ~「良いところがたくさんある」
自分の学習ノートには前回取り上げた kudos に続いて there is a lot to be said for ~ という表現がメモしてあったので、ついでに短く書いてみたい。for に続く事物に、長所や利点といった”良いこと”がたくさんある、という意味である。
前回取り上げた a feather in someone's cap からの類推で kudos という名詞を取り上げたい。「称賛」「名声」「栄誉」という意味だが、「よくやった、すごいぞ!」とほめる時に使われることもある。最後の -s は複数ではなく、もともとこのように綴る。
a feather in your cap 「お手柄」「自慢の種」(刑事コロンボ「殺人処方箋」)
週末に見たアメリカのテレビドラマに a feather in someone's cap という表現が出てきた。文字通りには帽子についた羽根ということになるだろうが、これで「誇りになるもの」「功績」「名誉」という意味がある。
pummel 「バシバシたたく」「ぶん殴る」(ウクライナへのロシアの攻撃続く)
ウクライナ関連の記事から pummel という単語を取り上げたい。「ゲンコツで何度も繰り返し殴る」という意味で、ロシア軍の容赦ない攻撃について比喩的に使われている実例を目にした。
今回も基礎的な単語のちょっとおもしろい意味を取り上げたい。bald は、車のタイヤについて使うと「溝が摩耗した」「すり減った」「つるつるの」ということを指す。自分の学習ノートに、アメリカのTVドラマで拾った実例をメモしていた。
favorite 「優勝候補」「本命」 (ドーピング問題のワリエワ選手、メダル逃す)
基礎的な単語ながら favorite は意外と曲者である。まず、形容詞の場合は前に most はつけない。これ自体に最上級の意味があるからだ。だから「最も好きな」といった訳語で覚えるべきだろう。もっとも実際には、ネイティブでも most をつける人がいるようだ。
前回 casus belli という表現を取り上げた際、何の気なしに「歴史は繰り返す」と書いたが、それで連想したのが “History doesn’t repeat itself, but it rhymes.” という言葉である。アメリカの作家マーク・トウェインが言ったとされる。
今回も自分の学習ノートにメモしていた実例から、casus belli という言葉を取り上げたい。前回の表現に出てきた fighting から連想したもので、「戦争を始める理由となる出来事」「開戦を正当化する事件」を指す。
fighting chance 「がんばればチャンスはある!」
このところ多忙でまとまった英語に触れる余裕がないので、手製の学習ノートを見返していて目にとまった fighting chance という表現を短く紹介してお茶をにごすことにしたい。
前回取り上げた stiff drink からの連想で、酒がらみのちょっとおもしろい表現を紹介しよう。いわゆる「チャンポン」に関わる言い回しである。
前回の stiff price 「高くつく代償」からの連想で、stiff drink という言い方について触れておきたい。この stiff は「アルコール度が高い」という意味なので、「強い酒」のことである。
アメリカのバイデン大統領が就任1年目にあわせて開いた記者会見で、ウクライナに侵攻する動きを見せているロシアに対して警告した。その時に使われた stiff price および dear price という表現をメモしておこう。
chin diaper 「あごマスク」(「2021年の英単語」より)
言葉にかかわる諸団体が毎年選ぶ「今年の英単語」については、辞書の「オックスフォード」が vax (ワクチン)を2021年の単語に選定したことを2か月前に書いたが(→こちら)、先日、アメリカの団体 American Dialect Society での投票結果が発表された。
前回は ring を「浴槽についた垢」を表すのに使えることを取り上げたが、連想で別の単語 fur のちょっとおもしろい意味について短く書いてみたい。
前回取り上げた ring in the new year のついでに書くと、ring は「輪」のほか環状になったものを広く指して使うことができる。浴槽の内側をぐるりと取り巻くように付着した垢や汚れもこれで表現できるのがおもしろい。
ring in the new year 「新年を迎える・祝う」
新年を迎えることを表す ring in the new year という表現がある。鐘を鳴らして新年を迎え入れる、というイメージで考えればよさそうだ。
Let's go Brandon! ~バイデン批判のスローガン
このところ Let's go Brandon. という言葉をアメリカがらみの記事でよく目にする。英語の流行語を追うのは異国の非ネイティブの手に余るし、多くは廃れていくので「労多くして功少なし」といえるだろうが、この言葉はしばらくメディアを賑わすと思うし、由来もおもしろいのでメモしておきたい。
前回触れたアメリカのテレビドラマに出てきた単語をもうひとつ紹介したい。jimmy は人の名前みたいだが、これは何かをこじあけるのに使われる「かなてこ」を指す。また、そうした器具を使ってモノをこじあける動詞としても使われる。
人に対して「邪魔をする」「困らせる」といった訳語で覚えている人が多いと思われる disturb だが、モノの状態を乱す場合にも使うことができる。週末に観たTVドラマで、この意味で使われた例が複数出てきたのでメモしておきたい。
“Other than that, how was the play, Mrs. Lincoln?”
先日読んだ記事に other-than-that-how-was-the-play-Mrs. Lincoln という表現が出てきた。形容詞にするためにつけたハイフンを取れば元の形になるはずだが、どういう意味だろうか。手持ちのどの辞書にも載っていない。
egregious 「実にひどい」と gregarious との関係
アメリカが北京五輪の”外交ボイコット”を決めたが、それを発表する記者会見で報道官が egregious という単語を使っていた。 日常レベルではあまり使われない言葉だろうし、英語学習者は難しい単語を無理に追う必要はないという意見もある。しかし、ふだん見聞きしなくても実際に使われることがあるのなら、やはり高みは目指したいものだと思う。
前回の make believe から pretend を連想したが、この単語についても「こういう風に使えるのか」と気づいた実例を拾っているので、少し書いてみたい。
週末に観たTVドラマで、「make believe という表現はこんな風にも使えるのか」と感心したシーンがあったので、ちょっと書いてみたい。
apples and oranges 「まったく別のもの」「比べようがないもの」
前回 apples to apples を取り上げた並びで apples and oranges についてごく短く書いておきたい。実はこちらを知っていたので前回の表現もピンと来たのだが、「リンゴとオレンジ」は種類が違う果物ということで、「比較できない別のもの」「似ていないもの」を指す。「水と油」にたとえられる場合もありそうだ。
apples-to-apples comparison 「同じ種類を比べる」
いま読んでいる本に apples-to-apples comparison という表現が出てきて、おもしろいと思ったので取り上げてみたい。
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イギリス王室が発表したキャサリン妃と子どもたちの家族写真に加工疑惑が持ちあがり、通信社が配信を取りやめる騒ぎになったが、その後、皇太子妃自身が修正したことを認め、とりあえず決着した。
「ハグ」としてもう日本語になっている hug は、相手が人やモノなら「抱く、抱きかかえる」、また対象が考えや信念なら「抱(いだ)く」という意味だが、いずれも主語は人ということになるだろう。では、モノがモノに hug するとしたら、どういうことだろうか。
ウクライナでの戦争を契機にドローン兵器が大きな変貌を遂げているという。英誌「エコノミスト」の最近の号が、巻頭の leader (イギリス英語、editorial のこと)と科学技術のページでこのテーマを取り上げていた。
前回に続いて、アメリカの大統領にからんで箸休め的なことを書いてみたい。バイデン氏が副大統領だった時の機密文書が自宅から見つかった問題で、特別検察官は氏を訴追しないことを決めた。
前回は、アメリカの選挙戦に「どぶ板選挙」という日本的な言葉を使っていた日本マスメディアの記事について取り上げたが、それにからんで箸休め的なことを書いてみたい。
前回は民主党のバイデン氏にからめて書いたので、今度は共和党をネタにしたい。米大統領選挙の予備選で共和党の候補者たちが展開している選挙戦について、複数の日本メディアが「どぶ板選挙」とか「どぶ板作戦」と表現している記事を目にした。
アメリカ大統領選挙のニューハンプシャー州民主党予備選で現職バイデン氏が快勝した。トランプ対ヘイリーという共和党の争いに比べると扱いは小さかったが、それを報じる記事を眺めていて、write-in candidate とか write-in campaign などといった表現が目についた。
前回取り上げた exurb は suburb の sub- が ex- に入れ替わった形となっているが、連想で surtitle という単語を短く取り上げておきたい。
ある記事で目にとまった exurb という言葉を取り上げたい。一見難しそうな単語だが、記事の内容から suburb と縁がありそうだと見当がつく。
数十年前、日本についての報告書の中でヨーロッパ共同体(当時)が日本人の住居を「ウサギ小屋」と呼び、「失礼な言い方だ」「しかし的を得ている」などと話題となったことがあった。rabbit warren という表現をペーパーバックで拾って、そんな昔のことを思い出した。
今回も、すきま時間に再読を続けている短編シリーズ「黒後家蜘蛛の会」の原書に出てきた言葉を紹介したい。ersatz は字面から受ける印象の通りドイツ語由来の単語で、英和辞典には「代用の」「模造の」「間にあわせの」「にせの」といった訳語が並んでいる。名詞としても使われる。
何度かここで取り上げている連作推理短編集「黒後家蜘蛛の会」の原書から、今回は paint the lily という表現をメモしておきたい。
クリスマスの時期になると、思い出したように聞きたくなることがあるのが、サイモン&ガーファンクルの「7時のニュース/きよしこの夜」という曲である。もう50年以上前に発表された作品だ。
選挙戦を競馬にたとえるのは洋の東西を問わないのか、来年のアメリカ大統領選挙について最近の英誌「エコノミスト」がそんな形の記事を書いており、その中に dead cert という単語が出てきたので、取りあげてみたい。
年末を迎え、英語圏の諸団体が選ぶ恒例の「今年の英単語」の時期がやってきた。これまで発表された結果の中でもっとも興味深いと思ったのは、イギリスのオックスフォード大学出版が選定した rizz である。
カーター元米大統領のロザリン夫人が亡くなった。日本メディアの扱いがごく小さかったのは仕方ないが、カーター政権は私の高校時代と重なる。海外の事物に興味を持ち始め、英語学習にも熱を入れるようになった頃だ。当時を思い出し、時の移ろいを感じさせられた。 CNN の訃報記事で読んでいたら、steel magnolia という表現が目にとまった。知識としては持っていたが、実際に触れたのは初めてではないかと思う。
このところニューヨークに関わる言葉を取り上げている流れでもうひとつ。NY市といえばマンハッタンに焦点が当たりがちだが、最北端にある地区の名前を冠した Bronx cheer という言葉がある。いったい何を指すのだろうか。
前回、ニューヨークに見られる建物 brownstone を取り上げた流れで、箸休め的なことを書いてみたい。 「ニューヨーク・ニューヨーク」という曲がある。原題の The Theme from "New York, New York" からうかがえるように、同名の映画のテーマ曲である。
一見何でもない単語と捉えたつもりでも、非ネイティブには気づかない背景が隠れていることがある。少し前から、アイザック・アシモフ作の短編推理小説集「黒後家蜘蛛の会」の原書をすき間時間に再読しており、ここでも何度か取り上げているが、そんな例といえそうな単語があったので、少し書いてみたい。
前回取り上げた dense は、ひとつの単語が正反対にも取れる別々の意味を持っているといえそうだが、そうした言葉を指す正式な単語がちゃんとある。 contronym というが、いかにも専門用語という響きがある。だが、こうした単語を指すもっと平易な言い方もある。Janus word がそれである。
たった一語の英単語なのに、日本語で簡潔・的確に表現するのに手こずる場合がある。先日 a rump Ukraine という言い回しを目にしたが、ここでの rump もそんな例と言えそうだ。
漫画家の松本零士氏が亡くなった。氏の作品やアニメとともに育った世代として、何とも残念である。国内だけでなく、海外のメディアも訃報を載せていた。
賃金が上がらないなか海外に働き口を求める日本人が増えている現状を最近の The Economist 誌が取り上げていた。その記事に pocket change という言い回しが使われていたので取り上げてみよう。
前回取り上げた「相当する人・もの」を意味する answer は、counterpart と言い換えられる場合もあると思うが、そこからの連想で one's opposite number という表現に触れておこう。「対応するもの」「対等の立場にある人」ということだ。
英語上級者をめざすうえでは、知らない単語の増強と並んで、すでに知っている単語が持つ”意外な意味”に気づくことも重要だと思っている。
いま世間を騒がせている連続強盗事件はまるで小説かドラマのようだが、関連する英文記事を読んでいたら、robbery spree という表現が目に留まった。
「10年に一度」という最強寒波が日本を襲っているが、世界のあちこちも強い寒気に見舞われている。そうした英文記事を読むと wallop という単語にちょくちょくお目にかかるので、短くメモしておこう。
ニュージーランドのアーダーン首相が辞任する意向を表明した。理由としてあげたのは失政やスキャンダルではなく、首相を続けるためのエネルギーが底をついた、というものだった。
年始に American Dialect Society が発表する「今年の英単語」について例年取り上げている。しかし今回の選定は、非ネイティブ・非英語圏生活者の私にはよく理解できない結果だった。今年は見送ろうかとも思ったが、それでは寂しいので、次点となった quiet quitting をメモしておきたい。
ウェブスター社選定の”今年の英単語”について先日書いたが、辞書の老舗オックスフォードが選んだのは goblin mode という言葉だった。
前回 slice and dice を取り上げた際に引用したAP通信の記事に thusly が出てきた。thus に -ly をつけたものだろうと想像はつくが、どちらも副詞だ。なにか違いがあるのだろうか、少し調べてみた。
ウェブスター辞典が選んだ”今年の英単語”の gaslighting について前回書いたが、これを報じたAP通信の記事に slice and dice という表現が出てきたので、取り上げてみよう。
毎年恒例の Word of the Year の時期が今年もやってきた。選定をしている団体のうち、アメリカの代表的な辞書「メリアム・ウェブスター」が先ごろ発表した「今年の英単語」は gaslighting だった。
サッカーのワールドカップは熱戦が続き、日本チームを応援しているが、スポーツにちなんで sportswashing という単語を紹介しよう。「ごまかし」や「糊塗」「粉飾」を意味する whitewashing から作られたものだろうとあたりがつく。
以前取り上げたオリヴィア・ニュートン=ジョンの自叙伝から、double entendre という表現について書いてみたい。フランス語から来ているらしいという感じはするが、いったいどういう意味なのか、想像がつかない。