前回引用した、過去形と過去分詞の使用についての「ニューヨーク・タイムズ」紙の記事から、infra dig という表現を紹介したい。辞書には「体面にかかわる」「品格を下げる」といった訳語が載っている。
上級者をめざす中で出会った表現、辞書に載っていない単語、文化的背景などをメモしていきます。
日本企業の平凡なサラリーマンです。海外関係の部署にいたこともありますが、現在では英語は時たま必要になる程度。プライベートではペーパーバックや雑誌を読んだりネットラジオやビデオを視聴したりと肩の力を抜いて日常的に英語に接しています。英検1級、国連英検特A級保有。
1件〜100件
前回引用した、過去形と過去分詞の使用についての「ニューヨーク・タイムズ」紙の記事から、infra dig という表現を紹介したい。辞書には「体面にかかわる」「品格を下げる」といった訳語が載っている。
"I have sang" ・・・過去分詞の代わりに過去形の使用が増えているらしい
完了形では動詞の過去分詞を使い、過去形にすれば試験でバツを食らう。当たり前のことだと思いきや、こうした使い方が英語のネイティブの間に見られるようになっている。そんな興味深い記事が先日の「ニューヨーク・タイムズ」紙に載っていた。
high-water mark 「最高潮」「絶頂」(オリヴィア・ニュートン=ジョン死去)
オリヴィア・ニュートン=ジョンが亡くなった。同じ日に三宅一生の訃報も伝えられ海外のメディアが大きく扱っていたので、世界的に活躍した同胞の逝去を悼むべきなのかもしれないが、ファッションとは無縁の私だけに、オリヴィアの死の方が衝撃だったというのが正直なところだ。
This conversation never took place. 「ここだけの話」「他言無用」
今回もアメリカのTVドラマで使われていた言い回しについて短く取り上げよう。いくつかある「内緒の話」「他人には言わないで」という表現の一つと言えるが、使われる単語自体はごく平易ながら、日本語であまり見られない発想のようなのがおもしろい。
週末に観たアメリカのTVドラマ「刑事コロンボ」に、アフリカ・マリ中部の町ティンブクトゥ Timbuktu の名前を使ったおもしろい表現が出てきた。「遠隔の地」という比喩的な意味で使われている。
前回取り上げた bully pulpit に出てくる pulpit 「演壇」をなじみのある単語で言いかえれば platform になるだろう。この単語も前回の表現に似て、比喩的に「発言の機会」「意見表明の機会」という意味で使うことができるので、短く触れておきたい。
アメリカの大統領について bully pulpit という言葉を目にしたことがあるが、銃撃され死亡した安倍元総理について取り上げた「タイム」誌のオンライン記事にも出てきた。別に大統領に限って使うということではないらしい。
コロナ禍で目にする機会が増えたと感じる英単語が draconian である。すでにこのブログで書いたように思っていたが、見直したら違ったので取り上げてみたい。
lick your wound 「痛手から立ち直ろうとする」「再起を図る」
前回の lick からの連想で、lick one's wound という表現を取り上げよう。文字通りには「傷をなめる」だが、イディオムとしてはさらにその先の状態を指して使われる。
lick は「なめる」として覚えた人が多いと思うが、このほか「打つ、なぐる」とか「負かす、打ち勝つ」というハードな意味もあるのがおもしろい。
スヌーピーと"小説のマズい書き出し" (reverse-engineer)
多忙続きで英語との接触もままならない状態なので、学習ノートにメモしていた reverse-engineer という言葉を紹介して久しぶりの更新とするが、その関連で偶然にも前回も取り上げたマンガ「ピーナッツ」にかかわるトリビアを知ったので、あわせて書いてみたい。
without tears 「難なく」「やすやすと」(マンガ「ピーナッツ」より)
少し前の新聞に掲載されていたマンガ「ピーナッツ」で目にとまった without tears についてメモしておきたい。辞書を見たら、意外とこの表現が載っていなかったからでもある。
前回、芭蕉の「五月雨の~」の英訳を題材に spare について書いた流れで、この句が載っている「おくのほそ道」の章を英訳で読んだところ、ちょっとおもしろいことに気づいたのでメモしておきたい。
動詞 spare と芭蕉の「五月雨の降りのこしてや光堂」の英訳
アメリカ人翻訳家による芭蕉の俳句英訳署を読んでいたら、日本人にはわかりづらいと思われる動詞 spare を使って俳聖の名句が英語にされていたので、ちょっとメモしておきたい。
前々回の cold case から cold つながりで、cold call という表現を取り上げたい。「売り込みのための勧誘電話」ということで、この場合の cold は「前置きのない」といったような意味に取ればよさそうだ。
前回の cold case が犯罪・事件がらみの言葉だった流れで、police blotter という表現を取り上げたい。発生した事件など毎日の出来事を綴る警察署の記録簿を指す。
悲劇の少女アンネ・フランクをめぐるニュース記事を読んでいたら cold case という表現が使われていたので、取り上げてみたい。
there is a lot to be said for ~「良いところがたくさんある」
自分の学習ノートには前回取り上げた kudos に続いて there is a lot to be said for ~ という表現がメモしてあったので、ついでに短く書いてみたい。for に続く事物に、長所や利点といった”良いこと”がたくさんある、という意味である。
前回取り上げた a feather in someone's cap からの類推で kudos という名詞を取り上げたい。「称賛」「名声」「栄誉」という意味だが、「よくやった、すごいぞ!」とほめる時に使われることもある。最後の -s は複数ではなく、もともとこのように綴る。
a feather in your cap 「お手柄」「自慢の種」(刑事コロンボ「殺人処方箋」)
週末に見たアメリカのテレビドラマに a feather in someone's cap という表現が出てきた。文字通りには帽子についた羽根ということになるだろうが、これで「誇りになるもの」「功績」「名誉」という意味がある。
pummel 「バシバシたたく」「ぶん殴る」(ウクライナへのロシアの攻撃続く)
ウクライナ関連の記事から pummel という単語を取り上げたい。「ゲンコツで何度も繰り返し殴る」という意味で、ロシア軍の容赦ない攻撃について比喩的に使われている実例を目にした。
今回も基礎的な単語のちょっとおもしろい意味を取り上げたい。bald は、車のタイヤについて使うと「溝が摩耗した」「すり減った」「つるつるの」ということを指す。自分の学習ノートに、アメリカのTVドラマで拾った実例をメモしていた。
favorite 「優勝候補」「本命」 (ドーピング問題のワリエワ選手、メダル逃す)
基礎的な単語ながら favorite は意外と曲者である。まず、形容詞の場合は前に most はつけない。これ自体に最上級の意味があるからだ。だから「最も好きな」といった訳語で覚えるべきだろう。もっとも実際には、ネイティブでも most をつける人がいるようだ。
前回 casus belli という表現を取り上げた際、何の気なしに「歴史は繰り返す」と書いたが、それで連想したのが “History doesn’t repeat itself, but it rhymes.” という言葉である。アメリカの作家マーク・トウェインが言ったとされる。
今回も自分の学習ノートにメモしていた実例から、casus belli という言葉を取り上げたい。前回の表現に出てきた fighting から連想したもので、「戦争を始める理由となる出来事」「開戦を正当化する事件」を指す。
fighting chance 「がんばればチャンスはある!」
このところ多忙でまとまった英語に触れる余裕がないので、手製の学習ノートを見返していて目にとまった fighting chance という表現を短く紹介してお茶をにごすことにしたい。
前回取り上げた stiff drink からの連想で、酒がらみのちょっとおもしろい表現を紹介しよう。いわゆる「チャンポン」に関わる言い回しである。
前回の stiff price 「高くつく代償」からの連想で、stiff drink という言い方について触れておきたい。この stiff は「アルコール度が高い」という意味なので、「強い酒」のことである。
アメリカのバイデン大統領が就任1年目にあわせて開いた記者会見で、ウクライナに侵攻する動きを見せているロシアに対して警告した。その時に使われた stiff price および dear price という表現をメモしておこう。
chin diaper 「あごマスク」(「2021年の英単語」より)
言葉にかかわる諸団体が毎年選ぶ「今年の英単語」については、辞書の「オックスフォード」が vax (ワクチン)を2021年の単語に選定したことを2か月前に書いたが(→こちら)、先日、アメリカの団体 American Dialect Society での投票結果が発表された。
前回は ring を「浴槽についた垢」を表すのに使えることを取り上げたが、連想で別の単語 fur のちょっとおもしろい意味について短く書いてみたい。
前回取り上げた ring in the new year のついでに書くと、ring は「輪」のほか環状になったものを広く指して使うことができる。浴槽の内側をぐるりと取り巻くように付着した垢や汚れもこれで表現できるのがおもしろい。
ring in the new year 「新年を迎える・祝う」
新年を迎えることを表す ring in the new year という表現がある。鐘を鳴らして新年を迎え入れる、というイメージで考えればよさそうだ。
Let's go Brandon! ~バイデン批判のスローガン
このところ Let's go Brandon. という言葉をアメリカがらみの記事でよく目にする。英語の流行語を追うのは異国の非ネイティブの手に余るし、多くは廃れていくので「労多くして功少なし」といえるだろうが、この言葉はしばらくメディアを賑わすと思うし、由来もおもしろいのでメモしておきたい。
前回触れたアメリカのテレビドラマに出てきた単語をもうひとつ紹介したい。jimmy は人の名前みたいだが、これは何かをこじあけるのに使われる「かなてこ」を指す。また、そうした器具を使ってモノをこじあける動詞としても使われる。
人に対して「邪魔をする」「困らせる」といった訳語で覚えている人が多いと思われる disturb だが、モノの状態を乱す場合にも使うことができる。週末に観たTVドラマで、この意味で使われた例が複数出てきたのでメモしておきたい。
“Other than that, how was the play, Mrs. Lincoln?”
先日読んだ記事に other-than-that-how-was-the-play-Mrs. Lincoln という表現が出てきた。形容詞にするためにつけたハイフンを取れば元の形になるはずだが、どういう意味だろうか。手持ちのどの辞書にも載っていない。
egregious 「実にひどい」と gregarious との関係
アメリカが北京五輪の”外交ボイコット”を決めたが、それを発表する記者会見で報道官が egregious という単語を使っていた。 日常レベルではあまり使われない言葉だろうし、英語学習者は難しい単語を無理に追う必要はないという意見もある。しかし、ふだん見聞きしなくても実際に使われることがあるのなら、やはり高みは目指したいものだと思う。
前回の make believe から pretend を連想したが、この単語についても「こういう風に使えるのか」と気づいた実例を拾っているので、少し書いてみたい。
週末に観たTVドラマで、「make believe という表現はこんな風にも使えるのか」と感心したシーンがあったので、ちょっと書いてみたい。
apples and oranges 「まったく別のもの」「比べようがないもの」
前回 apples to apples を取り上げた並びで apples and oranges についてごく短く書いておきたい。実はこちらを知っていたので前回の表現もピンと来たのだが、「リンゴとオレンジ」は種類が違う果物ということで、「比較できない別のもの」「似ていないもの」を指す。「水と油」にたとえられる場合もありそうだ。
apples-to-apples comparison 「同じ種類を比べる」
いま読んでいる本に apples-to-apples comparison という表現が出てきて、おもしろいと思ったので取り上げてみたい。
前回取り上げた gold digger から連想した言葉に fortune hunter があるので、短く書いておきたい。こちらの方が字面からも意味が想像しやすい。
眞子さんと小室圭さんの結婚についての英文記事を読んでいたら、gold digger という表現が出てきた。その昔よく聴いたアルバムのタイトルで覚えた言葉だが、その時と少し違う発見があったのでメモしておきたい。
英語に関係する団体が「今年の単語」を選ぶ時期がやってきた。辞書の「オックスフォード」が先日発表した Word of the Year は、「ワクチン」を表す vax だった。もちろん新型コロナウイルスの世界的流行にかかわるものだ。
Potemkin village 「見せかけの立派な外観」「取りつくろい」
前回紹介した、ソビエトの衛星「スプートニク」にちなむ Sputnik moment からの連想で、同じくソビエト・ロシアにちなむ表現 Potemkin village について書いてみたい。 都合の悪い事物を覆い隠すために取りつくろった、見せかけだけの立派な外面を指す。
Sputnik moment 「ライバルに遅れを取ったという危機感」
オバマ元大統領が広めたといわれる Sputnik moment という表現がある。中国が極超音速ミサイルの実験を行ったことについて、このほどアメリカ軍のトップが懸念を示した際に使っていた。
単語を訳語との単純な1対1の対応で覚えることの危なさは以前何度か書いたことがあるが、最近目にした gleeful もそんな例といえそうなので、取り上げてみたい。
前回の fruit salad のように、平易な単語が使われているアメリカ軍がらみのスラングで頭に浮かんだのが dog tag である。
現地で生活しているわけでもないので、英語のスラング習得に時間を割くのは労多くして益なしと思っているが、この週末にディスクで観たアメリカのTVドラマで面白い言葉があったので、メモしておきたい。fruit salad がそれである。
He is a deep one. 「何を考えているのかわからないヤツ」
週末、お気に入りの映画「ブレードランナー」 Blade Runner を久しぶりに観た。このブログでも何度か取り上げている名作だ。
先日来続けて取り上げた license からの連想で、produce について書きたい。「生産する」の他に、何かを「取り出す」「示す」「提示する」という意味がある。produce my driver's license とすれば、「運転免許証を出して見せる」ということになる。
a license to print money 「ボロもうけ」「打ち出の小槌」
このところ license についていろいろ書いているが、もうひとつおもしろい表現を紹介したい。a license to print money とは何のことかと思うが、「ものすごい金もうけができる商売・手段」をあらわす表現だ。
前回は poetic license という言葉を取り上げたが、この license は「許可証」「ライセンス」ではないことには触れなかったので、今回はこれについて書いてみたい。
前回の poetic justice からの連想で、poetic license に触れておきたい。こちらも字面だけからでは意味が想像しにくい言葉だろう。
今回取り上げる poetic justice は、字面を見ただけでは意味の当たりをつけるのが難しい表現ではないだろうか。 これも前回のエントリ同様、007の原作小説 Goldfinger で実例を見つけて自分の学習ノートにメモしておいたものだ。
前回の screech と似て「きいきいぎしぎしと不快な音を立てる」ことを表す単語に grate がある。チーズを細かくすりおろす”おろし金”を「グレーター」というが、「こすりつける」「すりつぶす」動作を音にからめて、「きしる」ことを表す意味になったのではないかと想像する。
前回の cacophony 「不協和音」からの連想で、screech について短く書いておきたい。音からしていかにもそれらしいが、「キーッという鋭い音(を立てる)」という意味だ。
harmonious cacophony (パラリンピックが閉幕)
私にとってパラリンピックは、ある意味オリンピックよりも強い印象を残し、日本で開催されて本当によかったと思える大会となった。
前回書いたマッチからの連想で stub という単語を取り上げよう。「タバコの先をつぶして火を消す」という、今やあまり目にしなくなった行為を指すが、その他にもちょっとおもしろい意味がある。
前回は昭和時代の話を書いたが、かつては当たり前の存在だったのに今では見なくなったものがある。英語関係ならタイプライター。仕事ではポケットベル。さらに、姿を消したとまでは言えないが、まず目にしなくなった生活用品といえばマッチだろう。
choreograph「段取りを決める」(千葉真一さん死去)
先日CNNのサイトを見たら、千葉真一氏が新型コロナウイルスで亡くなったことを伝えるニュースがトップページに載っていたので、「おっ」と思った。
if the past is any guide 「過去の経験からすると」
前回取り上げた表現からの連想で、if the past is any guide という言い回しについて書いてみたい。the past の部分は他の言葉に入れ替えてもよい。
cautionary tale for others と「他山の石」「反面教師」
前回取り上げたクオモ州知事についての記事には cautionary tale for... という言い回しが出てきて、イディオムということではないと思うが、おもしろい言い方だと思ったので書いてみたい。
fall from grace 「失墜」「失脚」(クオモ州知事が辞任へ)
ニューヨークのクオモ州知事がセクハラ問題で辞任するとのニュースに接した時、私の頭の中にとっさに浮かんだ言葉が fall from grace だった。
woke 「意識高い系」(トランプ氏、自国の五輪代表チームを批判)
英和辞典には載っていないが、woke は少し前からちょくちょく目にする単語だ。先日、トランプ前大統領がアメリカのオリンピック代表チームを批判した際にもこの単語を使っていたので、取り上げてみたい。
circular firing squad 「内部対立」「内輪もめ」
アメリカのバイデン政権が苦境に陥りつつあるというCNNの記事を読んでいたら、circular firing squad という表現が目にとまった。ちょっとおもしろいと思ったので、取り上げてみたい。
make a federal case out of 「大げさに騒ぎ立てる」
イディオム集などでちょっと変わった表現に出会っても、自分の中ではなかなか定着せず(語学センスのいい人はすぐに覚えてしまうのだろうが)、実例を目にして「なるほど本当に使われているんだ」と妙に感心したりする。make a federal case out of は私にとってそんな言い回しである。
at the end of the day 「結局のところ」(米の体操女王バイルズ選手、五輪を棄権)
オリンピックについて、マスコミが自国の選手を中心に伝えるのは当然のことだろうが、英語圏のウェブサイトを先日見て、あらためてそう思った。その時のCNNが(またBBCも)トップページで大きく報じていたのが、「東京五輪でアメリカの有力体操選手がまさかの棄権!」というニュースだった。
What you see is what you get. 「見ての通り」「ありのまま」
前回の "It's O.K. to not be O.K." に続いて、大坂なおみ選手が TIME 誌の最近号に寄稿した英文から表現を取り上げよう。"What you see is what you get." は、「見たまんまで、何も隠していない」「ご覧の通りで、ごまかしはない」ということを表す表現だ。
増える「to not 動詞」という言い方(大坂なおみ選手の "It's OK to Not Be OK.")
きのう久しぶりに書店の洋書コーナーに立ち寄ったら、大坂なおみ選手をカバーにした TIME 誌の7月19日号が目にとまった。そこに 'It’s O.K. to Not Be O.K.' とあるのを見て、「おっ」と思った。 学校で習った不定詞の説明だと、"not to 動詞" としないとまずいはずだが、実際には、"to not 動詞" という言い方を見かけるようになっている。
今回も自分の英語学習ノートにメモしていた言葉から拾うことにする。huddle はその光景が目に浮かぶような単語で、いくつかの実例を書きつけていたので、取り上げてみよう。
このところ多忙で英語に集中できる時間が取れないので、こうした時のいつもの手段として自分の学習メモに書きつけていた表現を拾ってお茶を濁すことにする。前回引用したアーサー・ヘイリーの小説 The Evening News から、murder-suicide を取り上げよう。
on his say-so 「そうしろとあの人に言われたので...」
前回と同様、手製の英語学習ノートを見返していて「命令」「指図」の類例として目にとまったのが on somebody's say-so である。これも前回のように、単語そのままで意味が浮かんできそうな表現だ。
仕切るのはオレだ! ~ show who's boss, run the show
前回取り上げた rule the roost は単語を見ただけでは意味が想像しにくい表現だと思うが、同じく「支配する」ことを示す show someone who's the boss は、逆にたやすくイメージがわく言い回しだろう。
rule the roost「実権を握る」「牛耳る」(カズオ・イシグロ「クララとお日さま」)
カズオ・イシグロの最新作 Klara and the Sun (「クララとお日さま」)で拾った言葉を今回も取り上げたい。rule the roost は自分から使うイディオムとしては難度が高いだろうが、辞書を引くと「(集団を)支配する」という意味だという。
civil「(表面的に)礼儀正しい」(カズオ・イシグロ「クララとお日さま」
カズオ・イシグロの最新作 Klara and the Sun(邦題「クララとお日さま」)を読んだ。少女として設定されているAIロボットによる一人称体の語りとあって、英語そのものはさほど難しくはない。この作品から、civil について取り上げてみよう。
前回の sleeper hit は、ごく基礎的な単語の組み合わせがおもしろい意味を生んでいるが、類例ともいえそうな dry swallow について書いてみたい。
前回はタイトルでアイキャッチとして「大ブレーク」という言葉を使ってみたが、連想で sleeper hit を取り上げたい。手持ちの英和辞典には載っていない表現だ。
stratospheric rise「一大飛躍」「大ブレーク」(大坂なおみが”うつ”で大会棄権)
大坂なおみ選手をめぐる最近の記事を読んでいたら、stratospheric rise という表現が出てきた。同じ記事に出てくる別の単語とからめて、”言葉のあや”的に使ったものかと思ったが、検索したら、この形でけっこう使われている表現だとわかったので取り上げてみたい。
前回の war story からの連想で、war chest について短く書いておきたい。日本語でも「軍資金」といえば、別に戦争でないことにも使えるので、人間は同じような発想をするものなのかもしれない。 ということで、団体や組織の「運動資金」「活動資金」を指す言葉である。
前回に続いて傑作ノンフィクション Bad Blood で実例を拾った表現を取り上げよう。war story は何の変哲もない言葉に見えるが、文字通りの「戦記」に特化したものではなく、比喩的に一般的な内容にも使うことができる。
このところ多忙のため日々のニュースなどの活きのいい英文を追えず、更新も滞っている。こうした時によくやっている窮余の策として、これまで読んだ本で目にした言葉を紹介したい。今回取り上げるのは fix-it man である。
best of bad options「ダメな中でも一番まし」
このところ「ひどい中でもまし」であることを示す表現を続けているが、私の学習ノートには the best of bad options という言い方を使った実例がメモしてあり、これまた「まし」に相当する英語といえそうだ。
least worst option 「(ひどい中で)いちばんまし」
前回の less bad からの連想で、同様に「まし」なことを意味する least worst option について書きたい。何だかヘンな表現に感じられ、英語として適切といえるのだろうかとも思うが、実際に使われているのが言葉のおもしろいところだ。
前回の better the devil you know から「ましな方」という意味の連想で、less bad について書いてみたい。
better the devil you know「知らぬ仏よりなじみの鬼」
少し前の英字新聞を見返していたら、ちょっとおもしろい表現が目にとまった。まとまった言い回しに違いないと思って調べるとその通りで、Better the devil you know than the devil you don't know. を変形したものだとわかった。
前回の smug から連想した condescend という単語について少し書いてみたい。英和辞典によっては、一見すると相反するような2つの意味を載せている。
前回の holier-than-thou からの連想で、smug という単語について短く触れておきたい。「ひとりよがりの」「自己満足の」「したり顔の」という意味で、smug face とすれば「”どんなもんだい”といった表情」を指し、いま風にいえば「ドヤ顔」ということになる。
holier-than-thou「エラそうな」「人を見下したような」
前回の braggadocio から連想した言葉として holier-than-thou について書いておきたい。thou は you の古語だが、現代英語の表現で目にするとしたら、この言葉くらいではないかと想像する。
今回取り上げる単語も、以前読んだビリー・ジョエルの伝記から実例を紹介したい。braggadocio は brag 「自慢する」に関係があるのでは想像がつきそうだが、その通りで、「大言壮語(をする人)」「自慢屋」「ほら吹き」「横柄な態度」を指す。
term of endearment ~親しい人への呼びかけ("honey" など)
前回の diminutive「愛称」からの連想だが、term of endearment という言葉がある。親しい人に対して使う honey や sweetheart、また baby や darling といった、親愛の情を込めた呼びかけなどを指す。
diminutive 「愛称」(ビリー・ジョエル「ピアノ・マン」)
以前読んだビリー・ジョエルの伝記で拾った言葉をもうひとつ紹介したい。diminutive は言語の専門家でない私には無縁に見える単語だが、この本で知って「なるほど」と思ったので、取り上げてみたい。
ネイティブをも困らせる beg the question という表現
前回の incognito にあげた実例に beg the question という表現が出てきた。beg は「請う、頼む」ということなので、「質問を投げかける」というような意味だろう、と考える人が多いのではないかと思う。 実はこの表現、ちょっと注意が必要である。
incognito「お忍びで」、incognito mode「シークレットモード」
前回の terra incognita から連想した incognito という単語を取り上げよう。「(変装や変名を使うなどして)他人にわからない形で」「正体を隠して」ということだ。「お忍びで」という訳も辞書にあり、なるほどと思う。
前回の terra firma からの連想で、もうひとつラテン語由来の言葉 terra incognita を取り上げたい。 recognition や cognizant などの単語から「認識」に関係があると類推できるが、「知覚されていない土地」、つまり「人跡未踏の地」を指す。比喩的に「未知の領域」「未開拓の分野」の意味もある。
英誌 The Economist の最近号を題材にした前回からの話を続ける。この号のある記事についているイラストが、往年のSFテレビドラマに出てくる”空中空母”基地を描いたものだったので驚いたと前回書いた。
moonshot 「壮大なプロジェクト」(続・英誌「エコノミスト」の言葉遊びがおもしろい)
英誌 The Economist は「おっ」と思わせる言葉遊びをすることがあるので楽しめる、と少し前のエントリに書いたが(→こちら)、いつも立ち寄る図書館に入荷していた最新号でも、そうした例を見つけることができた。
前回の poster boy で掲げた実例に出てきた AA (Alcoholics Anonymous) という団体については、以前取り上げたことがあると書いたが、そこから連想した tough love という表現を取り上げたい。
以前読んだビリー・ジョエルの伝記本で拾った表現の紹介を続ける。poster boy は、ポスターに載せて人目をひきつける存在ということだろうか、何かの運動や大義を象徴するシンボル的な人物を指す。
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前回引用した、過去形と過去分詞の使用についての「ニューヨーク・タイムズ」紙の記事から、infra dig という表現を紹介したい。辞書には「体面にかかわる」「品格を下げる」といった訳語が載っている。
完了形では動詞の過去分詞を使い、過去形にすれば試験でバツを食らう。当たり前のことだと思いきや、こうした使い方が英語のネイティブの間に見られるようになっている。そんな興味深い記事が先日の「ニューヨーク・タイムズ」紙に載っていた。
オリヴィア・ニュートン=ジョンが亡くなった。同じ日に三宅一生の訃報も伝えられ海外のメディアが大きく扱っていたので、世界的に活躍した同胞の逝去を悼むべきなのかもしれないが、ファッションとは無縁の私だけに、オリヴィアの死の方が衝撃だったというのが正直なところだ。
今回もアメリカのTVドラマで使われていた言い回しについて短く取り上げよう。いくつかある「内緒の話」「他人には言わないで」という表現の一つと言えるが、使われる単語自体はごく平易ながら、日本語であまり見られない発想のようなのがおもしろい。
週末に観たアメリカのTVドラマ「刑事コロンボ」に、アフリカ・マリ中部の町ティンブクトゥ Timbuktu の名前を使ったおもしろい表現が出てきた。「遠隔の地」という比喩的な意味で使われている。
前回取り上げた bully pulpit に出てくる pulpit 「演壇」をなじみのある単語で言いかえれば platform になるだろう。この単語も前回の表現に似て、比喩的に「発言の機会」「意見表明の機会」という意味で使うことができるので、短く触れておきたい。
アメリカの大統領について bully pulpit という言葉を目にしたことがあるが、銃撃され死亡した安倍元総理について取り上げた「タイム」誌のオンライン記事にも出てきた。別に大統領に限って使うということではないらしい。
コロナ禍で目にする機会が増えたと感じる英単語が draconian である。すでにこのブログで書いたように思っていたが、見直したら違ったので取り上げてみたい。
前回の lick からの連想で、lick one's wound という表現を取り上げよう。文字通りには「傷をなめる」だが、イディオムとしてはさらにその先の状態を指して使われる。
lick は「なめる」として覚えた人が多いと思うが、このほか「打つ、なぐる」とか「負かす、打ち勝つ」というハードな意味もあるのがおもしろい。
多忙続きで英語との接触もままならない状態なので、学習ノートにメモしていた reverse-engineer という言葉を紹介して久しぶりの更新とするが、その関連で偶然にも前回も取り上げたマンガ「ピーナッツ」にかかわるトリビアを知ったので、あわせて書いてみたい。
少し前の新聞に掲載されていたマンガ「ピーナッツ」で目にとまった without tears についてメモしておきたい。辞書を見たら、意外とこの表現が載っていなかったからでもある。
前回、芭蕉の「五月雨の~」の英訳を題材に spare について書いた流れで、この句が載っている「おくのほそ道」の章を英訳で読んだところ、ちょっとおもしろいことに気づいたのでメモしておきたい。
アメリカ人翻訳家による芭蕉の俳句英訳署を読んでいたら、日本人にはわかりづらいと思われる動詞 spare を使って俳聖の名句が英語にされていたので、ちょっとメモしておきたい。
前々回の cold case から cold つながりで、cold call という表現を取り上げたい。「売り込みのための勧誘電話」ということで、この場合の cold は「前置きのない」といったような意味に取ればよさそうだ。
前回の cold case が犯罪・事件がらみの言葉だった流れで、police blotter という表現を取り上げたい。発生した事件など毎日の出来事を綴る警察署の記録簿を指す。
悲劇の少女アンネ・フランクをめぐるニュース記事を読んでいたら cold case という表現が使われていたので、取り上げてみたい。
自分の学習ノートには前回取り上げた kudos に続いて there is a lot to be said for ~ という表現がメモしてあったので、ついでに短く書いてみたい。for に続く事物に、長所や利点といった”良いこと”がたくさんある、という意味である。
前回取り上げた a feather in someone's cap からの類推で kudos という名詞を取り上げたい。「称賛」「名声」「栄誉」という意味だが、「よくやった、すごいぞ!」とほめる時に使われることもある。最後の -s は複数ではなく、もともとこのように綴る。
週末に見たアメリカのテレビドラマに a feather in someone's cap という表現が出てきた。文字通りには帽子についた羽根ということになるだろうが、これで「誇りになるもの」「功績」「名誉」という意味がある。
前回取り上げた表現からの連想で、if the past is any guide という言い回しについて書いてみたい。the past の部分は他の言葉に入れ替えてもよい。
前回取り上げたクオモ州知事についての記事には cautionary tale for... という言い回しが出てきて、イディオムということではないと思うが、おもしろい言い方だと思ったので書いてみたい。
ニューヨークのクオモ州知事がセクハラ問題で辞任するとのニュースに接した時、私の頭の中にとっさに浮かんだ言葉が fall from grace だった。
英和辞典には載っていないが、woke は少し前からちょくちょく目にする単語だ。先日、トランプ前大統領がアメリカのオリンピック代表チームを批判した際にもこの単語を使っていたので、取り上げてみたい。
アメリカのバイデン政権が苦境に陥りつつあるというCNNの記事を読んでいたら、circular firing squad という表現が目にとまった。ちょっとおもしろいと思ったので、取り上げてみたい。
イディオム集などでちょっと変わった表現に出会っても、自分の中ではなかなか定着せず(語学センスのいい人はすぐに覚えてしまうのだろうが)、実例を目にして「なるほど本当に使われているんだ」と妙に感心したりする。make a federal case out of は私にとってそんな言い回しである。
オリンピックについて、マスコミが自国の選手を中心に伝えるのは当然のことだろうが、英語圏のウェブサイトを先日見て、あらためてそう思った。その時のCNNが(またBBCも)トップページで大きく報じていたのが、「東京五輪でアメリカの有力体操選手がまさかの棄権!」というニュースだった。
前回の "It's O.K. to not be O.K." に続いて、大坂なおみ選手が TIME 誌の最近号に寄稿した英文から表現を取り上げよう。"What you see is what you get." は、「見たまんまで、何も隠していない」「ご覧の通りで、ごまかしはない」ということを表す表現だ。
きのう久しぶりに書店の洋書コーナーに立ち寄ったら、大坂なおみ選手をカバーにした TIME 誌の7月19日号が目にとまった。そこに 'It’s O.K. to Not Be O.K.' とあるのを見て、「おっ」と思った。 学校で習った不定詞の説明だと、"not to 動詞" としないとまずいはずだが、実際には、"to not 動詞" という言い方を見かけるようになっている。
今回も自分の英語学習ノートにメモしていた言葉から拾うことにする。huddle はその光景が目に浮かぶような単語で、いくつかの実例を書きつけていたので、取り上げてみよう。
このところ多忙で英語に集中できる時間が取れないので、こうした時のいつもの手段として自分の学習メモに書きつけていた表現を拾ってお茶を濁すことにする。前回引用したアーサー・ヘイリーの小説 The Evening News から、murder-suicide を取り上げよう。
前回と同様、手製の英語学習ノートを見返していて「命令」「指図」の類例として目にとまったのが on somebody's say-so である。これも前回のように、単語そのままで意味が浮かんできそうな表現だ。
前回取り上げた rule the roost は単語を見ただけでは意味が想像しにくい表現だと思うが、同じく「支配する」ことを示す show someone who's the boss は、逆にたやすくイメージがわく言い回しだろう。
カズオ・イシグロの最新作 Klara and the Sun (「クララとお日さま」)で拾った言葉を今回も取り上げたい。rule the roost は自分から使うイディオムとしては難度が高いだろうが、辞書を引くと「(集団を)支配する」という意味だという。
カズオ・イシグロの最新作 Klara and the Sun(邦題「クララとお日さま」)を読んだ。少女として設定されているAIロボットによる一人称体の語りとあって、英語そのものはさほど難しくはない。この作品から、civil について取り上げてみよう。
前回の sleeper hit は、ごく基礎的な単語の組み合わせがおもしろい意味を生んでいるが、類例ともいえそうな dry swallow について書いてみたい。
前回はタイトルでアイキャッチとして「大ブレーク」という言葉を使ってみたが、連想で sleeper hit を取り上げたい。手持ちの英和辞典には載っていない表現だ。
大坂なおみ選手をめぐる最近の記事を読んでいたら、stratospheric rise という表現が出てきた。同じ記事に出てくる別の単語とからめて、”言葉のあや”的に使ったものかと思ったが、検索したら、この形でけっこう使われている表現だとわかったので取り上げてみたい。
前回の war story からの連想で、war chest について短く書いておきたい。日本語でも「軍資金」といえば、別に戦争でないことにも使えるので、人間は同じような発想をするものなのかもしれない。 ということで、団体や組織の「運動資金」「活動資金」を指す言葉である。
前回に続いて傑作ノンフィクション Bad Blood で実例を拾った表現を取り上げよう。war story は何の変哲もない言葉に見えるが、文字通りの「戦記」に特化したものではなく、比喩的に一般的な内容にも使うことができる。