問いを向ける先
大河ドラマ『光る君へ』を見ている関係で、やっぱり『源氏物語』読んでおいた方がいいかな、と図書館で角田光代の現代語訳を借りてはきたものの、残念ながらどうも私には『源氏物語』は合わないようだと感じている。ただ、角田による『源氏物語1』の「文庫版あとがき」には得るものがあった。そこで角田は『源氏物語』の現代語訳を担当することになった時のことを池澤夏樹さん個人編集の、日本文学全集のシリーズで、私が源氏物語の現代語訳を担当することが決まってから出版されるまでのあいだに、私自身もちょっとびっくりしてしまうくらい大勢の人からさまざまな声をかけられた。いちばん多いのはシンプルに「なんで?」である。その「なんで?」の内訳としては、「どのような経緯で?」「源氏物語、好きだったっけ?」「その間、小説はどうするのの?」というよう...問いを向ける先
2024/05/27 18:13