2802 「人はやがて果てらん」 地方は犀星の「「帰去来」の姿に
夕方、散歩中に二重の虹が出た 「帰去来」という室生犀星(1889―1962)の詩がある。哀しい内容だ。「帰去来」は、中国の東晋(とうしん)・宋時代の詩人、陶淵明(とうえんめい、365―427)の有名な詩「帰去来辞」(ききょらいのじ)が由来で、官吏をやめて田園生活に始めようとする決意の言葉だといわれる。犀星は、それをもとに自身の思いを詩にしたのだ。現代の地方の実情を描いたような切なさが伝わる詩といえる。
2025/06/25 17:52