おとぎ話に出てくる魔法の絨毯を操るかのように、魔法陣の上に乗り進む。 化け物の顔の近く、目線に合わせた高さまで昇っていく。 魔法陣は光を放っているため離れた場所から見ても、それが確認できる。「は……? あれは何をしているんだ?」 メアリは呆気に取られ、不思議に思って訊ねる。 沢山のキスシーンを目撃して、茶色い狼の軍人は顔を真っ赤にしていた。「あれが【ノイズ】との【ヴォイス能力者】の戦い方だ。 ...
オリジナルイラスト一次創作物語り。 ゴスロリ美少女&ゴシック調の少年(青年)、うさぎのぬいぐるみキャラクターなどを描いています。
ナイトは気が付くと、またベッドに横になっていた。「う……」痛みが走り、頭を押さえながら起き上がる。周りは見慣れたヨーロピアンな部屋だった。気を失ったのか、いつの間にか城へと帰ってきていたようだ。「ナイトはん!大丈夫どすか~!?」チョビが慌てた様子で駆け寄ってくる。一緒にメアリも傍に寄る。少しぼんやりとしていたが、すぐにハッとして聞いた。「そうだ、あの男性は……?」するとメアリは自分の胸に手を当て、優し...
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おとぎ話に出てくる魔法の絨毯を操るかのように、魔法陣の上に乗り進む。 化け物の顔の近く、目線に合わせた高さまで昇っていく。 魔法陣は光を放っているため離れた場所から見ても、それが確認できる。「は……? あれは何をしているんだ?」 メアリは呆気に取られ、不思議に思って訊ねる。 沢山のキスシーンを目撃して、茶色い狼の軍人は顔を真っ赤にしていた。「あれが【ノイズ】との【ヴォイス能力者】の戦い方だ。 ...
処理班の軍隊が光の結界で化け物を包み、動きを封じている。 ローブで身を包んだ魔法使いたちは、地面に巨大な魔法陣を描いている。 その場から少し離れた安全な所に、メアリは軍人たちに連れられて場所を移した。「もしかしたら、お前さんも戦い方を見ておいた方がいいかもしれんなぁ」 ムキムキな軍人は呟くようにメアリに話しかける。「今後の為にも必要になるかもしれませんしねぇ」「僕、何回見ても慣れないや。あの...
「デッドスター将軍!! 見つけました!あそこです!」 星空の彼方から、漆黒の龍を彷彿とさせる巨大で屈強な戦艦が現れた。 デッドスター将軍と呼ばれた銀髪の青年は、頭にかぶった軍帽のつばをつかんで黒いマントを翻す。 「こんな辺境の地に現れるとはな……」 窓からの景色は沢山の化け物と、紫色の髪の黒い服を着た男性が逃げ回っているのが見える。 だが突然、化け物と男性は同時に動きを止めた。 「なんだ...
激しい騒音は振動とともに段々とこちらへ近づいてくる。 メアリとミュウはすぐに分かった。 またあの化け物が現れたのだ。 街に出没した化け物とは違うかもしれないが、同じ系統の物のような気がする。 メアリは急いで棺の中から飛び起きて、棺を背負う。「メアリ……」「ミュウはそのまま、そこにいろ!」 逃げるために急いで洞窟の中から出る。 だが――。 既に外には沢山の黒い機械の化け物で埋め尽くされていた。 巨大な...
メアリは雪の降り積もる中、微かな灯りの見えるほうを目指して歩く。 途中で偶然、洞窟を発見することができた。 ただの横穴のようで奥には道も続いていない。人がいた形跡も無い。 体調も考えて、ひとまずはそこで休むことにした。(今夜はここで野宿になるかもしれないな……) 棺の鞄を降ろして蓋の隙間から覗き込むと、スヤスヤ眠るミュウとハートさんの姿を確認する。 洞窟の中に落ちていた石を手にして、適当に地面にあ...
真っ白な部屋の中。 誰かがミュウの手を握っている。「――ミュウ……」 けれど、ミュウはベッドの上で眠ったまま体を動かすことも声を出すこともできない。「――ミュウ、お願いだよ。 どうか目を覚まして……」 その声は青年だった。 こげ茶色の髪の毛が揺れるのが微かに見えた。 眼鏡をかけている瞳から、涙の雫がこぼれてミュウの手をつたう。 ――あなたは――。 「……ミュウ!」「ん……」「ミュウ、大丈夫か?」「メアリ……?...
戦うふたりを見つめながら、障壁の中でミュウは自分に出来る事は何かないかと考えていた。 けれど、ただ壊れて燃えていく街を見ているだけで何もできない。 自分はなんて無力なのだろうと歯を食いしばった。 きっとあの炎の中にはアンジェラさんや、さっきの子供たちもいる。 もしかすると、最悪もう――。 悲しい考えにたどり着き、心の中が真っ暗になってしまう……。 すると化け物はミュウに手を伸ばす。 「ミュウ様!!...
「ネオ・ネヴァーランド、とおっしゃいましたか?」「ハイ。 話せば長くなるのですが、ワタクシはその街から墜落してしまい、この場所に辿り着いたようです」「ネオ・ネヴァーランド……。すごい、ホントに存在したんだ」 ここは【キング・ジャポネス】。 かなりの発展都市だ。(人間が上空から落ちてきたら、かなりの騒ぎになるはず……だが、何故だ?) 都市の住人たちは誰も驚いている様子など無い。むしろ普段通りに生活してい...
暖炉に薪を入れて火をつける。 暗い部屋の中にオレンジ色の優しい明かりが灯る。 金髪の少年を何とか屋敷の中に運び、客間のベッドの上に寝かせた。「この子、よく見ると人間じゃないのね」 ヒメは少年の汚れた顔をタオルで拭う。 はだけた服から人形のような関節部分があらわになっていた。「ですが、ワタシたちアンドロイドとはまた違うような何かを感じるのです……」 傍で見ているヨルガミが考えるような素振りで言う。「...
――惑星・【キング・ジャポネス】。 未来的だがどこか懐かしいような、機械で構成された帝都のような街並み。 空には飛行船や自動車まで走っていて、とても賑やかだ。 眩しいくらい、ネオンの光りが煌びやかに輝く。 そこから少し離れた街の外れに、木が森のように覆い茂っている場所がある。 真っ暗な、黒に近い青の空。 光は届かない。「うぅ~~。寒いわねぇ~」 そこに少し豪華でとても古い、大きな木造建てのお屋敷が...
軍人たちが屋敷の外へ出て行き、黒いヘリコプターに乗り込んでいく。 ツキノオとヨルガミも連れて行かれてしまう。 「ちょっと! 二人を返しなさいよっ!」 ヒメが涙を流して訴える。が、軍人たちは見向きもしない。「あんたたちなんてサイテー!! 絶対にゆるさないからっ!!」 デッドスター将軍は、ため息をつくようにフッと口元を笑ませた。 「出せ」 「はっ!」 ヒメは飛び去っていくヘリを、涙の滲ん...
暖炉に薪を入れて火をつける。 暗い部屋の中にオレンジ色の優しい明かりが灯る。 少年を何とか屋敷の中に運び、客間のベッドの上に寝かせた。「この子、よく見ると人間じゃないのね」 ヒメは少年の汚れた顔をタオルで拭う。 はだけた服から人形のような関節部分があらわになっていた。「ですが、ワタシたちアンドロイドとはまた違うような何かを感じるのです……」 傍で見ているヨルガミが考えるような素振りで言う。「ヒメ様...
――――。 メアリはぼんやりと視界を開いた。 あれから少しの間、眠ってしまっていたようだ。 起こした火も消えかかっていた。 メアリが瞼を擦っていると、ミュウも気がついて瞼を擦る。 少し寒いうえに、お腹も減っていた。 時計が無いので時刻も分からない。 その時、ほんの少しだけ風が吹いて髪の毛を揺らした。 紅い霧が辺りを包んでいく。 そして幻のように、再び死神ファントムが現れた。「もう一日が経過したのか?...
遅くなってしまいましたが、サイト内リニューアルしました。 と言っても、中身は同じだけれど。。。 前の表示だと、どうやって見ていいのか分からないという声がありました;; メニューリストに気がついてもらえなかったり、 表示が普通のブログと同じで、いつも見に来てくださっている方々には良いのですが、 新参者さんたちには訳が分からない状態になってしまっていたのです。。。;; な...
どれくらいの時間が過ぎたのだろうか。とても長く感じていたが、ほんの数時間だったのだろう。何となく一人では心細くて、ホムンクルスの三人と共にリビングに集っていた。暫くして、チョビが地下室に来るように皆に呼びかけた。手には、小さな蝋燭の火の付いた燭台を持っている。チョビを先頭に、ナイトの後ろからホムンクルスの三人も連れ立って歩く。地下通路へと続く、足元が薄暗くて少し不気味な道だ。所々蝋燭の灯りが付いて...
体調の関係で管理が難しいため、掲示板を削除しました。少しの人数だったかもしれないけれど今までご使用いただき、ありがとうございました。他にもメールフォームの表示をやめました。お返事ができないためです;;もっと早くにこうするべきだったかもしれないです。。ご迷惑をおかけしてしまった皆さま、申し訳ございませんでした。m(__)mそれから、更新が止まってしまっていた、いくつかのサイトも退会しました。遥か昔にやって...
次の日の朝。疲れていたのか、いつもより少し遅い時間に目を覚ました。窓から太陽の光が漏れ、外は良い天気だった。バルコニーに出ると、清々しい気分で大きく深呼吸をした。そんなナイトに気が付き、中庭で苺を摘んでいたメアリが、すぐさま駆け寄る。「体調は良さそうだな」安堵した表情を向けるメアリ。「おかげさまで良く眠れました」にっこり微笑むナイト。メアリは目覚めの紅茶を淹れてくれた。カップに口を付けると、苺の香...
それはきっと遥か未来から届いた最後のメッセージ。文明の心地よさに甘えて壊れてしまった青く綺麗な星。気付いた時にはもう遅かった。苦しみも悲しみの連鎖を、誰にも止められないよ。滅ぼすことが出来るのは、唯一救い出すことが出来るのも、我々人類だけなんだ。人間がこの世に生まれてしまったことが、間違いだったのだろうか。汚していくだけで意味などないのか。人類以外の存在は、皆誰もがそう思っている。この時代ならばま...
ナイトは気が付くと、またベッドに横になっていた。「う……」痛みが走り、頭を押さえながら起き上がる。周りは見慣れたヨーロピアンな部屋だった。気を失ったのか、いつの間にか城へと帰ってきていたようだ。「ナイトはん!大丈夫どすか~!?」チョビが慌てた様子で駆け寄ってくる。一緒にメアリも傍に寄る。少しぼんやりとしていたが、すぐにハッとして聞いた。「そうだ、あの男性は……?」するとメアリは自分の胸に手を当て、優し...
ナイトが再び目覚めると、もうすっかり陽が落ちていた。いつの間にか眠ってしまっていたのか。メアリの血液が効いたのか、体調は大分良くなっていた。ぼんやりとしながら、ゆっくりと体を起こす。すると部屋のドアをノックする音がした。「ナイトはん、大丈夫どすぅ~?」学園から帰ってきたのだろう。いつものメイド服に着替えたチョビが、心配そうに顔をのぞかせる。「お粥を作らせてもろたんやけど、必要あらへんかったどすか?...
軍人たちが屋敷の外へ出て行き、黒いヘリコプターに乗り込んでいく。 ツキノオとヨルガミも連れて行かれてしまう。 「ちょっと! 二人を返しなさいよっ!」 ヒメが涙を流して訴える。が、軍人たちは見向きもしない。「あんたたちなんてサイテー!! 絶対にゆるさないからっ!!」 デッドスター将軍は、ため息をつくようにフッと口元を笑ませた。 「出せ」 「はっ!」 ヒメは飛び去っていくヘリを、涙の滲ん...
暖炉に薪を入れて火をつける。 暗い部屋の中にオレンジ色の優しい明かりが灯る。 少年を何とか屋敷の中に運び、客間のベッドの上に寝かせた。「この子、よく見ると人間じゃないのね」 ヒメは少年の汚れた顔をタオルで拭う。 はだけた服から人形のような関節部分があらわになっていた。「ですが、ワタシたちアンドロイドとはまた違うような何かを感じるのです……」 傍で見ているヨルガミが考えるような素振りで言う。「ヒメ様...
――――。 メアリはぼんやりと視界を開いた。 あれから少しの間、眠ってしまっていたようだ。 起こした火も消えかかっていた。 メアリが瞼を擦っていると、ミュウも気がついて瞼を擦る。 少し寒いうえに、お腹も減っていた。 時計が無いので時刻も分からない。 その時、ほんの少しだけ風が吹いて髪の毛を揺らした。 紅い霧が辺りを包んでいく。 そして幻のように、再び死神ファントムが現れた。「もう一日が経過したのか?...
遅くなってしまいましたが、サイト内リニューアルしました。 と言っても、中身は同じだけれど。。。 前の表示だと、どうやって見ていいのか分からないという声がありました;; メニューリストに気がついてもらえなかったり、 表示が普通のブログと同じで、いつも見に来てくださっている方々には良いのですが、 新参者さんたちには訳が分からない状態になってしまっていたのです。。。;; な...