霊感少女 さとみ 2 学校七不思議の怪 第三章 窓の手形の怪 15
「こ、これくしおん……?」みつは首を傾げる。「ふふふ、丁髷(ちょんまげ)時代の女子では分からないか」ミツルは笑う。「コレクション。君に分かるように言うと、物などを集める事だよ」「ふざけた事を申すな!」みつが刀を構え直す。「わたしたちは物ではないぞ!」「ああ、分かっているよ。君たちは物ではない」ミツルはうなずく。「ふふふ、でも、どこにも行けない、籠の鳥と同じなのさ」「何と言う卑劣な!」冨美代が怒りに肩を震わせる。「わたくしと嵩彦様は時代に囚われていました。それを脱け出したと言うのに、今度はあなたの詰まらぬ卑劣な個人の思いに囚われてしまった。女性が女性を好きになるなど、それこそが倒錯でしょう!」「それそれ!」ミツルは手を叩いて笑う。「明治の淑女の怒りに震える表情は、わたしの胸をぞくぞくさせる……とっても良い……」「...霊感少女さとみ2学校七不思議の怪第三章窓の手形の怪15
2021/12/31 09:00