霊感少女 さとみ 2 学校七不思議の怪 8
その日の夜、さて寝ようとしたところに、みつと豆蔵が現れた。二人は並んで座っている。みつは凄腕で美貌の女剣士。豆蔵は渋い中年の岡っ引きで江戸でも五本の指に入る腕利きだ。この二人ならさとみもイヤではない。霊体を抜け出させ、ちょこんと二人の前に座る。「みつさん、豆蔵、お久しぶりね」さとみの声がうきうきしている。昨日からイヤで面倒な事ばかり聞かされていたからだ。「嬢様……」豆蔵はさとみをそう呼ぶ。「知っていますかい?」「何?」「竜二さんの新しい……」豆蔵は言うとぷっと吹き出した。「……新しい恋人ですよ」「ええ、知っているわ」さとみは思い出してうんざりした顔をする。「虎之助とか言う男の人でしょ?昨日、竜二が助けてくれって泣きながらやって来たわ」「さとみ殿」みつはさとみをそう呼ぶ。「世の乱れがわたしたちの世界にも入ってきて...霊感少女さとみ2学校七不思議の怪8
2021/10/31 07:30