「放浪について」 瀬戸内寂聴
「瀬戸内寂聴」さん「放浪について。孤独の相に生まれて・・」『放浪について』という随筆を1969年(昭和44)、49歳の時、『群像』5月号に書いているそうな。「70年安保」で世の中騒然としていた頃だ。大学もバリケード封鎖されていて授業など無かったから、私も虚無僧で北陸を廻ったりしていた。その頃「瀬戸内寂聴」さんは、執筆に追われ、眠る閑も無いほど多忙を極めていたという。そして「放浪」への憧れはとみに強くなっていきこの翌年出家している。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「私には家はあっても家族はなく、私の袖を引き止める肉親もいない。心に繋(つな)がる断ち難い煩悩の絆はあっても、その絆の強さゆえに、放浪への憧れも、日々強力になりまさる。恩愛の情...「放浪について」瀬戸内寂聴
2021/10/30 21:24