胸にイチモツ下腹部にイチモツ。麻屋与志夫
11月30日木曜日超短編26胸にイチモツ下腹部にイチモツ。「おれも、老いぼれたものだ」順平はバス停のベンチに腰をおろした。角材を四本ほどあわせただけの素朴なベンチだ。背中を車道のほうにむけた。こうして座っていればバスに乗る客ではないとわかるはずだ。疲れ切ってもう歩けない。温泉がでるいがいはなんのとりえもない田舎町だ。年寄りには無愛想な街だ。歩道にやすむことのできるベンチひとつない。それでバス停のベンチをいつも利用させてもらっている。「オジイチャン。終バスだよ‼」突然。声をかけられた。いつのまにかベンチで眠りこんでいた。あわただしく声をかけられた。おもわずバスにのりこんでしまった。「オジサン、温泉にでもはいっていくといいよ」親切な運転手の声を背中できいた。この温泉は源泉かけ流し、湯気がもうもうとしている。声...胸にイチモツ下腹部にイチモツ。麻屋与志夫
2023/11/30 10:17