4月20日土曜日桜もちり蕊桜(しびざくら)の季節。ことしは妻が同伴してくれなかった。花見はできなかった。それで一句。顎さげて杖つき桜盗み見る顎さげて杖つき横目みる桜杖をつきそれでも足元に注意を集めなければならない。うつむいて歩いている。諭吉さんでもありはしないかと路面注視の歩行だ。杖をついているからだ。杖の先が歩道にあいた穴にでも入ると、そのために転んでしまう。転ばぬ先の杖とたよりにしているのに、かえつて危険をともなう。道の向こう側の桜を観たいのだがままならぬ。横眼でうなだれたまま彼方の桜を……見る。鑑賞とまではいかない。これが年寄りの現実だ。そのうち桜に興味がなくなるかもしれない。そうなったら、おわり。人生卒業だ。こっちとら、いよいよ31歳。文学青年。まっただなか。わかりますか?得意のアサヤ流自虐です。...顎さげて杖つき桜盗み見る