道長邱で働く女房、父も兄も犯罪者で既に死んでいる。しかし盗賊の親分は死んだはずの兄だと噂が流れる。すごく面白かった。道長を含む貴族たちの権謀術数と道長を嫌う人達の憎悪が中心に描くミステリーのち更に咲く澤田瞳子新潮社今日の一曲宇多田ヒカルで、"KeepTryin'"では、また。『のち更に咲く』澤田瞳子
今までになかったブログ。全てがオリジナル。一貫したテーマゼロ。日替わりのアホネタ&恋愛だのマジメだの
道長邱で働く女房、父も兄も犯罪者で既に死んでいる。しかし盗賊の親分は死んだはずの兄だと噂が流れる。すごく面白かった。道長を含む貴族たちの権謀術数と道長を嫌う人達の憎悪が中心に描くミステリーのち更に咲く澤田瞳子新潮社今日の一曲宇多田ヒカルで、"KeepTryin'"では、また。『のち更に咲く』澤田瞳子
店名にツッコんでください325店名にツッコんでください325
叔父が一酸化炭素中毒で死んだ。自動車整備士の甥が仕組んだとして逮捕される。自白を強要され自白するが、公判では否認する。実は父親も無実の罪で有罪になってた。すごく面白かった。帯ではホラーとなっていたが、リーガルミステリー&冤罪兎は薄氷に駆ける貴志祐介毎日新聞出版今日の一曲Eaglesで、"TheBestofMyLove"では、また。『兎は薄氷に駆ける』貴志祐介
勝てない馬ばかりだった生産牧場、厩舎、騎手、馬主に奇跡のような馬が誕生。スピードよりスタミナが持ち味。この馬で凱旋門賞に勝たせたい者たちの物語。めちゃくちゃ面白かった。一気読み。ナカヤマフェスタやステイゴールドというのが実在したのを知らなくても、十分に楽しめた。熱い!フェスタ(集英社文芸単行本)馳星周集英社今日の一曲礼賛で、「スケベなだけで金がない」では、また。『フェスタ』馳星周
新聞社社会部から突然政治部で東京1区の選挙を取材せよと命じられた記者。都議死の件は殺人ではという情報を。東京1区で立候補する教授の選挙を手伝うことになった他議員の秘書。どちらも何かおかしいと感じる。面白かった。一気読み。最近の裏金事件のことも連想する。ゼロ打ち(角川春樹事務所)相場英雄角川春樹事務所今日の一曲LennyKravitzで、"Human"では、また。『ゼロ打ち』相場英雄
元日銀マンの大学教授が物価とは何なのか詳しく教えてくれる。「ゆる言語学ラジオ」で薦められていた。物価指数にも色々あるとか知らないことだらけ。前半は分かりやすかったんだけど、後半は難しくなった。物価とは何か(講談社選書メチエ)渡辺努講談社鬼束ちひろで、「青春の影」では、また。『物価とは何か』渡辺努
精神科医を辞め、神奈川県警で心理分析官になった夏希の最初の事件は爆弾テロ。謎解きのカタルシスはそれほどでもないが、気軽に読めるのはいい。脳科学捜査官真田夏希(角川文庫)鳴神響一KADOKAWA今日の一曲KWroiで、"WaterCarrier"では、また。『脳科学捜査官真田夏希』鳴神響一
明治時代、北海道の山中で鹿や熊を仕留め、孤独に暮らす男の話。壮絶な生き様を一人称で読む小説。彼の生き方を知識として読む意味はあったが、あまりエンターテインメントとしては読めなかった。ともぐい河﨑秋子新潮社今日の一曲CreepyNutsで、「二度寝」では、また。『ともぐい』河崎秋子
和菓子の南星屋シリーズ3作目。中間がやって来て、家をすぐ出ろ、手紙を預かってくれと言う。直後に大火発生。この謎がずっと続きつつ、別件の話と和菓子の話の連作短編集。ずっと変わらないクオリティ。和菓子と人情のハーモニーうさぎ玉ほろほろ西條奈加講談社今日の一曲藤井風で、「満ちてゆく」では、また。『うさぎ玉ほろほろ』西條奈加
短大の入学金を母に使われた姉18歳。母の恋人に虐待される妹8歳。違う土地へ移住した姉妹はどうなるのか。物凄く好みの小説。何度も目頭が熱くなった。人は一人では生きていけないし、また誰かを助けることが自分の生きがいになるのだ。水車小屋のネネ津村記久子毎日新聞出版今日の一曲岡村和義で、「愛スティル」では、また。『水車小屋のネネ』津村記久子
大学でバンドを組んだ四人の組む前と後。就活したり、プロ目指したり、彼女にふられたり。良かった。小野寺史宜らしい。冒頭はボーカルの女性の中学時代、母親にコーラスをやらないかと誘われ断る所から始まる。その後はギターの男性の目線で描く章になるので、ボーカルの人がなぜボーカルをやるのかわからないのが最後になって分かる。その構成もいい。うたう小野寺史宜祥伝社今日の一曲DeepPurpleで、"SmokeOntheWater"では、また。『うたう』小野寺史宜
駅で逮捕された弁護士のスーツケースから元検事の遺体が。殺害を自供したのに公判で覆す。12年前の事件と大きく関わる。初めて読む華文ミステリ。面白かった。なぜややこしいことを仕組むのかその長大なプロセスがすごく好み検察官の遺言(ハヤカワ・ミステリ文庫)紫金陳早川書房今日の一曲TalkingHeadsで、"LoveforSale"では、また。『検察官の遺言』紫金陳
異端の楽団に入った知り合いの女性が死んだ。死の謎を解こうとまだプロになりきれていないチェリストが挑む。ミステリーとしては微妙。しかし音楽とは何かを大胆に解釈する様は最高。所詮この世は錯覚とバイアスで成り立ってるだけなのかも四重奏逸木裕光文社今日の一曲SteelyDanで、"DoItAgain"では、また。『四重奏』逸木裕
質素倹約を強いた松平定信が引退した後。栗杖亭鬼卵と知り合う。不要不急の文化に勤しんできた鬼卵の半生を聞かせてもらうと。面白かった。上田秋成や円山応挙など実在の人物多数登場。鬼卵の名前も初めて見たけれど、実在の人物だそう。江戸時代の改革VS文化、読んだことのない小説きらん風月永井紗耶子講談社今日の一曲JuliusRodriguezで、漫画BLUEGIANT“MOMENTUM”では、また。『きらん風月』永井紗耶子
南部鉄器を作る工房で保護観察の少年を預かることにした。いい話なのだけれど、「いい話をしようとしてる感じ」がずっとチラつく。それが「いい話風」になってる気がする。そう感じる私が歪んでいるのか。風に立つ柚月裕子中央公論新社今日の一曲SUPERBEAVERで、「切望」では、また。『風に立つ』柚月裕子
藤原仲麻呂が人事を操り、天皇すらコントロールする。しかし、孝謙天皇の所に道鏡と吉備真備が来ると・・・日本史リアル劇画化小説。面白かった。まさに劇画北辰の門馳星周中央公論新社今日の一曲アンジェラ・アキで、「手紙~拝啓十五の君へ~」では、また。『北辰の門』馳星周
店名にツッコんでください324店名にツッコんでください324
オムライスのようなかつ丼が行列店になるまでの経緯、自分の店で出すカレーに凝りすぎる人、急逝した人気らーめん店の主人の後を継げるか?等の連作短編集面白かった。腹が鳴った。「本日のメニュー」の続編。どちらもすごく好きだ。食とドラマという黄金タッグできたてごはんを君に。本日のメニューは。(集英社文庫)行成薫集英社今日の一曲WANIMAで、"Feel"では、また。『できたてごはんを君に』行成薫
大学生になった成瀬のバイトや観光大使になろうとする成瀬。第二作、やはり面白かった。他人に惑わされず正論を行くが、いい人でもある成瀬に、憧れてしまう。成瀬は信じた道をいく「成瀬」シリーズ宮島未奈新潮社今日の一曲BradMehldauTrioで、"HeyJoe"では、また。『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈
レイプ死亡事件の被害者から最後の言葉を聞いた医師サラ。自らが15年前にレイプされた事件と関係があるらしい。レイプが自分の身の回りで起こったと聞いたことがない。しかし読むと、自分が井の中の蛙だと分かる。ただ、長すぎる。ほぼ700頁は長い。暗闇のサラ〈ウィル・トレント〉シリーズ(ハーパーBOOKS)カリン・スローターハーパーコリンズ・ジャパン今日の一曲Kroiで、"Sesame"では、また。『暗闇のサラ』カリン・スローター
集団レイプ事件の加害大学生の父親が殺される。復讐か?あまり面白くなかった。文体と描こうとする重い社会性のバランスの問題なのか、ストーリー展開に先が気になる感がないからなのか。ジェンダー・クライム(文春e-book)天童荒太文藝春秋今日の一曲CigarettesAfterSexで、"Cry"では、また。『ジェンダー・クライム』天童荒太
三部作のラスト。連続殺人犯だと確信できるのに野放しな男、第二作までにレイプ版だと確信してる男にピップはどう鉄槌を下すのか。意外すぎる方向に進む。ストーリーに翻弄される小説としては面白いけど、主人公に感情移入する人間ドラマとしてはそっちには行って欲しくないようなアンビバレントな感じ卒業生には向かない真実自由研究には向かない殺人(創元推理文庫)ホリー・ジャクソン東京創元社今日の一曲Paramoreで、"BurningDowntheHouse"では、また。『卒業生には向かない真実』ホリー・ジャクソン
結婚の際の苗字の変更をどちらがするかや、田舎の墓をどうするかなどの問題を複数の家族を絡ませ描く。墓じまいだけでこれだけの問題が発生するとは思わなかった。コメディでもありシリアスドラマでもある。墓じまいラプソディ垣谷美雨朝日新聞出版今日の一曲SUPERBEAVERで、「幸せのために生きているだけさ」では、また。『墓じまいラプソディ』垣内美雨
祖母に育てられいじめられていた女子が突然覚醒したり、恋人が自殺したり、女性になりたい男性の軽食屋があったりの連作短編集。最初はイマイチかなと思いつつ読んでいたら、第二章以降面白さが加速していった。行き所のない男女を不可思議なストーリー展開で描く。夜空に泳ぐチョコレートグラミー(新潮文庫)町田そのこ新潮社今日の一曲PatMethenyで、"AndILoveHer"では、また。『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』町田そのこ
1971年頃広島で育った真紀、英語の勉強を頑張る。金のない親やバブル前後の時代に流されながらも自分の人生は自分で決められるのか?好みだ。今年ベスト。真紀の内面がいい。ストーリーもいい。出会う人もいい。困難があってもそれもいい。こういう小説をあと百冊は読みたい。あけくれの少女(集英社文芸単行本)佐川光晴集英社今日の一曲Kroiで、"shiftcommand"では、また。『あけくれの少女』佐川光晴
1971年頃広島で育った真紀、英語の勉強を頑張る。金のない親やバブル前後の時代に流されながらも自分の人生は自分で決められるのか?好みだ。今年ベスト。真紀の内面がいい。ストーリーもいい。出会う人もいい。困難があってもそれもいい。こういう小説をあと百冊は読みたい。あけくれの少女(集英社文芸単行本)佐川光晴集英社今日の一曲Kroiで、"shiftcommand"では、また。『あけくれの少女』佐川光晴
全車種をEVにすることを決めた自動車メーカーが、最後に超高級ガソリンエンジン車を出すことにした。どうすれば売れる車が作れるか。ほぼ予想通りの展開になるものの、現代の物作りについて考えさせられること多し。ラストエンペラー(角川書店単行本)楡周平KADOKAWA今日の一曲LiamGallagher&JohnSquireで、"JustAnotherRainbow"では、また。『ラストエンペラー』楡周平
藩主の手術に秘密裏に麻酔を使うことを決めた側近、江戸時代の蘭学の位置。物凄く渋く、江戸時代蘊蓄に溢れ、意外なラスト。良かった。父がしたこと(角川書店単行本)青山文平KADOKAWA今日の一曲TOMOOで、"SuperBall"では、また。『父のしたこと』青山文平
店名にツッコんでください323店名にツッコんでください323
小田和正の76年の音楽人生を振り返る伝記。生い立ちから高校時代、オフコース結成、ヒット曲、やっさん脱退、解散、それ以後。小田和正やオフコースについて多くの人にインタビューした力作。600頁超えだが、作曲法とか楽器のマスター法のような方法論に全く触れてないのが殘念。プラスプライベートにも触れてくれたら完璧空と風と時と小田和正の世界追分日出子文藝春秋今日の一曲オフコースで、「時に愛は」では、また。『空と風と時と小田和正の世界』追分日出子
大学生の青山霜介は、水墨画家の篠田湖山の弟子として、失敗したり、小学校で水墨画を教えたりする。水墨画って意外と大変で面白そうと思ったり、前作より観念的な表現が多くなったような気がしたり(当社比)一線の湖砥上裕將講談社今日の一曲ATARASHIIGAKKO!で、"Toryanse"では、また。『一線の湖』砥上裕將
離島の所有者が死に、相続者や娘、業者が無人島に行くと死体を発見。犯人から犯人探しするな等10のルールが与えられ守らないと爆殺すると脅される。真相が分かると、おーとは思うものの100%楽しめたわけでもない残尿感的なこの感じ。何かを読む逃しているはず。十戒夕木春央講談社今日の一曲TheBlackKeysで、"BeautifulPeople"では、また。『十戒』夕木春央
コロナ禍のブラックな短編集。死んだはずの友に会う話、フードデリバリーにはまる妻、高校生の娘が妊娠する話など。面白いのとそうでもないのが混在。ラストの「さざなみドライブ」は巧いと思った。ツミデミック一穂ミチ光文社今日の一曲離婚伝説で、「愛が一層メロウ」では、また。『ツミデミック』一穂ミチ
江戸菓子屋シリーズ二作目。親しかった菓子職人亥之吉を探して倒れていた男雲平を助けた。人探しを通底したテーマにしつつ和菓子と江戸を語る連作短編集。これも面白かった。江戸時代を描く小説には心温まるものが多いのはなぜなのだろう。亥子ころころ(講談社文庫)西條奈加講談社今日の一曲岡村和義で、"Imissyourfire"では、また。『亥子ころころ』西條奈加
蕎麦屋の銀平は60歳、吐血し寿命を意識する。昔は侠客だったが足を洗ってもう30年。細々と商いしながら出会う人達。しみじみと染みてくる渋い物語。博打とか元妻など色々なネタがある。侠松下隆一講談社今日の一曲THEYELLOWMONKEYで、「ホテルニュートリノ」では、また。『侠(きゃん)』松下隆一
江戸の菓子屋、南星屋は店主があちこちで食べた経験から毎日のように違う菓子が食べられる、庶民的な店。店主の治兵衛、出戻り娘のお永、孫のお君の三人で切り盛りする。ある藩の門外不出の菓子を売っていたと疑われる件、武士の子が弟子入りしたいと願う件などの連作短編集。とても良かった。義理と人情という言葉で簡単には片付けられない人の思いと絶妙なストーリー展開。菓子の話がスムーズに添付され、様々な和菓子が食べたくなる。まるまるの毬(講談社文庫)西條奈加講談社今日の一曲DuaLipaで、"Houdini"では、また。『まるまるの毬』西條奈加
服の皺や遺留品の生地等から事件の謎を解くアパレルブローカー。連作短編集。服からこれだけの事が分かるのかと驚く。ストーリーも良かった。クローゼットファイル仕立屋探偵桐ヶ谷京介川瀬七緒講談社今日の一曲緑黄色社会で、「またね」では、また。『クローゼットファイル仕立屋探偵桐ヶ谷京介』川瀬七緒
大河ドラマも始まるし、源氏物語の全体を軽く知りたかったので読んでみた。あらすじや抜粋だけでも、何となく筋は分かった感じがする。すごく読みやすい。次は「あさきゆめみし」か角田光代訳か。源氏物語ビギナーズ・クラシックス日本の古典(角川ソフィア文庫)角川書店KADOKAWA源氏物語あさきゆめみし完全版(1)(Kissコミックス)大和和紀講談社源氏物語1古典新訳コレクション(河出文庫)角田光代河出書房新社今日の一曲SUPERBEAVERで、「値千金」では、また。『源氏物語ビギナーズ・クラシック日本の古典』
元ダンスユニットメンバーで俳優になってからは今ひとつの俳優英輔は、脚本家小鳥遊葉月にたまたま出会い、アドバイスを貰い変わってゆく。ライトノベルかと侮っていたら、ページを捲る手が止まらない。登場人物、台詞、テンポの良い展開、蘊蓄、全てが好み。京都東山邸の小鳥遊先生望月麻衣ポプラ社今日の一曲佐野元春で、「冬の雑踏」では、また。『京都東山邸の小鳥遊先生』望月麻衣
店名にツッコんでください322店名にツッコんでください322
金銭の都合で研究を諦め高校教師、具合が悪くなった生徒の人生に関わり、、亡くなった漫画家の続編と小説を出そうと苦労する編集者たち、、そしてその後、、前作の続きなのに単体でも読ませる。さらに最後の短編で全てを繋げる様が巧く、いい台詞も沢山あった。恋愛と人生の傑作星を編む凪良ゆう講談社今日の一曲anoで、「YOU&愛Heaven」では、また。『星を編む』凪良ゆう
イタリア留学したが失敗しこっそり帰国して引きこもりになった娘。夫は働かず自分が稼いできた母。家がダムに沈むと宣言された祖母の三代の話。ラストの祖母の話は、戦前戦中の苦労話でまたかと思ってたけど途中からぐんぐん面白くなってきた。軽いどんでん返しも巧い。山ぎは少し明かりて辻堂ゆめ小学館今日の一曲藤原さくらで、"daybreak"では、また。『山ぎは少し明かりて』辻堂ゆめ
人間の標本を作りたくなる、クレイジーな蝶の研究者。犯行について詳しく書いた手記発表、しかし・・・という話。どんでん返しはあるけれど、驚愕するほどでもなく、こんなことやる奴いるわけないだろうというリアリティゼロ感が最後まで続く。人間標本湊かなえKADOKAWA今日の一曲Kroiで、「熱海」では、また。『人間標本』湊かなえ
葬儀屋に勤めると彼氏から仕事辞めてくれと言われる。娘が彼氏を支えるから大学辞めると言う。昔自分をいじめていた奴が葬儀屋の客として来た。親友の葬儀に行くのを許さない夫。連作短編集。素晴らしい小説。生きづらさを強く感じる者達が、死や恋愛、結婚、恐怖についてしみじみ教え考えさせてくれる。いつものように早く読まずに、ゆっくり読んだ。夜明けのはざま町田そのこポプラ社今日の一曲辻井伸行で、「戦場のメリークリスマス」では、また。『夜明けのはざま』町田そのこ
深夜に食べ残った人向けに定食を出す店。やって来た客が何を求めてるかの察知して食事を出し、悩み事を聞いてくれる。家庭内の問題や受験生の悩みなどをほどよい距離感で解決する。癒やし系小説、なかなか良かった。深夜カフェ・ポラリス(アルファポリス)秋川滝美アルファポリス今日の一曲TheRollingStonesで、"MessItUp"では、また。『深夜カフェ・ポラリス』秋川滝美
『黒い錠剤 スウェーデン国家警察ファイル』パスカル・エングマン
刑務所にいる男の妻が殺された。夫の差し金?女性記者に不幸な出来事、テレビ司会者の不倫疑惑。面白かったが、長かった。なぜかシリーズ第二作から翻訳が出た。北欧は幸福度が高いというが、北欧ミステリーというと暴力、ドラッグの嵐。黒い錠剤スウェーデン国家警察ファイル(ハヤカワ・ミステリ)パスカルエングマン早川書房今日の一曲Nulbarichで、"DISCOPRANKfeat.LeoUchida"では、また。『黒い錠剤スウェーデン国家警察ファイル』パスカル・エングマン
母親の違う、姉二人弟一人。姉たちは人を殺していた。美形の弟を何とか芸能界で活躍させたい。長い、長すぎる。重い、重すぎる。アーティストが成功する裏側にはこういうグロい物語があるのかも知れない。金、暴力、動画配信、スピーディーな展開は良かった。Q呉勝浩小学館今日の一曲anoで、「猫吐極楽音頭」では、また。『Q』呉勝浩
高校生ピップは、友人の兄の失踪事件解決のため、ポッドキャストを利用する。シリーズ二作目。登場人物が誰が誰やら分からなくなったが、ラスト近辺で犯人の動機が明らかになると、シンプルに理解できた。面白かった。しかし、ピップはなんでそこまで頑張るんだよとは思う。優等生は探偵に向かない自由研究には向かない殺人(創元推理文庫)ホリー・ジャクソン東京創元社今日の一曲「関ジャム」で紹介されていた。信じられない超早口ボーカル。Kroiで、"FireBrain"では、また。『優等生は探偵に向かない』ホリー・ジャクソン
ボッシュシリーズ。10年前の狙撃事件、取り出すのは危険な弾丸が体内に入ったままのミュージシャンが死んだ。弾丸の調査から、政治案件になっていく。非常に面白かった。パートナーの若い女性ソトの力量、段々と明らかになる憎むべき動機、読みどころ沢山。燃える部屋(上)(講談社文庫)マイクル・コナリー講談社燃える部屋(下)(講談社文庫)マイクル・コナリー講談社今日の一曲AlJarreauで、"Mornin'"では、また。『燃える部屋』マイクル・コナリー
「ツバキ文具店」シリーズ第三作。と言っても前の作品の事はほとんど覚えてない。夫の連れ子QPちゃんはもう中学生。代書屋鳩子は忙しい。義母の作る料理に髪が入っていた。やんわりと注意する手紙を書いて欲しい話や、先代である祖母の恋愛の話など。柔らかく描く人の心の機微。良かった。隣人だったのに越してしまったバーバラ婦人が帰ってきて放った「男はあくまでも嗜好品。必需品にしちゃダメ、消耗品にするのもルール違反」という台詞がいいなと思った。椿ノ恋文小川糸幻冬舎今日の一曲面白かったドラマ「パリピ孔明」から、マリア・ディーゼルで、"I’mstillalivetoday"では、また。『椿の恋文』小川糸
店名にツッコんでください321店名にツッコんでください321
ウィリアム・ウォーウィックシリーズ四作目。アメリカへの船旅の最中に起こる殺人事件を解決し、懸案の逃亡中極悪人マイルズ・フォークナーの捜査に注力。スペインにいることは分かったが難攻不落の要塞のような所にいる。他にも難事件を抱える。面白い。面白すぎる。深夜にもかかわらず後半一気読み。囮捜査官だったロス・ホーガンがチームに加わり、ストーリーに大きく関わる。ウォーウィック以上かもしれない。事件に対する態度は、ウォーウィックよりもホーガンの方が好み。フォークナーを捕まえられるのか、めちゃめちゃドキドキした。これほどワクワクさせられる日本の小説を読みたいものだ。運命の時計が回るとき(ハーパーBOOKS)ジェフリーアーチャーハーパーコリンズ・ジャパン今日の一曲kikivivililyで、「星喫茶店」では、また。『運命の時計が回るとき』ジェフリー・アーチャー
女性を主人公にし、いわゆる「女性的な」ことをテーマにして、赤裸々に突き進む短編集。病気や性的ことが割りと語られる。面白いとか面白くないとかの地平線上にはいない。ひたすらに強烈。ブズと言われた子がどうかわっていくのかを畫いた「あなたの中から」がベスト。文字のゴシック体の使い方も巧い。わたしに会いたい(集英社文芸単行本)西加奈子集英社今日の一曲OliviaRodrigoで、"You’reSoVain"では、また。『わたしに会いたい』西加奈子
50年ほど介護の仕事をする三谷孝。内閣情報調査室関連の仕事をしている。趣味のバードウォッチングをしていたら偶然知り合った大河内牟禮は財団理事長。なんだか気に入られて秘書的なことをしていると巻き込まれる事件。久しぶりのシミタツ。「背いて故郷」とか「裂けて海峡」よりも白石一文っぽかった。しかし、リーダビリティ抜群ですごく好みだった。昭和史の裏側、三谷の無色透明な感じ、大河内のエネルギー。読んだことのない興奮。負けくらべ志水辰夫小学館今日の一曲ドラマ「パリピ孔明」内で披露された。英子の"I’mstillalivetoday"では、また。『負けくらべ』志水辰夫
学生時代からの親友三人組。璃子、友里香、麻矢。麻矢は夫と家庭内別居状態。友里香の夫は文句しか言わず子育てを手伝いもしない。この死んでほしい夫たちに対してどうしようかという話。ラストは好みとはやや違うけれど、それ以外はかなり面白かった。ダメ夫の描写(ドラマ「コタツのない家」のようには笑えない)も、人物造形も巧い。夫よ、死んでくれないか丸山正樹双葉社今日の一曲羊文学で、"morethanwords"では、また。『夫よ、死んでくれないか』丸山正樹
ほぼ全編、セックスもしくは邪悪な心を表現する短編集。大好きな原田マハ。なのに何一つ心に響かなかった。黒い絵原田マハ講談社今日の一曲Aimerで、「白色蜉蝣」では、また。『黒い絵』原田マハ
京都、洛北大学病院のエリート医師だった雄町は、妹が死に甥を育てるため原田病院に転職する。内視鏡の抜群の技術を買われ、大学に戻って来いと先輩から言われるが断る。老人相手の医療の日々。すごく面白かった。「神様のカルテ」シリーズも物凄く良かったのだけれど、雄町医師にはハゲシク「こういう人になりたい」と思わせるものがある。抜群の知識と技量。それを誇らない人格、鷹揚と、泰然自若とした感じ。スピノザの診察室夏川草介水鈴社今日の一曲ハナレグミで、「MY夢中」では、また。『スピノザの診察室』夏川草介
「和菓子とアン」シリーズ四作目。東京デパートの和菓子屋で働く杏子連作短編集。新しい店長のもたらすモヤモヤ、大学の講義を受けてみる、おやつと食事の境界線は、お茶会に和菓子を買うおじさん、俳句の会、初めての出張。アンちゃんの「らしさ」は相変わらず。自分にネガティブ、甘い物好き、可愛いもの好き。全体に薄めのミステリーがあって謎解き要素あり。「掌の上」の会社の上司っぽいおじさんが土曜日に社員を呼んでやるお茶会の謎と「はしりとなごり」の年寄りが何を求めてるかの謎が、巧いと思った。アンと幸福和菓子のアン坂木司光文社今日の一曲Vaundyで、「呼吸のように」では、また。『アンと幸福』坂木司
兄から受け継いだ競馬バーを一人で切り盛りする葵。常連たちと行った競馬場で一目惚れした馬はウララペツ、メグロマックイーンの孫。レースでは全く勝てず引退することになる。何とかこの血筋を残そうする葵と仲間たちの奮闘。非常に面白かった。久しぶりの徹夜本。競馬はやらないけど十分理解できる。絶妙に葵の恋愛話も配合されていて、そっちもなかなか良かった。ロスト・イン・ザ・ターフ馳星周文藝春秋今日の一曲SUPERBEAVERで、「決心」では、また。『ロスト・イン・ザ・ターフ』馳星周
店名にツッコんでください320店名にツッコんでください320
黒柳徹子の戦中、戦後。疎開、音楽学校、NHK。やはり面白かった。書類持参しろと書いてあるのに、郵送してしまったり、試験の場所を間違えたり。たった一人で長距離列車に乗ったときにトイレに行きたくなった。しかし行けない。隣のおばさんに教わった用の足し方が衝撃的だった。続窓ぎわのトットちゃん黒柳徹子講談社今日の一曲SHISHAMOで、「私のままで」では、また。『続窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子
英国刑事ワシントン・ポーシリーズ第4作。貸金庫破りの犯人たちはなぜか何も盗らず遺体とラットの置物を残す。そしてヘリコプター会社の社長が売春宿で拷問されて殺された。複雑だけど面白かった!MI5が登場するし、昔アフガニスタンで英国兵士がテロの犠牲になった事件までも絡んでくる。ラストの解決にはアドレナリン出まくり。素晴らしい小説だった。グレイラットの殺人ワシントン・ポー(ハヤカワ・ミステリ文庫)MWクレイヴン早川書房今日の一曲DuranDuranで、"PSYCHOKILLER(feat.VictoriaDeAngelis)"では、また。『グレイラットの殺人』M・W・クレイヴン
老人ホームが嫌になって出た瑠衣と夫が嫌になって家を出た照子、同級生70歳の逃避行。映画「テルマ&ルイーズ」のようになしくずし的に人を殺す転落物語かと思ったらだいぶ違う。タイトルと表紙が誤解を生む。しかし彼女らの過去とか現在とか面白く読んだ。何の話かと訊かれると困るけど。ロードムービー的なものかと思ったけれど、ある場所で結構留まる。照子と瑠衣井上荒野祥伝社今日の一曲ATARASHIIGAKKO!(新しい学校のリーダース)で、"TokyoCalling"では、また。『照子と瑠衣』井上荒野
ゼネコンを辞め無職57歳松尾、妻と別居中。あちこちの喫茶店を毎日めぐる日々。店名は出てこないけれど、たぶん実在する店が沢山登場する。大学生の娘が誰と旅行に行ってるか確認しに行くのには、キモッとつぶやいてしまった。喫茶店や食べ物の好みには同意できるけれど、その辺のオジサン的行為には同意できない。喫茶おじさん原田ひ香小学館今日の一曲GreenDayで、"LookMa,NoBrains!"では、また。『喫茶おじさん』原田ひ香
貧乏でガールズバーに勤めるが金がない理子。スカウトされ上に向かい、ある危険そうなゲームに参加することになる。百貨店をクビになった小島はSNSで見つけたキラキラした者たちを嫌悪し、気づけばゲームに参加していた。うーん。犯罪の動機が荒唐無稽なのが引っかかる。いやリアルだよと懸命に説明してる感あり。それ以外はスリリングで面白かった。サドンデス(幻冬舎単行本)相場英雄幻冬舎今日の一曲幾田りらで、"With"では、また。『サドンデス』相場英雄
社労士ヒナコ第二作。老人ホームの調理師を辞めさせたい、残業代を請求しない社員、セクハラ、介護で時短要求など経営者側の要求にどう答えるか?必ずしもクライアントの要求にストレートに応じないヒナコがいい。クライアントが悪いことがよくある。社労士の関わる広範の業務を知れるのもいい。きみの正義は社労士のヒナコ(文春文庫み51-4)水生大海文藝春秋今日の一曲DonnyHathawayで、"Love,Love,Love"では、また。『きみの正義は社労士のヒナコ』水生大海
出版社の人事部長とか編集者とか、夫が突然植木職人になりたいと言い出したりとか、娘がユーチューバーと付き合ってるとか、元カノと飯を食う夫とか。出版社の社員を中心にする連作短編集。小野寺史宜は当たりも多いが外れもある。今回は大当たりだった。続ける、続けないの「妻の仕事」問題や、夫婦別居、人事や子供の自立など沢山のテーマが描かれる。面白いし考えされられる。夫妻集小野寺史宜講談社今日の一曲Laufeyで、"Bewitched"では、また。『夫妻集』小野寺文宜
最近10年に読んだ小説でベスト級。金をたんまり持ってる大物詐欺師や新興宗教関係者を襲う事件。完璧に準備する犯罪者。絶対に警察に捕まらないよう用意周到。警察は逮捕できるのか?大藪春彦の作品を思い出す。描写のディテールが素晴らしいのと、逮捕されて欲しいよりも逮捕されて欲しくない、この感じ。すげー悪逆黒川博行朝日新聞出版今日の一曲GreenDayで、"TheAmericanDreamIsKillingMe"では、また。『悪逆』黒川博行
店名にツッコんでください319店名にツッコんでください319
公園のカバのアニマルライド。体の良くないところを撫でると治ると言われてる。成績の下がった学生、ママ友との付き合いに悩む母、耳の病気になってしまった人、足の遅い子、母との関係に悩む編集長。ハッピーエンド過ぎる感はあるものの、人生の教訓めいたものを教えてくれるのはなかなか良かった。リカバリー・カバヒコ青山美智子光文社今日の一曲YONAYONAWEEKENDERSで、「シラフ」では、また。では、また。『リカバリー・カバヒコ』青山美智子
ドラマは観てたけど、原作は読んでなかった、ビストロ・パ・マルシリーズ4作目。北海道に引っ越すのを嫌がってる客や料理上手の母の料理が急に不味くなった話、店内でプロポーズしようとする話など。期待通り面白かった。知らない料理名がたくさん登場した。モンドールというチーズが一番食べたくなった。間の悪いスフレビストロ・パ・マル・シリーズ(創元クライム・クラブ)近藤史恵東京創元社今日の一曲anoで、「涙くん、今日もおはようっ」では、また。『間の悪いスフレビストロ・パ・マルシリーズ』近藤史恵
『ぎんなみ商店街の事件簿~Sister編』『~Brother編』井上真偽
小さな町で起こる事件。交通事故死、展示品の破壊、誘拐。事件を女の子たちと男の子たちで分析すると、違う結果が出る。二冊で表現する画期的なミステリー。内容は私があまり好物とはしてないコージーミステリーなのと、驚愕のオチでもないので、まぁまぁぐらい。ぎんなみ商店街の事件簿~Sister編~井上真偽小学館ぎんなみ商店街の事件簿~Brother編~井上真偽小学館今日の一曲miletで、"AnytimeAnywhere"では、また。『ぎんなみ商店街の事件簿~Sister編』『~Brother編』井上真偽
生徒に慕われてる塾講師が殺された未解決事件。小学生バスケの仲間が怪我をする。職場で廃棄される食べ物を持ち帰る女。の三つを掛け合わせた話。虐待とか無知や偏見を知る小説、という教育的意味では素晴らしい。が、エンターテイメントとしては弱い。夜の道標芦沢央中央公論新社今日の一曲水曜日のカンパネラで、「聖徳太子」では、また。『夜の道標』芦沢央
イギリス、1930年、名探偵レイチェルが、殺人犯が自殺するような事件の裏にいると記者ジェイコブはにらむ。そして起きる殺人事件、上流階級の男たちが殺されていく。登場人物の多さはストーリーのシンプルさでトレードオフ。しかし長い。面白いけれど、長い。レイチェルとジェイコブのキャラはすごくいいけど。処刑台広場の女(ハヤカワ・ミステリ文庫)マーティンエドワーズ早川書房今日の一曲FujiiKazeで、"Hana"では、また。『処刑台広場の女』マーティン・エドワーズ
7年の結婚生活の後、離婚したばかりのアラフォーまりえの人生。シングルライフを楽しんだり、結婚相談所に登録したり。面白かった。シリアスな内容が多く、結婚や恋愛について考えさせられる場面が多い。結婚と恋愛は違うのか、男女は本当に平等なのか。マリエ(文春e-book)千早茜文藝春秋今日の一曲LennyKravitzで、"TK421"では、また。『マリエ』千早茜
業績不振の日本の自動車会社に送り込まれたアメリカ人社長が何を企むのか。日本の投資ファンドも黙ってない。日米中を巻き込む大型株式案件。面白かった。日本の自動車会社がEVに乗り遅れてることはよく聞くが、中国の不動産バブルや、アメリカの先住民特権まで織り込む巧さ&リアリティショート・セール楡周平光文社今日の一曲U2で、"AtomicCity"では、また。『ショート・セール』楡周平
91年に発生した誘拐事件は前代未聞の二児同時誘拐。30年後、被害児童の周辺を調査する記者が明かす真実は。かなり良かった。よく知っているマイナーな地名が登場したり、好きなジャンルの絵画が出て来るのもさらにプラス。事件の裏側に加えた重厚な人間ドラマ。存在のすべてを塩田武士朝日新聞出版今日の一曲Vaundyで、"ZERO"では、また。『存在のすべてを』塩田武士
新興宗教団体が起こした毒ガス散布事件に加担し、17年逃げ続けた女の話。事件や団体はあれそっくりだが、それ以外はフィクションのようだ。ストーリー展開は悪くないのだが、作者が自分の言葉に酔っているようで、酒臭い息が臭ってくる。桜木紫乃は当たり外れが激しいが最近は外れが多い気がする。ヒロイン桜木紫乃毎日新聞出版今日の一曲BruceSpringsteenで、"GirlsInTheirSummerClothes"では、また。『ヒロイン』桜木紫乃
店名にツッコんでください318店名にツッコんでください318
天保の改革の頃、錺細工の老舗の跡目。五代目を誰にするか、剃刀のような鋭い職人を受け入れつつ、自分も細工作りを陰でするお凛。巻を措く能わず。めちゃくちゃ面白かった。金属を使った江戸時代の細工なんて全く知らない。職人の世界も未知。跡目の話も。お凛を含む人物造形が素晴らしい。ストーリーも凄い。どんでん返しが何度もあった。千両かざり女細工師お凜(新潮文庫)西條奈加新潮社今日の一曲blink-182で、"ONEMORETIME"では、また。『千両かざり女細工師お凛』西條奈加
東京での連続殺人、一軒家、男性が首を刺され、部屋は赤のラッカーで塗りつぶされる。そして連続爆発事件。関連はあるのか?面白い。シリーズ三作目。読みやすく、解決法も無理がない。まさか連続殺人と連続爆発を関連付けられるなんて。水晶の鼓動警視庁殺人分析班(講談社文庫)麻見和史講談社今日の一曲JacobCollierfeat.BrandiCarlileで、"LittleBlue"では、また。『水晶の鼓動警視庁殺人分析班』麻見和史
社労士になった雛子。クライアント企業〜様々な相談が持ち込まれる。無断欠勤からの退職、就業規則、育休、パワハラなどの様々な問題を解決する連作短編集。社労士は社会保険の計算をしてるのかと思ったら仕事の範囲が広くて驚いた。ストーリー展開とひねりもなかなか良かった。ひよっこ社労士のヒナコ(文春文庫)水生大海文藝春秋今日の一曲KingGnuで、"SPECIALZ"では、また。『ひよっこ社労士のヒナコ』水生大海
町奉行の父が行方不明となり若くして後を継いだ総次郎。名奉行と誉れ高い祖父と大商人の番頭殺害事件を解決する。父失踪事件との関連など、ミステリーとしても巧く、時代物としても渋く面白い。霜月記砂原浩太朗講談社今日の一曲Official髭男dismで、「日常」では、また。『霜月記』砂原浩太朗
大学受験の準備に忙しいはずの女子高生ピップ。自由研究の題材として選んだのは、5年前17歳のアンディが行方不明になり、恋人のサルが自殺したので彼が犯人だと断定された件。サルはそんなことをする人じゃないと知っているから。サルの弟のラヴィの協力を得て、捜査を始める。出て来る出て来る怪しい容疑者が・・・三部作が完結したそうなので読んでみた。ミステリーとして面白いだけじゃなく、正義とか友情とか、人として大事なことは何か思い出させてくれた。自由研究には向かない殺人(創元推理文庫)ホリー・ジャクソン東京創元社今日の一曲椎名林檎で、「⾛れゎナンバー」では、また。『自由研究に向かない殺人』ホリー・ジャクソン
出版社百周年記念誌編集部に飛ばされ不満たらたらの明日花。今では認知症の祖母が実はその出版社で働いていた。小学館の歴史を小説化してるよう。本好きにはたまらない。百年の子古内一絵小学館今日の一曲サザンオールスターズで、「Relay〜杜の詩」では、また。『百年の子』古内一絵
マル暴刑事の夫が撃たれた。元マル暴刑事だった妻が敵を討つために、警察へ復帰。分裂中の巨大暴力団、どちらにもつかない注目を集める組。放火事件からベトナムマフィア登場。そしてヤクザを好きになる私。「仁義なき戦い」を文章で読んでいるみたいな、熱い。先が読めない。ラスト近辺のどんでん返し、すごく好み。続編楽しみ。桜の血族吉川英梨双葉社今日の一曲Official髭男dismで、"Chessboard"では、また。『桜の血族』吉川英梨
昔自分をいじめていた男と再会した男、気の合わない夫と別れた女、マウント取りたがる男と結婚した女。彼らの人生の交錯を描く。結婚生活のウエットな部分をネガティブな方面から描く。楽しくはないが、楽しめた。わたしたちに翼はいらない寺地はるな新潮社今日の一曲miletで、"HeySong"では、また。『わたしたちに翼はいらない』寺地はるな
店名にツッコんでください317店名にツッコんでください317
染野は高3。小学校受験、中学受験に失敗し、東大合格させようとする親の期待と過剰な干渉を受ける。あまり学校に来てない星さんに話しかけられる。彼女も染野とは違う形で親から虐待されていた。染野の親がホラー並みに怖い。しかしすごくリアル。ラストでは意外な方向に進む。こういうラスト嫌いじゃない。サクラサク、サクラチル辻堂ゆめ双葉社今日の一曲TheRollingStonesで、"Angry"では、また。『サクラサク、サクラチル』辻堂ゆめ
韓国、多額の資金を受け取り「会社」のために暗殺を請け負う男。最初は、それと知らず、資料を受け取って、その者が死ぬことを織り込んだ詳しい小説を書いていた。不思議なタイプの小説。主人公の内面と殺人が淡々と描かれる。途中からやや哲学的?な感じになり、あまり好みではなくなってしまった。暗殺コンサル(ハーパーBOOKS)イムソンスンハーパーコリンズ・ジャパン今日の一曲VanHalenで、"HumansBeing"では、また。『暗殺コンサル』イム・ソンスン
イラクの湿地帯に興味を持った我らがタカノ。イラクの歴史、現代イラクの問題、湿地帯を行く舟を作る、食べる。超危険な所に行くハイパー勇気と好奇心。スゲー、スゴすぎる。タカノは天才だと改めて思う。イラク水滸伝(文春e-book)高野秀行文藝春秋今日の一曲緑黄色社会で、「マジックアワー」では、また。『イラク水滸伝』高野秀行
オノマトペとは何か、そのアイコン的なことや子供の言語習得から言語とは何かを考える。何となく考えていたこと、全く考えてもいなかったことがドバドバ入って来る。面白い。愛聴してるポッドキャストの「ゆる言語学ラジオ」で紹介された、子供の言い間違えも、言語を考える上で示唆深い。言語の本質ことばはどう生まれ、進化したか(中公新書)今井むつみ中央公論新社今日の一曲Eaglesで、"InTheCity"では、また。『言語の本質ことばばどう生まれ、進化したのか』今井むつみ
ロンドン、予算削減のためホームレス専門ホステルから出て行けと言われた人たちが闘う。2014年に実際にあった事件をもとにした小説。労働党の緊縮財政批判やアナーキズムなどブレイディみかこらしい作品。ストーリーを楽しむというより社会科学を学ぶ本ぽい。真面目臭さがあまり好みではなくザザッと飛ばして読んだ。リスペクト――R・E・S・P・E・C・Tブレイディみかこ筑摩書房今日の一曲サザンオールスターズで、「歌えニッポンの空」では、また。『リスペクトR・S・P・E・C・T』ブレイディみかこ
京都で行われる女子全国高校駅伝大会に補欠としてやって来た坂東。とても方向音痴な彼女が、という話。大学生が朝6時から開催されるおかしな野球大会に参加させられ、という話。なかなか面白かった。共通するのはある種の超常現象なのだけれど、むしろそれ以外のストーリーや登場人物の造形が良かった。八月の御所グラウンド(文春e-book)万城目学文藝春秋今日の一曲緑黄色社会で、"StarryDrama"では、また。『八月の御所グラウンド』万城目学
四部作のラスト。父が遺した千葉の家に住むことになった文哉の自給自足生活。行き詰まって、以前に会った罠猟師の住む北関東へ。吹っ切れた文哉が進む道とは。大変良かった。ネガティブな話が最初続いていたが、途中からは明るい気持ちで読めた。海が見える家旅立ち(小学館文庫)はらだみずき小学館今日の一曲久しぶりに聴いたら、やっぱりいい。EverythingButTheGirlで、"BeforeToday""Missing"NothingButTheGirlじゃなくて、EverythingButTheGirlというネーミングも好きだ。では、また。『海が見える家旅立ち』はらだみずき
七つの連作短編集。母がいなくて仕方なく父と石垣島に旅する娘。眼を怪我した子。様々な事情で部活動を認められなくなった生徒たちがとった手法は。巧い。軽く読めるのに、全ての話が繋がるのが巧い。空をこえて七星のかなた加納朋子集英社今日の一曲BryanFerry&ToddTerjeで、"Johnny&Mary"では、また。『空をこえて七星のかなた』加納朋子
店名にツッコんでください316店名にツッコんでください316
卓球の国際大会、中国代表選手毛利翼の背中に日の丸が縫い付けられてる・・21年前隣のアパートで虐待されてる子が救われ、友人が出来、そして卓球を始め、悲劇が始まる。コテコテだなと思いながら、すっごく面白く読んだ。ある意味予定調和なのだけれど、それを大きく超えてくる。本を読まない「大人の読書感想文」の対象としてオススメしたい。メロスの翼横関大講談社今日の一曲FujiiKazeで、"Workin’Hard"では、また。『メロスの翼』横関大
猟区管理官ジョー、大嫌いな義母ミッシーが逮捕された。夫を殺した容疑で。夫は風力発電で大儲けしようとしてた。親友ネイトが何者かに狙われる。めっちゃ面白かった。あのミッシーが逮捕されるだけでも読む価値あり。ネイトのピンチだけでも読む価値あり。それがダブルで来た。冷酷な丘(講談社文庫)シー.ジェイ・ボックス講談社今日の一曲ATARASHIIGAKKO!で、「マ人間」では、また。『冷酷な丘』C・J・ボックス
武田砂鉄による、TBSラジオのパーソナリティとの対談。生島ヒロシ、赤江珠緒、宇多丸、爆笑問題、荻上チキらの話。TBSラジオをよく聴く自分としてはとても面白く読んだ。開局70周年記念TBSラジオ公式読本武田砂鉄リトル・モア今日の一曲LeifGarrettで、"IWasMadeForDancin'"では、また。『開局70周年記念TBSラジオ読本』
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道長邱で働く女房、父も兄も犯罪者で既に死んでいる。しかし盗賊の親分は死んだはずの兄だと噂が流れる。すごく面白かった。道長を含む貴族たちの権謀術数と道長を嫌う人達の憎悪が中心に描くミステリーのち更に咲く澤田瞳子新潮社今日の一曲宇多田ヒカルで、"KeepTryin'"では、また。『のち更に咲く』澤田瞳子
店名にツッコんでください325店名にツッコんでください325
叔父が一酸化炭素中毒で死んだ。自動車整備士の甥が仕組んだとして逮捕される。自白を強要され自白するが、公判では否認する。実は父親も無実の罪で有罪になってた。すごく面白かった。帯ではホラーとなっていたが、リーガルミステリー&冤罪兎は薄氷に駆ける貴志祐介毎日新聞出版今日の一曲Eaglesで、"TheBestofMyLove"では、また。『兎は薄氷に駆ける』貴志祐介
勝てない馬ばかりだった生産牧場、厩舎、騎手、馬主に奇跡のような馬が誕生。スピードよりスタミナが持ち味。この馬で凱旋門賞に勝たせたい者たちの物語。めちゃくちゃ面白かった。一気読み。ナカヤマフェスタやステイゴールドというのが実在したのを知らなくても、十分に楽しめた。熱い!フェスタ(集英社文芸単行本)馳星周集英社今日の一曲礼賛で、「スケベなだけで金がない」では、また。『フェスタ』馳星周
新聞社社会部から突然政治部で東京1区の選挙を取材せよと命じられた記者。都議死の件は殺人ではという情報を。東京1区で立候補する教授の選挙を手伝うことになった他議員の秘書。どちらも何かおかしいと感じる。面白かった。一気読み。最近の裏金事件のことも連想する。ゼロ打ち(角川春樹事務所)相場英雄角川春樹事務所今日の一曲LennyKravitzで、"Human"では、また。『ゼロ打ち』相場英雄
元日銀マンの大学教授が物価とは何なのか詳しく教えてくれる。「ゆる言語学ラジオ」で薦められていた。物価指数にも色々あるとか知らないことだらけ。前半は分かりやすかったんだけど、後半は難しくなった。物価とは何か(講談社選書メチエ)渡辺努講談社鬼束ちひろで、「青春の影」では、また。『物価とは何か』渡辺努
精神科医を辞め、神奈川県警で心理分析官になった夏希の最初の事件は爆弾テロ。謎解きのカタルシスはそれほどでもないが、気軽に読めるのはいい。脳科学捜査官真田夏希(角川文庫)鳴神響一KADOKAWA今日の一曲KWroiで、"WaterCarrier"では、また。『脳科学捜査官真田夏希』鳴神響一
明治時代、北海道の山中で鹿や熊を仕留め、孤独に暮らす男の話。壮絶な生き様を一人称で読む小説。彼の生き方を知識として読む意味はあったが、あまりエンターテインメントとしては読めなかった。ともぐい河﨑秋子新潮社今日の一曲CreepyNutsで、「二度寝」では、また。『ともぐい』河崎秋子
和菓子の南星屋シリーズ3作目。中間がやって来て、家をすぐ出ろ、手紙を預かってくれと言う。直後に大火発生。この謎がずっと続きつつ、別件の話と和菓子の話の連作短編集。ずっと変わらないクオリティ。和菓子と人情のハーモニーうさぎ玉ほろほろ西條奈加講談社今日の一曲藤井風で、「満ちてゆく」では、また。『うさぎ玉ほろほろ』西條奈加
短大の入学金を母に使われた姉18歳。母の恋人に虐待される妹8歳。違う土地へ移住した姉妹はどうなるのか。物凄く好みの小説。何度も目頭が熱くなった。人は一人では生きていけないし、また誰かを助けることが自分の生きがいになるのだ。水車小屋のネネ津村記久子毎日新聞出版今日の一曲岡村和義で、「愛スティル」では、また。『水車小屋のネネ』津村記久子
大学でバンドを組んだ四人の組む前と後。就活したり、プロ目指したり、彼女にふられたり。良かった。小野寺史宜らしい。冒頭はボーカルの女性の中学時代、母親にコーラスをやらないかと誘われ断る所から始まる。その後はギターの男性の目線で描く章になるので、ボーカルの人がなぜボーカルをやるのかわからないのが最後になって分かる。その構成もいい。うたう小野寺史宜祥伝社今日の一曲DeepPurpleで、"SmokeOntheWater"では、また。『うたう』小野寺史宜
駅で逮捕された弁護士のスーツケースから元検事の遺体が。殺害を自供したのに公判で覆す。12年前の事件と大きく関わる。初めて読む華文ミステリ。面白かった。なぜややこしいことを仕組むのかその長大なプロセスがすごく好み検察官の遺言(ハヤカワ・ミステリ文庫)紫金陳早川書房今日の一曲TalkingHeadsで、"LoveforSale"では、また。『検察官の遺言』紫金陳
異端の楽団に入った知り合いの女性が死んだ。死の謎を解こうとまだプロになりきれていないチェリストが挑む。ミステリーとしては微妙。しかし音楽とは何かを大胆に解釈する様は最高。所詮この世は錯覚とバイアスで成り立ってるだけなのかも四重奏逸木裕光文社今日の一曲SteelyDanで、"DoItAgain"では、また。『四重奏』逸木裕
質素倹約を強いた松平定信が引退した後。栗杖亭鬼卵と知り合う。不要不急の文化に勤しんできた鬼卵の半生を聞かせてもらうと。面白かった。上田秋成や円山応挙など実在の人物多数登場。鬼卵の名前も初めて見たけれど、実在の人物だそう。江戸時代の改革VS文化、読んだことのない小説きらん風月永井紗耶子講談社今日の一曲JuliusRodriguezで、漫画BLUEGIANT“MOMENTUM”では、また。『きらん風月』永井紗耶子
南部鉄器を作る工房で保護観察の少年を預かることにした。いい話なのだけれど、「いい話をしようとしてる感じ」がずっとチラつく。それが「いい話風」になってる気がする。そう感じる私が歪んでいるのか。風に立つ柚月裕子中央公論新社今日の一曲SUPERBEAVERで、「切望」では、また。『風に立つ』柚月裕子
藤原仲麻呂が人事を操り、天皇すらコントロールする。しかし、孝謙天皇の所に道鏡と吉備真備が来ると・・・日本史リアル劇画化小説。面白かった。まさに劇画北辰の門馳星周中央公論新社今日の一曲アンジェラ・アキで、「手紙~拝啓十五の君へ~」では、また。『北辰の門』馳星周
店名にツッコんでください324店名にツッコんでください324
オムライスのようなかつ丼が行列店になるまでの経緯、自分の店で出すカレーに凝りすぎる人、急逝した人気らーめん店の主人の後を継げるか?等の連作短編集面白かった。腹が鳴った。「本日のメニュー」の続編。どちらもすごく好きだ。食とドラマという黄金タッグできたてごはんを君に。本日のメニューは。(集英社文庫)行成薫集英社今日の一曲WANIMAで、"Feel"では、また。『できたてごはんを君に』行成薫
大学生になった成瀬のバイトや観光大使になろうとする成瀬。第二作、やはり面白かった。他人に惑わされず正論を行くが、いい人でもある成瀬に、憧れてしまう。成瀬は信じた道をいく「成瀬」シリーズ宮島未奈新潮社今日の一曲BradMehldauTrioで、"HeyJoe"では、また。『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈
レイプ死亡事件の被害者から最後の言葉を聞いた医師サラ。自らが15年前にレイプされた事件と関係があるらしい。レイプが自分の身の回りで起こったと聞いたことがない。しかし読むと、自分が井の中の蛙だと分かる。ただ、長すぎる。ほぼ700頁は長い。暗闇のサラ〈ウィル・トレント〉シリーズ(ハーパーBOOKS)カリン・スローターハーパーコリンズ・ジャパン今日の一曲Kroiで、"Sesame"では、また。『暗闇のサラ』カリン・スローター
父の仇討のため江戸に来た若者と彼を大切に扱ってくれる芝居小屋の関係者たち。仇討の詳細な裏側と芝居に関わる人たちの半生を描く。シビレタ〜。素晴らしかった。なぜ仇討するのか、仇討を目撃した人たちの証言、描写がすごくいい。そして鮮やかにどんでん返し。高レベルのミステリー+江戸時代の義理人情だった。直木賞に値する。木挽町のあだ討ち永井紗耶子新潮社今日の一曲millenniumparade×椎名林檎で、"W●RK"では、また。『木挽町の仇討』永井紗耶子
1600年ほどの歴史を王中心にザザッと説明する。分かりやすいけれど、それぞれのエピソードには軽く触れるだけなので、印象が薄く記憶に残らない。サッと全体を理解するには向いてる。王様でたどるイギリス史(岩波ジュニア新書)池上俊一岩波書店今日の一曲村治佳織と坂本龍一で、"MerryChristmas,Mr.Lawrence"では、また。『王様でたどるイギリス史』池上俊一
遺体のそばには頭蓋骨、花、時計、皿。そして連続殺人。「石の繭」に続く二作目。多少強引な所もありつつ、しかし面白かった。特に犯人の意図の意外さが。(しかしこんな短くてショボいブックレビューを載せることに何の意味があるのだろうか・・・)蟻の階段警視庁殺人分析班(講談社文庫)麻見和史講談社今日の一曲STUTS×SIKK-O×鈴木真海子で、"SummerSituation"では、また。『蟻の階段警視庁殺人分析犯』麻見和史
薬剤師毒島第二作。認知症の薬がなくなる、筋肉ムキムキだが手が震えてる、健康診断の結果を無視するなどの謎を解く連作短編集。相変わらず面白かった。ホテルマン水尾と毒島の進まない恋も薬蘊蓄もすごく良かった。甲の薬は乙の毒薬剤師・毒島花織の名推理(宝島社文庫)塔山郁宝島社今日の一曲anoで、「ちゅ、多様性。」では、また。『甲の薬は乙の毒薬剤師・毒島花織の名推理』塔山郁
ヘンはマシューの隣家に行くと殺された青年ダスティンのトロフィーがあった。マシューは殺人犯なのか?ヘンとマシューが交互に描かれる。殺人者と目撃者とその妻、夫を絡める複雑でシンプルな物語面白かった。登場人物が少ないのに、手に汗握る上質な心理サスペンスだった。いや、サイコサスペンスなのかも。だからダスティンは死んだ(創元推理文庫)ピーター・スワンソン東京創元社今日の一曲水曜日のカンパネラで、「卑弥呼」では、また。『だからダスティンは死んだ』ピーター・スワンソン
店名にツッコんでください309店名にツッコんでください309
河川敷で内臓が抜き取られた遺体。身につけていたネックレスから、もうすぐダムに沈む町へたどり着く。盲目の娘は20年前に両親を殺されていた。トンボをキーワードに巡るミステリー。警視庁鏑木班シリーズ第二作。なぜ内臓が抜かれたのか、巨大トンボの謎、死んだはずの者からかかってくる電話。数々の謎が鮮やかに解かれる。面白かった。ドラゴンフライ(角川文庫)河合莞爾KADOKAWA/角川書店今日の一曲Vaundyで、"Tokimeki"では、また。『ドラゴンフライ』河合莞爾
シリーズ2作目。仕事を辞め父の残した千葉の家で別荘管理人兼便利屋を始めた文哉。収入は少なく、こんなんでいいのかと思いつつ、自分の生き方を模索しながら、魚や野菜を追いかける。これもまたいい。すごくいい。「別荘を持つような金持ちにも二種類いるのさ。人生をたのしんでいる金持ちと、そうではない金持ちがね。それは、お金の使い方を知っているか、知らないかによるところが大きい。思うに、金持ちは目指せばなれるが、幸せになれるとは限らない」うーむ。海が見える家それから(小学館文庫)はらだみずき小学館今日の一曲SabrinaCarpenterで、"Feather"では、また。『海が見える家それから』はらだみずき
短編集。祖母の葬式に行く、彼氏には知られたくない家族。そんな仕事を辞めろという彼氏。親戚が死んだと駆けつけると親戚じゃなきかも知れない。不倫。幼馴染に彼女が出来たかも知れないと動揺。人生に詰まった人たちを描く。非常に巧かった。あなたはここにいなくとも町田そのこ新潮社今日の一曲Mrs.GREENAPPLEで、「私は最強」では、また。『あなたはここにいなくとも』町田そのこ
コロナ禍苦境に立つ日本橋の老舗デパート。社長と社長の妹で副社長の妻は全くの別のアプローチを取ろうとする。デパートが今までの業態ではダメなんだろうと思う。出て来るアイデアは、まさにこれだっと思えるアイデアだった。タイトルにも表紙に写っている文字にも意味があった。日本ゲートウェイ楡周平祥伝社今日の一曲NOTD,MaiaWrightで、"AM:PM"では、また。『日本ゲートウェイ』楡周平
警備員石村32歳、恵まれない環境にいる少女に出逢う。前職は小学校教師。なぜ辞めることになってしまったのか。淡々と真面目な男性の内面を描く小野寺らしい作品。よく考えるとこんなに真面目な人はいるか?と思わなくもないけど。君に光射す小野寺史宜双葉社今日の一曲ヤングスキニーで、「本当はね、」では、また。『君に光射す』小野寺文宜
昭和50年代、芸能事務所マネージャー桐絵がたまたま訪れた福岡のライブハウスで聴いたミチルのボーカルに惚れる。しかし同時期にスカウトキャンペーンを勝ち抜いた真由のマネージメントもすることになる。芸能界の裏側は。素晴らしい小説だった。完璧なストーリー展開とキャラ設定。憂鬱+爽快。小説のチカラを感じた。星屑村山由佳幻冬舎今日の一曲YOASOBIで、「海のまにまに」では、また。『星屑』村山由佳
冒頭、小学校の授業。「ごんぎつね」でお母さんが死んでしまった後に葬儀の準備で、何かを煮てる。何を煮てるか尋ねると、かなりの数の子が母親の遺体を煮てると答える、という衝撃的な始まり方。日本の子供たちの国語力が下がっているという事を証明しつつ、その原因は何かを、学校なのか家庭なのかネットなのか論じつつ、解決策を探る意欲的な本。たまたま書店で平積みにされてるのを手に取ったらビビビっときた。日本の子供の国語力だけではなく、大人の国語力がないとどういう事になるかさえ示唆してくれる稀有な本。ルポ誰が国語力を殺すのか(文春e-book)石井光太文藝春秋今日の一曲Vaundyで、「そんなbitterな話」では、また。『ルポ誰が国語力を殺すのか』石井光太
東京23区それぞれに行くというエッセイ。23区出身の者としては薄っぺらいとしか言いようがない内容。小野寺小説は大好きだけれども。銀座に住むのはまだ早い小野寺史宜柏書房今日の一曲YOASOBIで、「アドベンチャー」では、また。『銀座に住むのはまだ早い』小野寺文宜
店名にツッコんでください308店名などにツッコんでください308
踏切で撮影された心霊写真。現場で殺された女がいたらしい。容疑者は逮捕されているが、被害者の身元が分からない。雑誌記者の必死の取材から分かる真相は。面白かった。単なるホラーかと思っていたら期待以上だった。ホラー的ではあるけれど、基本はミステリー。かなりしっかりしたミステリーで読み応えがある上に、怖いホラーまでトッピングされてる。素晴らしい。踏切の幽霊高野和明文藝春秋今日の一曲水曜日のカンパネラで、「織姫では、また。『踏切の幽霊』高野和明
松山の銀行員が死んだ。新聞記者の宮武は不審に思う。知り合いの銭湯への融資を前向きに検討してたと思ったら急に躊躇してた矢先の死。仲間の銭湯、古道具屋、元ヤクザの協力。政治家と病院理事長の悪を暴く。痛快!面白かった。文章に無駄がないので読み飛ばせない。真相の披露のプロセス、タイミングが絶妙で心地良かった。逆転のバラッド宇佐美まこと講談社今日の一曲Sparksで、"TheGirlIsCryingInHerLatte"では、また。『逆転のバラッド』宇佐美まこと
スーパーの惣菜部に勤める男の失敗の話から始まって、様々な人物が登場する短編集。共通するのは昔千葉にあった高麗塾の松雪先生に教わったこと。会社の創業や不倫、自殺、やくざ、プロレスなど個々のディテールが物凄く面白い。しかし、ストーリーの根幹の超常現象は頂けない。そっちを中心に置きたいのなら、もっとリアルに感じるように書いて欲しかった。(リアルに書こうとしている感じはするけれど)軽いファンタジーだと受け取ってしまう。松雪先生は空を飛んだ上白石一文KADOKAWA松雪先生は空を飛んだ下白石一文KADOKAWA今日の一曲TOKYOSKAPARADISEORCHESTRAで、「青い春のエチュードfeat.長屋晴子(緑黄色社会)」では、また。『松雪先生は空を飛んだ』白石一文
92年と93年、西武とヤクルトが闘う日本シリーズの激闘。名将森祇晶と野村克也の息詰まる駆け引き。50人以上のインタビューによって蘇る。めちゃくちゃ面白かった。当時の試合を全く観てないがまるで一試合ごと目の前で観ているようだった。森も凄いがやはりノムさんは(長嶋とか原のような金持ち球団だからできる采配ではなく)本当に凄かったのだとあらためて思う。詰むや、詰まざるや森・西武vs野村・ヤクルトの2年間長谷川晶一インプレス今日の一曲JasonMrazで、"IFeelLikeDancing"では、また。『詰むや、詰まざるや森・西武vs野村・ヤクルトの2年間』長谷川晶一
コロナ禍、市役所に臨床心理士のいるこころの相談室を設置。就職が難しくなった高校生、婚約破棄になった男性、子供を産んだのに夫が帰らない妻、襲われそうなホームレス、リモート授業ばかりの大学生。すごい!一見、カウンセラーによる人生相談小説。しかし、クライアントが嘘をついていて、それを後で見抜くミステリーでもあり、さらに短編がそれぞれ繋がってる。こんなの読んだことないぞ。答えは市役所3階に~2020心の相談室~辻堂ゆめ光文社今日の一曲水曜日のカンパネラで、「招き猫」では、また。『答えは市役所3階に~2020心の相談室』辻堂ゆめ