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ふるちんの「頭の中は魑魅魍魎」 https://blog.goo.ne.jp/full-chin/

今までになかったブログ。全てがオリジナル。一貫したテーマゼロ。日替わりのアホネタ&恋愛だのマジメだの

ふるちん
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2007/03/11

  • 『日本ゲートウェイ』楡周平

    コロナ禍苦境に立つ日本橋の老舗デパート。社長と社長の妹で副社長の妻は全くの別のアプローチを取ろうとする。デパートが今までの業態ではダメなんだろうと思う。出て来るアイデアは、まさにこれだっと思えるアイデアだった。タイトルにも表紙に写っている文字にも意味があった。日本ゲートウェイ楡周平祥伝社今日の一曲NOTD,MaiaWrightで、"AM:PM"では、また。『日本ゲートウェイ』楡周平

  • 『君に光射す』小野寺文宜

    警備員石村32歳、恵まれない環境にいる少女に出逢う。前職は小学校教師。なぜ辞めることになってしまったのか。淡々と真面目な男性の内面を描く小野寺らしい作品。よく考えるとこんなに真面目な人はいるか?と思わなくもないけど。君に光射す小野寺史宜双葉社今日の一曲ヤングスキニーで、「本当はね、」では、また。『君に光射す』小野寺文宜

  • 『星屑』村山由佳

    昭和50年代、芸能事務所マネージャー桐絵がたまたま訪れた福岡のライブハウスで聴いたミチルのボーカルに惚れる。しかし同時期にスカウトキャンペーンを勝ち抜いた真由のマネージメントもすることになる。芸能界の裏側は。素晴らしい小説だった。完璧なストーリー展開とキャラ設定。憂鬱+爽快。小説のチカラを感じた。星屑村山由佳幻冬舎今日の一曲YOASOBIで、「海のまにまに」では、また。『星屑』村山由佳

  • 『ルポ 誰が国語力を殺すのか』石井光太

    冒頭、小学校の授業。「ごんぎつね」でお母さんが死んでしまった後に葬儀の準備で、何かを煮てる。何を煮てるか尋ねると、かなりの数の子が母親の遺体を煮てると答える、という衝撃的な始まり方。日本の子供たちの国語力が下がっているという事を証明しつつ、その原因は何かを、学校なのか家庭なのかネットなのか論じつつ、解決策を探る意欲的な本。たまたま書店で平積みにされてるのを手に取ったらビビビっときた。日本の子供の国語力だけではなく、大人の国語力がないとどういう事になるかさえ示唆してくれる稀有な本。ルポ誰が国語力を殺すのか(文春e-book)石井光太文藝春秋今日の一曲Vaundyで、「そんなbitterな話」では、また。『ルポ誰が国語力を殺すのか』石井光太

  • 『銀座に住むのはまだ早い』小野寺文宜

    東京23区それぞれに行くというエッセイ。23区出身の者としては薄っぺらいとしか言いようがない内容。小野寺小説は大好きだけれども。銀座に住むのはまだ早い小野寺史宜柏書房今日の一曲YOASOBIで、「アドベンチャー」では、また。『銀座に住むのはまだ早い』小野寺文宜

  • 店名などにツッコんでください308

    店名にツッコんでください308店名などにツッコんでください308

  • 『踏切の幽霊』高野和明

    踏切で撮影された心霊写真。現場で殺された女がいたらしい。容疑者は逮捕されているが、被害者の身元が分からない。雑誌記者の必死の取材から分かる真相は。面白かった。単なるホラーかと思っていたら期待以上だった。ホラー的ではあるけれど、基本はミステリー。かなりしっかりしたミステリーで読み応えがある上に、怖いホラーまでトッピングされてる。素晴らしい。踏切の幽霊高野和明文藝春秋今日の一曲水曜日のカンパネラで、「織姫では、また。『踏切の幽霊』高野和明

  • 『逆転のバラッド』宇佐美まこと

    松山の銀行員が死んだ。新聞記者の宮武は不審に思う。知り合いの銭湯への融資を前向きに検討してたと思ったら急に躊躇してた矢先の死。仲間の銭湯、古道具屋、元ヤクザの協力。政治家と病院理事長の悪を暴く。痛快!面白かった。文章に無駄がないので読み飛ばせない。真相の披露のプロセス、タイミングが絶妙で心地良かった。逆転のバラッド宇佐美まこと講談社今日の一曲Sparksで、"TheGirlIsCryingInHerLatte"では、また。『逆転のバラッド』宇佐美まこと

  • 『松雪先生は空を飛んだ』白石一文

    スーパーの惣菜部に勤める男の失敗の話から始まって、様々な人物が登場する短編集。共通するのは昔千葉にあった高麗塾の松雪先生に教わったこと。会社の創業や不倫、自殺、やくざ、プロレスなど個々のディテールが物凄く面白い。しかし、ストーリーの根幹の超常現象は頂けない。そっちを中心に置きたいのなら、もっとリアルに感じるように書いて欲しかった。(リアルに書こうとしている感じはするけれど)軽いファンタジーだと受け取ってしまう。松雪先生は空を飛んだ上白石一文KADOKAWA松雪先生は空を飛んだ下白石一文KADOKAWA今日の一曲TOKYOSKAPARADISEORCHESTRAで、「青い春のエチュードfeat.長屋晴子(緑黄色社会)」では、また。『松雪先生は空を飛んだ』白石一文

  • 『詰むや、詰まざるや 森・西武vs野村・ヤクルトの2年間』長谷川晶一

    92年と93年、西武とヤクルトが闘う日本シリーズの激闘。名将森祇晶と野村克也の息詰まる駆け引き。50人以上のインタビューによって蘇る。めちゃくちゃ面白かった。当時の試合を全く観てないがまるで一試合ごと目の前で観ているようだった。森も凄いがやはりノムさんは(長嶋とか原のような金持ち球団だからできる采配ではなく)本当に凄かったのだとあらためて思う。詰むや、詰まざるや森・西武vs野村・ヤクルトの2年間長谷川晶一インプレス今日の一曲JasonMrazで、"IFeelLikeDancing"では、また。『詰むや、詰まざるや森・西武vs野村・ヤクルトの2年間』長谷川晶一

  • 『答えは市役所3階に~2020心の相談室』辻堂ゆめ

    コロナ禍、市役所に臨床心理士のいるこころの相談室を設置。就職が難しくなった高校生、婚約破棄になった男性、子供を産んだのに夫が帰らない妻、襲われそうなホームレス、リモート授業ばかりの大学生。すごい!一見、カウンセラーによる人生相談小説。しかし、クライアントが嘘をついていて、それを後で見抜くミステリーでもあり、さらに短編がそれぞれ繋がってる。こんなの読んだことないぞ。答えは市役所3階に~2020心の相談室~辻堂ゆめ光文社今日の一曲水曜日のカンパネラで、「招き猫」では、また。『答えは市役所3階に~2020心の相談室』辻堂ゆめ

  • 『覇王の轍』相場英雄

    急に北海道警の捜査二課課長に異動した樫山順子。北海道で収賄罪した金が歌舞伎町のホストに流れてる事件を警視庁と捜査することに。同時に道警は事故として処理した、国交省の官僚が札幌のいかがわしい店の入るビルから転落死した件は殺人ではないかと疑う。とても面白かった。巨悪を断罪する。今回はJR北海道と北海道系と整備新幹線がネタ。真相が段々と明らかになるカタルシスが凄かった。覇王の轍相場英雄小学館今日の一曲森山直太朗-さもありなんでは、また。『覇王の轍』相場英雄

  • 店名にツッコんでください307

    店名にツッコんでください307店名にツッコんでください307

  • 『よき時を思う』宮本輝

    近江八幡の90歳の徳子ばあちゃんが記念に晩餐会を開きたいと言う。京都の高級レストランでかなり金をかけて。東京で暮らす孫の綾乃から見た家族たちの人生。素晴らし過ぎる。徳子ばあちゃんがステキだ。大らかなのに細かい所に目が届く。どういう小説なのか説明しにくいが、宮本輝らしい、人生賛歌だった。輝作品読み返したい。よき時を思う(集英社文芸単行本)宮本輝集英社今日の一曲DepecheModeで、"It'sNoGood"では、また。『よき時を思う』宮本輝

  • 『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』越智月子

    父が亡くなり、娘香良が一人でカフェを経営。友人三樹子が離婚したと言って転がり込んで来た。それからシェアハウスにすると・・・読みやすく、慰められるところもある。ここ何年か女性の書く小説を沢山読んできた。その中ではなぜかそれほど心に響かなかった。たぶんフックに引っ掛からない、サラッとし過ぎてるからだと思う。鎌倉駅徒歩8分、空室あり越智月子幻冬舎今日の一曲水曜日のカンパネラで、「アリス」では、また。『鎌倉駅徒歩8分、空室あり』越智月子

  • 『真珠とダイヤモンド』桐野夏生

    1986年証券会社福岡支店に入社した者たち。伊東水矢子は母子家庭で大学に行く金を貯めに入社。小島香那はフロントレディになって稼ぐために。他人の気持ちが汲み取れない望月は太客を掴んで出世するため。バブル到来に浮かれて・・・失礼な言い方だけど、意外と読みやすく、意外と面白い。バブル期の証券会社のやり口についてはある程度は知っているつもりではいたけれど、NTT株の裏にはそんなインチキがあったとは。参考文献が何一つ挙げられていないのが相変わらず残念。真珠とダイヤモンド上桐野夏生毎日新聞出版真珠とダイヤモンド下桐野夏生毎日新聞出版今日の一曲幾田りらで、「蒲公英」では、また。『真珠とダイヤモンド』桐野夏生

  • 『海が見える家』はらだみずき

    もうすぐ閉店になる八重洲ブックセンターに行くと、最も売れた小説として平棚にあった。ブラック企業をすぐに辞めてしまった文哉。ずっと疎遠だった父芳雄は、仕事を辞め千葉で一人暮らしをしていた。父が死んだと知らせがあり、残された千葉の海の近くの家を整理しようとした。近所の人たちから知らされる意外な父の姿。なかなか良かった。父のしていた仕事を引き継ごうか迷う辺り、近所の人たちの描写などしみじみとする。ある意味芳雄のような生き方に憧れる。海が見える家(小学館文庫)はらだみずき小学館今日の一曲水曜日のカンパネラで、「赤ずきん」では、また。『海が見える家』はらだみずき

  • 『警鐘』リー・チャイルド

    ジャック・リーチャーを探しに来た探偵は殺された。世話になったガーバー将軍は誰かに頼まれて自分を捜していたらしい。その将軍も亡くなった。昔好きだった将軍の娘ジョディ再会、弁護士になっていた。フックはヴェトナムに行ってきた元兵士で今は悪どい金貸しをしている。今度は経営者に金を貸し、会社を乗っ取ろうとしている。リーチャーが向かう先とフックがぶつかり・・・めちゃくちゃ面白かった。フックという悪役キャラ、筋、ロマンス、そして真相。すべてが好みだった。※ネタバレヴェトナムで息子ヴィクターが行方不明になった親から捜索を依頼されたガーバーはリーチャーに頼もうと思った。ガーバーはヴェトナムで遺体捜索をさせ、アメリカに遺体が移送されることになった。その結果、ヴィクターは死んでいてことが分かる。殺人犯の兵士アレンはヴィクターに...『警鐘』リー・チャイルド

  • 『デッドマン』河合莞爾

    連続殺人事件発生。男性の頭部を切除し残りを放置、あるいは胴体を切除し残りを放置、足、腕・・・(島田荘司の「占星術殺人事件」を思い出す)警視庁鏑木警部補はこの謎を解けるか?めちゃくちゃ面白かった。「豪球復活」が面白かったので、過去作を漁ってみたら、傑作に出会った。トンデモないアイデア+キャラクター+文章の巧さすべてがキレッキレだった。デッドマン(角川文庫)河合莞爾KADOKAWA今日の一曲NOAで、"PurpleSky"では、また。『デッドマン』河合莞爾

  • 『情熱のナポリタン BAR追分』伊吹有喜

    昼は美味しいごはん、夜はバーになる店シリーズ第三弾。脚本家を目指す男や劇団の人の話など。自然薯、メロンパン、ナポリタンなど美味しそうなもの多数登場。相変わらずの高クオリティ。食べたくなるものだらけで、空腹になった。情熱のナポリタンBAR追分(ハルキ文庫)伊吹有喜角川春樹事務所今日の一曲大橋トリオで、「生きる者」では、また。『情熱のナポリタンBAR追分』伊吹有喜

  • 『語学の天才まで1億光年』高野秀行

    どの著作も面白い脅威の打率を誇るエンタメノンフィクションの旗手が、コンゴやブラジル奥地、中国とミャンマーの間にあるワ州でケシの採集に参加した20代。現地の言語の学習方法、あるいは失敗した方法を赤裸々に描く。非常に面白かった。言語を学ぶメソッドをそのまま読者が真似できるとは限らないが、彼の信じられないような体験談や文化人類学的な考察など、読み物として抜群に読ませる。語学の天才まで1億光年(集英社インターナショナル)高野秀行集英社今日の一曲a子で、「愛はいつも」では、また。『語学の天才まで1億光年』高野秀行

  • 店名にツッコんでください306

    店名にツッコんでください306店名にツッコんでください306

  • 『声の在りか』寺地はるな

    家事を手伝う気のない夫、やや鈍い小学生の息子と暮らす希和。群れたがるママ友たちのは気が合わない。学童保育で働くことにした。なかなか面白かった。母、妻としての成長物語。感じの悪い母親たちの偏見など、あるあると思わせる箇所多数。声の在りか寺地はるなKADOKAWA今日の一曲ThePetersensで、"TakeMeHome,CountryRoads"では、また。『声の在りか』寺地はるな

  • 『狼の領域』C・J・ボックス

    ワイオミング山中、ハンターが仕留めたエルクの肉を抜き取られる事件。狩猟管理人のジョーがパトロールしていると謎の二人組に攻撃される。ずっと山の中で暮らしていて、ジョーは重症。しかし謎の女性に助けられる。数年前にオリンピック代表候補のランナーが山中で消えた。大金持ちの父親が必死になって探している。すごく面白かった。ネタも好みだし、表にいる奴らも影に隠れている悪い奴らの造形も良かった。※ネタバレ二人組はミシガンで広い土地を所有する一家の息子。上院議員が無理矢理この土地を接収して、行方不明になってる女性の父親に開発させた。二人組は政府と銃撃戦になり、他の家族は殺された。そして山中に逃亡。ランナーの女性も父親から逃げていた。狼の領域狩猟区管理官シリーズ(講談社文庫)C.J.ボックス講談社今日の一曲JethroTul...『狼の領域』C・J・ボックス

  • 『薬も過ぎれば毒になる 薬剤師毒島花織の名推理』塔山郁

    ホテルマン水尾爽太はたまたま薬剤師の毒島花織と知り合う。彼女の薬に関する知識、真摯な態度、そしてビジュアルに惹かれる。皮膚科で誤診されたり、水筒に睡眠薬を入れられたと言う従業員、薬が少ないと言い張る患者、ホテルの部屋で薬が無くなったと言い張る客、インチキな医者。すごく面白かった。解かれる謎もいいし、キャラもいい、読みやすい。そして薬、薬剤師、医者に関する知識もとてもためになる。作者は薬剤師なのではないかと思うぐらい。薬も過ぎれば毒となる薬剤師・毒島花織の名推理(宝島社文庫)塔山郁宝島社今日の一曲TheByrdsで、"Mr.TambourineMan"では、また。『薬も過ぎれば毒になる薬剤師毒島花織の名推理』塔山郁

  • 『婚活中毒』秋吉理香子

    結婚相談所で紹介された男は理想的だった話、マニュアルに従って街コンに参加した話、データを駆使して婚活番組に参加する話、親が代理で婚活する話。面白かった。ラストで強烈なオチが来る。そのオチが好みだった。終活中毒秋吉理香子実業之日本社婚活中毒~理想の男~【マイクロ】(1)婚活中毒【マイクロ】(フラワーコミックス)春名ひろ小学館今日の一曲大滝詠一で、「夢で逢えたら」では、また。『婚活中毒』秋吉理香子

  • 『オムライス日和 BAR追分』伊吹有喜

    BAR追分第二弾。ねこみち横丁振興会の管理人になった宇藤。脚本家志望なのだけれどなかなか書けない。学生時代の知り合いが訪れたり、フリーマーケットがあったり、猫に助けられたり。安定して楽しめる。大きな驚きとかカタルシスが得られるわけじゃないのに、こういう小説を読むのは、疲れているからだろうか。オムライス日和BAR追分(ハルキ文庫)伊吹有喜角川春樹事務所今日の一曲imaseで、"Haveaniceday"では、また。『オムライス日和BAR追分』伊吹有喜

  • 『腐葉土 望月諒子』

    老人ホームで富裕な老女笹本弥生が殺される。祖母に寄生しながらも険悪の仲である孫健文が怪しい。祖母はヘルパー会田に全財産を遺すとした遺言があるかも知れない。2億の借金がある弁護士が2億の現金とともに事故死するという謎の事件。大学の考古学部での詐欺事件。様々な謎が繋がっていて・・・かなり複雑なストーリーで人間関係もややこしい。しかし真相が分かると、なるほどと納得できる。万人にはオススメできない、ホヤの刺し身みたいなものか。腐葉土(集英社文庫)望月諒子集英社今日の一曲カネコアヤノで、「気分」では、また。『腐葉土望月諒子』

  • 『ハグとナガラ』原田マハ

    昔からの女友達二人が、色んな事情を抱えつつ、あちこちを旅する連作短編集。軽くさらっと読めた。旅とはいったい何なのかなんて考えさせられた。ハグとナガラ(文春文庫は40-5)原田マハ文藝春秋今日の一曲JeffBeckとRodStewartで、"PeopleGetReady"では、また。『ハグとナガラ』原田マハ

  • 『君のクイズ』小川哲

    優勝賞金一千万円のクイズ番組の決勝。最終問題でアナウンサーが息を吸いまだ言葉を発しないうちに答えを言い、正解した対戦相手本庄絆。あっけにとられた敗者三島は、何故こんなことがあったのか論理的に考える。ラストはあまり好みの展開ではなかったけれど、その直前の何故何も言ってないのにクイズの正解が分かったのかという最大の謎の答えはとても面白い。ラストのラスト以外は素晴らしかった。君のクイズ小川哲朝日新聞出版今日の一曲YellowMagicOrchestoraで、"COSMICSURFIN'"では、また。『君のクイズ』小川哲

  • 『真珠湾の冬』ジェイムズ・ケストレル

    1941年ホノルル、真珠湾攻撃直前、アメリカ人男性と日本人女性が殺害される。男性は提督の甥だった。刑事は容疑者らしき男を追いかけていた香港へ。そして思いもよらぬ人生に。面白かった。殺人事件の真相よりもマグレディがまさかそんなことになってしまうという驚きの方がインパクト大だった。※ネタバレ真珠湾攻撃に関する文書を起草する東郷外務大臣の秘書としてタイプライターで打っていた女性が内容をアメリカ側をもらすかも知れないとして殺された。マグレディは香港で容疑者に迫るが、マグレディの上司から情報を得て、先にマグレディを香港警察に逮捕される。当時の香港は日本に占領され、彼の身柄は東京へ。外務省職員の高橋に救われる。彼の姪が被害者であり、殺人事件をマグレディに解決して欲しいから。高橋の家に匿われるが外に出られない。高橋の娘...『真珠湾の冬』ジェイムズ・ケストレル

  • 店名にツッコんでください305

    店名にツッコんでください305店名にツッコんでください305

  • 2023年1月ドラマちょいとレビューその4

    「星降る夜に」・・・小さな産婦人科の医師吉高由里子。ソロキャンプをしていたら、星の写真を撮っていた北村匠海と知り合いになる。彼は遺品整理の仕事をしていて聾唖であった。母親の葬儀で彼と再開した。不真面目そうだけど真摯に仕事に向かっているのを知る。ラブストーリーにこれからなっていくであろう雰囲気。なかなか良かった。「夕暮れに、手をつなぐ」・・・婚約者に会うため福岡から上京してきた広瀬すず、彼に婚約破棄される。鳴かず飛ばずの作曲家は永瀬廉。スマホが水没しそうになったのを広瀬に救ってもらう。そして偶然東京のホテルで出会い、彼女の命を救う。そして偶然同じ下宿で暮らすことになる。広瀬の訛の強さ、あっけらかんとした性格にやや違和感を感じる。そして偶然が多すぎる。「スタンドUPスタート」・・・竜星涼は人生でうまくいってい...2023年1月ドラマちょいとレビューその4

  • 2023年1月ドラマちょいとレビューその4

    「星降る夜に」・・・小さな産婦人科の医師吉高由里子。ソロキャンプをしていたら、星の写真を撮っていた北村匠海と知り合いになる。彼は遺品整理の仕事をしていて聾唖であった。母親の葬儀で彼と再開した。不真面目そうだけど真摯に仕事に向かっているのを知る。ラブストーリーにこれからなっていくであろう雰囲気。なかなか良かった。「夕暮れに、手をつなぐ」・・・婚約者に会うため福岡から上京してきた広瀬すず、彼に婚約破棄される。鳴かず飛ばずの作曲家は永瀬廉。スマホが水没しそうになったのを広瀬に救ってもらう。そして偶然東京のホテルで出会い、彼女の命を救う。そして偶然同じ下宿で暮らすことになる。広瀬の訛の強さ、あっけらかんとした性格にやや違和感を感じる。そして偶然が多すぎる。「スタンドUPスタート」・・・竜星涼は人生でうまくいってい...2023年1月ドラマちょいとレビューその4

  • 『光のとこにいてね』一穂ミチ

    団地住まい、貧乏で干渉する母と暮らす果遠。金持ちではあるが冷たい母と暮らす結珠。二人は偶然出会う。別れてしまうがまた再会する。今年ナンバーワンかも知れん。素晴らしかった。違った形ではあるが、毒母に育てられた二人。二人の内面、人生、すごく考えさせられる。※ネタバレ母が不倫してた結珠。貧乏な家の子の果遠は奨学金をとって結珠の通ってる名門校に入学。しかし母親の不始末で果遠は夜逃げ。結珠は小学校の先生になるが学級崩壊で休職して和歌山に越す。そこでは果遠がスナックのママをしていた。光のとこにいてね(文春e-book)一穂ミチ文藝春秋今日の一曲TOMOOで、"Cinderella"では、また。『光のとこにいてね』一穂ミチ

  • 2023年1月ドラマちょいとレビューその3

    「100万回言えばよかった」・・・やっと付き合えることになったシェフをしてる彼氏の佐藤健が死んでしまった。残された井上真央は彼を探す。別の殺人事件の捜査担当の松山ケンイチは佐藤健の幽霊の姿が見える。ラブコメかと思ったら、サスペンス、かと思ったらファンタジー。意表を付く展開でなかなか面白かった。「大病院占拠」・・・射殺事件でトラウマを抱え休職中の刑事櫻井翔。たまたまいた病院で立て籠もり事件が起こり、携帯電話がつうじないなかトランシーバーで警察と連絡をとる。人質には神奈川県知事。作り物っぽい非現実感が漂うけど、今後は気になる。「ハマる男に蹴りたい女」・・・強引にやり過ぎてビール会社で左遷され辞めてしまった藤ヶ谷太輔。妻もいなくなった。姉の紹介で、関水渚ら女性3人が住む下宿(シェアハウス?)の管理人となり、家事...2023年1月ドラマちょいとレビューその3

  • 『十二月の辞書』早瀬耕

    北海道の大学の研究者南雲は、昔の彼女栗山(現在は売れっ子イラストレーター)から15年ぶりに電話を受ける。彼女の実の父親が死んだ。彼が残した彼女の絵を、彼が残した家の中から探して欲しいとの依頼をされる。面白い箇所がすごく多い。スルーして読めず、ひっかかる表現が多いので、読むのに時間がかかってしまった。(ひっからないで早く読める本が「良い本」なのか、時間をかけて楽しめる方がコスパがよいので「良い本」なのか?)絵を隠す動機や、その絵を本人に見せようとしない動機など、人間の心理にはリアリティを感じるのが難しかった。しかし理系的蘊蓄、絶妙な会話など読みどころも多かった。同じ本を読んだ人と読書会を開きたい。十二月の辞書早瀬耕小学館今日の一曲ArcticMonkeysで、"There’dBetterBeAMirrorb...『十二月の辞書』早瀬耕

  • 2023年1月ドラマちょいとレビューその2

    「三千円の使い方」・・・割りと無駄遣いしてしまう葵わかなが、節約に目覚める。原作を読んだはずなのに何も覚えてない。そんなに悪くない。節約がテーマだとスポンサーが付きにくいかと余計な心配を。「ブラッシュアップライフ」・・・市役所勤務の安藤サクラ。幼馴染は夏帆と木南晴夏。安藤が事故で死んだかと思ったら、33歳の記憶のまま赤ちゃんから人生をやり直すことに。バカリズム脚本らしい、あるあるの会話が凄く巧い。今シーズンナンバーワン。「女神の教室〜リーガル青春白書」・・・裁判官から左遷され大学のロースクール教員になった北川景子。司法試験合格のことばかり考える生徒や教員に反感を持つ。法律用語が難しい。ストーリーはやや陳腐気味だけどまだ観る。「ワタシってサバサバしてるから」・・・自分がサバサバしてるって言う人がとってもネチ...2023年1月ドラマちょいとレビューその2

  • 『バールの正しい使い方』青本雪平

    しょっちゅう転校している少年礼恩が解く、嘘ばかりついてる子の謎、クラスに馴染めない子と水着泥棒の謎、なぜか呼び出された五人の謎、転落死した子の謎、入院してる子の謎の連作短編集。少年の内面的文体と内容があまり自分には合わないかなと思って読んでいたら、途中から俄然と面白くなってきた。ラストはややこしいけど悪くない。バールの正しい使い方青本雪平徳間書店今日の一曲LiamGallagherで、"StandByMe"では、また。『バールの正しい使い方』青本雪平

  • 2023年1月ドラマちょいとレビューその1

    「警視庁アウトサイダー」・・・所轄の刑事課に西島秀俊は左遷された元マル暴、濱田岳は謎の刑事、上白石萌歌は警視副総監の娘。設定は変わっているが、変わってるだけで、事件解決はそれほど面白くなかった。「ヒヤマケンタロウの妊娠」・・・途中脱落「忍者に結婚は難しい」・・・郵便局員の夫、薬剤師の妻。実は伊賀と甲賀の忍者なのに、お互いはそれを知らない。そして粗雑&几帳面で性格が合わない。初回は国会議員を殺す側と警護する側に回った・・・あちこちで宣伝してるのでよほど自信があるのかと期待した。ハードルが上がってしまったのでそれを上回ることはなかったけど、悪くもなかった。「来世ではちゃんとします3」・・・セフレが5人いる状態から、今回は純愛路線ぽい。相変わらず面白い。↑の忍者ドラマでは郵便局員と薬剤師の夫婦の家がなぜか巨大な...2023年1月ドラマちょいとレビューその1

  • 『方舟』夕木春央

    山奥の謎の地下施設を見物に来た者たちが事故で閉じ込められてしまう。多くの部屋があり何年も使われていない。そして殺人事件が。誰が?犯人が判明した後にとんでもないどんでん返しが。素晴らしい。まさかそう来るとは。いつからか本格ミステリーはほとんど読まなくなってしまったけどこれは面白かった。方舟夕木春央講談社今日の一曲ATARASHIIGAKKO!(新しい学校のリーダーズ)で、"NAINAINAI"では、また。『方舟』夕木春央

  • 店名にツッコんでください304

    店名にツッコんでください304店名にツッコんでください304

  • 『文にあたる』牟田都子

    校正を仕事をする著者のエッセイ。1編が数ページ。柔らかい文章が心地よい。久しぶりに国語辞典を買いたくなった。文にあたる牟田都子亜紀書房今日の一曲RageAgainstTheMachineで、"SleepNowintheFire"では、また。『文にあたる』牟田都子

  • 『豪球復活』河合莞爾

    プロ野球大投手矢神は肘を故障し手術。成功したのに投げられなくなってしまった。そしてリハビリしてたLAで行方不明に。ブルペンキャッチャーの沢本がハワイで発見した時は記憶喪失に。日本球界に復帰できるのか。過去の殺人事件の真相は。ミステリーとしてはB級。途中でネタが分かってしまった。野球小説としては超A級。非常に面白かった。矢神が所属していたのは東京ティーレックスというチーム。金持ち球団でFAでどんどん選手をとってくる、選手は使い捨て、球団社長も監督もクソ野郎。私の大嫌いなあのチームしか思いつかない。きっと作者も大嫌いなのだろう。豪球復活河合莞爾講談社今日の一曲Beckで、"OldMan"では、また。『豪球復活』河合莞爾

  • 『月の立つ林で』青山美智子

    月にまつわるポッドキャストを聴く者たちの連作短編集。看護師を辞め自宅にいる人、芸人になりたいが宅配便で働く人、娘が結婚しちゃったバイク整備工場の一人、友達のいない、ウーバーイーツ始めた女子高生、アクセサリーを作りネットで売る人。全ての短編が繋がってる様が巧い。生きることに詰まってしまってる人=私、必読月の立つ林で青山美智子ポプラ社今日の一曲DepecheModeで、"Walkinginmyshoes"では、また。『月の立つ林で』青山美智子

  • 『終活中毒』秋吉理香子

    死を意識する人達を主人公にする短編集。余命宣告されてる裕福な女性と結婚する男、妻を亡くし一人暮らしの男、長年鳴かず飛ばずの小説家の女、癌の宣告を受けた芸人の男。ラストにズドンと落とすタイプ。なかなか面白かった。ラストの芸人の話で、謎の全身黒ずくめの客がなぜ笑わないか分かった時、ウヒョーと思わず言ってしまった。終活中毒秋吉理香子実業之日本社今日の一曲TheFacesで、"I'mLosingYou"では、また。『終活中毒』秋吉理香子

  • 『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』川内有緒

    目の見えない人と一緒にアートを観に行くというノンフィクション。非常に面白かったし、刺戟的だった。興福寺で白鳥さんと一緒に仏像を観るワークショップを開催したときに、何度も仏像を見たことがあるのに、今までに気づかなかったことに気づく箇所が「見てるつもりで見えてない」ことを白鳥を媒介にして健常者が理解する場面が印象的だった。白鳥さんや著者のアート以外に関する考察も面白い。目の見えない白鳥さんとアートを見にいく(集英社インターナショナル)川内有緒集英社今日の一曲CAPSULEで、「ギヴ・ミー・ア・ライド」では、また。『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』川内有緒

  • 『川のほとりに立つ者は』寺地はるな

    原田清瀬の彼氏松木圭太は意識不明で入院中。親友の岩井樹と殴り合って歩道橋から落ちたと樹の彼女天音は言う。親友の二人が殴り合う?松木の部屋に行くと謎のラブレターらしきものが。浮気してるのか?物凄く面白かった。まさかそう来るかというミステリー+人間の格差+邪悪な心+ピュアラブ※以下ネタバレ松木は親友樹が天音という女性が好きになった。天音は文通がしたいと言うが樹はディスクレシアだった。松木は樹に字を書く猛特訓をする。その練習で書いたラブレターを清瀬は誤解した。天音は性悪で、一緒に暮らす彼氏の小滝が虐待するからと樹にアピールし、樹の家に匿ってもらう。しかし天音は目の前にいる男を利用するだけの女だった。しかし、「川のほとりに立つ」清瀬は「水底に沈む石の数を知り得ない」=天音のことは本当には知り得ない。本書のテーマは...『川のほとりに立つ者は』寺地はるな

  • 店名にツッコんでください303

    店名にツッコんでください303店名にツッコんでください303

  • 『金環日食』阿部暁子

    老女のひったくり事件の犯人は特徴のあるストラップを落としていた。追いかけていた女子大生春風は同時に追いかけた男子高校生錬と一緒に犯人を探す。すると現れる詐欺事件の犯人たち。面白かった。途中からややこしくなってくるけれど、意外すぎる真相が明らかになるたびに驚いた。穏やかな筆致+邪悪な奴らというアンビバレントな組み合わせ金環日蝕阿部暁子東京創元社今日の一曲KUWATABANDの「スキップ・ビート」Superflyのカバーで。では、また。『金環日食』阿部暁子

  • 『黒石(ヘイシ)新宿鮫 XII』大沢在昌

    残留孤児三世の犯罪ネットワークをめぐる捜査。3年も前の「暗約領域」の完全な続編を覚えてるわけない。前作のことを断片的にしか説明しないのでストーリーを完全には堪能できなかった。逢坂剛の百舌シリーズとか、マイクル・コナリーやCJボックスなどの「続き物だけれど、前作を読んでから時間が経っていても巧妙に描写してくれているので何となく思い出させてくれる作品」と較べると、折角面白いはずのストーリーの魅力4割減。大沢在昌じゃなければ最後まで読まなかっただろう。黒石(ヘイシ)新宿鮫12大沢在昌光文社今日の一曲SteveWinwoodで、"TheLowSparkOfHighHeeledBoys"では、また。『黒石(ヘイシ)新宿鮫XII』大沢在昌

  • 『タクジョ!みんなのみち』小野寺史宜

    同じタクシー会社社員の連作短編集。イケメンドライバーや若い女性、採用担当や元やくざだと誤解されてるドライバーなど。とても読みやすい。心に残るとか突き刺さる感はないけど。タクジョ!みんなのみち小野寺史宜実業之日本社今日の一曲SHISHAMOで、「明日も」では、また。『タクジョ!みんなのみち』小野寺史宜

  • 『連鎖』黒川博行

    食品卸会社の社長が失踪したと妻から捜索願。服毒して死んでいた。自殺なのか?妻は怪しく、手形のパクり屋、サルベージ屋が跋扈していた。面白かった。途中まで読んで、よくある話かと飽きてしまったのだけれど(パクリ屋とかサルベージ屋とかは中学生の時の読書で知った)途中から面白くなってきた。手口よりも、刑事二人と怪しい人たちの人物造形が良かったのと、怪しいこいつらをどうやってハメるのかが面白かったから。連鎖黒川博行中央公論新社今日の一曲MilesDavisで、"RoundMidnight"私のショボいパソコンでも、音がよく聴こえる(ような気がする)では、また。『連鎖』黒川博行

  • 『老人ホテル』原田ひ香

    日村天使(えんじぇる)は仕事を転々とし、老人が多数長期滞在するホテルで清掃の仕事をしている。昔「仲良し日村さん家」としてテレビに登場していたが本当はひどい親だった。金儲けの方法を教えてくれると言われ、老婆から節約や投資を学ぶ。意外な展開が多く面白かった。帯に投資版マイフェアレディと書いてあるが、投資の話はちょっとだけなのでそれを期待すると肩すかしかも。日村の母親の話がかなりリアルで興味深かった。老人ホテル原田ひ香光文社今日の一曲Dr.Capitalの解説による、山口百恵で、「プレイバックpart2」では、また。『老人ホテル』原田ひ香

  • 『さんかく』千早茜

    京都、古い町家で一人仕事をする高村さん。サラリーマン伊東君とひょんなことからシェアハウスすることになった。しかし伊東君には彼女がいて。不思議な恋愛小説のような料理小説のような。3人の絶妙な内面描写が良かった。さんかく千早茜祥伝社今日の一曲MirageCollectiveで、"Mirage”では、また。『さんかく』千早茜

  • 店名にツッコんでください302

    店名にツッコんでください302店名にツッコんでください302

  • 『悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班』ジェフリー・アーチャー

    前回逮捕された麻薬王ラシディの裁判で激突する正義のサー・ジュリアンと悪のブース・ワトソン。そして腐敗刑事サマーズに対して囮をしかけるウィリアム・ウォーウィックチーム。プラス逃亡中のマイルズも仕掛けてくる。さすがジェフリー・アーチャー。この人の書くものは間違いない。刑事的アクションや法律&裁判テクニック、絵画蘊蓄、人物造形そして二転三転するプロット、全てがそこにある。悪しき正義をつかまえろロンドン警視庁内務監察特別捜査班(ハーパーBOOKS)ジェフリーアーチャーハーパーコリンズ・ジャパン今日の一曲Vaundyで、「恋風邪にのせて」では、また。『悪しき正義をつかまえろロンドン警視庁内務監察特別捜査班』ジェフリー・アーチャー

  • 『なんとかしなくちゃ。青雲編』恩田陸

    1970年生まれの梯結子の問題解決人生を恩田陸の語りで朝ドラ風に描く。読んだことのないタイプの小説。大変面白かった。結子の前に現れる、他の人はスルーしてしまうけれど、なんとかしなくちゃいけないと思う問題とその斬新な解決法。アイデア、キャラクター、テンポのいい進み方。全部好みだった。なんとかしなくちゃ。青雲編(文春e-book)恩田陸文藝春秋今日の一曲Vaundyで、「置き手紙」では、また。『なんとかしなくちゃ。青雲編』恩田陸

  • 『今はちょっと、ついていないだけ』伊吹有喜

    立花浩樹はバブルの頃、ネイチャリング・フォトグラファーとしてテレビで活躍していたが、バブル崩壊後、仕事を失いパチンコ三昧の日々。偶然入ってきた撮影の仕事から自らを取り戻せるのか。中高年応援小説、良かった。テレビ番組制作の場を追われる男や芸能界を追われる男も出てくる。最近伊吹有喜の本ばかり読んでる気がする。多分自分が求めてる栄養があるのだろう。滋養強壮伊吹有喜今はちょっと、ついてないだけ(光文社文庫)伊吹有喜光文社今日の一曲+一曲サザンオールスターズで、「匂艶THENIGHTCLUB」と「ボディ・スペシャルII」では、また。『今はちょっと、ついていないだけ』伊吹有喜

  • 『キュレーターの殺人』M・W・クレイヴン

    切断された指が3人分あちこちで発見される。#BSC6という謎の文字とともに。容疑者が捕まるが、真相は奥深い。シリーズ三作目、最高のミステリーだった。謎が解けたかと思ったら、さらに謎が。謎解きの過程がこんなにも好みのタイプなことはなかなかない。※自分用ネタバレブラック・スワン・チャレンジとして、ネットを介して邪悪なことをやらせている者がいる。やらされた兄妹は殺人はやってない。被害者3人の共通点は、同一事件の陪審員で、3人とも無罪の意見を持っていた。被告アトキンソンは有害な物質を放棄したとされていたが無罪。しかし顔に酸をかけられた後に隠遁生活を。離島に一人で暮らすアトキンソンが犯人の狙いだとしてポー刑事は向かう。アトキンソンの警護のため妊婦のフリン警部が向かうと、車椅子のはずのアトキンソンがフリンを遅い、胎児...『キュレーターの殺人』M・W・クレイヴン

  • 『罪責の神々』マイクル・コナリー

    売春婦殺人事件の弁護を担当することになったハラー。被害者は旧知の人物グロリアだった。彼女を尾行していた者がいたり、彼女を証言させようとしていた者がいたりして怪しい。すごく面白かった。悪が暴かれる過程、息詰まる裁判どちらも素晴らしかった。※ネタバレ終身刑で刑務所にいる麻薬密売人のモイアが、自分のホテルに銃を仕込んだのはグロリアだとして証言させようとした。グロリアは麻薬捜査官のマルコから頼まれた。ハラーは裁判でそれを明かし、マルコのパートナー元殺人課刑事ラングフォードは裁判中に自殺、マルコは行方不明になりどうやらメキシコで殺されたらしい。罪責の神々リンカーン弁護士(上)(講談社文庫)マイクル・コナリー講談社罪責の神々リンカーン弁護士(下)(講談社文庫)マイクル・コナリー講談社今日の一曲桑田佳祐で、「なぎさホテ...『罪責の神々』マイクル・コナリー

  • 『反撃』リー・チャイルド

    リーチャーはシカゴで、足を悪くした女性ホリーを助けようとしたら彼女もろとも謎の男たちに拉致される。彼女はFBIの捜査官なのでそれが理由なのか。行方不明になった彼女をFBIが追う。リーチャーは脱出できるのか。めちゃくちゃ面白かった。単純な話なのに飽きさせず先が気になる。※以下ちょっとネタバレ犯人はモンタナで独立国を作ろうとする民兵組織。ホリーの父親は統合参謀本部議長。反撃(上)(講談社文庫)リー・チャイルド講談社反撃(下)(講談社文庫)リー・チャイルド講談社今日の一曲SOIL&”PIMP”SESSIONSとRHYMESTERで、「初恋の悪魔–DanceWithTheDevil-」では、また。『反撃』リー・チャイルド

  • 店名にツッコんでください301

    店名にツッコんでください301店名にツッコんでください301

  • 『真夜中の密室』ジェフリー・ディーヴァー

    他人の家の鍵を開け侵入するロックスミス事件の謎。攻撃されるメディアグループ、煽情的なフェイクニュース。別件の失態で捜査に表向きは参加できなくなったライムが明かす謎。面白かった。最近のディーヴァー作品は長くて飽きてしまうことが多かったが、本作は飽きずに程よい緊張感を保ちながら読めた。動機にも無理がない。真夜中の密室リンカーン・ライム(文春e-book)ジェフリー・ディーヴァー文藝春秋今日の一曲YOASOBIで、「好きだ」では、また。『真夜中の密室』ジェフリー・ディーヴァー

  • 『かんむり』彩瀬まる

    アパレル勤務の光、夫虎治と出会ったのは中3の時。以降、高校時代や就職してから、子供が産まれてから。時間を行ったり来たりしながら長い結婚生活を描写する。すごく面白かった。245頁しかないのに中身が詰まってる。子供の教育方針や根本的な考え方の違いに気づいたり、自分の選択に後悔したり。リアルな内面描写が突き刺さる傑作かんむり彩瀬まる幻冬舎今日の一曲Vaundyで、「忘れ物」では、また。『かんむり』彩瀬まる

  • 『イオカステの揺籃』遠田潤子

    建築家英樹の妻美紗が妊娠した。バラを生き甲斐として暮らす義母恭子はベビー用品を買ってあげると大量のLINEを送ってくるようになり、まだ産まれぬ孫に異常に固執するようになった。いい人だが鈍感な英樹、全く家庭を顧みない恭子の夫。そして悲劇が勃発。面白かった。従来の遠田作品とは違う、ホラーとミステリーが一緒になった感じ。超過保護過干渉の恭子の子供時代の思い出の怖さがまた凄い。イオカステの揺籃(単行本)遠田潤子中央公論新社今日の一曲藤井風で、「死ぬのがいいわ」では、また。『イオカステの揺籃』遠田潤子

  • 『隠居すごろく』西條奈加

    他人に厳しい糸問屋の徳兵衛が隠居した。人情に篤い孫が持ち込む難題に関わっていくうちに、徳兵衛自身も別人のように生まれ変わってゆく。ここ数年のベスト。文章に無駄がない、江戸の暮らしがリアルに感じられる、ストーリーが何層にも分かれ先が読めず、登場人物が魅力的。最高隠居すごろく(角川文庫)西條奈加KADOKAWA今日の一曲ArcticMonkeysで、"There’dBetterBeAMirrorball"では、また。『隠居すごろく』西條奈加

  • 『キリングフロアー』リー・チャイルド

    元憲兵のリーチャーがアメリカ各地を放浪していてたまたま訪れた街のカフェにいると突然逮捕された。殺人事件の容疑が晴れると、実は殺されたのが、財務省に勤める兄だと分かる。不穏なことが進行中の街で捜査に参加すると・・・面白かった。シリーズものでずっと手を出していなかったのだけれど、新作の評価が高いので、第一作から読むことにした。ハードボイルド+ミステリー+アクション。ラスト近辺のアクションがだれなくて良い。(どうせ主人公は助かるんでしょ?と思うと無駄に長いときがある)シリーズの別の作品がトム・クルーズ主演で映像化されたのも頷ける。新装版キリング・フロアー上(講談社文庫)リー・チャイルド講談社新装版キリング・フロアー下(講談社文庫)リー・チャイルド講談社今日の一曲Måneskinで、"THELONELIEST"で...『キリングフロアー』リー・チャイルド

  • 『砂糖の世界史』川北稔

    砂糖を中心に、プランテーションや奴隷制、穀物法など16世紀から19世紀辺りの歴史を説明してくれる。岩波ジュニア新書だと侮るなかれ。大人の読書に耐えうる。非常に分かりやすく面白かった。砂糖の世界史(岩波ジュニア新書)川北稔岩波書店今日の一曲東京事変で、「透明人間」では、また。『砂糖の世界史』川北稔

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    店名その他にツッコんでください300店名その他ににツッコんでください300

  • 『素数とバレーボール』平岡陽明

    高校時代のへっぽこバレー部。アメリカで富豪になったガンプ君から500万ドル送るが代わりにみのるを探せという謎のメールが届く。気象予報会社でうつ寸前の慎介、女性恐怖症でグルメ雑誌編集者の新田、保険会社で不倫中の陽一郎、妻と不仲のツアーコンダクターのタクロー。41歳、リアル悩み炸裂。面白かった。素数とバレーボール平岡陽明講談社今日の一曲新しい学校のリーダーズで、"PineappleKryptonite"では、また。『素数とバレーボール』平岡陽明

  • 『歩きながら考える』ヤマザキマリ

    パンデミック下で考えたエッセイ。頷けること多数。ウィルスに対して勝ち負けで語るのは変。共有を前提にしない関係の意味など。この人と暮らすと本当に面白いだろうなと思う。自分の頭で考え、偉ぶらず、卑下せず。歩きながら考える(中公新書ラクレ)ヤマザキマリ中央公論新社今日の一曲原由子で、「鎌倉OnTheBeach」では、また。『歩きながら考える』ヤマザキマリ

  • 『キッズ・アー・オールライト』丸山正樹

    子供問題に関わるNPO、元不良で今は不良たちを食い止める鳶職、祖母の介護で高校に行けない少女、ドラッグ、外国人差別・・・現代の問題を詰め込んだ力作。政治家が読むべし。重たい話なのにすらすら読める。いい人が多すぎるのが玉に瑕。世間にはこんにいい人が沢山いるのか、それとも汚濁した私の周囲には汚濁した者ばかりなのか。キッズ・アー・オールライトTheKidsAreAlright丸山正樹朝日新聞出版今日の一曲Adoで、「リベリオン」では、また。『キッズ・アー・オールライト』丸山正樹

  • 『渚のリーチ!』黒沢咲

    大好きな麻雀のプロになった女性の話。麻雀のことを知らない人には、七対子イーシャンテンと言われても意味不明だろう。麻雀好きからすると(私はルールは分かるが点数の計算が苦手)もっと詳しく戦術とかプロの考え方が知りたかった。渚のリーチ!黒沢咲河出書房新社今日の一曲RADWIMPSで、「人間ごっこ」では、また。『渚のリーチ!』黒沢咲

  • 『財布は踊る』原田ひ香

    ひたすら節約に励み、ルイ・ヴィトンの財布を買えた専業主婦みづほ。しかし手放すことになった。そしてその財布の行く先を巡る連作短編集。表紙はかわいいが中身はえげつない。詐欺、投資、風水、奨学金返済地獄など金にまつわる多彩な話。すごく面白かった。コロナを含んだ最近の状況をうまくストーリーに織り込んでるのとラストに救われるこの感じ、さすが原田ひ香。財布は踊る原田ひ香新潮社今日の一曲Vaundyで、"CHAINSAWBLOOD"では、また。『財布は踊る』原田ひ香

  • 『リバー』奥田英朗

    群馬、栃木で連続殺人事件。未解決だった10年前の連続殺人事件と同一犯なのか。定年退職した当時の担当刑事、事件を執拗に追い続ける昔の事件の被害者の父親、新聞記者、そして現在の操作担当者。長い・分厚い・面白いの三拍子。3人の容疑者が登場するが誰が犯人なのかジリジリしながら読む。殺人事件が発生すると、こんなにも多くの人に影響を与えるのかと驚く。↓下にネタバレリバー(集英社文芸単行本)奥田英朗集英社今日の一曲TaylorSwiftで、"Anti-Hero"※以下ネタバレ容疑者その1池田、ヤク中。第一事件の犯人だと自供した。第二事件は模倣犯のようだ。容疑者その2はトラック運転手刈谷。母親との関連か、援助交際してる女性を憎悪し、第三、四の事件の犯人。容疑者その3引きこもり健太郎、解離性同一性障害。刈谷の事件を目撃して...『リバー』奥田英朗

  • 店名にツッコんでください299

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  • 2022年10月ドラマちょいとレビューその4

    「ザ・トラベルナース」・・・アメリカでは医者に準じたナースプラクティショナーの資格を持ち活躍していた岡田将生が頼まれ帰国し、看護師が辞めまくっている医療センターにやって来た。そこにはVIPのオペを優先する院長が。そして謎のナース中井貴一もやって来た。二人でこのクソ病院を改革する話(になるだろうと想像する)非常に面白かった。戯画化が「ドクターX」ほどではなく、医学的な気づきも興味深い。岡田ができるナースだという設定かと思ったら、中井はさらに上を行くという意外さ。「sister」・・・姉瀧本美織が結婚するという。妹山本舞香が紹介された男は高校の時の初恋の相手だった。山本の会社での歓迎会の帰り、何者かに服を切られ写真が撮られる。やらせたのは姉らしい。最初はどうかと思ったが、ラストを観たら次回が気になる。「真相は...2022年10月ドラマちょいとレビューその4

  • 『新!店長がバカすぎて』早見和真

    続編、店長が戻って来る。またバカ店長の話が中心になるかと思いきや、次の店長や舞台となる書店を舞台にした小説の作者の話やら。ただひたすら使えない店長を愚痴る小説だった前作とは違い、技巧に走った結果、技巧ばかりが目立つようなってしまった。Part1傑作、Part2はイマイチという典型新!店長がバカすぎて早見和真角川春樹事務所今日の一曲藤井風で、"grace"では、また。『新!店長がバカすぎて』早見和真

  • 2022年10月ドラマちょいとレビューその3

    「ボーイフレンド降臨!」・・・有名画家なのに記憶を失った高橋海人、たまたま知り合ったのは不動産屋で何でもやる桜井ユキ、小劇団の田中みな実。最初は二人が彼を助ける。彼の素性を知った桜井は利用しようとする。面白いような薄っぺらいような。「アトムの童」・・・潰れそうな玩具メーカーと、ゲーム業界から離れていたゲームクリエーターが組んで、大ゲームメーカーに挑む(という話っぽい)オダギリジョーの役は元は香川照之がやるはずだったそうだが、「六本木クラス」の香川の役そっくり(大会社を率いているクソ野郎という意味で)面白いのかそうでないのかまだ分からない。「霊媒探偵城塚翡翠」・・・降霊することで殺人事件の謎を解く清原果耶。助手が小芝風花、協力する作家が瀬戸康史。お金と手間暇がかかってる感じがする。しかし肝心の推理に頷ける感...2022年10月ドラマちょいとレビューその3

  • 『BAR追分』伊吹有喜

    新宿の裏通り、昼間はバール、夜はバー。単身赴任生活に悩む人、脚本家になりたい人などちょっと悩む客が来て、美味しい食事に癒やされる。出てくる食べ物が本当に美味しそう。読みやすい、「消化がいい」小説だった。伊吹有喜作品に最近ハマってる。BAR追分(ハルキ文庫)伊吹有喜角川春樹事務所今日の一曲藤井風で、"damn"では、また。『BAR追分』伊吹有喜

  • 『そして誰もゆとらなくなった』朝井リョウ

    肛門の問題、マチュピチュに行ったけど行ってない問題など、問題だらけの爆笑エッセイ。ここまで恥ずかしい話をさらけ出せるのは、スゴイ。笑うとともに尊敬する。そして誰もゆとらなくなった(文春e-book)朝井リョウ文藝春秋今日の一曲NellyFurtadoで、"SayItRight"では、また。『そして誰もゆとらなくなった』朝井リョウ

  • 『競争の番人 内偵の王子』新川帆立

    公正取引委員会シリーズ、今回は九州の呉服屋をめぐる不正。メーカーから問屋、小売店。作者は猛スピードで新作を出している。ものすごく面白い傑作とまで言えないけれど、読まないと決められるわけでもないギリギリのところを毎回攻められる。読みにくいのなら読まないが、読みやすいのでつい読んでしまう。競争の番人内偵の王子新川帆立講談社今日の一曲Eaglesで、"ICan'tTellYouWhy"では、また。『競争の番人内偵の王子』新川帆立

  • 店名にツッコんでください298

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  • 2022年10月ドラマちょいとレビューその2

    「一橋桐子の犯罪日記」・・・同居してた親友に死なれ、金銭的に困り、犯罪者になれば刑務所で楽に暮らせると考える松坂慶子。原作読んだはずなのにほとんど覚えてない。何となく先が想像できる感じはするけれど、まだ観る。「孤独のグルメ」・・・いつものクオリティ。定食が美味そうだった。「祈りのカルテ研修医の謎解き診察記録」・・・大量服薬した女性が搬送されてきた。右腕にはリストカット、左腕には火傷の跡。研修医玉森裕太は精神科で彼女の担当になり謎を解く。若干コミカルな部分もあるけど、真剣に医療に取り組んでいて好感。「最高のオバハン中島ハルコ」・・・今回は岐阜の関市の刃物業界を救う大地真央&松本まりか。いつもの感じ。ラストに登場した佐野史郎が大きく絡んできそう。「推しが武道館いってくれたら死ぬ」・・・岡山、パン屋に勤める松村...2022年10月ドラマちょいとレビューその2

  • 2022年10月ドラマちょいとレビューその1

    「ファーストペンギン」・・・シングルマザー奈緒がやってきたのは漁港。なんでもいいから仕事をくれた頼まれた漁師の堤真一は、赤字を何とかしてくれと依頼する。漁協を通さない産地直送システムを提案し、県にも国からも認可を受けるが、組合長の梅沢富美男から妨害される。面白かった。実話ベースだそう。以降も楽しみ。「舞い上がれ!」・・・引っ込み思案で病弱な女の子、五島列島に引っ越したら人生が変わるのか。まだ始まったばかりでどうなるかワカラン。「最果てから、徒歩5分」・・・途中離脱。「親愛なる僕へ殺意をこめて」・・・大学生山田涼介は連続殺人鬼の息子。お気楽に生きていたら、殺人事件発生。監視カメラに被害者と一緒にいたところが映っていた。しかしここ三日間の記憶がない。なかなか面白い。コンプライアンスの関係か、最近グロテスクな映...2022年10月ドラマちょいとレビューその1

  • 『わたしの美しい庭』凪良ゆう

    百音は10歳、父と母は死に、母の元夫統理と暮らしている。統理は翻訳家で、かつ実家の跡を継ぎマンションの屋上で神社の宮司もやってる。同じマンションに住む路有は統理の友達で移動バーを経営しててゲイで三人家族的に暮らしている。そのマンションに住む病院事務、残業で疲れてる桃子の話、路有の話、うつで仕事を辞めた男の話の連作短編集。心に響きまくった。百音ちゃんがいい。年相応の可愛さと達観。恋愛事情もいい。基くんのうつ体験もいい。私自身が体験したこと、そして想像可能なことが全て網羅されてる感じ。スーパー傑作わたしの美しい庭凪良ゆうポプラ社今日の一曲SammHenshawで、"Church"では、また。『わたしの美しい庭』凪良ゆう

  • 『われら闇より天を見る』クリス・ウィタカー

    30年前少女シシーを殺したとして刑務所に行った少年ヴィンセントが30年経って出所する。彼にずっと良くしてきた親友ウォークは警察署長。シシーの姉スターは酒浸り、娘ダッチェスは自称無法者、弟は守るがそれ以外は皆敵。ラスト近辺のダッチェス絡みの話には心を打たれる。ただミステリー色薄めで、すごく好みの作品とは言えない。評論家や一般のレビュアーの評価はすごく高い。私の好き嫌いが変わっているのだろうか。われら闇より天を見るクリスウィタカー早川書房今日の一曲GoWestで、"KingOfWishfulThinking"では、また。『われら闇より天を見る』クリス・ウィタカー

  • 『ブラックボックス』マイクル・コナリー

    92年ロドニー・キング事件で揺れるLAで殺されたデンマークのジャーナリスト、アンネケ。混乱の最中、刑事ボッシュにとって未解決事件に。20年後、使用された銃が別件で使われた。湾岸戦争で従軍した者たちと・・・ボッシュシリーズとしては傑作とは言えない。途中で犯人や動機が想像出来てしまうし、ラストのドキドキ感やや薄め。でもそういうことも傑作シリーズにはたまにはあるだろう。勿論次も読む。ブラックボックス(上)(講談社文庫)マイクル・コナリー講談社ブラックボックス(下)(講談社文庫)マイクル・コナリー講談社今日の一曲Enigmaで、"ReturnToInnocence"では、また。『ブラックボックス』マイクル・コナリー

  • 『嘘つきジェンガ』辻村深月

    大学生になったがバイトできず、友達に勧められたのはロマンス詐欺。息子の受験に金を払ったが詐欺かも知れない。覆面漫画家になりすましてファンと交流する詐欺。面白いテーマ、意外なラスト。どの主人公の気持ちも理解できる。良かった。噓つきジェンガ(文春e-book)辻村深月文藝春秋今日の一曲BigCountryで、"InABigCountry"では、また。『嘘つきジェンガ』辻村深月

  • 店名にツッコんでください297

    店名にツッコんでください297店名にツッコんでください297

  • 『風待ちのひと』伊吹有喜

    哲司39歳、銀行員、出世コースから外れ、外資に勤める妻の年収の方が多くなった。うつ状態になり休職することになった。三重の田舎に家を建てた母が死に、その家の始末に来た。喜美子39歳、息子に死なれ、あちこち転々としていた。たまたま会った哲司を助け、家の片付けを手伝うようになった。自称オバチャンある種の完璧な小説だった。ヒッチハイクをする喜美子を説明するプロローグ、悩みを抱えた哲司。彼を助けてあげる喜美子。こうなったらいいな、こうなったらいやだなと読む者を振り回すストーリー。素晴らしい。喜美子は理想のタイプの女性だなと思うのと、どんな事があっても、人間は再生できる、やり直せると深く思った。風待ちのひと(ポプラ文庫)伊吹有喜ポプラ社今日の一曲山下達郎で、"GETBACKINLOVE"では、また。『風待ちのひと』伊吹有喜

  • 『見つけたいのは、光。』飛鳥井千砂

    亜希、1歳の息子の子育てにキリキリ舞い。仕事復帰したいのに難しい。茗子は仕事でリーダーとなるが妊娠する同僚たちに振り回される。二人が読んでるのはHikariのブログ。ブログ主の投稿を読んで心配になり・・・子育ての難しさ、育休を取られ迷惑する女性社員の気持ち。女性じゃないのに本人になったような凄い臨場感。苦しいと思いながら読んだ。男性必読の大傑作見つけたいのは、光。(幻冬舎単行本)飛鳥井千砂幻冬舎今日の一曲AlabamaShakesで、"Don'tWannaFight"では、また。『見つけたいのは、光。』飛鳥井千砂

  • 『殺人者』望月諒子

    男が二人続けて猟奇的に殺される。レイプ事件の復讐か?ジャーナリスト木部美智子が調査していくと警察とほぼ同時に容疑者に行き着くが眼の前で自殺される。そして新たに判明するのは・・・執拗に推理、仮説、周辺描写が繰り返される。松本清張のようだ。真相は、面白いと言えば面白いし、無理矢理だなと言えば無理矢理。ただストーリー展開や丁寧な描写には好感。殺人者(木部美智子シリーズ)(集英社文庫)望月諒子集英社今日の一曲BrittanyHowardで、"StayHigh"では、また。『殺人者』望月諒子

  • 『汝、星のごとく』凪良ゆう

    愛媛の島、青埜櫂高校生、他人を頼るだけの母と暮らす。同級生の井上暁海、父が恋人と暮らし、母はずっと鬱状態。付き合う、櫂と暁海、漫画原作者を目指す櫂、そして遠距離恋愛・・・2日で読み終える頁数なのに、勿体なくて5日かけて読んだ。今年のNO1候補であるとともに、マイ恋愛小説オールタイム・ベスト。櫂、暁海、北原先生、登場人物へのリスペクトが止まらない。これだから小説はやめられない。※下にネタバレあり汝、星のごとく凪良ゆう講談社今日の一曲The1975で、"I'mInLoveWithYou"※以下ネタバレ東京に出て櫂は大ヒット。しかし作画担当の未成年男子との不適切行為によって絶版。暁海は櫂との遠距離恋愛は成就できないが刺繍作家として活躍。高校の先生と結婚。櫂の作画者が自殺、櫂は胃がん。最期を看取る。では、また。『汝、星のごとく』凪良ゆう

  • 『きときと夫婦旅』椰月美智子

    安納みゆき、中高一貫校に通う息子が行方不明。富山の友人宅にいることが分かった。富山に行く。長年会話してない鉄オタの夫範太郎が一緒に行くと言い出した・・・険悪な仲になっている夫婦が珍道中を経て、良好になってゆくのかを読むという意味ではサスペンス。息子の成長を読むという意味では冒険小説。面白いというより、自らを省みる小説だった。きときと夫婦旅椰月美智子双葉社今日の一曲SébastienIzambardで、"HaveIToldYouLately"では、また。『きときと夫婦旅』椰月美智子

  • 『パーネアモーレ イタリア語通訳奮闘記』田丸公美子

    イタリア語通訳の抱腹絶倒エッセイ。めちゃくちゃ面白い。前に読んだようだが初めてのように楽しめた。(何も覚えていないのが怖い)1970年東京外語大の学生のとき、イタリア人30人をアテンドして東京、日光、箱根、伊勢志摩、京都、神戸、大阪を12日間回る地獄がデビューだったという話が一番印象的だった。その後通訳技術も日本の名所案内もうまくなっていったはずなのに、貰ったチップは最初が一番多かったというのは何やら含蓄深い。パーネ・アモーレイタリア語通訳奮闘記(文春文庫)田丸公美子文藝春秋今日の一曲LedZeppelinで、"MobyDick"では、また。『パーネアモーレイタリア語通訳奮闘記』田丸公美子

  • 店名にツッコんでください296

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  • 『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』川瀬七緒

    桐ヶ谷京介は美術解剖学を専攻し、服飾メーカーと熟練の職人を繋ぐブローカー的仕事をしてる。10年前の未解決事件で被害者少女の着るワンピースを見て、警察の分からなかったことを推理した・・・布、糸、生地、プリント、縫製という未知の世界をこれでもかと披露してくれる。面白かった。ここまで自分の知らないことだらけのミステリーを読むことはまずない。刺激的だった。ヴィンテージガール仕立屋探偵桐ヶ谷京介川瀬七緒講談社今日の一曲TOMOOで、「オセロ」では、また。『ヴィンテージガール仕立屋探偵桐ヶ谷京介』川瀬七緒

  • 『先祖探偵』新川帆立

    先祖を探す邑楽風子。その過程でトラブルが発生したり、自分の過去を知ったり。珍しい切り口が新鮮、全体としてはまあまあ。第三話の、10歳ぐらいの少年に何かが憑く話と四話の、寿町暮らしの男が無戸籍なので戸籍を取得したいという話はすごく面白かった。先祖探偵新川帆立角川春樹事務所今日の一曲中森明菜で、"LIAR"では、また。『先祖探偵』新川帆立

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ふるちんの「頭の中は魑魅魍魎」
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