粉雪が舞う中、君は駅の改札口を抜け僕の元へ駆け足でやってきた。僕は「やあ」とだけ言って繁華街のほうへ歩き出す。君も、僕と手をつなぐことも腕を絡めることも無く歩き出した。もう二十代後半という結構いい歳だ。でもそんな僕らにお構いなく町の中は恋人たちで溢れて
「雪が積もる前に、動物園にでも行かない?」 この間の月曜日の夜。暖かい雨が降りしきる静かな時間に、電話の向こうの君に対してこう言った。「うん、行こう行こう」 君は戸惑い無く賛成してくれた。 僕らは今、車で田舎の国道を東から西へと走っている。 雪
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