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ものすごく短い恋愛小説集です。 社会人、大学生の恋愛模様をショートショートで表現したいと思います。

月夜野
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2006/12/16

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  • 中途

    「日本には五つの季節があって、五つ目のそれは梅雨のことだよ。」君が僕にそんな講釈をしてどれくらい経つのだろうか。

  • 雪が降る音

    大晦日の夜。ザッ、ザッと、雪を踏みしめる二人の足音だけが聞こえる。降り積もった雪が周囲の音を吸収してしまうから、その分自分たちの足音が夏のそれとは違って妙に存在感を持って聞こえてくる。例年ならば年の瀬には雪はあまり降らず、年が明けてから本格的に降り積も

  • ふるさとについて

    秋が深まり、次第にこの街にも冬らしい寒さが現れてきた。仕事をして、帰りに喫茶店に寄っておいしいコーヒーを飲み、週末は君と散歩したり、部屋でお互いにお薦めの本を交換し合って読んだりする生活。故郷では体験したことの無いこのような生活の中にも、まるで忘れない

  • 休日の後

    月曜の朝、午前五時。いつもより二時間近くも早く目が覚める。まだ、眠り足りない。でも二日酔いによる頭の痛みのせいで、これからもう一度眠ることはできそうに無かった。 九月だというのに、今日も朝から暑い。夜が暖かいのは好きだけれど、日中暑いのはもう懲り懲りだ

  • 雨の森

    雨だ。 連休の初日の朝、僕は窓を開けてベランダに出る。灰色の空からぱらぱらと小雨が落ちてきている。行きかう人々が手持ちの傘をぱっと解き放つ。 雨の日は普段よりも森のにおいがより一層伝わってくる。僕のアパートの隣は公園になっていて、ベランダに出ると公園

  • 川沿いの道にて

    夏の夕暮れに、君と川沿いの道を歩く。蝉の鳴き声は昼間と変わらないけれど、少し風が出てきて暑さは緩んでいる。 とても短い、僕らの夏休み。図書館からの帰り道、僕は映画の帰り道だという君に会った。河川敷の野球場では子供たちが野球練習を終えて帰りの準備をしてい

  • 予見するということ

    故郷に帰らずに過ごす正月は、時間の流れがとても早い。普段と変わらない一日が淡々と自分を追い越して通り過ぎて行く。雪が降らない街で過ごす正月はとても空気が冷たくて、外出しようとする僕の心を予想以上に引き止めようとする。 両手を合わせる。薄いこの手袋では

  • 伝わる。

    夏の終わり。休日。朝から僕は机に向かい、便箋を前に文章を考えている。まだ一言目が思い浮かばない。ペンを持つ僕の手は少しだけ震えていた。学生時代からの癖だった。果たして、昨夜喧嘩をした君に対してどのような書き出しが良いのだろうか。 ガラララっと窓を開

  • 紅茶を淹れるということ

    休日の午後、君はクローバー柄のトートバッグを手に僕の部屋にやってきた。ノックが二回。「うん」と言って、僕は君を招き入れる。「図書館でいっぱい借りてきちゃった」君は微笑む。詰め込みすぎじゃない?と言いたくなるほど、君のバッグから本がはみ出ているのが見えた

  • 巻き戻した夏 (加筆)

    七夕の日。ちょっと洒落ていないスーツ姿で僕と君は神社の境内を歩く。夏祭りとは不似合いな恰好の僕らのすぐ脇を、お面を着けた子供たちが無邪気に駆けていった。 少しばかり夏の日差しが緩んで、神社の石灯籠も君の頬も、淡いオレンジ色に見事に染まりつつある。

  • 君からのコール

    夜の街を走りぬける。郊外の幹線道路にはもう誰もいない。僕の原付の音だけが辺りに響いている。眠い。今日僕に残された自由な時間は後二時間くらい。ちょっと少ないけど、これが今の僕の生活なんだ。やらなければならないことがあるだけで、それはまだ幸運なんだと思

  • 星空が見える場所

    「夏の夜が、好き」いつもそう語る君は、僕の部屋に天体望遠鏡を抱えてやってきた。僕が使う本格的なものとは全く違うけれど、細長い天体望遠鏡と君とのセットがどこかアンバランスな感じで、少しばかり可愛らしかった。 田舎町に住んでいる僕らには、落ち着ける喫茶店

  • 君の家に着くまでずっと走ってゆく

    夏のある休日の昼間、僕は人通りの少ない歩道を駆けていく。夕方からは雨が降るみたいだけど、傘を持っていくのはやめよう。君の家までずっと走って行きたいと思った。大学生活ももう残り半年くらいなのに、なにもかもがこのまま変化することなくずっと続いていく、

  • Love Can Go The Distance

    粉雪が舞う中、君は駅の改札口を抜け僕の元へ駆け足でやってきた。僕は「やあ」とだけ言って繁華街のほうへ歩き出す。君も、僕と手をつなぐことも腕を絡めることも無く歩き出した。もう二十代後半という結構いい歳だ。でもそんな僕らにお構いなく町の中は恋人たちで溢れて

  • 十二月の午後、動物園にて僕らは

    「雪が積もる前に、動物園にでも行かない?」 この間の月曜日の夜。暖かい雨が降りしきる静かな時間に、電話の向こうの君に対してこう言った。「うん、行こう行こう」 君は戸惑い無く賛成してくれた。 僕らは今、車で田舎の国道を東から西へと走っている。 雪

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