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多摩川 健
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2006/09/20

  • 江戸元禄人模様 寺子屋師匠菊池三之亟 事件控え 第二話 火つけ 全文掲載

    皆様の感想を楽しみにしています!第二話火つけ芝七軒町。銭屋長屋を師走の北風が江戸湾へ突き抜ける。寺子屋では今日も、手習いの真っ最中である。「おいおい・・・みの吉・・そんなに慌てて書くことはないぞ。今日はな、この壁に師匠が書いたーーいろはにほへとーーこれをしっかりと、ゆっくり見て書きなさい」「長次・・少し墨が薄すぎるようだな。留吉は、きちっと座り姿勢を正して書きなさい。梅、それでいいよ・・そうそう筆の先はそっと入れ、しっかり伸ばす。止めるところはきっちり止める」さとがほっぺたに墨を付けて言った。「梅はね、いつもなにかしゃべり方がおかしいんだよ。だってね・・イロハニフヘト・・・・ていうんだよ」前歯が一本抜けた梅はまだ少し空気が抜ける。「少し筆を休めて皆聞きなさい。人間はその身体の特徴や、やや欠けた所があっても...江戸元禄人模様寺子屋師匠菊池三之亟事件控え第二話火つけ全文掲載

  • 江戸元禄人模様 寺子屋師匠 菊池三之亟事件控え 火付け その2

    門前仲町を左に折れ、仙台掘り方向の万年町。代貸三蔵の家では、酒肴が準備され、肥前藩浪人大西主馬、同じく肥後浪人石橋一之介が歓待を受けている。二人は木場の先に巣食う、食い詰め浪人だ。もはや土地の無頼者と同じであった。「・・というわけで。先生方に、やっていただくほどの仕事ではないんだがね。先生のところにいなさる・・伊勢崎の・・たしか・・」「三平のことかね。奴はあれでなかなかK役に立つ。度胸もあるしな」「ボヤ程度とはいえ、お調べは厳しいから、よそ者ですぐに江戸から出れる奴がいいんでね。どうかお願いいたしますよ。とりあえずこれは前金で」と大西の前に三蔵は四両を置いた。「いいだろう。引き受けた。それでいつまでに・・」「年内ですがね。できればここ四、五日で片を付けたいんでござんすよ。くれぐれもわしらの筋は・・・ご内聞...江戸元禄人模様寺子屋師匠菊池三之亟事件控え火付けその2

  • 第二話 その1 公開

    第二話火つけ江戸中期。元禄元年。師走の話である。江戸は家康の江戸城建立から約百年。百万人の大都会になっていた。全国での米の生産が飛躍的伸び、乾田への切り替えで地方はまた、稲の他に、藍、桑、紅花等、多岐にわたる生産で豊かになりつつあった。、物流では1670年の初頭には、河村瑞賢が東回りと西回りの廻船を開き、特に大阪では両替、金融業が諸藩の蔵屋敷の管理や出納を行う、というような時代になってきた。当時の江戸、大阪は米の集積地の他に、大名の藩の財政を管理する重要な出先であった。武士階級においても二大都市は重要な拠点となっていた。一方、市民の生活は、武家の豪奢ぶりからはまだかけ離れてはいたが、一部の豪商達は江戸、大阪での米の管理ということで、急激に蓄財するものも多くなっていた。大阪、江戸の蔵屋敷とも大繁盛で一部の豪...第二話その1公開

  • 今日は 第二話 投稿します! 江戸元禄人模様 寺子屋師匠 菊池三之亟 事件控え

    第二話火つけ江戸中期。元禄元年。師走の話である。江戸は家康の江戸城建立から約百年。百万人の大都会になっていた。全国での米の生産が飛躍的伸び、乾田への切り替えで地方はまた、稲の他に、藍、桑、紅花等、多岐にわたる生産で豊かになりつつあった。、物流では1670年の初頭には、河村瑞賢が東回りと西回りの廻船を開き、特に大阪では両替、金融業が諸藩の蔵屋敷の管理や出納を行う、というような時代になってきた。当時の江戸、大阪は米の集積地の他に、大名の藩の財政を管理する重要な出先であった。武士階級においても二大都市は重要な拠点となっていた。一方、市民の生活は、武家の豪奢ぶりからはまだかけ離れてはいたが、一部の豪商達は江戸、大阪での米の管理ということで、急激に蓄財するものも多くなっていた。大阪、江戸の蔵屋敷とも大繁盛で一部の豪...今日は第二話投稿します!江戸元禄人模様寺子屋師匠菊池三之亟事件控え

  • 江戸 元禄 人模様・・・・短編・・・五十三話

    江戸元禄人模様ーー寺子屋師匠菊池三之丞事件控えーー(短編)作者:小出健司ペンネーム:多摩川健メイル:kkoide492000@yahoo.co.jp略歴:早稲田大学1967年卒業。東芝入社調査・企画・営業・海外・退職後マレーシア10年在住2015年帰国現在に至る。概略:現在の日本文化のある種の源。江戸時代中期・五代将軍綱吉・柳沢吉保の元禄時代。江戸・芝・七軒町、鍵屋長屋の寺子屋師匠・旗本三男坊・菊池三之丞を狂言回しに、この長屋と江戸周辺の庶民の生活と、義理と人情、侍と庶民、悪と正義、様々な事件に立ち向かう三之丞と妹弥生。華麗な文化の花の咲く中で庶民の勇気と懸命な生きざまと、二人の成長をえがく。主人公は毎回、江戸の庶民、武士、農民、盗人等多様である。短編の内容・・・・五十三話の予定第一話秋風第十一話時次郎の...江戸元禄人模様・・・・短編・・・五十三話

  • 感想を・・お待ちします!!

    感想をお待ちします!!いまのところ、三十四話まで完結1感想を・・お待ちします!!

  • 来週以降 第二話 公開予定

    第二話「火つけ」を来週以降数回に分けて、投稿予定です。感想をお待ちします。来週以降第二話公開予定

  • 元禄 人模様 資料 PHOTO

    今日は少し、執筆資料の写真を紹介です。元禄人模様資料PHOTO

  • 秋風 第一話 その5(最終)

    「芝の目明し琴屋もしらねえといいますが・・どうも・・怪しい・・奴のところか、近所の長屋か裏の寺ではないかと。もう一度探ってきやしょう」三吉が、表に出ようとしたその時。「それには及ばねえよ。神妙にしろ。そこの大葛籠、改めさしてもらうぜ」と琴屋の徳蔵と辰であった。「しゃらくせい!岡っ引き、二人でやろうてのかい。よし来い」胸倉から長ドスを引き抜くと、三吉は一気に飛び出し、徳蔵、辰との間合いを詰める。徳蔵めがけて鋭くドスを突き出す・・と・・そこへ木陰から法円の長棒が飛び、三吉の右足膝を鋭く打つ。たたらを踏んだ三吉は簡単に捕縛される。それを見て橋本、上原も刀を構え岡っ引き二人の前に立つ。橋本は構えからも相当に腕が立ちそうだ。今度は左の木陰から、一ノ辰と三乃丞がスイーと前に出る。「何奴だ。おぬしらは!」叫ぶ上原。すで...秋風第一話その5(最終)

  • 秋風 その4

    この数日前、日本橋本石町、両替商越後屋では、店中が大騒ぎとなっていた。女中とよと娘八重が、芝の増上寺へお参りに出たまま、夜遅くなっても戻らなかった。戌の刻から子の刻過ぎまで丁稚、手代、番頭総動員で芝界隈から新橋、神田、上野あたりまで探し回ったが、行方はつかめない。越後屋幸之助一睡もできないで、お内儀お由はすでに半狂乱の状態であった。幸之助は娘の八重が婚礼も控えている矢先であり、娘と店の評判から、身内で何とか探すことに全力を挙げていたが、疲労困憊でもあった。勘当した不肖の長男をあきらめて、同業の美濃屋の次男を、娘八重の養子に迎えて後を継がせる腹づもりであった。ーーまさかとは思うが・・あの幸太郎が・・実の妹をーーこうなってはもう神田の泉屋の親分にお願いするしかない。ことの起こりが、神田泉屋。ことはまことに皮肉...秋風その4

  • 江戸 元禄 人模様。。秋風の3

    やっと落ち着いて少し熱も下がった娘を従えて、裏の大圓寺へと向かう。鍵屋長屋は寝静まりあたりは漆黒の闇夜であった。長屋のちょうど南側に隣接して、大円寺の小さな裏木戸がある。和尚の大覚方円は少し変わった経歴であった。宝蔵院流の棒術の名手でもあったが、京都知恩院から許され、坊主と武芸者の二つの顔を持っていたが、その話はまた後日にしておこう。方円和尚は長屋の困りごとには、なにかと相談に乗ってくれていた。小袖を纏い、やっと少し落ち着いた様子の娘は、それでもまだ目はうつろで腕は小刻みに震えている。必死に思い出そうとしていたが。方円和尚の、今日の般若湯のお楽しみ時刻はとっくに終わっていた。「和尚様。実は金杉橋の東たもとでこの娘が倒れており、熱もひどく、拙宅に連れ帰りましたが、自分の名前も、なんでこうなったかも、分からな...江戸元禄人模様。。秋風の3

  • 江戸 元禄 人模様 第一話 秋風 その2

    浪人加藤一ノ辰は、品川の楼閣辰巳屋に番傘を納めた帰り道であった。高級和紙に達筆で「辰巳屋」と墨書して、油紙で仕上げた番傘は評判で注文も多かった。そろそろ、あたりが暗くなる夕七ツ゚金杉橋のたもとで橋の左側の欄干の下ににうずくまる若い娘がいた。右脇腹を押さえる姿があまりに痛々しいため一ノ辰が娘に近づいて声をかける。「娘さんどうしましたどこか具合が悪いのかな・・」娘はまだ十八くらいに見える。若く初々しい。首筋は汗でびっしょり濡れ、とても尋常には見えない。「少し下腹が痛いのですが・・」額は汗で光っている。「大丈夫でござるか。お送りしましょうか」娘はか細い声で、「お世話になり、ありがとうございます。急に、下腹が痛み出しまして・・しばらく休めば、大丈夫と思いますが・・・」「それはいけない。やはり送って参りましょう」か...江戸元禄人模様第一話秋風その2

  • 江戸 元禄 人模様ー寺子屋師匠 菊池三之丞 事件控え‐第一話ー1

    全20話週1-2回更新予定。第一話の-1秋風五代将軍綱吉の治世になり八年目元禄元年、今から約三百九十年前の江戸の話である。三年前の貞享二年には生類憐みの令が出ている。三河以来の直参旗本二千石、菊池左衛門吉行の三男菊之丞十九歳、二つ下の妹弥生は後妻みとの子である。先妻とよの子、太郎左衛門二十四歳、次男次郎座衛門二十二歳とは年の差があまりない。幼いころから学問と剣術が生きがいの三之丞と、おきゃんな弥生が、芝鍵屋長屋の寺子屋で、江戸市中の様々な人々とふれあい、ひょんなきっかけで事件に遭遇し、駆け抜け成長してゆく。さて、ここは神田の旅籠泉屋六郎の居間だ。一帯の香具師の元締めだ。「若旦那少しは考えてもらわないと困りますよ」角の張ったあか顔の六郎。「そうは言ってもさあ、仕方ないのさ」と越後屋の跡取り息子幸太郎はうそぶ...江戸元禄人模様ー寺子屋師匠菊池三之丞事件控え‐第一話ー1

  • 元禄 江戸 人模様ー寺子屋師匠 菊池三之丞 事件控えー 予告

    江戸元禄人模様ーー寺子屋師匠菊池三之丞事件控えーー(短編)各短編を少しずつ紹介の予定です。作者:小出健司ペンネーム:多摩川健生年月日:1943年メイル:kkoide492000@yahoo.co.jp略歴:早稲田大学1967年卒業東芝入社調査・企画・営業・海外・退職マレーシア9年在住2015年帰国現在に至る。概略:現在の日本文化のある種の源。江戸時代中期・五代将軍綱吉・柳沢吉保の元禄時代。江戸・芝・七軒町、鍵屋長屋の寺子屋師匠・旗本三男坊・菊池三之丞を狂言回しにこの長屋と周辺の庶民の生活と、義理と人情、侍と庶民、悪と正義、様々な事件に立ち向かう三之丞と弥生庶民の勇気と懸命な生きざまと二人の成長をえがく。短編の内容・・・・三十話の予定第一話秋風第十一話時次郎の仕掛け第二話ひつけ第十二話与力山内与十郎第三話泥...元禄江戸人模様ー寺子屋師匠菊池三之丞事件控えー予告

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