『かもめ:Чайка』(A.チェーホフ):演劇を介した悲恋(随想録―84)
『かもめ:Чайка』(A.チェーホフ):演劇を介した悲恋(随想録―84) A. チェーホフの戯曲『かもめ』を読んでみた。大変面白かったので、一気に読み終えた。この戯曲には何人かの登場人物が登場するが、一組の恋人と、その仲を割く作家の3人が重要である。(強いて言えば、この恋人たち。) 新進の劇作家:トレープレフは地主の娘で女優の卵のニーナと恋仲で、彼女はトレープレフの劇の主役を演じる。だが、トレープレフの劇は斬新過ぎて、古いタイプの劇に慣れた人達には不興だ。当のニーナもこの劇に不満で、もっと別の場で女優をやりたいと願う。 そんな時、トレープレフは狩りで「かもめ」を撃ち落とし、「それが自分である…
2023/05/31 05:41