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虚虚実実――ウルトラバイバル https://iirei.hatenablog.com/

広く「危機管理」について考察します。自然災害、経済危機、恋愛などがテーマ。東大工学部都市工学科修了。

森下 礼
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2005/12/07

  • 『古事記』:肉親の確執の記録~石ノ森章太郎の慧眼(随想録―73)

    『古事記』:肉親の確執の記録~石ノ森章太郎の慧眼(随想録―73) 中央公論新社「マンガ日本の古典」シリーズ、第1巻である。『古事記』『日本書紀』などというと、毛嫌いする人も多いと思う。戦前・戦中の暗い時代のバックボーンとなった文芸作品であるから、さもありなむ。ただ、『サイボーグ009』などのSFマンガの第一人者の石ノ森にすれば、『古事記』上中下巻のうち、上巻は、それ自体がマンガに見えたという。だから、歴史の正確さへの配慮はさておき、思うようにマンガ化できたそうだ。(中・下巻は上梓するつもりもないらしい。) この文献の最初に現れる夫婦神、イザナギ・イザナミ両神は、不幸な別れ方をしている。火の神を…

  • 自動車とその所有者の横暴:優遇され過ぎだ!(随想録―72)

    自動車とその所有者の横暴:優遇され過ぎだ!(随想録―72) 2022年、大晦日、HNKで朝放送されていた「世界街歩き」を見ていたら、お決まりのウクライナ特集だったが、その首都キーウ(ウクライナ戦争以前の2019年の放送の再放送だったので、キエフと呼ばれていた)の街角の有様が種々映し出されていた。街を埋め尽くす人々、ひまわりの販売、ギリシャ正教のモンゴル侵攻以来の青く美しい教会、ロシアではなくウクライナこそが本場のスープ:ボルシチ・・・いろいろある中で、私は道路に目が行った。 広く、何車線もある自動車道、それにも増して歩道が広い!!これは日本ではなかなか考えられないことだ。私が住む地方都市では、…

  • 「信長公記」(小島剛夕):織田信長一代記・映像詩風(随想録―71)

    「信長公記」(小島剛夕):織田信長一代記・映像詩風(随想録―71) 織田信長は日本史上の有名人物であり、その事績は広く認知されている。NHKの大河ドラマでも、民放の時代劇でもよく取り上げられてきたので、その辺はよく知られている。 本編は信長の行動を時系列で追うのではなく、彼の人生の目立つエピソードを、個別に挙げるという形で描かれている。言わば「映像詩」という味付けで呈示される。それは、上で書いたように織田信長の事績が有名であることも無関係ではないだろう。 若いころの「うつけ」ぶり、実父の葬式で抹香を投げつけた話、長槍の話、桶狭間の戦い、足利将軍・義昭を擁しての上洛、楽市楽座、安土城、姉川の合戦…

  • 「堤中納言物語」(坂田靖子):おちゃらけとギャグは違う(随想録―70)

    「堤中納言物語」(坂田靖子):おちゃらけとギャグは違う(随想録―70) 恒例になった「マンガ日本の古典」(中央公論新社)の評論。「堤中納言物語」は、平安後期の説話物語集。とくに『虫めづる姫君』で有名な説話集だ。この代表作は、「初めから」、読者を笑わせる意図を持っているので、ある意味作画はしやすいだろう。特に紹介はしない。 問題は、この作品以外のものである。『虫・・・』ほか11作品がフィーチャーされているが、読み進むにつれて私は読書意欲が減退していき、最後まで読めなかった。「恋」を描いて、「軽すぎる」のだ。また、平安期ぽい「うりざね顔」が多用されているのも気になった。 「うりざね顔」については、…

  • 「摂理」と旧「統一教会」:韓国発の邪教たち(随想録―69)

    「摂理」と旧「統一教会」:韓国発の邪教たち(随想録―69) 2022年末、「摂理」という宗教教団がマスコミを賑わせていた。正式名称「キリスト教福音宣教会」。1978年から鄭明析という男が布教を始めた、比較的新しいキリスト教系の新興宗教だ。よく似ていて、先輩格の統一教会は、すでに東京大学やら早稲田大学やらのエリート学生を歯牙に掛けていて、私と東京大学の同クラスの、東北出身の純真なクラスメートがこの団体の疑似サークルに入ってしまい、「この娑婆から」永遠に姿を消した。今はなにをしているのだろう。 韓国には、キリスト教が根付いている。それは意外なことのようにも思えるが、「儒教」の土台があって可能となっ…

  • 地方移住の若者たち:今こそその好機。(随想録―68)

    地方移住の若者たち:今こそその好機。(随想録―68) 会社のテレワークの昼休み、NHKを見ていたら「いいいじゅー!!」という帯番組を放送していた。私は、この番組自体は知っていたが、放送されるまま、ほとんど注意して見たことはなかった。だが、2022年11月28日、この日の放送は、マジに視聴した。 この日の主人公は、高給取りである外資系経営コンサルタントをやっていた男性で、魚、漁業への思いを募らせ、漁村に一家ともども移住した。ただ、この人、その漁村に係累があったわけではない。コンサルらしく、日本の各漁港の漁獲量、漁師の年収などを丹念に調べ、それだけでなく漁港の航空写真まで参照したという。それはどう…

  • マザー・グース (Mother Goose):ハンプティ・ダンプティの闇(随想録―67)

    マザー・グース (Mother Goose):ハンプティ・ダンプティの闇(随想録―67) マザー・グースは、主にイギリスで歌い継がれてきた童謡集です。「主に」というのは、「砂男」という幾分不気味な歌がマザー・グースにはあり、これがモチーフの怖い同名小説を、ドイツの小説家:E.T.A.ホフマンが書いていて、ヨーロッパ圏での、文化の共有を感じます。マザー・グース、フランス語で「マ・メール・ロア」:モーリス・ラヴェルがバレエ組曲を書いていますが、彼らしく、駄曲です。 私は、大学生時代の初期に、マザー・グースに興味を持ち、楽譜付きの本を買い求め、リコーダーで演奏してみつつ、どんな曲があるか、探ったこと…

  • 『和泉式部日記』:いがらしゆみこ~一人の人物の幻影に翻弄される男女(随想録―66)

    『和泉式部日記』:いがらしゆみこ~一人の人物の幻影に翻弄される男女(随想録―66) ここで言う男女、女はもちろん歌人・女官の和泉式部だが、男は敦道親王(帥宮:そちのみや)という、立派な皇子である。この一組の男女の「愛の贈答歌」で、物語が織りなされる。 (「マンガ日本の古典」シリーズ:中央公論新社の一分冊) ここに、この両者に縁の深い人物に、為導親王(弾正宮)がいる。この人は、和泉式部の以前の愛人で、この物語のなかではこの世の人ではない。そして、為導親王は、敦道親王の実兄である。兄の愛人だった和泉式部に興味を持った敦道親王は、思わせぶりに「橘:たちばな」の香る枝を和泉式部に贈る。ここから、10か…

  • 『奥の細道』~作画:矢口高雄(「マンガ日本の古典」):地元の強み(随想録―65)

    『奥の細道』~作画:矢口高雄(「マンガ日本の古典」):地元の強み(随想録―65) 『奥の細道』は、日本の古典の中でも、別して名高い。中学校でやる古文では、必ず取り上げられる作品であろう。もちろん、松尾芭蕉が訪問した東北地方の諸名所を俳句にし、俳諧という「面白み」だけが眼目だった文芸を、芸術の域にまで高めたという意味で、俳句の模範書であるとともに、日本の古典の白眉であろう。 ここに、つぎのような句を持ってこよう。: 涼しさを わが宿にして ねまるなり これは初夏、宿を借りて詠んだ句だが、ここに「ねまる」とは東北地方の方言で、「寝る」ということ。ただそれだけのことだが、矢口高雄に掛かると、大きな意…

  • 「ものくさ太郎」:やまだ紫~デフォルメの妙(随想録―64)

    「ものくさ太郎」:やまだ紫~デフォルメの妙(随想録―64) このマンガ作品は、女性マンガ家:やまだ紫が、中央公論社の「マンガ日本の古典」全32巻の一冊として任され、江戸時代初期のころの成立である説話集『御伽草子(おとぎぞうし)』の5、6話をマンガ化したものの一話である。この作品集には、「一寸法師」「鉢かつぎ」「酒呑童子」など、名だたる作品が多いが、やまだは見事にマンガ化している。(やまだは、エッセイッスト、詩人でもある。) なかでも、私が最も気に入ったのは、「ものくさ太郎」だ。怠け者で、貰って、転がったお握りさえ人に取ってもらおうとするほどの豪の者だ(ただし頭の回転は早い。)。この男、妻を欲し…

  • 「中間は呪いだ」:老子の言葉から考える(随想録―63)

    「中間は呪いだ」:老子の言葉から考える(随想録―63) 「中間は呪いだ」という言葉を読んだことがある。それは、私が東京大学理科1類に入学して、周囲のクラスメートたちに気おされ、また数学や物理学の難解さに怯み、「この進路は正しかったのか?」と考えていた頃、浄土宗に興味を持ち、それなりの真理を求めていた時に、この言葉に出会ったのだ。ちょっと弱気になっていたのね。 この「中間は呪いだ」という言葉、人間を上・中・下の3階級に分け、最上の者、最下位の者がいて、この上・下に挟まれた中くらいの者は、なまじ自分が中等度だと思っているがために、阿弥陀如来の救いからは遠い、ということであり、最下等の者は、自分が劣…

  • 「ビンクスの酒」~「One piece」の挿入歌の楽天性(随想録―62)

    「ビンクスの酒」~「One piece」の挿入歌の楽天性(随想録―62) 週刊少年ジャンプ最大のヒット作は、「ワンピース」と言って、間違いないでしょう。出版された単行本は、数億冊は売れているであろうし(正しくは日本国内で4億冊、海外で1億冊)作者の尾田栄一郎は、住民税のお得意様という意味で、地元自治体は、彼に引っ越してもらいたくはないでしょう。 かく言う私は、さほどこの作品は好きではなく、あるブロガーが「絵が嫌い」だと書いていたのを見て、なるほど、と納得したこともあります。確かに、このマンガの絵柄は、鳥山明のそれと違って、万人向きではありません。 ただ、近頃、Adoが歌うアニメの主題歌を聴いて…

  • ブルーな状態から抜け出せそうな夢(随想録―61)

    ブルーな状態から抜け出せそうな夢(随想録―61) 私は、人生の節目、節目において、「示唆的な」夢を見てきた。必死に解決を求めていた問題について、決定的な解決を与える夢。今回は、加齢のため加速度的に増えて行く体の各部の不調、社会生活上の不透明さが一気に襲ってきたという感じだ。正月3が日の3日目、雑煮の餅が余るのでそれまで3枚だった餅を4枚にしたため、結果として胃もたれし、当日はアルコールにすぐ酔い、翌日の会社の新年初出勤日4日に胃もたれが続き、5日には出勤1時間で早退、翌日は休業。何とも情けない次第だが、私の現状だった。絵に描いたブルー状態である。餅1枚だけで体調を崩すなんて! ハスカップそして…

  • タトゥー(Tattoo)とは何か?:それは「美しい」か?(随想録―60)

    タトゥー(Tattoo)とは何か?:それは「美しい」か?(随想録―60) 私は、大学でマンガクラブにいたことがあり、4編のマンガを描いたが、処女作は「キャンバス:Cand-vas」と言い、刺青(入れ墨:Tattoo)を主題にした作品だった。(以後、刺青、入れ墨、Tattooは、Tと略記する。)なにごとにも天才性を発揮した「布袋和尚:七福神の一人」は、ただ一つ、自分が太っていることに、大きな劣等感を持っていた。それを解消するべく、彼はその便々たる腹をキャンバスにして、「桜吹雪」のTを彫ったのだ。さて、どうなるか・・・と言ったマンガだったが、おおむねクラブ員に好評だった。 (この作品は、他の3作品…

  • 超訳とは何か?・・・そのまやかし (随想録―59)

    超訳とは何か?・・・そのまやかし (随想録―59) 以下は、2010年のウエブ上の記事。翻訳の仕方にも様々なものがある。 例えば原文に忠実に訳す「直訳」、原文の意味に捉われることなく意味を汲み取りながら翻訳する「意訳」などだ。 しかし、ここ最近、よく聞く言葉がある。「超訳」だ。 ディスカヴァー・トゥエンティワンから1月に出版された『超訳 ニーチェの言葉』(白取春彦/著)は発売1ヶ月で10万部を突破。ニーチェの思想をかいつまんで知ることが出来ると評判だ。他にもミシマ社から出版されている『超訳 古事記』(鎌田東二/著)や祥伝社新書の『超訳『資本論』』(的場昭弘/著)、など「超訳」という言葉にタイト…

  • 手塚治虫『火の鳥』と輪廻転生とオウム真理教(随想録―58)

    手塚治虫『火の鳥』と輪廻転生とオウム真理教(随想録―58) 「マンガの神様」・手塚治虫には、完成度が高く、その意味するところ深遠な作品が多数あるが、中でも「火の鳥」は、彼のライフワークである、との呼び声が高い。たしかに、私が小学校中学年だった1970年代には連載されていたし、彼が亡くなった1989年でも完結していなかった。 火の鳥・鳳凰編 この作品は連作であり、特に鼻が異常に大きなキャラクターが狂言回しのように各話に登場して、ゆるやかに各話を有機的に結び付ける。この人物は、輪廻転生(りんねてんしょう)を繰り返すのだ。そう、『火の鳥』は、「輪廻転生」こそが主人公なのだ。 なかでも印象に残るのは、…

  • 生命保険の論理:破綻するとしか思えぬが。(随想録―57)

    生命保険の論理:破綻するとしか思えぬが。(随想録―57) 私の亡父は、生命保険が好きで、本人と私の弟に、生命保険を掛けていた。(私には掛けていなかった。)中堅企業の工場長ということで、収入も多かったが、「もしも」の時への備えとして、生命保険に執着したのであろう。 ところで、生命保険とは、何なのだろう。平たく言えば、「生命(体)」を「金銭」と交換する金融商品なのだろう。命を金銭に変えるというのは、「(生命)保険殺人」の温床になるのは、周知の通りだ。 そして、父が認知症になり、見境いなく、スナック(ぞっこんになっていたママに貢いでいたのだ)通いの資金元としてサラ金に手をだすに及び、私は父の金銭管理…

  • 坂本龍一と“energy flow”:闘病生活をする彼に捧げる (随想録―56)

    坂本龍一と“energy flow”:闘病生活をする彼に捧げる (随想録―56) https://youtu.be/90zQT7FnQasenergy flow 私は、坂本龍一さんと出会い、大きな影響を受けた。専門の進路を変えてしまうくらいに。面識はないけど、100年の知己のような気がする。 iirei.hatenablog.com 以下、wikipediaより 『ウラBTTB』(ウラ・ビー・ティ・ティ・ビー)は、1999年5月26日にリリースされた坂本龍一のシングル。(3曲収められているが、そのうちの一曲:引用者注) 1999年3月から三共『リゲインEB錠』として使われた。放映開始当初は、ス…

  • 道路の植え込みの無残~土木事務所の怠慢 (随想録―55)

    道路の植え込みの無残~土木事務所の怠慢 (随想録―55) 群馬県太田市には、短い距離ながら片側2車線の、高速道路に似た仕様の道路がある。このような道路には、街路樹・植え込みが付随するのが普通だろう。草刈りが必須だ。ところが、4、5年まえに事務所は、ある施策を講じた。それは、植え込みに、2通りの改変をしたことだ。 それは、1つにはコンクリートで植え込みを蔽うことと、もう1つには植え込みをシートで被い、一部穴を空けて、匍匐性の植物だけを植えて、他の植物を排除することだ。 はっきり言って、どちらの手でも、野草(雑草)を完全には排除できなくて、いまや植え込みは、野草の楽園になっている。でも、「手を講じ…

  • 水は私達の体を巡って・支配する (随想録―54)

    水は私達の体を巡って・支配する (随想録―54) 2022年夏、ことしも我が家ではエアコンを購入せず、無しで過ごした。最高室内温度は35℃をピークにしたが、乗り切った。頼りは扇風機と、開けるだけ開いた窓からの外気のみ。我が家は室内温度が上がりにくい構造だとは言え、まあ、やせ我慢の類の行動だろう。 汗をかきながら、気づいたことがある。汗が皮膚の各部から滲みだし、皮膚をしっとり蔽う。この汗が蒸発する際、体から熱を奪い、結果涼しくなるということ、これを実感した。 でも、気になるのは、私くらいからの老人は、この発汗能力が衰え、高温に晒されることは、熱がストレートに体を襲い、生命の危機を考えなければなら…

  • 時差(標準時)の雑学+パンドラの箱(詩)(随想録―53)

    時差(標準時)の雑学+パンドラの箱(詩)(随想録―53) 地球は文字通り丸いので、自転するこの天体上の各国家は、時間の進み方が違います。ちょうど日付変更線は日本に近いので、日本の標準時がもっとも早く時間を刻みます。それを東京に採って、世界の主要な都市との標準時の比較をしてみます。(正確には、兵庫県明石市を通る東経135度です。) もっとも時差が大きい都市は、ロサンゼルス(USA)の16時間、ついでニューヨーク(USA)の13時間です。USA国内でも、3時間違うほど、時差があるわけです。ここいらは、日本から見て地球の裏側なので、当然、日本と昼と夜が逆転するわけです。 次に、時差の少ない都市からそ…

  • 松田聖子と中森明菜:山口百恵の後継者たる2人(随想録―52)

    松田聖子と中森明菜:山口百恵の後継者たる2人(随想録―52) 松田聖子の裏方たち: @作詞家 三浦徳子 明治学院大 松本隆 慶応大中退 @作曲家 財津和夫 西南学院大中退 佐野元春 立教大 タケカワユキヒデ 東京外語大 大瀧詠一 早稲田大中退 細野晴臣 立教大 松任谷由実 多摩美術大 土橋安騎夫 立教大 @編曲家 笹路正徳 慶応大 井上鑑 桐朋学園大(都立青山高卒) 松任谷正隆 慶応大 以上は、松田聖子の音楽作りにかかわった人たちです。出典はhttps://ameblo.jp/kyle100degrees/entry-12199404276.html:松田聖子シングル 作詞家・作曲家・編曲家の…

  • 各種事象における空と色:神秘主義の仮面を剥ぐ+ミサイル防衛の虚妄(随想録―51)

    各種事象における空と色:神秘主義の仮面を剥ぐ+ミサイル防衛の虚妄(随想録―51) 以前、このブログで仏教の「空」と道家の「無」の比較をしましたが、ここではもう一段認識を深めて、これら抽象的・神秘主義的な仮面を剥がしてみようと思います。 iirei.hatenablog.com iirei.hatenablog.com 一覧表を見れば、解るかと思いますが、まずは人間(生き物全般でもある)の2大本能、食欲と性欲について。食について、「お腹の減っている状態」は、「即」です。テーブルの上の料理に「即:食らいつく」状態です。食欲に、全面的に縛りつけられています。そして、その本能に従い、「食べて食べて」、…

  • 女にとって、男はユートピアだ(彼と彼女のソネット:大貫妙子)随想録―50

    女にとって、男はユートピアだ(彼と彼女のソネット:大貫妙子)随想録―50 芥川龍之介は、警句集『侏儒の言葉:しゅじゅのことば』の中で、いわゆる「ユートピア:理想郷」について、数学の証明のような分析を行っている。「ユートピアを実現するためには、人間性を変えなければならない。人間性を変えると、それまでユートピアと思われていたものは、ユートピアではなくなる。」・・・つまり、ユートピアとは「蜃気楼」のような物、あるいは「逃げ水」のような物で、これら「光のいたずら」の現象のようなものがユートピアなのだろう。人は、そこには決して到達できない。 さて、最近は「シティ・ポップ」の担い手の一人として、アメリカな…

  • 「マンガ日本の古典全32巻」(源氏物語):中央公論社の転身+中国を叱る(随想録―49)

    「マンガ日本の古典全32巻」(源氏物語):中央公論社の転身+中国を叱る(随想録―49) 隔世の観がある。以前「中央公論社」と言えば、押しも押されもせぬ大出版社だった。若い頃、左翼青年でもあった、読売新聞社の主筆:渡邉 恒雄さんが、中央公論の入社試験に落ち、さすがに思いは残っただろうが、後年、中央公論社が経営危機に落ち込み、あわや倒産の事態になった時、渡邉氏は、中央公論に救いの手を差し伸べ、危機を救った。まあ、それ以後「中央公論新社」と社名をちょっと変え、いまでも存続しているのだ。 その中央公論新社の「ドル箱」になっているのが、このブログで取り上げる、表題のシリーズだ。このような叢書は、他にも手…

  • 犬の威厳、猫の愛嬌~両者の違い(随想録―48)

    犬の威厳、猫の愛嬌~両者の違い(随想録―48) 世は挙げて「猫ブーム」だ。日本のペットの飼育頭数で、犬を抜いて猫がトップになってから久しい。ネット空間で言っても、猫の話題には事欠かず、溢れんばかりだ。私がやっている「tumblr.」(タンブラー)でもそうだし、一度悪く書いたことを理由にし、私のユーザー登録を拒否したらしい「instagram」(インスタグラム)では、たぶんその傾向はいっそう強いだろう。女性投稿者が全体の7、8割を占めるインスタグラムでは「猫の画像、動画」が記事の多くを占めることも想像に難くない。「なに、この猫、かーわいい!!」と言った言葉がやり取りされていると見てよい。 さて、…

  • 太平洋戦争当時の帝国職業軍人は官僚と化していた。+日本人と宗教(随想録―47)

    太平洋戦争当時の帝国職業軍人は官僚と化していた。+日本人と宗教(随想録―47) 東条英機にもっとも典型的に見られるのだが、当時の軍人は、「軍人にあらずして、官僚だった」と言えよう。東条は細かな陸軍の細則には精通していたが、発想力に乏しく、教条的な行動を旨としていた。この男、精神論は大好きで、軍がOR(オペレーショナル・リサーチ)を研究する部門に視察に訪れたのだが、翌日にはこの研究部門を廃止した。まさに、この実戦的な部門の領域の軽視が、アメリカ軍の絶対優位を招いたのだ。アメリカ軍には精神主義は通用しなかったのだ。官僚のような軍人が戦に勝てるわけがない。 このような傾向は、海軍でも見られ、山本五十…

  • 赤バジルとその栽培法・利用法(随想録―番外編)

    赤バジルとその栽培法・利用法(随想録―番外編) @イタリアンが好きな女性であれば、パスタやピザに不可欠なバジル(ハーブの王とも言われます)を知っているでしょう。ところで、日本食には欠かせないシソと、イタリアンのバジルは、同じヒマラヤ山脈の山麓が原産地で、西に伝わったのがバジル、東に伝わったのがシソです。 (2022.07.09)そして、面白いことに、バジルもシソも、青葉種と赤葉種を持っています。赤シソにあたるのが赤バジルです。たぶん、普通の女性は、そこまでの知識を持たないでしょうから、利用法を知れば、購買意欲が湧くでしょうね。 赤バジルは1年草ですので、毎年種を蒔くことができます。私はポリポッ…

  • 『魔入りました!入間くん』(マンガ、アニメ)の魅力+雲南百薬(随想録―46)

    『魔入りました!入間くん』(マンガ、アニメ)の魅力+雲南百薬(随想録―46) アニメは、NHK・Eテレで断続的に放映されている。教育的かどうかは解らぬが。設定がスゴイ。まさしく悪魔のような両親に振り回されたあげく、大悪魔:サリバンに売り渡された主人公:鈴木入間(すずき・いるま、当時14歳)。よほどひどい目に会わされるかと思いきや、サリバンは入間にかしづくかのように接し(むしろ溺愛)、悪魔の子供たちが学ぶ魔界学校:バビルスに通うようになる。そして、彼はバビルスで青春を謳歌する。 悪魔とは言え、その有様は人間の世界と同様だ。期末テストもあれば、学園祭もある。悪魔にも性別があるので、若い身空の恋愛感…

  • 「天は足りすぎる者から奪い、足らざる者に与える」(老子)+筋トレ(随想録―45)

    「天は足りすぎる者から奪い、足らざる者に与える」(老子)+筋トレ(随想録―45) これは、『老子』の言葉ですが、こう続きます・・・「しかし、人は違う。人は足らざる者から奪い、足りすぎる者に与える・・・これは天の道ではない」、と。この言葉、現代の世界を蔽う、忌まわしい新自由主義のことではなく、金持ちたちが跳梁跋扈した古代中国を、老子が観測した結果、吐いた言葉なのです。 如何にも人類が科学技術を発展させても、その果実が金持ちに集中する有様は、古今東西変わらないのです。マルクスも、現代のトマ・ピケティも同じ真理を伝えているのですね。でも変わらない。人の営みは変わらない。 ところで、人に大きな被害を与…

  • 大河ドラマは、「人を描く」作品群だったはず(随想録―44)

    大河ドラマは、「人を描く」作品群だったはず(随想録―44) 我が家の場合、よくNHK大河ドラマは観ていたが、「いだてん」以降のものは観ていない。詰まらないからだ。私は思うのだが、大河ドラマの出来のいい作品は見事に、「人」を書ききっていた。そんな作品として最後の光芒を放ったのが「葵―徳川三代」(2000年放映)だったと思う。ここで描かれていたのが、怜悧で優れた父:徳川家康と、跡取りとしては心許ない子:徳川秀忠の愛と葛藤の物語が展開されていた。ちょうど、中国・漢の歴史家:司馬遷の『史記』のような視点と言ったらよいのかな。 『史記』の場合、時代を描くつもりで書かれたのではあるまい。司馬遷は人間を書き…

  • コロナ禍と私の基礎体温(随想録―番外編)

    コロナ禍と私の基礎体温(随想録―番外編) コロナ禍がかまびすしくなった2020年の秋頃から、私の会社では朝の出社前の体温測定が義務付けられた。そして2020年9月から2022年9月までの毎日のデータが揃った。(測定は現在も続けられているが)、この2年間の体温データから、私個人について読み取れたことを記す。 データは、各月から3個のデータを代表させ(各月5日、15日、30日あたりの3データ)、グラフにする。グラフで特徴的なのは、2021年8月のデータがひときわ高く、このピークでグラフが2分割されること。 その2区間では、はっきり基礎体温が違っていることがわかる。前半は、おおむね35.4℃、後半が…

  • 「ドクターG」である軍医と防衛医科大学校(随想録―43)

    「ドクターG」である軍医と防衛医科大学校(随想録―43) 私は、受験生の頃、複数の医学部(3校)を受験したが、1校だけ落ち、防衛医科大学校の場合学科試験に合格し、あとは裸にされ、睾丸(こうがん)を調べられるという2次試験を受ける気がせず、それはパスした。十分に学力は認められたという形だ。 このときの数学の問題は極めて難しく、数学に、腕に覚えのあった私も、歯が立たなかった。他の科目で評価されたのだろう。東京大学理科1類の新入同級生同士で話したところ、彼も防衛医科大学校を受験し、2次もパスしたそうで(!!睾丸を見せたわけだな!!)、数学がけた違いに難しかったということでは合意した。彼は後、理学部数…

  • 水の浄め(きよめ)と火の穢れ(けがれ):『塩の民俗学』から(随想録―42)

    水の浄め(きよめ)と火の穢れ(けがれ):『塩の民俗学』から(随想録―42) そもそも『塩の民俗学』の著者の亀井地歩子さんは新潟県糸魚川地方と長野県の松本地方を結んだ塩の道を調べていたそうですが、専売公社が扱う精製塩が自然塩とは異なり、いわゆるニガリ成分を除去してしまっているので、将来の日本人に悪い影響があるに違いない、との確信を持つ「自然塩普及協会」の武知国夫さんと知り合う機会があり、この本の執筆に繋がったそうです。(東京書籍:1979年初版) 塩はまずもって、「聖なる物」と見なされます。その防腐力、殺菌力は古くから認識されていて、浄め(清め)の塩といって、葬式があった時には死者の穢れを除去す…

  • 愛校心・愛郷心・愛国心:世の乱れの元(随想録―41)

    愛校心・愛郷心・愛国心:世の乱れの元(随想録―41) どんな人にもたぶん「母校」と言えるものがあるでしょう。英語でalma mater (アルマ・マター)と言います。「母なる」という意味を含むので、この感じはもしかして万国共通のものであるかも知れません。なお、この言葉には「校歌」という意味もあるようです。 私は幼馴染(おさななじみ)に、私が東京大学に現役で入学して、彼が翌年一浪して立教大学に入学してから、1年ぶりくらいに再会しました。その際、彼は東京六大学野球のファンになっており、私にも、試合の観戦を勧めましたが、私はどうにも興味が抱けず、その話はそれっきりになりました。 私にとって、東大野球…

  • 「自己否定呪文」:ドラゴンクエストのパロディ(随想録―40)

    「自己否定呪文」:ドラゴンクエストのパロディ(随想録―40) むかしのマンガで、アニメ化もされた『ドラゴンクエスト・ダイの大冒険』は傑作だった。私的には週刊少年ジャンプでも、歴代5本の指に入ると考えている。以下のURLは。この作品(および原点のゲーム)の「呪文」と、現代の兵器との共通点を考えてみたものである。 ドラゴンクエスト ダイの大冒険 11 DRAGON QUEST―ダイの大冒険― (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:三条陸,稲田浩司,堀井雄二集英社Amazon iirei.hatenablog.com ここでは、「メガンテ」(自己犠牲呪文)について書いてみる。この呪文は、「自分の…

  • 晏嬰(あんえい)と孔子:日本人はあまり知らない古代中国の政治家(随想録―39)

    晏嬰(あんえい)と孔子:日本人はあまり知らない古代中国の政治家(随想録―39) 晏嬰(尊称:晏子)は、古代中国の政治家として有名でした。もっとも、日本人には馴染みが薄いでしょう。ここで、彼について調べてみます。以後、広辞苑第6版より 晏子(一~四)合本版(新潮文庫)作者:宮城谷昌光新潮社Amazon晏子春秋〈上〉 (新編漢文選 思想・歴史シリーズ)作者:谷中 信一明治書院Amazon @あん‐えい【晏嬰】 春秋時代、斉の大夫。字は仲(俗に平仲)。霊公・荘公・景公に仕え、晋の叔向しゅっきょう、鄭の子産らと並んで賢人宰相とされる。晏子。(~前500) 晏子は、孔子について、「国家管理上危険な存在」…

  • 大量生産と大量消費の悪徳:人類はどこで道を間違えたのか?(随想録―38)

    大量生産と大量消費の悪徳:人類はどこで道を間違えたのか?(随想録―38) 大量生産、大量消費の現在の世界の共通な美徳、それは本当に美徳なのでしょうか?たぶんそれはイギリスではじまった産業革命あたりに源があるように思います。広辞苑(第6版)によるとさんぎょう‐かくめい【産業革命】(industrial revolution)産業の技術的基礎が一変し、小さな手工業的な作業場に代わって機械設備による大工場が成立し、社会構造が根本的に変化すること。これにより近代資本主義経済が確立。1760年代のイギリスに始まり、1830年代以降、欧州諸国に波及。なお、革命と呼べるほどの大変化があったか否かについて論争…

  • 安倍晋三元首相の「国葬」:ひろく葬式について考える(随想録―番外編)

    安倍晋三元首相の「国葬」:ひろく葬式について考える(随想録―番外編) 安倍晋三が、生前行なっていた悪行の数々を考えると、彼に「国葬」を報いるのは、どうかとも思うし、安倍を暗殺した山上徹也に拍手を送りたいくらいだ。だいたい、モリ・カケ・サクラ問題などで、彼が国会答弁でついた嘘は100数回に上るというから、いかに安倍が国会・国民に不誠実に向き合ったかが解ろうもの。ましてや、まやかしでしかない「アベノミクス」で日本の国力をいかに削いだか、計算もしようがない。 ボブ・マーリー(wiki:1980年) さて、たいていの国は、国葬と言えば「政治家」「軍人」を対象にすることが圧倒的に多い。日本はもちろんそう…

  • 乾歌(個体)と坤歌(液体):ほとんど全ての楽曲を選り分ける(随想録―37)

    乾歌(個体)と坤歌(液体):ほとんど全ての楽曲を選り分ける(随想録―37) 易経(えききょう:中国の占術書&哲学書)に関連して、「乾坤一擲」(けんこんいってき)という言葉があります。乾(けん)は、男・父・大空を意味し、坤(こん)は女・母・大地を意味していて、乾坤一擲は、世界・天地すべてを投げうって行う大勝負という意味になります。この乾・坤2つで、おおくの楽曲が分類できると思いますので、以下考察してみます。 まず、乾歌は、絶対的に「個人:固い個体のような」歌です。「そんな歌があるのか?」と思われるなら、それは普通の反応です。こんな歌はどうでしょう?「♪ヴィデオを観ているお前、お前だよ!お前は、こ…

  • 蛇と目が合う(詩)+K-popはJ-popより将来性があると思う(随想録―36)

    蛇と目が合う(詩) 1989年に、下仁田町、群馬県、日本で、私は梅摘みの手伝いで 梅の木に登って 梅を取っていた。女性たちは木の下でたくさん梅を摘み、 男性たちは木に登って少ない梅を摘んだ。その時ふと、私は1匹の蛇と目が合った。 蛇は驚いたような視線を私に投げかけ、 私たちはしばし見つめあった。大人たちは蛇に気づき、 その場から追い出した。 (2022。08.04) K-popはJ-popより将来性があると思う ここ最近、韓国人がアイディアを出して結成された「NiziU」(ニージュー)という日本の女の子9人で構成されるユニットの、「Chopstick」(箸)という曲と、韓国の女の子9人で結成さ…

  • ややこしいと言う形容詞の語源+ロシア、トランプ(随想録―35)

    ややこしいと言う形容詞の語源+ロシア、トランプ(随想録―35) ふと、思いついたことですが、「ややこしい」という形容詞、「ややこ」(関西で良く使う)=「幼児」から来た派生語かと思いました。「ややこ」の面倒を見るのは大変で難儀なので、「ややこ+しい」で、煩わしいこと、こまごまとしたことを意味するのでは、と考えたわけです。 あかちゃん(wikipedia) 以上の考察を確かめるため、色々なサイトを見ましたが、「こじつけ」とするサイトが多かったですね。ただ、この説を支持するものもあり、それを持ってくると~「ややこしい」は「嬰児(ややこ)」を形容詞にしたもの~ 難しい話題で理屈っぽく会話していると「な…

  • 「歴史を学ぶこととは、人を知ることだよ。」徳川家康を例にして(随想録―34)

    「歴史を学ぶこととは、人を知ることだよ。」徳川家康を例にして(随想録―34) 若い女性と話していたら「私,歴史は嫌い」と言っていたのを受け、話したのが表題の文言です。普通中高では、日本史にせよ世界史にせよ、授業内容になっていますね。人名を覚えるのが難しいとか、年号を覚えるのが面倒だ、と、特に年号丸暗記の、生徒に与える負担は大きいと思われます。 こんな事態になるのは、歴史上の人物を並列的に、総花的に「軽重の差もなく」取り上げることに原因があると思います。歴史上の人物において、さして重要でない人も、超重要な人も取り上げて、それぞれに年号を付すわけですから、生徒が悲鳴をあげるのも当然だと思います。 …

  • 野村萬斎の「オイディプス王」のDVDを見た(随想録―33)

    野村萬斎の「オイディプス王」のDVDを見た(随想録―33) 狂言師、野村萬斎は天才といっても良いだろう。本業をベースにして、あらゆる「舞台」の可能性を探るスタンスは清々しい。そして、以前から観たかった「オイディプス王」DVDを安く(半額で)入手できたので、鑑賞した。野村に加え、麻実れい、吉田鋼太郎、山谷初男などの実力派俳優が脇を固め、間然とすることのない2時間半だった。(ちなみに演出は蜷川幸雄、音楽は東儀秀樹。) (アテネ公演をしたそうだ。) そもそも、「オイディプス王」と言うのは、ギリシャ悲劇の最高峰であり、シェイクスピアの4大悲劇も軽く凌駕する、まさしく人類の宝である。その詳しい内容は、下…

  • ハムレット(シェイクスピア4大悲劇の1つ)は駄作だ。(随想録―32)

    ハムレット(シェイクスピア4大悲劇の1つ)は駄作だ。(随想録―32) 私が大学に入学したとき、英語の授業で「ハムレット」を学習した。シェイクスピアの悲劇のなかでも特に有名で、「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」という有名な言葉で知られる。 英語では“To be ,or not to be” だが、これを小田島雄二さんはこう訳した――「このままで良いのか、良くないのか、それが問題だ」と。これはある意味名訳で、ハムレットという劇の本質に迫るものである。 ざっくり言えば、主人公のハムレットは「優柔不断」である。叔父が父王を毒殺したことを、父の霊から聞いても、「もっと証拠を、」と考えて、なかなか復…

  • 仙豆(ドラゴンボールに出てくる)を作ろう!(随想録―番外編)

    仙豆(ドラゴンボールに出てくる)を作ろう!(随想録―番外編) 以下、ブログ友達Dさんとのコメントのやり取り。(Mは私) M: 昨日野菜無人販売所で2株まるごと買った枝豆を、「ドラゴンボール」に出てきた「仙豆」にしようと思い、まず鞘ごとゆでた枝豆をしごいて中身を出し、フライパンでごま油と炒め、塩、XO醤を加え、最後に例の「五行酒」を料理酒として注ぎ、仙豆の完成。薬効があるよ! いっぽう、アルコールとちょっとばかりの香り成分だけの焼酎では、すべて飛んでしまって、仙豆はできないでしょう。――参りましたか? D: Mさん 仙豆ですね(笑) やじろべえがいつも届けてくれるやつですね。 作ろうなんて思った…

  • 張良と陳平:漢の高祖(劉邦)を支えた2人の軍師(随想録―31)

    張良と陳平:漢の高祖(劉邦)を支えた2人の軍師(随想録―31) かなりレベルの高い歴史小説を書いた司馬遼太郎さんの『項羽と劉邦』では、主役の2人の人物造形が的確で、項羽は勇猛・果断でとにかく戦のプランとか実行力に長け、一人で戦争を遂行できる体の武将でした。貴族の出。もっとも項羽には優れた軍師:范増(はんぞう)がいました。一方の劉邦は、「大きな穴」のような人で、ひとりではなにも出来ない木偶の坊(でくのぼう)です。たんなる平民。でも不思議な人徳があり、周囲に優秀な人材が集まる人でした。秦の始皇帝を暗殺しようとして失敗して逃げてきた人がいたり、項羽のところから、「ここでは芽が出ない」と鞍替えした者も…

  • おかしなコトワザ集~石の上にも三日坊主(随想録―30)

    おかしなコトワザ集~石の上にも三日坊主(随想録―30) 人口に膾炙したコトワザを、少々捻ってみました。 @スズメの目にも涙 「スズメの涙」+「鬼の目にも涙」 @石の上にも三日坊主 「石の上にも三年」+「三日坊主」 @大山鳴動して龍一匹 「大山鳴動して鼠一匹」、ネズミと対照的な強い動物を持ってきました。 @猫に甘鯛(グジ) 「猫に小判」+「猫にカツオ節」、甘鯛は超高級魚。 @寝た子を永眠させる 「寝た子を起こす」、恐ろしいシチュエーションだが、ほんとに実行する親もいる @見ざる、言わざる、聞かざるも木から落ちる 日光の東照宮の彫刻と「猿も木から落ちる」 (2022.04.29) 今日の詩(2編)…

  • インド人は、召使いにしかなれない(随想録―29)

    インド人は、召使いにしかなれない(随想録―29) 私のブログ友達の論調として、インド人は非常に優れている、日本は彼らの後塵を仰ぐことになるだろう、という命題があります。確かに理数系では、インド人が2ケタの掛け算九九をマスターしている、これは大きな資質である、と言われます。 それなら、と数学におけるノーベル賞である、フィールズ賞でも、インド人の受賞者は多いのだろうね、とwikipediaを調べてみたところ、インド人受賞者は0人でした!!・・・(ちなみに中国人も0人、最多はアメリカ人、フランス人の13人、日本人3人です)「学問の女王」数学では、インド人には取り柄がありません。インド系外国人とかには…

  • 「動画」全盛時代の盲点(随想録―28)

    「動画」全盛時代の盲点(随想録―28) 以前、知り合いに電話したところ、「ユーチューブ」上にあった動画(3歳児が初めてダンスを踊った映像)が見られなくなった、と嘆いていた。たぶん、彼はこの動画を繰り返し何度も視聴したのだろう。ちなみに彼は「ブログは解らない」とも言っていた。 なんとも知的レベルが低い人ではあった。・・・まあ、卵が先か、鶏が先か、なのだが、解りやすい動画によってユーザーがバカになるのか、ユーザーのレベルが動画を愚劣にしてしまうのか。まあ、両方だろう。 映像は解りやすい。文字であれば多くの字数を要する事態でも、たった一瞥するだけで全て(?)飲み込める。これはマンガの1コマ(画像)で…

  • 素人の怖さ:マルクスと空海を評価すると(随想録―27)

    素人の怖さ:マルクスと空海を評価すると(随想録―27) むかし、評論家の呉智英(くれ・ともふさ)さんが書いていましたが、左翼系の論客:吉本隆明さんは、ほかの左翼系論客を論破しまくったと。呉さんが書くに、吉本さんは、マルクス主義の「神学的体系」をこれっぽっちも信じておらず、むしろその「信者」がバカに見えたというのですね。「神学」は、信者にとってのみ意味があるもので、信者でない素人には無意味であったというわけです。マルクス主義は、宗教だったのです。 さて、日本の「宗教的巨人」:空海と、彼が導入した曼荼羅(まんだら)を問題にしましょう。曼荼羅には2種類ありますが、正方形型に区切られた平面があり、それ…

  • 1人の粗暴犯の逃走は災害並みのインパクトを持つ(随想録―26)

    1人の粗暴犯の逃走は災害並みのインパクトを持つ(随想録―26) 思い返せば、2019年5月、6月は公然と粗暴な犯罪を犯す人物が輩出して、いかにも物騒な世の中になった観があります。神奈川県川崎市で、スクールバスを待つ小学生とその保護者たちを柳葉包丁で襲い、20名を殺傷、うち2名の命を奪い、勝手に自殺した岩崎隆一、大阪府吹田市で3名いた警官のうち2人を呼び出し、残った1人を狙い、包丁で刺して重傷を負わせ、拳銃を奪って逃げた飯森裕次郎、神奈川県愛川町で、保釈中に検察関係者を振り切り、包丁を持って逃げた犯罪の見本市:小林誠・・・あまりに多士済々で枚挙に遑がありません。 通常災害というのは、人間の側にも…

  • 竹里館(王維):1000年早かった象徴詩(随想録―25)

    竹里館(王維):1000年早かった象徴詩(随想録―25) 盛唐の詩人のひとり、王維(おうい)は、李白が「詩仙」、杜甫が「詩聖」と呼ばれたのと同じく、「詩仏」と称され、李白、杜甫とならぶ大詩人でした。ここに「竹里館」という詩を見てみましょう。 竹里館 獨り坐す 幽篁の裏 琴を彈き 復張嘯 深林 人知らず 明月 來って相照らす この呼吸、時代を超えると思います。私は19世紀から20世紀にかけての、フランス象徴詩とそれを担った詩人たち・・・ボードレール、ランボー、ヴァレリーたちを世界最高水準のものである、と私は断言して恥じるところはありませんが、この王維の「竹里館」は、間違いなくその水準に達している…

  • 私の師(師の中の師):「師」とは「先生」のこと。(随想録―24)

    私の師(師の中の師):「師」とは「先生」のこと。(随想録―24) 環境問題を専攻した私には、師と呼べる人たちが多くいた。真っ先には、宇井純さん(助手)、卒論指導教官だった中西準子(助手)さんが思い出されるし、都市工学の秘奥を教えて下さり、また、私の卒論審査の際、不当にも、あやうく不可にされそうになった際、弁護してくださった森村道美助教授には、巨大な恩義を受けた。 でも、よく考えてみると、私の自主講座の同僚だった男にも、極めて大きな恩義を受けたことを思いだした。彼(K)は、アイディアマンで、実務は苦手だったが、当時の私はアイディアの浮かべ方も知らず、実務を分担することで彼と二人三脚をしていた。 …

  • DNAと原形質:男と女、どっちの情報が子に多く伝わるか?+メビウス(随想録―23)

    DNAと原形質:男と女、どっちの情報が子に多く伝わるか? 「それは、対等に伝わるんじゃない?」・・・DNAで言えばその通りですが、実際は、女(母親)からの方が多く伝わるのです。父からの精子が卵子の外壁を破って進入して、精子がわずかに持っていた原形質(ミトコンドリアなど)は、卵子のなかで排除され、消えてなくなるという作用が起き、母由来の原形質だけが、子に伝わるのです。 原形質・・・細胞の本体で、ミトコンドリア、ゴルジ体などの集合体のことですが、この雑多な遺伝子情報の働きは、DNA研究の陰で、未知の分野だと思います。ミトコンドリアは、もともと宿主の細胞に寄生する小生物だったのが、取り込まれ、細胞の…

  • 女性をショーケースに入れる:NiziU(ニージュー)の盲点(随想録―22)

    女性をショーケースに入れる:NiziU(ニージュー)の盲点(随想録―22) これまで、何回か日本人女性9人組のユニット:NiziUを取りあげて来たが、今回は彼女らにまつわるマイナスの局面を書こうと思う。彼女たちは、「作られた」アイドルグループである。公募によって選抜されたからというのもある。まあ、オーディションの一種だとすればAKB48(その他秋元康印の音楽的にはつまらぬ雑多なグループたち)などもそうだし、言ってみればそれまでのことだが、特にNiziUの「Chopstick」のジャケットに本質的に見られることがある。「U」の字が、9つの区分に分かれていて、それぞれの区画に、「一人ずつ、女の子が…

  • 「ためになる」と「ためにする」(随想録―21)

    「ためになる」と「ためにする」(随想録―21) 私は、「また、ためになるお話を聞かせてください」、と言われると、身構えるほうです。あんまりこの表現が好きではないのです。先方に悪気はなくても、先方への気持ちは萎えるという傾向があります。なんだか小馬鹿にされたようでね。 ためになる:「自分にとって有益だ、得るものがあるといった意味の表現。知識が得られるという意味合いで用いられることが多い。」https://www.weblio.jp/content/%E7%82%BA%E3%81%AB+%E3%81%AA%E3%82%8B 一方、「ためにする」という言葉は、はっきり悪い意味でのみ使われます。 ため…

  • 『魔入りました!入間くん』(マンガ、アニメ)の魅力(随想録―20)

    『魔入りました!入間くん』(マンガ、アニメ)の魅力(随想録―20) アニメは、NHK・Eテレで断続的に放映されている。教育的かどうかは解らぬが。設定がスゴイ。まさしく悪魔のような両親に振り回されたあげく、大悪魔:サリバンに売り渡された主人公:鈴木入間(すずき・いるま、当時14歳)。よほどひどい目に会わされるかと思いきや、サリバンは入間にかしづくかのように接し(むしろ溺愛)、悪魔の子供たちが学ぶ魔界学校:バビルスに通うようにする。そして、彼、入間はバビルスで青春を謳歌する。 (青い制服姿のが入間) 悪魔とは言え、その有様は人間の世界と同様だ。期末テストもあれば、部活動、学園祭もある。悪魔にも性別…

  • 「お酢」は全てを解決するか?日本愛酢党はどうなった??(随想録―19)

    「お酢」は全てを解決するか?日本愛酢党はどうなった??(随想録―19) 一昔前の日本の総選挙は面白かった。奇想天外なミニ政党が次々と候補を出し、NHKの場でその「持論」(=お笑い)を披露したのだ。なかでも、「日本愛酢党」は傑作で、政策として「酢をもっと飲みましょう」ということのみ「公約」していた。また、この党の代表は、彼が酢に付いての一般的知識しか持ち合わせなかったのに、ある人から「これは、ノーベル賞が取れるよ」と言われ、その気になっていた。言う方も、それを聞いて喜ぶ方もどうかしていた。 それはさておき、私の地元では、変わった材料を使用して作った酢を販売する店が出来た。だいたい果物を用いた果実…

  • 「玄武」をイメージトレーニングしよう!+リトープスの脱皮(随想録―18)

    「玄武」をイメージトレーニングしよう! 中国でいう東西南北の四方を守る四神(ししん)のうち、北方を守る動物神を「玄武:げんぶ」という。この神は、蛇と亀の二体が合体した姿をしている。まあ、夫婦神だな。ほかの神:青龍、朱雀、白虎は一匹単独であるから、例外的だ。そして、玄武は攻防一体、四神で最強と言われる。(四神は、よく古墳の主の部屋に描かれる。) では、蛇と亀、性別は?・・・蛇は攻撃的であるから、オスで、亀は防御的であるから、メスである、とは言えそうだ。では、見方を変えてみよう。オスの生殖器には「亀@」(自粛)がついているので亀はオスの生殖器で、ぐるぐる巻きにする蛇はメスの生殖器を意味するであろう…

  • ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17)

    ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17) 主に戦争用語として使われる経験則に「ランチェスターの法則」というのがある。2つのシチュエーションから成っていて、大きな規模の攻撃が行なわれる戦争の第1ステージには、優勢な勢力は快進撃を行なう(第1法則)が、市街戦などに舞台が移ると、勢力が均衡し、戦争は長引く(第2法則)というのがこの法則の意味だ。 ロシアがウクライナに仕掛けたこの戦争は、今まさに第2法則が支配している。これはむしろウクライナのほうが有利な状況になっている。ウクライナ軍は、戦意旺盛で、戦争に嫌気がさしてきてきたロシア軍将兵に反撃する態勢になっている。むしろウクライナ人の…

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