タズー惑星の地下鉄~コリン・キャップ
「埋もれた秀作をふたたび世に出したい」宇宙探査SF傑作選「星、はるか遠く」(創元SF文庫)の巻末解説で、編者の中村融氏が語る、アンソロジーを手掛ける際のコンセプトです。私も、SFマガジンなどに訳載されたきりで、忘却されるのは惜しいなあと思う作品を紹介するのは楽しいですね。こういう作品は、マイナーな作家のものが多いのですが、この傑作選に拾われた、コリン・キャップの「タズー惑星の地下鉄」は、まさに中村氏のコンセプトにドンピシャの快作です。赤色光に照らされ、見た目もおどろおどろしい惑星タズーは、大量の強酸類を含む大気が荒れ狂い、砂漠の砂とあいまって、あらゆるものが腐食・摩耗から逃れられない、まるで地獄のような世界です。ところが、こんな惑星に、200万年前には、宇宙への進出を図っていたほどの知的種族が存在しており...タズー惑星の地下鉄~コリン・キャップ
2024/09/30 22:09