般若経典のエッセンスを語る45 ――すべての人が真理を学び覚る世界にしたい
第二十六願は「楽無上大乗(ぎょうむじょうだいじょう)の願」という。自分だけでなくすべての人、そして人だけでなく生きとし生けるものすべての救いを目指す人々を「菩薩大士」といい、そうした菩薩の集まりを「大乗」という。「楽」は「らく」ではなく「ぎょう」と読み「望む」という意味である。菩薩は自分だけでなくすべての人が大乗仏教を望み志すようにしてあげたい、と願うのである。第二十七願は「遠離増上漫結(おんりぞうじょうまんけつ)の願」である。ところが、少し修行し特殊な体験をしたからからといって、究極の覚りに到っていないのに到ったと思い込み、途中でいい気になることを「増上慢」という。「結」は思い込み・煩悩といった意味で、自分にも他者にもさまざまな問題をもたらす。しかし、いわゆる教祖や高僧には、そうした増上慢の人が少なくな...般若経典のエッセンスを語る45――すべての人が真理を学び覚る世界にしたい
2022/10/31 19:01