「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」~静謐に死と向き合う傑作
先日亡くなった母は「尊厳死協会」の会員だった。生前「胃瘻のような延命処置はしなくていい」と語り、その旨を俺も伝えていたから、老人ホームの関係者は適切に看取ってくれた。尊厳死は安楽死ではない。映画「ロスト・ケア」でも提示されていたが、<安楽死=殺人>で処置を施した者は罪に問われる。安楽死を背景に据えた「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」(2024年、ペドロ・アルモドバル監督)を新宿ピカデリーで見た。スペイン・アメリカ合作で、舞台はニューヨーク。アルモドバル監督が初めて英語を用いた作品である。「アタメ」、「オール・アバウト・マイ・マザー」、「トーク・トゥ・ハー」とブログを始めた04年以前の作品は観賞していたが、以降はご無沙汰になる。スクリーンで接するのは「パラレル・マザー」以来、約2年3カ月ぶりだった。同性愛者であ...「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」~静謐に死と向き合う傑作
2025/02/24 22:28