営業の仕事の帰り、電車を待っていると、一匹の蛍がやってきた。近くにいた少年が、「あっ蛍だ!」と叫んで、捕まえようとしている。白線を飛び越えようとしたら、隣にいた母親が「危ないからやめとき。」と少年の腕を捕まえていた。周りも暗くなり、蛍の光が余計に輝いている。私は、一時蛍の姿を追いかけるように見ていた。そー言えば、子供の頃は、田舎に住んでいる事もあって、蛍がたくさんいた。おかっぱ頭のちえちゃんは、元気だろうか。ちえちゃんは、近所に住んでいる女の子で、よく蛍を手で捕まえて、私に見せて笑っていた。私の方が「気持ち悪い。」と言って、拒否していた。ちえちゃんは、ある時、父親が転勤の為に転校していった。転校していく夜、寂しくなると私が呟くと、ちえちゃんも涙を浮かべていた。土手から見える蛍の光が一匹から数百匹に増えて、ちえち...9.蛍
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