6.祭りのあと
花火の賑やかさも落ち着き、屋台の人たちも暖簾を下ろしたり、後片付けをしている。生暖かい風が吹いて、祭りのあとって、いつも切なくなってしまう。ヨウコを探していると、サトルを見失ってしまった。それにしても人が多すぎである。駅の方に歩いていると、浴衣を着ている女の子二人いた。一人は、祭と書いてある団扇を帯にさしている。後姿がヨウコに似ている。走って前に見に行く。「おー。ヨウコじゃん。今日来てたんだ。」「ヨシオ君も来てたんだ。さっきサトル君が探してたけど。」「そうそう。さっきそこであったんだけど、またはぐれちゃった。」「二人らしい。」ヨウコが笑った。笑うと通りすぎている男達が見ていた。一時沈黙した後、「ヨウコ二人っきりで、ちょっと話さないか?」「別にいいけど。」その姿を察した女友達が、「じゃーここで、またね。」と言って...6.祭りのあと
2018/08/02 23:25