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  • 4.プールサイド

    ヨシオとサトルは、夏休みという事もあり、市民プールに来ていた。太陽がメラメラと照らす炎天下の中、子供用プールを出たヨシオが「隣に行こうぜ!!」と言って、プールサイドを小走りに走り出した。子供用のプールは、小さいので、飛び込むときすぐ足がついて面白くなかった。隣に行く時、タイルが熱くなってて、二人とも「アチッアチッ。」と言っている。先に大人用のプールにヨシオが飛び込むと気持ちよさそうに、泳ぎはじめた。サトルも、静かにプールに入ると、深くて、足がつかなくて、広々して気持ちよく感じた。一時、水のかけあいで遊んでいると、プールの監視員が笛を吹きながらやってきて、「おい、君たち子供は隣!!」と促した。「ちぇっ!!少しぐらいいいじゃん。」と二人で舌打ちすると、若い監視員がまた、笛を吹いた。仕方なく子供用のプールで泳いでいる...4.プールサイド

  • 3.フランス人形

    私が子供の頃、叔母ちゃん家に泊りに行くことになった。2階建ての大きな家に一人で住んでいた叔母は、快く迎えてくれた。玄関先には、吹き抜けがあり、入り口の所にフランス人形が50体くらいあった。金色の髪、青い大きな目、ドレスを着た人形が、ずらっと並んでいる。一度も結婚することもなく、一人暮らしが長い叔母は、子供もいなくて、その寂しさをフランス人形で補っているようだった。私が「どうして人形集めるの?」と聞くと、「全部、私の子供たちだから。」と叔母は、勝ち誇った顔をしていた。私からすると、青い目の人形は、今にも動き出しそうで怖かった。見ていると、目が動いた感じがした。その夜、お風呂のシャワーを浴びていると、お風呂ドアをトントンと小さな音が聞こえてきた。振り返ると、ドアの所に小さな影があった。びっくりして、体が固まった。フ...3.フランス人形

  • 2.河童の川

    子供の頃、真夏の暑い日、山奥のばぁちゃん家の帰りに父と歩いていると大きな水溜まりというか、川みたいな所がある。それを見た父が呟くように言った。「今日は河童はいないなー。」私は不思議に思って聞き返した。「この川に河童いるの?」「昔、よくここで泳いでいたら足を引っ張られて、水の中に河童が二匹いた。」私は本当にいるのかどうか、上から水の中を覗き込んだが、薄汚い水は見えなかった。それから、脳内出血で父が倒れて手術している間、私は、病院の控室で、河童の夢を見ていた。私はあの川の中、濁った汚い水の中にいた。頭に皿を乗せた河童が、父を水の中に引きずり込もうとしている。私は無我夢中で阻止しているが中々うまくいかない。父は、近くにあった石でおもいっきり、河童の皿を殴った。河童は「キュィン!!」と声を出し、痛いような顔をして沈んで...2.河童の川

  • 1.天狗の落とし物

    子供の頃、一度だけ天狗を見たことがある。真夏の暑い日、山の中のじいちゃん家に泊っていた時、夜中の3時頃、無性におしっこがしたくなって、便所が家の外にあった。小屋みたいな所にあって、五右衛門風呂も隣にある。家から出て、便所がある小屋まで、子供の足で歩くと結構な距離である。やっとついて、眠い目を擦り、おしっこを済ませ、月の光が明るかったので、じいちゃん家の屋根上を見上げると、丸い月を背に赤い天狗が私の方をジロッと、睨むように見ていた。私はびっくりして、尻もちをついた。「じいちゃん屋根に誰かおる!!」と叫ぶと、じいちゃんが慌てて、木刀を持って出てきた。じいちゃんの姿を見ると、天狗はフワッと飛び跳ねて、山の中へと消えていった。それから、一時探していたけど、誰もいなくて、玄関の前には、下駄の所に大きな羽団扇が落ちていた。...1.天狗の落とし物

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