【レビュー】子持ちホストの紳士な隣人|イケメン作家×美人ホストと子どもの仮家族BL
この作品、タイトルからして「子持ちホスト」と「紳士な隣人」というワード並びなのに、始まってみれば甘さも苦さも詰め込まれた家族未満恋人以上の関係性が全開で、もう最初から心を鷲掴みにされた。しかも2巻目に入って「仮家族」感がぐっと強くなってて、もうこのまま本当の家族になっちゃえよ!って本気で願いながら読んだよ。 主人公・聖也はナンバーワンホストでありながら、亡き姉の子を育ててる。パーフェクトなイケメンで仕事も家事も育児もできる上に、普段はクール&華やかで、でも恋愛になると超絶不器用。ホストってもっと肉食キャラのイメージだったけど、聖也の場合は自分の気持ちにすごく鈍感で、恋人・桐生との関係にあたふた悩む姿がめちゃくちゃ人間くさくて可愛い。あの、周囲には完璧に見えてるのに内心では「俺、ちゃんとできてるかな…」って悩みまくり、しかもその悩みが恋愛方面でも炸裂してるって、ギャップが最高すぎる。正直、ホスト業での営業スマイルと、桐生の前で見せる素の顔の落差が目に映えて、読んでて頬が緩みっぱなしだった。 そして問題の桐生、いやぁ…これはもう「紳士」って言葉の擬人化。最初の登場シーンだけ見たら「こんなスマートな人が攻め役…?」とちょっと疑いたくなるくらい、誠実で包容力があって、しかも受けの気持ちの準備が整うまで律儀に待ってくれる。まさに理想の攻め! 仕事もできるし、子どもにも優しいし、何やっても嫌味がない。いや、ここまでくるとちょっと怖いくらい善人で、逆に裏がないのか心配になるレベル。BLでありがちな「グイグイ系攻め」とは真逆の、受けに寄り添うスタンスが刺さる人にはドンピシャだと思う。 2巻は、二人の関係が恋人同士から「身体を繋げるかどうか」という、BL特有のいわゆる一線を越えるまでのじれったい葛藤が中心。お互い「攻める気満々」だったっていうのも地味に萌えポイント。どっちがどうなるの?!って妄想が膨らんで仕方なかった(僕の脳内では一瞬リバ展開まで覚悟したぞ…!)。でも、実際は聖也が自分の気持ちと向き合いきれずに空回りし、桐生も辛抱強く待ち続けて…っていう、ちょっと大人なジレンマがずっと続く。その間に、天稀という天使みたいな子どもがふたりの間を飛び回って、場を和ませてくれるのが本当に救い。 今回のキーパーソンは桐生に想いを寄せる若手俳優・羽琉斗の登場。こいつがなかなかの曲者で、ホストクラブに乗り込んできては聖也に揺さぶりをかけたり、
2025/07/17 19:00