やっと、事件のほころびに手が届いた4-1
午前十時、青川セントラルヤードの正面玄関が開放、開店の時刻に私はぶらりと通りかかった雰囲気を周囲に纏わせて、ビルに足を踏み入れた。ロッカーの中身を取り出す緊張の高さに昨日も眠れなかった、少しだけ瞼が重いが、朝食を抜いた、眠気は抑えられるはず。 ホーディング東京の受付のドアはロックが掛かっているために正面から内部へ侵入することは難しい。何度も計画をさらい直した、失敗を呼び起こすな。私は言い聞かせる。呼吸が荒い。エントランス、左側に進路を取る。通路に入る前に、一旦立ち止まる。端末を見ながら、後方を確かめる。二人。中央のオブジェと、花屋の前に一人ずつ。確実に目を逸らした。見張られている?私が?これは…
2025/02/28 21:30