株式会社スーツの代表取締役社長CEOである小松が、継続してFacebookにシリーズ投稿している「リーダーシップ往復書簡」の転載です(一部、加筆・修正あり)。
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おかげさまで、今回で本連載も最終回になります。好き勝手にゆるく記載をしてまいりましたが、長きにわたりお付き合いいただき誠にありがとうございました。また、連載中、読者の皆さん、友人や知人など多くの方から、毎度のようにFacebookメッセンジャーなどでご質問もいただきました。改めて感謝申し上げます。 第50回の時にもご紹介をさせていただきましたが、本連載は、私と同じくリーダーシップに興味を持つ、尊敬する友人の西山 和馬さんと話をしてスタートしました。 本連載では、実務家がリーダーシップを語るということをテーマにしているので、記載内容もリーダーシップに関することだけでなく、組織行動もあ
突然ですが、読者の皆さんの夢は何ですか?日常業務に勤しんで忙しさにかまけていると、若い時に自分が成し遂げたいと思っていた夢が何なのかさえ、すっかり分からなくなってしまいます。本日はこの夢について記載をしたいと思います。 多くの皆さんが持つリーダーのイメージのとおり、リーダーは大きな夢や目標を掲げているものです。ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)の中から例に採ると、桃太郎の鬼退治が一番分かりやすいかもしれません。 夢は、その人の一度しかない人生において多大な時間を費やすことにもなりますし、組織や組織を構成するフォロワーたちの「旗印」や精神的な支柱にもなります。それにも関わらず、私たち
どうすれば本物のリーダーになれるか。私がリーダーシップについて情報発信をし始めてから既に3年以上が経っていますので、大企業の管理職、PEファンドやVCファンド勤務の方、スタートアップの経営者など様々な人から度々この質問をされてきたように思います。 本連載でも何度も記載をしているとおり、本物のリーダーとは、必ずしも政治家や経営者など地位に就いているものではありません。 東日本大震災が起きてしばらくした時にたまたま同席して聞いていたのですが、私のメンターの方が、代議士に対して、リーダーシップについて話をしていました。話の内容は「今の時代、二世議員・三世議員がいて、食べていくための職業と
ビジネスシーンで愛・愛情について話をすると違和感があるかもしれません。鳩山元首相が以前、政治シーンで友愛という言葉を使いましたが、国民の多くに受け入れられなかったことも根っこは同じだと思います。 夏目漱石が「I love you」を「月がきれいですね」と翻訳したという逸話がありますが、日本人は直接的に愛という言葉を使うことに対して気恥ずかしさがあるとともに、愛とはある種の宗教性を帯びた言葉なのだと思います。日本はクリスマスやハロウィンなど大々的にイベント化している一方で、宗教性を隠す文化ですから、直接的な表現を使うと逆に一定数の人は身構えてしまうのだと思います。 しかし、リーダーシ
古今東西、いつの世もヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)は成長物語です。主人公は、いつの間にか旅に出て、夢や目標を見つけて、仲間を集め、その仲間とともに困難に打ち勝ち、夢や目標を達成し、故郷に帰還する。 夢や目標を達成するためには、今のままではできませんし、今のままでは叶えることができないから、それが夢や目標になり得るのです。 現在と夢を叶える未来の差分を埋めなければ夢は実現しないのですから、ヒーローズ・ジャーニーが成長物語になるのは当然のことです。 今までの本連載においても、たびたび「成長」がキーワードになってきたように思います。リーダーが、正しくリーダーシップを発揮していれば、フ
先日たまたま手にした本に、未上場会社に投資するファンドの代表者の方が「株式シェアが少なくとも、正しいことを真正面から社長に言って、あるべき経営に導くのが腕の見せどころ。株式シェアをメジャーシェア持っていないからと言って経営者を動かせないことはない。」と言っていて、この方はリーダーシップを理解されていると思いました。 また、私の仕事先においても、自分の職域を超えて困っている同僚がいたら手を差し伸べたり、上司から指示を受けていないにも関わらず主体的に社外に飛び出していったり、若手スタッフの素晴らしいリーダーシップを目の当たりにすることがありました。 もちろん法律や組織のルールを逸脱する
以前もご紹介した「Lead with love」。愛とともに導く、愛をもって導く。リーダーは愛情とともにフォロワーを導かなければなりません。 リーダーは夢や目標を掲げています。そして、その夢や目標に共感して、フォロワーはリーダーについていきます。 夢や目標は、みんなが叶えたいと考えていることであって、今のままでは入手できないものです。夢と現実の差分を埋める必要があるのです。そのため、リーダーは、フォロワーとともに努力していかなければなりません。この差分を解消するために、リーダーは自分を律して自己成長をしていくだけでなく、同様に、フォロワーに対しても成長を求めていくことになります。
私は、ベンチャー支援だけでなく、企業再生や危機管理の仕事も生業にしていますので、こういった仕事をするたびに、人間の弱い部分を目にします。 毎度のことながら、実に人間は弱く、ズルい生き物だと思わされますが、立場が悪くなるなど精神的に追い込まれれば、私も含めて、みんな「そんなもの」なのだと思います。 以下に10個ほどエピソードを記載します。社会人生活が長くなると、皆さんも一度は似たような事例を目にしたことがあるのではないかと思います。 1.八方美人の人が、新しい権力者から「踏み絵」をさせられて、個々の人々に話をしてきたおべんちゃらと辻褄が合わずに苦しむ。 2.仕事ができない上司が、
一切のビジネスモデルやテクノロジーを考慮せずに、経営者の人間性だけを見た場合、経営者で成功する人は、大きく2つに分けられるように思います。 一つは、夢を掲げて人を信じて、リーダーシップを発揮して影響力を拡大し、フォロワーを拡大していく経営者です。こういったタイプの経営者は、お客様のために、スタッフみんなで一致団結して努力して、より良い商品やサービスを生み出していくような前向きなエネルギーにあふれています。これは読者の皆さんにとっても想像しやすい理想的な経営者像だと思います。 これに対して、もう一つは、猜疑心が強く人を信じず、身近な人たちから搾取していく経営者です。こういったタイプの
私は上場会社の代表者の時に敵対的買収防衛をしておりましたので、相手側から散々、政治家にお金を流していると週刊誌に事実無根を書かれたり、ブラックジャーナルに誹謗中傷をされたりした経験があります。しかし、これらに動じることは一切ありませんでした。 私は自分でも長所だと考えていますが、どちらかというと自己肯定感が高く、他人の非難や誹謗中傷などどこ吹く風と聞き流せるのです。 自己肯定感が高いことは、リーダーに必要な資質だと思います。 本連載でたびたび記載してきております「人は性善なれど弱し」のとおり、人は強く、自分の心にゆとりがなければ、誰かに貢献することや誰かに優しく振る舞うことは難し
おかげさまで、本連載も今回で第90回を迎えます。第100回を目標に、あと10回ばかり書いていこうと考えています。ぜひとも最後までお付き合いください。 本連載でも以前ご紹介しましたが、リーダーには利害関係の調整が求められます。利害関係の調整というと事務手続きのように聞こえるかもしれませんが、この利害関係の調整に失敗をすると、時に組織同士の抗争・戦争になるなど生き死の問題に発展する可能性もあるため、リーダーは重大な責任を背負っています。 私も、様々な会社の企業再生の過程で、ややこしいステークホルダーと交渉し、多くの利害関係の調整をしてまいりましたので、その難しさは嫌というほどに理解して
前回「上司を見限る」といった強烈なワードのご質問をいただきましたので、本日はフォロワーシップについて記載をしたいと思います。 リーダーは、フォロワーがいて初めてリーダーです。自分一人が私はリーダーだと声高に叫んでも、誰も人が付いてきていなければしょうがありません。会社経営においても、社長という地位には就いているけれども、部下はみな面従腹背で、社長から人心が離れてしまっているケースが散見されます。 前述の定義からも分かるとおり、このようにリーダーとフォロワーの関係性に着目して、リーダーシップを捉えることもできるのです。リーダーシップの考え方では、リーダーがフォロワーに対して影響力を行
前々回で、ここ数年の日本の産業界の問題点である事業承継について少し触れましたので、本日は、リーダーの引き際について記載をしたいと思います。 「マッチョなリーダー像」に固執していると、常に自分が隊列の先頭に立って旗を掲げなければならないと考えがちですが、本当のリーダーとは、夢や目標の実現のために、リーダーの座を譲ることもできる人なのです。 リーダーもやはり人間ですので、得意・不得意もありますし、疲労も溜まればミスジャッジもあります。謙虚なリーダーであれば、必要に応じて、旅の途中であれ、誰かにリーダーの座を任せることができるのです。 そのため、全体のために身を引く行為ができるリーダー
今から5、6年前に、日本のスタートアップ界隈で「HARD THINGS」というアメリカの著名投資家ベン・ホロウィッツの本が流行りました。 「HARD THINGS」とは困難とでも訳せばいいでしょうか。やはり人格を磨いてくれるのは、いつの世もリーダーを待ち受ける困難や受難なのです。 私は幅広く年配の方とお付き合いをさせていただいておりますが、それでも戦争の記憶がある方はごく少数に限られます。 戦争の経験がある人、大病をして生死を彷徨った経験がある人、政治犯などで理不尽に収監されて不自由を強いられた人などは、人間の成熟度が違うと言われますが、時代も流れ、昭和、平成、そして、令和となり
立教大学や神戸大学のようにリーダーシップ教育で有名な大学がリーダーシップを教える前提として説明しているように、私も、リーダーシップ・スキルは、後天的に誰でも身に着けることができ、再現性があるものと考えています。 私は日々、バリューアップを仕事にしておりますので、クライアント企業の人や組織にまつわるトラブルに際して、そのクライアントの経営幹部に対して、「今後このように事態が展開していきます」という見通しを意見させてもらうことが多いです。そして、後日、その経営幹部の方々から「あの時点でこうなることが分かっていたのですね」と言われることも多いです。 もちろん私は預言者でも超能力者でもない
「きれいごと」という言葉があります。辞書を引くと、実情にそぐわない、体裁ばかりを整えた事柄とあります。 分別のつく年齢のフォロワーであれば、私たちの夢を実現するためには、例えば組織運営に多額のお金がかかったり、ステークホルダーのしがらみに悩まされたりなど極めて現実的な問題が山積していることを理解していると思います。 しかし、私は、これらの現実的な問題解決以上に、リーダーは「きれいごと」を掲げ続けることが重要だと考えています。 本連載では、幾度となく「人は性善なれど弱し」という考え方を紹介してまいりましたが、リーダーとフォロワーからなるその集団において、本来はリーダーが一番強くある
長年にわたり経営者という役割を果たしていると、誰かに嫌われることより、誰かを気にかけて好きになる(愛する)ことの方が遥かに難しいと思わされます。 以前、メンターの方が、問題あるスタッフを捕まえて、「あなたの人格を否定しているのではなく、行動を変えてもらいたいのだ」という話をしているのを聞いて以来、私も誰かの行動を注意する際はこの言い回しを使わせてもらっています。 リーダーには、夢や目標のために、フォロワーを成長させることが求められます。しかし、いくら夢や目標のためという大義名分があったとしても、行動を否定されて嬉しい人はいません。そのため、せめて丁寧に人格と行動を分けて説明し内省を
リーダーの情熱は、費やした時間と身に着けたスキルで測ることができます。 一般的に会社の社長や経営幹部になるような人であれば、コミュニケーション能力も高く、その場をとりつくろうような嘘をつくことは造作もないでしょう。しかし、その人が、どの程度の時間を費やしたのか、どの程度のスキルを身に着けたのかを確認すれば、その人の生き様と本気度を知ることができます。 リーダーとは、暗闇の中、集団の先頭で、たいまつを持って、フォロワーを率いて進む存在です。リーダーが手に持つたいまつの輝きがあればあるほど、未来を見通すことができるようになりますし、多くのフォロワーも導くことができるのです。 私はリー
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