【書評】「百年の孤独」は如何にして孤独であったか【ガルシア=マルケス】
私と弟がまだ小さかった頃、近所の田んぼでカエルを捕ったことがある。 どうしてそんなことになったのかは覚えていないけれど、とにかく捕って捕って捕りまくった。きっと子供心に狩猟本能をそそられたのだろう。だとしても、帰る間際に逃がしてやれば良いものを、私たち兄弟は虫かご一杯に持ち帰ってしまった。子どもながらに、手に入れたものを手放し難かったのかもしれない。 そしてあろうことかそれを、自宅の駐車場に置き去りにして忘れてしまったのだ。いや、正確には覚えていたが忘れた振りをしたと言うべきだろう。その大量のカエルをどのように飼育すれば良いか分からなかったし、また処理するにしてもその手段を持ち合わせなかったか…
2024/08/30 09:47