広重・五十三次の山(5)
江尻・三保遠望江戸より18番目の宿江尻は今の清水だが、静岡県の一番薄くなった部分に位置している。駿河、遠江内の東海道から北へ抜ける数少ないルートの起点の一つであり、現在では興津から国道52号線が貫かれている。この道は我々の山行においては、山梨南部の山はもちろん、南北アルプス、八ヶ岳などへ行く折に随分と利用していて、沿線の風景も馴染みのものとなった。いわば我らの山街道でもある。江尻は駿府の手前にあって、海上交通と東西ルート、南北ルートのジャンクションという、絶好のポジションにあることが分かる。湾の向うの山並は愛鷹山塊か、現代では富士の煙突群も望められるだろう。清水とくれば今はサッカーでの知名度が高いが、それ以前は何といっても海道一の大親分次郎長だろう。次郎長一家にとっても、東海道の港湾江尻と山国甲州を結ぶこ...広重・五十三次の山(5)
2024/08/28 13:03