昭和11年発行 【小松町誌】27
昭和11年発行【小松町誌】【名所旧跡】①大島鳴門日本二鳴門の一つとして昔から有名な航海上の難所である。俗謡に『阿波の鳴門と小松の瀬戸は、汐のとろみを見ておろせ』とあるに知られる如くその急瑞奔流は高潮時にはもの凄いもので海上一面無数の渦を起こして白泡相撃する有様は何と言っても一大壮観である。この瀬戸は海底に大小幾多の岩礁が介在しており、潮流がそれに衝突して渦を巻き起こすのである。「水路誌」に曰く。『大畠瀬戸、その最狭部は半海里未満にして笠佐其の中央にあり、数礁ありて海底険悪なり、この瀬戸の漲潮流は東に向い、落潮流は西に向い、その速力最も強し、憩汐は数分間に過ぎずと雖も、小舟は常に憩潮の時のみ通過する云々』この海峡は往時より瀬戸内海航路の要路に当たっており、航行の士人が詠じたる歌も少なくない、左に二三を記す。...昭和11年発行【小松町誌】27
2024/05/31 14:55