喜怒哀『楽』の徘介護

アイスクリーム

溶けてゆくアイスクリームと母の語彙 認知症になってことばをわすれる。これはある程度想像はついた。

2024/09/28 09:10

姥捨

ふとわれは姥捨をせし人間の生まれ変はりと思ふ夕暮 夏目漱石の『夢十夜』に、背中に負ぶった子どもが

2024/09/25 14:13

土筆

遠き日や土筆よろこぶ母ありき 子どものころ、土筆を摘んで帰ると母は喜んでくれた。もっとも料理をす

2024/09/22 17:15

雑炊

母食はぬ雑炊汁を失へる 母はだんだんとご飯が食べられなくなってきた。咀嚼はするが飲み込むのが難し

2024/09/19 11:47

新米

食事介助して新米のほの温し 箸での食事が無理となり、スプーンでの食事も無理となった。箸は持てない

2024/09/14 11:12

柿の花

柿の花咲いて正岡律の忌や 正岡子規を母・八重とともに介護した妹・律の忌日は昭和16年5月24日で

2024/09/11 11:25

知れる人なき

知れる人なきが悲しとつぶやきて母は食事に手をつけざりき このときは私もかなしかった。いくら私は息

2024/09/08 10:38

春めく

頬に餡つけたる老母春めきぬ 母を詠んだ俳句には、パンを手にしたまま眠ってしまったり、菓子を握りし

2024/09/05 10:01