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女子高生の殺し屋が暗躍する『デストロ246』は『ヨルムンガンド』以上の問題作?
『デストロ246』(高橋慶太郎/小学館) 女子高生の殺し屋たちが暗躍するガンバトルアクション『デストロ246』は、大ヒット作『ヨルムンガンド』に続く高橋慶太郎の連載作品(小学館「月刊サンデージェネックス」)。前作以上に作者の嗜好性が色濃く反
『夏目友人帳』時を超えて紡いだ絆――人と妖、切なくも優しき交流録
『夏目友人帳』(緑川ゆき/白泉社) 少年&ニャンコ(実は妖怪)のコンビが織りなす「あやかし契約奇談」 日常の中で、家族と、友人と、仕事の取引先と、何気なく交わす「約束」や「契約」。それは果たして「縛り」だろうか、「絆」だろうか。 ひとりの少
『十角館の殺人』のコミックリメイクは、あの1行のトリックを表現したマンガならではのアイデアに感動【一気読みのすすめ】
『十角館の殺人』(原作・綾辻行人、漫画・清原紘/講談社) 映像化困難と言われる仕掛けを持つ名作のコミックリメイクに衝撃 名作ミステリーと呼ばれる作品は、国内外問わず数多く存在する。なかでも今春Huluで実写化されるというニュースに驚かされた
『うちらきっとズッ友―谷口菜津子短編集―』の「卯月ちゃん」に戦慄した理由――。
『うちらきっとズッ友―谷口菜津子短編集―』(谷口菜津子/双葉社) 『うちらきっとズッ友 ―谷口菜津子短編集―』は、以前紹介した『教室の片隅で青春がはじまる』(KADOKAWA)と『今夜すきやきだよ』(新潮社)で、「多様性を柔らかな筆致で描い
『不死と罰』――ゾンビが蔓延る世界で生き続ける罪深き青年。この状況は罰なのか、彼と世界を待ち受けるものとは……
『不死と罰』(佐藤健太郎/秋田書店) ある日突然世界に“生ける屍”が溢れる恐怖、生き残る術はあるのか 想像もし得ない出来事に見舞われた時、メタ的な視点が無い限り真実は分からない。例えば、私たち日本人には身近な地震。テレビやラジオなどのメディ
『ぼくらはみんな*んでいる』――「生きるように死んでいる」彼らはきっとぼくらと裏表
『ぼくらはみんな*んでいる』(金田一蓮十郎/スクウェア・エニックス) 「最近多いですよ。死んだことに気付かない人」――“死んで生きる”ことで変わらないもの、変わるもの 「あー……あなたとっくに死んでますね」。ブラック企業に勤めて5年。理不尽
『鉄道少女漫画』(中村明日美子/白泉社) 『鉄道少女漫画』は、鉄道系漫画にありがちなディープ&マニアックではなく、ふわっとした情景や暖かな心情が独自の世界観を生み出している短編作品集です。鉄道好きだけでなく、恋愛系や日常系作品が好きな方にも
『COSMOS』――宇宙人専門保険会社というアイデアがアトラクティブ! 嘘を判別できる高校生と宇宙人の保険調査員が織りなすドラマに深み
『COSMOS』(田村隆平/小学館) 嘘が見抜ける能力を持つ主人公と宇宙人の遭遇が巻き起こすのは? 『べるぜバブ』(集英社)などで知られる田村隆平が手がける本作の冒頭は、わずかな確率の不幸にかける「博打」があり、それは「保険」だと表現するこ
『雨がしないこと』から学びたい価値観が異なる人同士の絶妙な距離感
『雨がしないこと』(オカヤイヅミ/KADOKAWA) 『雨がしないこと』は、第26回手塚治虫文化賞で短編賞を受賞したオカヤイヅミニが贈る、「恋をしない」30歳・花山雨を巡る群像劇。2023年12月12日に上・下2巻が同時刊行された。雨自身と
『ブレス』——夢に向かって走り続ける若者たちの煌めく日々を描いたヒューマンドラマ。夢を持つことの尊さに気付くはず
『ブレス』(園山ゆきの/講談社) 夢を持つことの本質を思い出す、夢追い人たちの放つ輝き あなたには夢があるだろうか。叶うにせよ、叶わないにせよ、夢を持つのは素晴らしいことだ。夢は生きる糧になり、目的にもなる。 若い頃は無敵で、何者にでもなれ
『路傍のフジイ~偉大なる凡人からの便り~』彼は“つまらない人間”なのか。誰もの映し鏡たりうる男の生きざま
『路傍のフジイ〜偉大なる凡人からの便り〜』(鍋倉夫/小学館) 40過ぎで非正規、独身……やたらと気になる“かわいそうな人”藤井さん 「つまらない……目に映るすべてが」。家を買う。2人目が産まれる。ゴルフを始めた。今乗っている車は。そんな話題
『ヨルムンガンド』は武器商人の北欧神話的ロードムービーかもしれない
『新しいきみへ』(三都慎司/集英社) 2006年から2012年まで「月刊 サンデーGX(ジェネックス)」(小学館)で連載された『ヨルムンガンド』は、武器商人を題材にしたガンアクション。2期にわたってアニメ化される(TOKYO MXなどで放送
『新しいきみへ』――物語の開幕から終幕まで期待と興味をかき立て続けてくれる変幻自在な吸引力を持つ秀作【一気読みのすすめ】
『新しいきみへ』(三都慎司/集英社) 恋愛ものを入口にしながらその先に待つのは……? 追い続けている作品はどれも好きだし面白い。そんな読み続けていた作品が最終回を迎えたとき、一抹のさみしさは覚えてしまうものの、それでも「読んで良かった」と心
『取るに足らない僕らの正義』で気づかされた、人の感情や記憶に直接作用する曲のパワー
『取るに足らない僕らの正義』(川野倫/トゥーヴァージンズ) 世間の認知度は低く、サブスク解禁もされていないが、一部の人たちから強く支持されているシンガーソングライターの多野小夜子が、唯一楽曲を公開していたSNSの投稿を全て削除した上で、突然
『住みにごり』−−−どこかにいる歪な家族の日常を覗き見る。人間味にあふれた奇怪なホームドラマ漫画
『住みにごり』(たかたけし/小学館) 不穏な空気が流れる歪な家族、果たして彼らは異常なのか 令和5年版の警察白書によると、殺人事件における被疑者と被害者の関係で最も多いのは44.7%の割合で親族とされている。理想の家族に見える人々でさえ、本
『ファインダー―京都女学院物語―』切り“撮”られたその一瞬が繋ぐもの……『こち亀』作者の「京アニ」愛あふれる青春物語
『ファインダー―京都女学院物語―』(秋本治/集英社) 「ネコの写真を撮れると思って入部したのに…」“ふんわり”4人組のファインダーが写す青春 「死になさい! 彼方達!!」。京都の郊外・亀岡市にある京都女学院高等部。夏休み前、校長による炎天下
心優しき作品『江戸前エルフ』がこち亀や『ハヤテのごとく!』『3月のライオン』などを彷彿させるワケ
『江戸前エルフ』(樋口彰彦/講談社) 漫画雑誌「少年マガジンエッジ」(講談社)で2019年から連載されていた『江戸前エルフ』は、神社の御神体として召喚されたエルフと、巫女が織りなすハートフル日常系コメディ。2023年春にアニメ化された際も「
『君と宇宙を歩くために』――「できない」ことへの悩みに真摯に向き合い丁寧に綴る良作……正反対だが似ている者同士の交流が心に響く
『君と宇宙を歩くために』(泥ノ田犬彦/講談社) 正反対に見える2人の出会いが生み出す静かで力強い物語 マンガに限らずエンタメ作品には一人ひとり、それぞれ好みのジャンルや作風というものがある。ジャンルレス、ランダムに作品を選んでいるつもりでも
『みどりちゃん、あのね』は、旧態依然としたジェンダー意識をぶった斬る世直し漫画
『みどりちゃん、あのね』(大白小蟹) 『うみべのストーブ 大白小蟹短編集』(リイド社)の大白小蟹が、トゥーヴァージンズのウェブ漫画サイト「路草」で開始した初連載『みどりちゃん、あのね』。「親戚が集まれば、男どもが飲んで騒いでいる間も、女たち
『サイコの世界』――コメディ+ラブ要素の強い斬新なサイキックサスペンス。漫画通こそ気付ける魅力がここに!
『サイコの世界』(原作・井龍一、漫画・大羽隆廣/講談社) ラブコメディとも捉えられる新感覚のサイキック漫画 SNSや電子書籍の台頭によって漫画の数が増え、設定や内容は似通り、個性を見出すのが難しくなったように思う。かつては問題視されることの
『西成ユートピア』“日本最大のドヤ街”に広がる情景……1カ月の生活で見えるものとは
『西成ユートピア』(原案・國友公司、漫画・ワダユウキ/新潮社) 行き場を失った人間の「最終集積地」へ――“洗礼”から始まる大阪・西成暮らし 「嫌だァ…!…まだ死にたくない……!!」。その目つきは焦点が合っておらず、手には剃刀が握られている。
『銀魂』――20周年の節目に映画「バラガキ扁」も公開! 色あせない超絶ギャグ&壮絶バトルに注目
『銀魂』(空知英秋/集英社) 何でもアリ! な“SF人情なんちゃって時代劇コメディ” 「ギャーギャーギャーギャー やかましいんだよ 発情期ですかコノヤロー」 侍というにはあまりに荒々しく、チンピラというにはあまりに真っすぐな目をした男……そ
『スプリガン』(原作・たかしげ宙、作画・皆川亮二/小学館) 1989年から1996年まで週刊少年サンデーで連載されていた『スプリガン』(原作・たかしげ宙、作画・皆川亮二)は、超古代文明の遺産を巡り、世界各国や組織が争う社会派SFアクション。
『ダイヤモンドの功罪』――才能を持つ者は活かすべきか? 才能に魅せられた者は導くべきか? 生き方と価値観が問われる作風に魂が揺さぶられる
『あくたの死に際』(竹屋まり子/小学館) 野球マンガと読まず嫌いはもったいない! 「もしも自分に才能があったら」 そんなことを考えた経験がある人は少なからずいるだろう。ただし、才能が必ずしもその当人にとって幸せをもたらすとは限らないのかもし
『あくたの死に際』は夢に手を出すべきタイプの人間かどうかをジャッジする指標
『あくたの死に際』(竹屋まり子/小学館) 小学館の漫画アプリ「マンガワン」&WEBマンガサイト「裏サンデー」で連載中の、竹屋まり子の『あくたの死に際』(第1巻発売中)。大企業に就職し、仕事もプライベートも順調だった主人公・黒田マコトが、ある
『名探偵コナン』――2024年映画『100万ドルの五稜星(みちしるべ)』公開前に総復習! 魅力的なキャラが織りなす謎解き&ラブコメに大注目
『名探偵コナン』(青山剛昌/小学館) ※ややネタバレあり 見た目は子供、頭脳は大人! 高校生探偵が小学生の姿で難事件を解決 人間は、誰でも等しく年をとる。 赤ん坊から子供へ、少年・少女期を経て大人(青年)になり、中年期を迎えた後は高齢者とな
『藍より青し』(文月晃/白泉社) 純愛物語が好きな人たちの間では、連載終了から20年近くを経た今なお、名作として記憶に残る『藍より青し』。不遇な運命をたどった男女が相思相愛の想いを成し遂げる、純粋一途な“昭和ロマン”物語には、今の時代だから
『ブスなんて言わないで』−−−ルッキズム問題を正しく理解し、自分ごととして向き合うのに相応しい一冊。本作に触れ、あなたは何を思うか?
『ブスなんて言わないで』(とあるアラ子/講談社) 話題のルッキズムについて理解を深めるきっかけになる佳作 時代は日々変化する。ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)やルッキズムなる言葉も広く知られるようになった。人種や国籍、性別、容姿などあ
『龍とカメレオン』――大人気マンガ家と無名マンガ家の人格が入れ替わり対決する「マンガ家マンガ」……卓越したバトル描写&予測不能なのに王道感もあるドラマが熱すぎる!
『龍とカメレオン』(石山諒/スクウェア・エニックス) 入れ替わった2人のマンガ家によるバトルが勃発! マンガ家がマンガ家を主人公に据えたり、マンガそのものを描いたりする「マンガ家マンガ」。令和の時代に颯爽と登場した『龍とカメレオン』もまたマ
『ワンルームエンジェル』ヤカラ男×「天使」の同棲生活から生まれる“感情”……「BL」を知る感動作
『ワンルームエンジェル』(はらだ/祥伝社) 「生きてて価値がありそうに見えるか?」――“クソ”な人生に舞い降りた「天使」 趣味なし、友人なし、恋人なし。生きる価値、なし――。ろくでもない過去を持つ幸紀は、「ここしか受からなかった」コンビニの
『僕のちっぽけな人生を誰にも渡さないんだ』に学ぶ、“儚き日常”との誠実な向き合い方
『僕のちっぽけな人生を誰にも渡さないんだ』(中村一般/シカク出版) つぶさに街や自然を見つめ、繊細な筆致で描く気鋭のイラストレーター・マンガ家である中村一般が、2019~2020年に描いた日記マンガやイラストから選りすぐりをまとめた同人誌の
『GOSICK―ゴシック―』に見る直木賞作家の神髄と類い稀な美少女キャラ
『GOSICK―ゴシック―』(原作:桜庭一樹、キャラクター原案:武田日向、作画:天乃咲哉/KADOKAWA) 『GOSICK―ゴシック―』は直木賞作家・桜庭一樹の同名原作小説を漫画化したミステリー作品(作画:天乃咲哉)で、「月刊ドラゴンエイ
『樫村一家の夜明け』一所懸命に生きる人々を力強く描いた、無比の人間ドラマ漫画短編集――どんな困難も、いつか意義ある過去になる
『樫村一家の夜明け』(原作:岡村星、作画:沙村広明/日本文芸社) ※作品内訳 「樫村一家の夜明け」(原作:岡村星、作画:沙村広明) 「アンチ・ドレス」「ミッシングコード」(原作・作画:岡村星、スペシャルテクニカルアドバイザー:沙村広明) 想
『金田一37歳の事件簿』――大人になった名探偵の孫は謎を解きたくない!? 新旧ファンが楽しめるバランス感が絶妙
『金田一37歳の事件簿』(原作・天樹征丸、漫画・さとうふみや/講談社) 天樹征丸&さとうふみやの本編タッグが描く大人になった金田一一 近年は、例えば『Yes!プリキュア5』『Yes!プリキュア5GoGo!』(いずれもテレビ朝日系列)の主人公
『片田舎のおっさん、剣聖になる』主人公の“おっさん”を好きになる!地に足ついた成り上がりが気持ちいいファンタジー
『片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~』(原作:佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ、漫画:乍藤和樹/秋田書店) “生きる偉人”まで大成した弟子の願い……片田舎の剣術師範が“王国一の剣
『コーポ・ア・コーポ』に学ぶ、訳アリ同士ゆる~く連帯しながらしぶとく生きる術
『このはな綺譚』(天乃咲哉/幻冬舎) 昭和レトロな雰囲気を醸し出す大阪の安アパート「コーポ」に住む、なんともけったいな住人たちの日々の暮らしを、それぞれの視点からオムニバス形式で描いた『コーポ・ア・コーポ』。「いろいろあるけど、まぁええか」
『このはな綺譚』――可愛らしい“狐っ娘”の物語が描き出す“ひとのこころ”
『このはな綺譚』(天乃咲哉/幻冬舎) 狐の耳や尻尾も特徴な、狐を擬人化した美少女キャラクター“狐っ娘”たちが宿屋「此花亭」の仲居となり、さまざまな“お客様”との出会いで成長していく物語『このはな綺譚』。可愛らしい絵柄や雰囲気に隠されがちです
『スパイゲームA.D.1600』−−−日本防衛組織と戦国武将の時空を超えた熱き戦いを描いた目新しいアクション漫画。日本の未来はどうなってしまうのか
『スパイゲームA.D.1600』(加藤清志/KADOKAWA) 詰め込まれた要素がケンカせず上手くまとまった斬新な作品 電子書籍など新たな媒体が登場したことで、漫画の数が爆発的に増えた。中にはSNSをきっかけに流行するものもある。読み手にと
『黒魔無双』――魔道士の復讐相手は勇者!? 緻密な画力が物語世界を極限まで輝かせるダークファンタジー
『黒魔無双』(石澤寛伎/COMIC ROOM/双葉社) ジャケ買いを誘発する圧倒的な画力がストーリーを巧みに彩る 1&2巻の表紙のインパクトと「黒魔無双」という響きに引かれ、普段はあまりしないのだが、あらすじ程度の調査で思わず「ジャケ買い」
『ザ・ウルトラマン』……現在のウルトラマンシリーズに多大な影響を与えた傑作児童漫画!
『ザ・ウルトラマン 単行本初収録&傑作選』(内山まもる/小学館) 2022年5月。映画館で『シン・ウルトラマン』を見終えた僕は、心地よい疲れに身を預けながら、しょうもないことを考えていた。「内山まもる先生がこの映画を見て漫画化してい
『夢なし先生の進路指導』何かを諦めるのも悪くない――“「夢」の現実”の先を見るために
『夢なし先生の進路指導』(笠原真樹/小学館) 「夢は無慈悲で残酷です」進路指導の“夢なし先生”こそ残酷、なのか? 夢にはくれぐれも気を付けてください――。栄森高等学校で3学期を迎えた2年生の三田梢はある日の放課後、担任の数学教師である高梨律
『異世界食堂 洋食のねこや』(原作:犬塚惇平、漫画:ヤミザワ・モロザワ、キャラクター原案:エナミカツミ/KADOKAWA) いわゆる“異世界”作品群の中でも、異色の立ち位置となる『異世界食堂』。大ヒット中の同名原作ライトノベル(著者・犬塚惇
『異世界食堂』(原作:犬塚惇平、漫画:九月タカアキ/スクウェア・エニックス) いわゆる“異世界”作品群の中でも、異色の立ち位置となる『異世界食堂』。大ヒット中の同名原作ライトノベル(著者・犬塚惇平、絵・エナミカツミ/主婦の友社)はテレビ東京
『フォビア』−−−世の中にある多様な恐怖症(フォビア)を知り、疑似体験する。独創的な題材の新感覚ホラー漫画
『フォビア』(原作・原克玄、作画・ゴトウユキコ/小学館) 侮ることのできない恐怖症の恐ろしさを疑似体験しよう 高所、閉所、暗所、昆虫、血液……この世の中にはさまざまな恐怖症に苦しむ人がいる。症状に当てはまらない人からは理解を十分得られず、軽
『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』は“サウダージ”を巡る心揺さぶるシスターフッド
『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』(いしいひさいち) ※ややネタバレあり 『ののちゃん』(東京創元社)や『がんばれ!!タブチくん!!』(双葉社)などで知られる、いしいひさいちの『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』。いしい氏の公式W
『遥かなるマナーバトル』世界を変えるべく、“マナー”の戦いへ……「謎マナー」や「マナーマウント」を笑う異色作
『遥かなるマナーバトル』(たむらゲン/小学館) マナーに礼儀……「見えない法に支配されたディストピア」を変える戦いの幕開け 「名刺を受け取る際、相手の名前と指が重なるのは…マナー違反ですよ」 「しまっ…」 気付いた時にはもう遅い。1級マナー
『バーサス』――『ワンパンマン』のONEが生み出す異世界ものは「天敵」がキーワード ……予想を裏切り続ける展開にワクワク
『バーサス』(原作・ONE、漫画・あずま京太郎、構成・bose/講談社) ※ややネタバレあり 異世界ものを多彩なギミックで料理したアイデアに感銘 異世界や転生、召喚、タイムワープにタイムリープをはじめ、ファンタジーに登場する機会の多い要素を
『断罪六区』−−−死刑囚が収容される街で下される裁きとは。新たな世界観で罪と罰、裁きについて描いた良作
『断罪六区』(原作・小林靖子、漫画・ののやまさき/講談社) ※ややネタバレあり 死刑囚が辿り着く先で、もし刑が正しく執行されない者がいたら−−− 死刑囚に情けは必要か。 通常死刑判決が確定した者は拘置所に拘禁され、執行を受けるまで心休まらな
『断罪六区』−−−死刑囚が収容される街で下される裁きとは。新たな世界観で罪と罰、裁きについて描いた良作
『断罪六区』(原作・小林靖子、漫画・ののやまさき/講談社) ※ややネタバレあり 死刑囚が辿り着く先で、もし刑が正しく執行されない者がいたら−−− 死刑囚に情けは必要か。 通常死刑判決が確定した者は拘置所に拘禁され、執行を受けるまで心休まらな
『アンリミテッド(Unlimited)』――サイコパスがサイコパスを追う、危険な新感覚サスペンス
『アンリミテッド(Unlimited)』(亜月亮) サイコパスの才能を秘めた高校生が犯罪捜査に協力 「サイコパスは才能である」――こんな説を聞いたことがあるだろうか。 そもそもサイコパスとは、「反社会性パーソナリティ障害」に分類される障害の
『特別じゃない日』が魅せる“小さな幸せ”に漫画の原点を感じて……
『特別じゃない日』(稲空穂/実業之日本社) 作者・稲空穂がX(旧Twitter)に投稿してきた、“小さな幸せ”が連なる物語を単行本化した『特別じゃない日』。老夫婦や女子高生、主婦、小学生、バイト青年など、ごくフツーの人々が送る何気ない日常生
『曽山一寿のでんぢゃらすじーさんだけじゃねぇ!!』にはあの『コロコロ』の看板ギャグ作品の裏側も……笑い、胸が熱くなるエッセイマンガ
『曽山一寿のでんぢゃらすじーさんだけじゃねぇ!!』(曽山一寿/小学館) 『コロコロ』“卒業”間際に現れた『じーさん』の衝撃……その作者・曽山一寿とは 「『コロコロ』を“卒業”して、『ジャンプ』を読み始めて……」。筆者と同年代、2023年時点
『ミステリと言う勿れ』――作品世界を彩るおしゃべり過ぎる主人公が発する言葉が世界を明瞭にする
『ミステリと言う勿れ』(田村由美/小学館) 良質な作品をマンガと実写どちらでも楽しめる幸せ 俳優の菅田将暉さん主演で2022年に放送された連続ドラマ「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系列)。映画公開記念の『ミステリと言う勿れ特別編』」放送を
『夏の手』で猛烈に想起させられた「幸せのにこごりみたいな瞬間」とは?
『夏の手』(大橋裕之/幻冬舎) 『夏の手』は、以前紹介した『音楽』(完全版)の著者・大橋裕之による、「(今年は)夏が日本に来ない」という風変わりな少女みっちゃんと、アホな少年タケシによる忘れられない夏の冒険譚。大橋ならでは独特でユルいのにヤ
『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ/講談社) アメリカ海軍第7艦隊所属となった日本初の原潜「シーバット」は、海江田の指揮のもと高知県足摺岬沖での試験航海に臨む。しかしその途中、海江田は突如艦内で全乗員と共に反乱を起こし、音響魚雷で米海軍の監視か
『ババンババンバンバンパイア』−−−奔放な発想が生んだ新ジャンルのラブコメディ漫画。これぞ多様性、これぞ自由、あらゆる壁を突き破った結果!
『ババンババンバンバンパイア』(奥嶋ひろまさ/秋田書店) 多彩なジャンルの枠を超えた、クスリと笑える自由な一作 時代は多様性である。年齢、国籍、性別、人種、民族……あらゆる枠組みを超え、互いに受け容れ合う。多様性を認めなければ、逆に冷遇され
『私のアリカ』――アイドル失踪を追うミステリーにオーディション裏の戦いの熾烈さを掛け合わせた展開で読者を華麗に翻弄
『私のアリカ』(原作・藤沢もやし、漫画・隈屑。/講談社) ひと筋縄ではいかないアイドル業界を舞台にしたミステリー アイドルを扱ったマンガ作品と聞かれた場合、テレビアニメ第1期が好評ですでに第2期制作も発表されている、ここでもかつて取り上げた
『てるみな』……『ぱらのま』の前日譚的作品で描かれる奇々怪々な鉄道旅物語
『てるみな』(kashmir/白泉社) 孤高の鉄子な“鉄猫耳”少女が、現実ベースの架空世界を走る電車に乗り、ゆるりとお出かけする様を描く異色の鉄道漫画『てるみな』。作者・kashmirの出世作となった『ぱらのま』(白泉社)の前日譚的作品は、
『無職の学校~職業訓練校での200日間~』“働く”ことにいま一度向き合う……社会派マンガの注目作
『無職の学校~職業訓練校での200日間~』(清家孝春/小学館) 「人に助けてもらうのは訓練校(ここ)で最後にしたい」――“職業訓練校”の門を叩く人々 「職業訓練校」という施設がある。失業して求職中の人や、新たに職業に就こうとしている人などが
『山口つばさ短編集 ヌードモデル』不意に生まれる恋心、恐ろしき性、ゴールのない恋愛。青春を切り抜いたエモい物語集――
『山口つばさ短編集 ヌードモデル』(山口つばさ/講談社) 思春期ゆえの性や、終わりのない恋を描いた心揺さぶる物語 思春期真っ只中の若者は無敵である。 思春期特有の思考に行動、過ぎてしまえば思い出すのも難しい。自分次第で何者にでもなれると思え
『アンダーカレント』が「映画以上に映画的」であると称される理由とは――
『アンダーカレント』(豊田徹也/講談社) 2004年から「月刊アフタヌーン」(講談社)誌で連載開始され、2005年には単行本(全1巻)も発売された、豊田徹也の漫画『アンダーカレント』。2009年の「Japan Expo」で第3回ACBDアジ
『あさがくる』タカラジェンヌへの夢が絶たれた女性の再起を描く
『あさがくる』(ほそやゆきの/講談社、『夏・ユートピアノ』収録) 漫画家・ほそやゆきのによる『夏・ユートピアノ』には、表題作とともに、「アフタヌーン四季賞」2021春のコンテスト四季大賞受賞作で、宝塚音楽学校の受験に失敗してしまった19歳の
『ボクとキミの二重探偵』クセ強めなキャラクターが紡ぐミステリーに“沼る”――読むほどにこだわりを感じる作風がじわる
『ボクとキミの二重探偵』(原作・辺天使、漫画・津田穂波/集英社) コミックス1冊分で読者に仕掛ける構成が豪胆&痛快 過去から現在に至るまで、実に数多くの探偵作品が誕生しており、近年ではそのバリエーションも多岐にわたっている。少し本題からそれ
『ふたりソロキャンプ』野営を愛する野暮男と、ド素人キャンパーの女子短大生が織りなすキャンプ漫画
『ふたりソロキャンプ』(出端祐大/講談社) 孤独を愛する“おっさん”ソロキャンパーと、ソロキャンプ素人な女子短大生の凸凹コンビが繰り広げる、ちょっぴりコミカルなアウトドア漫画『ふたりソロキャンプ』。年齢、性別、キャンプ歴を問わず楽しめる作風
『盆の国』“おしょらいさん”はなぜ盆にだけ帰ってくるのか――“ひと夏の不思議な冒険”に想う
『盆の国』(スケラッコ/リイド社) 「もうずっとお盆のままならええのに」――“おしょらいさん”と囚われた8月15日 お盆にはご先祖様があちらの世界「常世」からこちらの世界「浮世」に帰ってくる。送り火を翌日に控えた8月15日。お盆の間だけご先
事件に翻弄される人々の心理を見事に描いた力作。「明日は我が身」を忘れるなかれ——『ROUTE END』
『ROUTE END』(中川海二/集英社) ※ややネタバレあり 多彩な事件における被害者・加害者の心理を丁寧に描いた秀作 治安が良いとされる日本においても、日々どこかで事件は起きている。 全ての人が被害者にも加害者にもなり得る。あらゆる事件
戦争とは?平和とは?考えるきっかけをくれる、おすすめ『戦争漫画』7選
「戦争漫画」とは、軍事行動や戦闘を直接描いている漫画、もしくは戦争によって起こる人間の営みの変化を扱った漫画作品です。 戦争とは軍事力を用いて様々な政治目的を達成しようとする行為(行為説)、または用いた結果生じる国家間の対立状態である(状態
超人主人公は歴史を変えることができるのか?なぜ日本が戦争に突入したのかを克明に描き出す『アルキメデスの大戦』
『アルキメデスの大戦』(三田紀房/講談社) 元東京帝国大学生で数学の天才、櫂 直(かい ただし)は山本五十六海軍少将に請われ、主計少佐として海軍に着任。目的は巨大戦艦大和の建造計画を阻止すること。不当に安い見積りを業者に作らせ強引に造船計画
軽やかな筆致と漆黒のコントラストに引き込まれる。町田洋の9年ぶりの新刊『砂の都』
『砂の都』(町田洋/講談社) 以前紹介した『夜とコンクリート』(祥伝社)の町田洋が、2023年5月23日に発売した最新刊『砂の都』。人の記憶が建物となって建つ不思議な砂漠の孤島に住む青年が、いつも新しい建物が建つと見に来る少女と出会ったこと
一歩踏み出す、その「きっかけ」テレワークから始まる、もどかしい大人の恋模様『テレワァク与太話』
『テレワァク与太話』(山田金鉄/講談社) 「そんなばかげた話と思われましょうが」出会いのきっかけは“素敵なお庭” 「素敵なお庭。まるで楽園やわ」。若白髪と目元の濃いクマにそのハードワークぶりが見てとれるシステムエンジニアの三橋残は、会社に命
一念発起で事件を追う決意をした芸能記者……報道のあり方に一石投じる作風が静かで熱い――『ジドリの女王 ~氏家真知子 最後の取材~』
『ジドリの女王 ~氏家真知子 最後の取材~』(トウテムポール/講談社) 信念に基づき仕事とひたむきに向き合う主人公の姿に魅了 皆さんは「地取り」という言葉を知っているだろうか。警察ものに触れたことがある人ならわかると思うが、地取りは事件現場
野球が大好きなコたちのリアルな女子高校野球漫画『八月のシンデレラナインS』
『八月のシンデレラナインS』(原作・Akatsuki、漫画・星野倖一郎/秋田書店) 女子高校野球を題材にした『八月のシンデレラナインS』は、女子高校野球部が「初の甲子園出場」を目指すゲーム『八月のシンデレラナイン』(アカツキゲームス)からの
野球が大好きなコたちのリアルな女子高校野球漫画『八月のシンデレラナインS』
『八月のシンデレラナインS』(原作・Akatsuki、漫画・星野倖一郎/秋田書店) 女子高校野球を題材にした『八月のシンデレラナインS』は、女子高校野球部が「初の甲子園出場」を目指すゲーム『八月のシンデレラナイン』(アカツキゲームス)からの
ある家の間取りにある“異常”……好奇心が行き着く先にあるのは――『変な家』
あなたは、この家の異常さがわかるだろうか――オカルトライターが気になった“変な家” 「ほら ここ。謎の空間があるんです」。 オカルト専門のフリーライターとして活動する「私」は、近々子どもが生まれる知人から、購入を迷ってい...
不思議な能力と類い希な推理力で事件に挑むバディ・ミステリーは本格的かつ挑戦的――『ギフテッド』
ヒットメーカー・天樹征丸(樹林伸)&『なかよし』が送る意欲作 「ギフテッド」とは、生まれつき突出した才能や能力を持っている人や、人並みはずれたIQ(知能指数)・知能を有している人を指す。エンターテインメントでも題材として...
女子高校野球の夢を描く『花鈴のマウンド』……合言葉は「女の子だって甲子園!」
漫画誌やネットではなく、女子高校野球の現場から「女子野球を広めたい」と生まれた異色作品『花鈴のマウンド』。「女の子だって甲子園!」を合言葉に、無名高校から全国を目指す女の子たちが奮闘する、今どき珍しいほど純粋な青春ストー...
復讐を遂げるべく1人の女が歪な家族を乗っ取る恐ろしい物語。あなたの家族は大丈夫?――『ハッピーファミリー 復讐のレンタルお母さん』
母親レンタルサービスを利用した、相手を内側から破壊する復讐譚 創作の世界で復讐という言葉はよく聞くが、その方法は多彩である。 多くの場合、二次元でも耐え難い残酷な方法が用いられ、読む者にスカッとするような爽快感を与える。...
人生でもっとも多感な時期に知る、「自己と他者の境界線と不条理」を描く「神様」(『心臓』収録)
『ぷらせぼくらぶ』の奥田亜紀子が、前作から6年ぶりに出した作品集『心臓』。「このマンガがすごい!2020」(宝島社)オンナ編の第5位にもランクインした本作の収録作のなかから、片方が事故で植物状態になってしまった「双子」の...
本&マンガ好きの“あるある”誘う……新古書店での楽しさと可笑しさ描く『新古書ファイター真吾』
気になっていた本を発見! だが……まだその時ではない――“新古書ファイター”の日常とは 比較的新しい本が多く流れ、均一棚へのシステム的な値下げも頻繁に行われる――それが大手チェーン「ブックエフ」を代表とする、新しいスタイ...
マンションの支配者が課す不思議なルールに翻弄される住人たち。不気味な笑顔に隠されたオーナーの真実とは、謎が謎を呼ぶ奇妙な物語――『グリマス』
日本には、「笑う門には福来る」ということわざがある。 「笑いが絶えない家には自然と幸福が訪れる」ことを意味する。争いを避けるため、印象を良くするため、気分を上げるため、とりあえず笑っていようと考える人も多いのではないだろ...
不死の少女と死に損なった男が向かう先とは? 渾身の日本刀アクション&悲壮感あるドラマがキラリ――『勇気あるものより散れ』
予測不能かつ怒濤のストーリー展開に読む手が止まらない 時は明治時代。不死の運命に抗う少女・シノと死に場所を求める元会津藩士の鬼生田春安(おにうだ・はるやす)、斬り合いの末に春安がシノの眷属となったことから物語は始まる。ふ...
ここ数年で大きな盛り上がりを見せる女子高校野球を題材に、萌え+ガチなスポ根をリミックスした骨太野球漫画『球詠』(芳文社「まんがタイムきららフォワード」連載中)。ヲタク漫画系に思われがちながら、野球経験者層からも幅広く支持...
母娘ふたり旅のリアルな珍道中に背中を押される『母といろんなところにいってきました』
『旅の手帖』(交通新聞社)などで活躍するイラストレーター・さとうみゆきが、母娘ふたり旅の珍道中を全ページオールカラーでユーモラスに綴ったコミックエッセイ『母といろんなところにいってきました』。東京都浅草や神奈川県横浜・鎌...
切なくも悲しい問題作『GUNSLINGER GIRL』が不朽の名作であるわけ
「月刊コミック電撃大王」(KADOKAWA)で2002年から2012年まで連載された『GUNSLINGER GIRL』は、闇組織が暗躍するイタリア裏社会を舞台に、対テロリスト機関の戦いを描くガンアクション漫画。一部では社...
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