東京二期会「カルメン」(2月23日)
国内オケから引くて数多(あまた)の沖澤のどかをピットに迎えたビゼー作曲の歌劇「カルメン」である。なので期待に胸を膨らませて臨んだのだが、二幕後半のセキディーリアまでは全くつまらなかった。その原因は明確で、レチタティーボ、あるいは台詞を全く取り去るという、まるでCDでハイライト盤を聞いているようなその構成にあった。ここまでの音楽ではそれらを取り去るとストーリーがほぼ消え去るのでオペラとして成立しないのである。正直こんな退屈なカルメンは初めてだった。しかしそれ以降は歌詞がストーリーを語る部分の出てくるのでようやくドラマが成立して少しはオペラらしくはなったのだが、歌唱が皆スケール感に乏しく、血湧き肉踊る「カルメン」にはなりようが無かった。そんな中ではミカエラを歌った宮地江奈の切々とした歌唱は印象に残った。カルメ...東京二期会「カルメン」(2月23日)
2025/02/23 21:38