藤原歌劇団「劇場のわがままな歌手たち」(4月22日)
藤原歌劇団の2023年シーズン幕開けはドニゼッティの佳作「LeConvenienzeedinconvenienzeteatrali」である。プログラム上では「劇場のわがままな歌手たち」と意訳されているが、嘗て東京のオペラシーンの一翼を担っていた東京オペラ・プロデュースが「ビバ・ラ・マンマ」というタイトルでしばしば舞台にかけていたことが懐かしく思い出される作品だ。今回はリコルディのクリティカル・エディションを基本としつつ若干に加筆を施したオリジナル版での公演で、松本重孝による新プロダクションである。劇場の舞台裏のゴタゴタを面白おかしく描いた小喜劇だが、総監督の折江忠道がプログラムで述べている通り、そこには感動的な筋も無いし、唸らせる歌もないので、歌手たちは裸の「孤軍奮闘」で勝負しなければならない誠に難しい作...藤原歌劇団「劇場のわがままな歌手たち」(4月22日)
2023/04/22 18:42