理系考古学者の卓見
「考古学を科学する」という本(2011年 臨川書店)で中條理一郎氏が書かれている「はじめに」の内容に驚いた。 「はじめに」であるが7頁と長く、しかもその内容が考古学に関しての文科系と自然科学の考え方の大きな違いのみならず、広く学問一般に通じる問題点を指摘する一大論文になっているからだ。 「持続可能性」が社会経済制度や環境問題に広く通じる言葉になっているのと同じような印象を受ける。 一部を紹介する。以下引用 今から40年ほど前に、大学紛争で多くの大学が荒れたことがある。 その時、紛争学生の間でバイブルのように読まれた羽仁五郎の「都市の論理」という本があった。学生の考え方がわからないのでは、紛争へ…
2022/05/29 19:00