花より男子の二次小説。つかつくメインのオールCPです。
Take a look at me now. 29「やっぱり、バカ男じゃないの!」「牧野!」「美作さんは黙っててよ!お見合い相手があたしだって知ってていきなり断るなんて酷いと思ったけど、本当はあたしだって知らないで、あたし以外の女とお見合いして結婚するつもりで、ここまで来たってことでしょ?!こんなことされたら、いくら自分の為の五年間だったとしても、何でここまでやってきたのか分かんなくなるわよ!それなのに、なんであたしが類...
Can we get back together? 後書き&お知らせ
Can we get back together? 後書き&お知らせ「Can we get back together?」をお読みいただきまして、ありがとうございます。題字の通り、「私達やり直せる?」でした。流石に誕生日は忘れてないと思います。笑1話から3話まで司くんはとにかく「いつも」を言い続けてますが、それは司くんが仕事を頑張っているからこその「いつも」が送れているとは思います。でも、その仕事も「いつも」誰かが支えてるんだよって...
Take a look at me now. 28「……牧野?」牧野が、いる。何年振りだ?二年?三年か?めちゃくちゃ怒っている顔をしているが、一目見て改めて牧野に惚れたままだと自覚する。牧野は淡い青色のふわふわとしたワンピースに白いカーディガンを羽織っていて、今まで一度も染めたことのないだろう艷やかな黒髪は最後に見たときより長くなっていた。小さなパールのイヤリングが牧野が動く度に耳の下でゆらゆらと揺れている。やはり忘れるこ...
Can we get back together? 4 (完)
Can we get back together? 4つくしちゃん、元気な赤ちゃんを、産みましょうね?「……あ?」待て。誰が?赤ちゃんを?産むって?つくしちゃんって、牧野だよな?つくしちゃんが子どもを?誰の、子どもを?俺か?俺しかいないよな?俺の、子ども?「……牧野!」牧野はどこに行った?!ぽかんとしていた俺を置いて女三人はとっくに書斎を出て行ったらしく、あたりを見回しても、もう誰もいない。慌ててババアの書斎を出る。そこら辺に...
Take a look at me now. 27社長就任が発表されてからの一ヶ月は特に忙しかった。連日、取引先への挨拶回りにパーティーへの出席。パーティーでは、どうしてもと頼まれて取引先の令嬢をパートナーにすることもあったが、基本的には日本に来てから秘書になった西田を連れて行く。牧野以外の女は、触るだけでも鳥肌が立つ。気持ち悪い。あきらたちも会社に挨拶に来たが、挨拶だけで余計な話はせずに終わった。本当に忙しかったし、牧...
Can we get back together? 3「副社長」 朝イチ西田。 寝起き早々から牧野がいない事実に打ちのめされる。 やはり夢ではない。 牧野はいない。 「さすがに起こすところからとは思いませんでしたが」 「朝からうるせぇな!」 「朝一人で起きられないようでは牧野さんに捨てられても仕方ありませんね」 「捨てられたとか言うな!まだ捨てられたか分かんねぇだろ!」 「おやおや。まるで子どもですね、司坊っちゃんは」 西...
Take a look at me now. 26牧野とはNYの道明寺邸で再会したあと、またパッタリと会えなくなった。同じNYにいるのに、意味が分かんねぇ。メールはまた毎日来るようになったけど、添付されてる写真に写ってる、牧野の隣に並んで顔を寄せて肩組んでる金髪野郎は誰だ。牧野は翌年の五月に留学を終えて日本へ帰って行った。結局牧野は、大学三年生の一年間をほぼアメリカ留学で過ごしたことになる。なのに、会えたのがあの一回だけって...
Can we get back together? 2ジュエリーチェストの上に置かれていたモノ。それは、土星のネックレスとミラノで渡したダイヤの指輪だった。本気だ。牧野は本気で俺と別れるつもりで、この家を出て行った。でも待て。喧嘩したのは昨日の朝だ。なのに翌日から有給?いくらなんでも俺の秘書をやってる限り、突然の有給は取れない。前から有給申請をしていたことになる。でも、荷物はどうした。仕事中に業者に運ばせた?一緒に暮らして...
Take a look at me now. 25「と言うことでね、去年の夏から日本の道明寺邸で過ごしてたの」あっけらかんと言う牧野。そんなことを考えていたとも知らなかった。俺と、俺の側にいたくて?それなのに待たないと決めて、ババアに啖呵切って何やってんだコイツ。約束をしてないとはいえ、四年間どうするのかと思えば、まさか牧野からこっちに飛び込んでくるとは。そこまで想われていることを知って顔がニヤける。「それからすぐに道明...
Can we get back together? 1朝、喧嘩をした。いつものことだけど、いつもと違うことがあったとすれば、一つ。「もういい、別れる!」牧野にそう言われたことだった。今まで数え切れないほど何度も喧嘩をしてきた。それでも、この言葉だけは言わなかったのに、初めて出た言葉。その時は俺も激昂してたから気にも止めなかったし、なんなら、「そうかよ!じゃあ別れるか!」なんて言い返した。そう、売り言葉に買い言葉のように。牧...
Take a look at me now. 24「会長、奨学金の話は辞退させてください。五千万もいりません」「あら?金額が少なすぎたのかしら?大人しい顔をして随分と欲張りなのね」なんで、この人は道明寺の母親なんだろう。どうしてこんなことが言えるのだろうか。大企業の偉い人にでもなると、こうなってしまうの?道明寺。あなたの母親がこんな人だなんて、かわいそうだと思うし、あなたにはこんな人になって欲しくない。「会長。私は家族が...
Take a look at me now. 23牧野はテーブルに二人分のコーヒーを置くと、また当然のように俺の隣に座る。コーヒーを一口飲んでみれば、懐かしいタマの淹れたコーヒーと同じ味がした。やはり牧野は日本の道明寺邸にもいたのだろう。でなければ、この味は出せない。「もう早く話してくれ。この二年で牧野に何があったのか」「うん、二年前に道明寺がアメリカに行って日本にいなくなってからなんだけど……」ーーーーーー二年前。道明寺...
Take a look at me now. 22「ということで、おばさまが話しても良いって。そのつもりなら言ってくれれば良いのにね」あのババアと普通に話してたぞコイツ。今日は休もうと思って邸に来たのに、休めそうな気がしない。ただでさえ疲れているのに、この意味の分からない状況に思考回路も止まりそうだ。「その前にご飯食べようよ。お腹空いたよ。ほら、腹が減っては戦はできぬって言うじゃん」飯に戦だと?牧野はこれから戦うつもりな...
Take a look at me now. 21全てを食べ尽くされそうな程の、深いキス。口の中を余すところなく、味わされる。あたしは食べ物じゃないんだけど!なんて、あとになって冷静になった時に思ったけど。この猛獣のように噛み付いてくる男に、恋愛経験のないあたしは為す術など何もなく。とにかく、あたしも道明寺を感じたかったし、道明寺もあたしを求めてくれている。付き合ってないとか、付き合ってるとか、今はそんなの関係なくて、た...
Take a look at me now. 20クソッ!あのババア、めんどくさそうな案件を持ってきやがって!最近、牧野に全く連絡が出来ない。牧野からも毎日のように来ていたメールが半年ほど前から、ほとんど来なくなった。牧野から来るメールには、その日の天気だったり、弁当の中身だったり、友達の話、家族の話。日本にいた頃と変わらない日常。それが毎日の楽しみだった。俺は大学を一年スキップしてMBA取得の為に昼間はNY支社で仕事をしつつ...
Take a look at me now. 19それからの一ヶ月は、あっという間だった。あたしの誕生日には、またみんながパーティーと称してどんちゃん騒ぎ。誕生日を祝う名目で騒ぎたいだけだった気もするけど。年末年始も結局みんなで集まって賑やかに年越しをして、初詣に行ったりして過ごした。あれからの道明寺とあたしは、友達以上恋人未満って言葉がピッタリな関係だと思った。お互い好きなのに、付き合わないとか意味わかんない!って滋さ...
Take a look at me now. 18 結婚。 その言葉に涙も引っ込む。 「……それは、ちょっと」 「ああ?!お前、俺が好きだけど結婚出来ねぇって、そんな軽い気持ちだったのか?!」 「な、そう、そうじゃない!そうじゃないけど、いきなり結婚って、」 「俺はずっとそのつもりはあった」 「……自分だって、つもりなんじゃん」 「ごめんな」「何のごめんなのよ。こんな勢いで結婚なんて出来ないよ」「おう。四年後な」「もう!待た...
Take a look at me now. 17「あたしは、待たない」そう言った時の道明寺の顔は、無表情で、なんの感情も見えなかった。「……そうか」「あたしが、いつまでも大人しく、四年間も待ってるわけないでしょうが」「は?」途端にポカンとした顔の道明寺。こんな顔、他の誰かにも見せたことあるのかな。ないと良いな。「本当に四年で日本に帰ってこられるの?」「……なに?」「道明寺こそ、四年も待てる?」「牧野?」「四年経って、いい女...
Take a look at me now. 16あたし、さっきのがファーストキスだったんだけど?!戸惑うあたしに構うことなく、道明寺に何度も口付けをされる。歯列を舐められ、舌を吸われる。逃げれば追いかけられる。知らなかった。キスがこんなに気持ちいいなんてこと、知らなかった。どうしたらいいのか分からなくて、道明寺の服にしがみつく。「……ん、ふぁ…」声が自然と出てしまって恥ずかしい。道明寺の手は、温かい。ドレスの丈も短いから、...
Take a look at me now. 15俺が助けた?牧野が高校生の頃ってことは、少なくとも一年以上前だろうか。「……それ、何年前だ?」「あたしが高校二年生の頃だから、もう二年は経つかな……」二年前……。俺が高校三年生くらいか。その頃はババアに大学生になったら仕事を始めろと言われ、アメリカの大学への編入も勝手に決められたり、とにかく自分の意志など無視されていて。かと言って、やりたいことも何もなく、漫然と日々を過ごしてい...
Take a look at me now. 14まだ酔いが残ってるのか、少し赤らんだ頬に、零れ落ちる涙。なんで泣いてるのかと聞けば、俺を見つめる。本当に綺麗だ。全てが綺麗で、こわい。その素直さも、真っ直ぐなところも、輝く瞳も、何もかも。この綺麗な牧野を、誰にも汚されたくない。誰かのものになる前に、牧野が、欲しい。牧野を、俺のものにしたい。「……っ、んぅ」背中を擦っていた手はそのままに、唇を合わせたまま動けないように牧野の...
Take a look at me now. 13外に出て歩いてみれば、集まる視線。桜子と滋さんも着替えていて、普段着とは違う着飾った二人は、とても様になっていて綺麗だ。こりゃ視線が集まるのも無理はない。この人たちは、いつもこうやって視線を浴びながら生活しているのかと、ほとほと感心する。そして連れて来られたのは「ホテルメープル東京」。このメープルホテルは日系ホテルの中でも海外進出をした先駆けとして有名だ。特にここ「ホテル...
Take a look at me now. 12銀杏並木に紅葉。今年も秋の紅葉がきれいだな、なんて思ってたのに、あっという間に冬が来て、すぐそこにクリスマスが迫っていた。ハァ、と手に息をかけると寒さで白くなった空気は冷たい風に飛ばされて、あっという間に見えなくなる。朝晩の冷え込みも厳しくて、日中も凍えるような寒さが続く。それでも昨日は冬日和で暖かかったからと、今日も薄手のコートを着てきたのは失敗だったなぁと足早に駅へと...
Take a look at me now. 11あれから根掘り葉掘り聞きたがる桜子たちや、話を聞いた滋さんを誤魔化すのも大変になってきた。いや、別に隠すことじゃないんだけど。図書室のことは二人だけの秘密っぽくて、みんなには知られたくなかっただけ。なのに、道明寺は大学に来ていないみたいで、もう一ヶ月は会っていなかった。図書室の、道明寺がいつもいるソファに座り体を傾け、肘掛けに頭を乗せて目を閉じる。道明寺のコロンの香りを、...
Take a look at me now. 10「道明寺さんのお母様に会った?!」「うん。お母様と秘書さんに名刺もらったよ。びっくりしちゃった」「先輩!あなた、何をそんなに平然としてらっしゃるんですの?!」桜子の珍しく興奮したような口調と表情に驚きつつも、出会った経緯から話す。「先輩、あなたって人は……。人助けも大概にと思っていましたけれど、まさか……」「なんだ?どうした?」そこに西門さんと美作さんが揃って来たけれど、珍し...
Take a look at me now. 9夏休みも長いようで、あっという間に終わってしまった。夏休み中は夏期集中講義に出てレポートを書いたり、たまにボランティア活動をしたり。あとはほとんどアルバイトをしていたけれど、滋さんや桜子、美作さんたちが一緒にとプールや別荘、海にも連れて行ってくれた。お金がないからと断ることもあった。それでもたまに彼らは強引なことも多々あったが、みんなが連れて行ってくれる所は初めて訪れる場所...
Take a look at me now. 8 俺が不愉快に?それに馴れ馴れしく話しかけません、近付きませんって何だ?彼女は本当に俺の言ったことを理解したのか?なんだ?なにが彼女にそう思わせた?牧野と類の親密そうな雰囲気を見るのが嫌で、最近は大学に来ても講義以外の時間は図書室に籠っていることが多かった。いつものソファで考え事をしていると、いつもは静かな外に人の気配がして窓から覗いてみれば、牧野と見知らぬ女が三人。牧...
Take a look at me now. 7あれから頻繁に構内で美作さんと西門さんに声をかけられるようになった。そしてお昼休みには、いつもラウンジのカフェへと連れて行かれる。花沢類もカフェにいることが多くなったのは、たぶん非常階段は外にあるから夏は暑くて嫌なんだろう。すると、桜子もお昼休みはここに来るようになり、暇な時は滋さんも来る。彼は、道明寺司は相変わらずあまり来ることはなく、来てもほとんどあたしとは話さなかった...
Take a look at me now. 6隠すつもりだった。だって、あまりにも世界が違う人だし。どうしようもなく埋められないものが、この世にはあるのだ。それなのに!滋さんと桜子の前に、そんなあたしの道明寺司への想いを隠そうとした努力は無駄に終わった。あれから何回かカフェで会って話しているうちに、少しずつ少しずつ情報を引き出され、気が付けば好きな人が道明寺司だと知られてしまった。今日も外は暑いから嫌だと桜子に連れて来...
Take a look at me now. 5「もちろん!よろしくね、大河原さん!」そう言って友達になったらしい、滋と彼女。満面の笑みとは、このことを言うのだろうと彼女の笑った顔を見て、初めてそう思った。まるで大輪の花が、そう、向日葵が咲いたような笑顔だった。かわいいと、もう一度あの笑顔が見たいと女に対して思ったのも初めてだ。女三人のやり取りを意味も分からず見ていたが、彼女は俺の周りにはいなかったタイプの人間のようだ。...
Take a look at me now. 4気が重い。それでも一方的に告げられたことを無視することも出来ず、入学以来二度目のラウンジへと向かう。ハァーっと大きなため息をついて、ラウンジに一歩足を踏み出した、その時。「つくしーーー!」カフェの二階から大河原さんが顔を覗かせて大声であたしを呼んだ。びっくりして思わず後ずさると、ドン、と後ろにいただろう誰かとぶつかってしまった。「ごめんなさい!」と慌てて振り返れば道明寺司?...
Take a look at me now. 3慌てたように図書室から出てきた彼女。髪の毛を靡かせながら走る姿を、ただ見ていた。図書室で彼女を見つけた時、腕を枕にうたた寝をしていて、その瞳を見ることが出来なかった。椅子を持ってきて彼女の正面に座る。机の上にはレポートを書こうとしていたのかノートや資料が広げられていて、彼女の使っていただろうペンを手に取りくるりと指先で回す。彼女の瞳がもう一度見たい。なぜ一度も話したことのな...
Take a look at me now. 2道明寺司に「初めて」会ったのは高校生の時。和菓子屋さんのバイトの帰りのことだった。いつもより帰りが遅くなってしまって、急いで帰っている途中で酔っ払いに絡まれてしまった。相手が一人だけなら蹴り飛ばしてやるのに、この日は三人に絡まれて逃げられなかった。通りすがりにチラチラと様子を見る人はいるものの、関わり合いたくないと思うのは当然だろう。酔っ払いでも男三人が相手だ。誰も助けよう...
Take a look at me now. 1それは大学二年生の時だった。滋と三条に連れて来られたそいつ。初めて会った彼女の、その瞳を見た瞬間に魅入られて見つめていた。見た目は美人ではないけれど可愛い顔立ちに、その大きな黒い瞳は、なぜかとても魅力的に映った。初めて会った時はなぜか睨まれたけれど、それでもそんな些細なことは気にならない程だった。そして会う度に彼女に惹かれていった。今時にしては珍しく自分よりも他人を思いやる...
次のお話のお話。(2022.12.01)こんにちは、はらぺこ02です。当ブログにお越しいただきまして、ありがとうございます。一週間お休みありがとうございました。お休みしていた一週間、休めたかと言えば休めませんで。「Call out my name. 後書き」の翌日から、土日を挟んで二度に渡る学級閉鎖がありまして、昨日まで子どもがずっと家にいました。もう二学期入って五回目の学級閉鎖に笑いしか出ません。ははははは。我が子も熱は...
「ブログリーダー」を活用して、はらぺこ02さんをフォローしませんか?