ヒジュラ暦（イスラーム暦）と各月の祝祭日について。

イスラーム圏に行く際に参考になればと思い、イスラーム諸国で採用されている暦である「ヒジュラ暦」についてと、主要行事の日程をまとめました。 ヒジュラ暦とは？ ヒジュラ暦とは、イスラム諸国で採用している宗教的な暦です。預言者ムハンマド様（かれの上に平安あれ）の、マッカ（メッカ）からマディーナへのヒジュラ（聖遷）の年（西暦622年）をその紀元元年としています。欧米では略してA.H.（ラテン語のAnno Hijrae）であらわされます。ただし、ほとんどのイスラーム諸国では公式の暦としては西暦を用いており、宗教行事のみヒジュラ暦で行われることが多いです。 太陰暦を採用している 月の満ち

イスラームにおける挨拶とは、祈りである。

世界中のムスリムがよく使う、アラビア語の表現をまとめてみました。 イスラーム圏を旅行する機会があれば、よろしければ使ってみてください。 言われた相手はきっと、「イスラームの挨拶を知っているんだ！」と嬉しく思うことでしょう。 السلام عليكم アッサラーム アライクム 「あなたの上に平安がありますように」 ムスリム（イスラーム教徒）の挨拶であり、アラビア語圏でなくとも全世界のムスリムが知っている言葉。日本語でいう「こんにちは」のように、朝、昼、晩いつでも時刻に関係なく使われます。別れる時の「さようなら」にも使うことができます。 初めてこの言葉の意味を知った時、「挨拶の言葉が

ラマダーン月とサウム（斎戒）について。

ラマダーンの月こそは、人類の導きとして、また導きと（正邪の）識別の明証としてクルアーンが下された月である。それであなたがたの中、この月（家に）いる者は、この月中、斎戒しなければならない。 （途中略）これはあなたがたが定められた期間を全うして、導きに対し、アッラーを讃えるためで、恐らくあなたがたは感謝するであろう」 《クルアーン第2章185節》 ラマダーンとは何か ラマダーンは、イスラーム暦における太陰暦の9番目の月のことを意味しています。太陰暦とは月の満ち欠けの周期をもとにした暦で、一年が354日となるので、太陽暦の1年である約365日より11日短くなります。そのため、ラマダーンは

サウム（斎戒）とは何か。

サウムの意味 夜明け前（ファジュルのアザーン※の時間）から日没（マグリブのアザーンの時間）まで、飲食や性交・その他のサウムを無効にする物事を控え、自らに禁じることで、アッラーを崇拝すること。 ※アザーン：礼拝への呼びかけ サウムの良さ ・義務とされていることを行い、禁止されていることを避けることによって、アッラーを意識する気持ちを強くする。 ・自らを規律づけ、欲望を抑制することを教えてくれる。 ・責任を全うし困難に耐える訓練を施してくれる。 ・同胞の痛みを分かち合う心を養う。そしてそれにより、貧者や困窮者への善行や奉仕へといざなう。 ・魂を浄化し、卑しい性格や悪徳などを

ラマダーン月の後半には、1000の月にも優ると言われる1晩が潜んでいる。

4月13日にラマダーンが始まりあっという間にその3分の2が過ぎようとしています。日本では、本日5月2日の日没からラマダーン最後の10日間に入ります。 この10日間の奇数日のうちのどれか1日に、ライラトルカドルلیلة القدر（みいつの夜）と呼ばれる1年のうち最も恵み深い夜が潜んでいます。 実にわれら（アッラーのこと）はそれ（クルアーン）をライラト・アル＝カドゥルに下した。そしてライラト・アル＝カドゥルとは何か？ライラト・アル＝カドゥルとは、1000の月にも優るもの。（その夜）天使たちとジブリールはその主のお許しと共に、（その年にアッラーがお定めになった）全ての諸事のため降臨する