【第六話】川を流れるもの
ある男がよ、山ん中さ入っで、川さ罠仕掛げだのす。 しばらぐ山のもの採っだりして時間を置いでさ、まだ戻って来たのす。 罠に引っかかっだ魚っこ見るべって近づいたらよ、太くて長ぇ綱よんた物が岩さ引っかがっでらのす。 恐る恐るそばで見るど、表面は滑らかで、白っぽくてぶよぶよしてらんだ。 まるで豚や牛の腸みたいなのだったのす。 男は気味悪くで、川さそのまま流すべって、近くさあった木の棒で岩がら剥がしだのよ。 その気味悪ぃ綱みでのは、そのまま流れでったのす。 流れが緩やかなとごろに差し掛かっだどぎ、そごに三人の童ど一人の先生が川遊びしてらんだ。 その綱は、童の一人の方さ泳いでっで、脚さ
2024/05/19 12:51