法律学における理解の足跡

島唄（114）魂の再会

  「初めてパパからホモセクシャルの話を聞いたのは、私が大学二年生の頃でした。同時になぜパパがママと結婚する決意を抱いたのか、それは数年前八丈島転勤時代に知り…

2024/04/28 20:44

島唄（113）上京

  千鶴子が十三歳、中学一年生の秋の事であった。  市内の中心部にあったピアノ教室でのレッスンをすませ、ロータリーに面したバス停に向かうところであったという。…

2024/04/28 07:48

島唄（112）パパ

  カウンター越し、視線の合った秋一は瞬時で彼女の属性を推理し、それから冷蔵庫へと振り向いた。上背はあるが間近で見ると顔から足先までが細身で黒髪のロングヘアー…

2024/04/25 00:33

島唄（111）最後の客、最後の宴

  日曜日の夕方であった。冴え返る肌寒さも感じたが、全体的に街には春の到来を告げる気配が漂い、あと二週間もすれば桜の開花時期となると思うと、秋一はなんとなく嬉…

2024/04/21 08:23

島唄（110）子宮内回帰本能

  多くのお客さんたちが秋一に別れを告げにやって来た。日本屈指のコメディアンS田氏に続いて、元上司である林崎裁判長の暖かい訪問まで受け、秋一は自分の東京生活に…

2024/04/20 07:50

島唄（109）弾劾裁判所

  「家内も最近じゃ、すっかり涙もろくなってしまってな。」  林崎部長は嗚咽をもらす老婦人を横目にカウンターの秋一を見つめた。  「事情は私から話そう。私はね…

2024/04/14 08:12

島唄（108）再会

  直美が帰った翌日の日曜日、秋一は夜六時から店に立っていた。一時間ほどで仕込みを済ませ、八時か九時頃まで店に立ち、後はジョージに任せるのであるから、さほどの…

2024/04/13 22:14

島唄（107）閻魔大王

  秋に医師から節制して余命一年と宣告されて約四か月が経った。その間も通院治療は怠らなかった秋一であり、医師たちからの励ましで延命の期待を十分に胸に刻み込んで…

2024/04/13 08:24

島唄（106）元気でな・・・！

  人気絶頂のコメディアンS田氏がぞっこん惚れ込み再婚相手にまでと考えていた銀座のクラブホステス明美が初めて、風車に顔を出したのは、もう二十年近くも前の話であ…

2024/04/07 07:59