6月30日であろう 〜村娘ファンタジア〜
目の前を歩いてきたお嬢さんの服装が随分と異世界な町娘スタイルで可愛らしかったのでわたしの異世界転生スイッチがONになってしまって、すぐさまSpotifyで「ザ・なつやすみバンド」のファンタジアを再生する。 するとたちまち世界はほんの少しビビッドになって、あらゆるものがキラキラした魔を宿す。意識は現実を理解しながら正しく否定して、あいまいになったそれらに妄想のテクスチャを縫い合わせる。するとだんだんアスファルトを踏む感触がふあふあしてきて、おそらくスーパーを目指していたであろうわたしは目的さえも見失ない、立ち止まり、再考する。 そうだ、明日はカーマの日だからパネの実と葡萄酒を市で買って、それから…
2022/06/30 20:42