春を待つ
ぎぃーぎぃーと流氷が鳴り春を待つ遙か沖一直線の流氷をオホーツク人は待ち焦がれをり・・・・・・・・・・・先週、日本列島は10年に一度という寒波に包まれた。道内でも列車の運休や航空便の欠航が目立ち、事故も多発した。被害を受けた方々にはお見舞い申し上げたい。大寒は過ぎても、節分までは寒の内。用心は怠れない。「たましひの繭となるまで吹雪けリ」斎藤玄。魂が繭の中に籠ろうとするほどの吹雪とは。函館生まれの俳人の句からは、北国に生きるものこそが抱く厳かな冬の感覚が伝わってくる。「繭」は本来夏の季語で、ふわふわとした温かいイメージが付随する。繭からつくられる絹織物は保温性と吸湿性に優れており、肌にも優しい。カイコのように繭に包まれぬくぬくと冬を過ごしたい。ただし、カイコの繭が暖房のためと考えるのは人間の勝手な解釈らしい。...春を待つ
2023/01/31 05:15