セラノス事件をご存じですか?
セラノスは、シリコンバレーで注目されていた医療テックのスタートアップです。 セラノスは「指先から痛みなく抽出した数滴の血液で200以上の病気の診断を行う」という診断サービスを提供するとして、米国の多数の大物投資家から出資を受けていました。しかしそのセラノスの技術は捏造でした。 本書「BAD BLOOD」はこのセラノス事件の闇を暴いたジャーナリスト「ジョン・キャリールー」の著作です。とても面白かったです。 セラノスの創業者エリザベスは女性でYoutubeで検索すればたくさんインタビュー動画が出てきます。 自分のキャラクターをうまく使ってプレゼンをし、多数の投資家が出資し、ドラッグストア・チェーンと業務提携をしました。 資金があるので、創業者は自分に都合の悪い人物(元社員や医療の承認機関など)をすぐに訴えると脅し、社員は簡単に解雇されます。普通の人であれば、裁判をする時間もお金もないので、セラノスと争いません。セラノスの実情がなかなか世間に知れなかったのは、この法的な脅しが原因の一つと思います。 創業者のエリザベスは、すぐに訴えると脅すし、医療診断サービスの経験がない自分の恋人、弟、弟の友
2022/05/31 06:12