言霊
日曜日にあった中学の同窓会での話。数十名集まったのだが、その中に小学生の頃から仲の良かった一人の男がいた。当時、彼は小学生の頃、クラスで唯一の坊主頭で、さらに白木みのる(『てなもんや三度笠』のちんねん役)に感じが似ていたこともあり、ぼくは彼のことを「チンネン」と呼んでいた。ところが、いつの間にかそれが広がり、同学年の誰もが「チンネン」と呼ぶようになった。彼はぼくを見つけると、ぼくの所にやってきた。「おまえが、おれにチンネンというあだ名を付けたんやったの?」「そうやけど」「おまえが変なあだ名つけるから・・・・」その件で、彼は散々文句を言った。文句を言い終わると、彼はかぶっていた帽子をおもむろに取り、ニヤッと笑ってこう言った。「本当にチンネンになったないか」言霊
2024/09/24 21:28