小説 スペースシザース【ss】#21
バクバクと食べて朝食を終え、ごちそうさまも言い忘れたが、食器の片付けはしっかり済ませて、そそくさと自分の部屋に戻った。 慣れないスーツをぎこちなく着て、ネクタイもあれほど練習したのに綺麗に行かなくてイライラしていた。 急いでいればいる程うまく行かないってこの事だよな。 そんな事を痛感しながら着替えを終えて、髪型も綺麗に整えて、玄関まで急ぐ。 玄関の全身鏡を見て、全体を確認した。足元を見ると、俺の靴の横に親父の靴墨と、布巾が置いてある。 ああ。母さんありがとう。綺麗に磨いて、大きな声で言った。 俺「行ってくる!母さんありがとう!!」 駅まで足早に歩き、ホームに着いた。学校に行く時もたまに電車には…
2021/08/31 19:04