ぬくもり(7)
「――なあ。またたまにやって、これ」 高志の呼吸が落ち着くのを待っていたように、しばらく間を置いてから茂が口を開いた。「これ?」「うん」 茂の言葉を理解して、高志は回したままの両腕に再び力を込める。それに頷きながら、茂の手も再びその腕を抱え込んだ。目の前のむき出しの肩に注意を引き寄せられながら、高志は無意識のうちに頭の中の思いを口にしかけた。「もし俺と」「ん?」「――」「え? 何て?」 不意に言葉を止めたせいで、聞き逃したと思ったのか、茂が顔をこちらに向ける。高志は咄嗟に言
2021/05/11 23:06