マルクス剰余価値論批判序説 その9
マルクス剰余価値論批判序説その97、物象による媒介さらに、社会は、物象に媒介されることによって成り立っている諸個人の連関であり、ゲマインシャフト性が人間から疎外されて物象のものとなっている状態である。物象こそがゲマインシャフトをなしており、人間はそれに支配されることによって、間接的に共同存在でありうるにすぎない。この、媒介されている状態を社会とするか、それとも媒介を抽象して単なる諸個人の連関を社会とするのか。ここでもマルクスは揺らいでいる。どちらをも、社会的であると一言うのである。『資本論』においても、社会的であることの曖昧さは、克服されていない。それどころか、さらに混乱が深まっている。まず、商品の価値は、ゲマインシャフト的であるとともにゲゼルシャフト的でもあるような実体の結晶であると言う(14)。これは、商品...マルクス剰余価値論批判序説その9
2021/02/28 15:40