遠恋、美し

遠恋、美し

新幹線に乗った時のことである。 その時は年始の帰宅ラッシュでこだまの上り自由席は座れないのはもちろん、客室内の通路もデッキにも人があふれ出していた。 私もデッキに立って乗車していた。 同窓会に向かうため、ちょっとおしゃれなワンピース(コートを着ているから見えない)を着て、慣れないパンプスをはいていたので、絶対座りたい!と思っていたが、年始の帰省ラッシュはそう甘くはなく。 こだまなら3人席の真ん中一つくらい空いてるでしょと高をくくっていた私は玉砕した。 乗っている時間はそれほど長くないものの、今から出かける私は少しでも体力と足のよい状態を温存しておきたかった。 だから、立ったまま目的地まで行くの…