【平家物語120 第5巻 物怪③】一夜のうちに鼠が 愛馬 望月の尾に巣を作り子を生んだ。占わせると、「重き御慎み」と出た。このような事は、天智天皇の御代に異国の凶賊の蜂起した事が「日本書紀」にある。
入道は愛馬を持っていた。 相模国の住人、大庭《おおばの》三郎|景親《かげちか》が 関東八カ国随一の馬として献上したもので、黒い毛並だが額が少し白い、 そこで望月《もちづき》と呼ばれた名馬である。 清盛はそれが気に入って第一の厩《うまや》に入れ、 馬番を多数つけて大切にしていたが、 一夜のうちに鼠が望月の尾に巣をつくり子を生んだ。 これはただごとではない、と占わせると、 「重き御慎《おんつつし》み」 と出た。さすがの清盛も所有する気になれず、 陰陽師《おんようし》の安倍泰親に与えてしまったが、 鼠が一夜に巣をつくるのは昔にもあった。 少納言のホームページ 源氏物語&古典 少納言の部屋🪷も ぜひご…
2024/09/30 20:27